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隠れた傑作「月夜鴉」にシビれよ!

 2月中旬~4月にかけて、ラピュタ阿佐ヶ谷にて「芸に生きる-映画を彩る芸能・芸術-」が特集される。
e0178641_23343568.png 名作・有名作が何十本も上映されるなか、最初の週に上映される井上金太郎「月夜鴉」(1939年、松竹京都、トーキー)を、当ブログとしては、強力にプッシュしたい(笑)。
 なんせ、特集チラシで、ただ一本、ノーイメージ(紹介スチール写真がない)というフビンな扱い(笑)。
 しかし、その実態は。日本的ラヴコメの大快作。
 かつてフィルムセンターの上映では、最初は予備知識なく見てびっくりし、二度目は確信犯的?に、この傑作を見ようと、再度駆けつけ、親和的な場内の反応に、意を強くしたものです。

e0178641_23351450.jpg 約80年前の映画なのに、いまでもニコニコ、クスクス見られることの奇跡。
 飯塚敏子という、今では、まったく忘れ去られた女優と、高田浩吉の絶対のコラボ。
 飯塚敏子は、当時の松竹京都の人気女優の一人、今では、そうですねえ、溝口健二「歌麿をめぐる五人の女」(1946)で、その一人の女、ということで、かろうじて知られる程度か。いや、知られてもいないか。
 あと、小津安「髭と淑女」助演かな。
 当時は、それなりに人気を呼んだようで、続編も作られている。本作と続編とも、かつて松竹ヴィデオから発売されているようだが、いまだ続編は、見ていない。ゼヒ見たいもの。

 終盤での、子どもをダシにした演出があまりに卑怯(笑)。おそらく世界映画史上、子どもをダシにした映画最強の素晴らしさ(笑)。エンドマークとともに流れる音楽の早回しにも意味があり、ニコニコニヤニヤ必須(笑)。
 アタマから尻尾までおいしい映画なのだ(笑)。
 ゼヒ、だまされたと思って、見ていただきたい(笑)。

 なお本特集には、溝口「残菊物語」と、そのリメイク、成瀬「鶴八鶴次郎」と、そのリメイク、これまた絶品の千葉泰樹「生きている画像」など、絶品作が続出。未知の作品もあり、楽しみ。

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by mukashinoeiga | 2016-02-10 23:40 | 業務連絡 | Trackback | Comments(7)

大曽根辰保「流轉(るてん)」

 京橋にて。「映画女優 香川京子」特集。56年、松竹京都。
 香川京子の初のカラー作品とのこと。きれいなプリント、さすがフィルムセンター、ニュープリント同然。
 井上金太郎「月夜鴉」と、成瀬巳喜男「歌行燈(あんどん)」を、足して二で割ったような物語(井上靖原作、脚本井手雅人)。
 大快作「月夜鴉」では、高田浩吉に「杵屋」家元の娘・飯塚敏子が、三味線のスパルタ式猛特訓。本作では、香川京子に「杵屋」将来の後継者・高田浩吉が、スパルタな猛特訓。香川は、踊りと、のちには三味線も習得する。
 才あるゆえに思い上がった高田が没落、全国を流浪するドサまわり、ここら辺は、やはり大快作「歌行燈」さながら。
 思い上がりの陥穽、ドサまわりの貴種流離譚、やさぐれつつの臥薪嘗胆、そこからの這い上がり、芸道ものの王道ですな。メロドラマの風味が加わり、完璧な感動コース。
 なのに、イマイチ感動がうすいのは、というか、感動がちらりともないのは、凡匠・大曽根辰保の、凡なる手腕のゆえか。あいかわらず、コクもなければキレもない、凡庸な凡作。
 緊張感皆無。水谷浩の、完璧な美術(おそらく松竹京都のオープンセットの、いつもの歌舞伎パーマネント・セットも含めて)もいいのだが、窓の外の江戸市街が、いかにも、つくりの荒いミニチュア市街。日本映画の悪弊は、必ず窓の外に、表れる。
 さらに、高田浩吉が江戸を追われて、街道を歩くシーンに、オフで高田浩吉の歌が流れる、三流映画のつくり。ああ、凡庸を絵に描いて、歌で流して。
 これを思い切りバカにしたのが、鈴木清順「東京流れ者」
 すっかり、おばさんと化した、市川春代。うーん。
というわけで、この映画、見所はないのか。あるんですよ。絶品の香川京子。


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by mukashinoeiga | 2011-11-19 23:26 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

大曽根辰保「歌う弥次喜多 黄金道中」高田浩吉伴淳高峰三枝子シリア・ポール広沢虎造こまどり姉妹

 阿佐ヶ谷にて。「旅する映画 映画の旅」特集。57年、松竹京都。
e0178641_21194515.png ごぞんじ弥次さん喜多さんの、東海道道中すごろく。弥次さん喜多さんには、高田浩吉、伴淳。浩吉うたう歌う。
 伴淳はコメディ担当かと思いきや、一曲、意外な美声?を披露。
 この、ご存知コンビが旅をすりゃ、宿場ごとに、当時の人気歌手、人気コメディアンが、入れ替わり立ち代りで、曲や芸を繰り広げる。そう、もはや、これはドラマなんてものではなく、自由極まりないヴァラエティー・ショーの演芸大会。
 しかも弥次喜多、関西にも足を伸ばすので、関西芸人、吉本芸人を、なんのためらいもなく使い倒せる。撮影が、松竹京都なので、芸人も東京より大阪のが、呼びやすいのは、どうりで。かくて、滅茶食っちゃ、豪華な、芸人・歌手の登場ぶり。
 そのぶん、映画としては、いま見ると、まことに、つまらない。つまり、芸と曲の、お団子串刺し状態で、何の芯も通ってないし、構成もないも同然、凡庸な大曽根演出は、工夫も何もあったモンじゃなく、退屈の一語。
 曲も今に残るヒットもなさそうだし、当代の人気芸人たちも、いつものルーティンを機械的に繰り出すのみ。情熱も、工夫もない、場末の顔見世演芸館のレヴェル。
 だいいち、高田浩吉という、ヨンさまと同じで、ファン以外には何の感興も起こさない、田舎の二枚目で。
 唯一、受けたのが、弥次喜多が舟の中、たぶん駿河の海か、伴淳が浪曲清水の次郎長を一くさり。しかし伴淳は明らかに口パクで、声は広沢虎造だ。
 歌い終わり、伴淳は、今人気の浪曲師の名前を次々挙げていく。そこへ、町人姿の広沢虎造本人が、「一人、忘れてやいませんかってんだ」と、割り込む。なかなか、虎造の名前も出さない伴淳も、ああ、次郎長といえば、虎造だ、と思い出す。「兄さん、江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」「すし、食いねえ。・・・・なに、すし、ねぇ?」
 こまどり姉妹が、それぞれの本名でクレジットされるのは、まだこまどり姉妹としてデヴュー前ということかな。同じメイク、同じ衣装で、登場するので、弥次喜多には、どっちがどっちだか、わからない。観客にも、わからない。
e0178641_21211780.png クレジットといえば、
<おきん シリア・ポール>
 には、びっくり。高峰三枝子(信じられないくらいの美しさ、ヒロイン女優の面目躍如)の、十歳くらいの娘おきん、目鼻立ち区っきりで、色浅黒い美少女、どう見てもインド系の顔立ちだが、日本語は完璧。涼しい優等生歌唱で「とおりゃんせ」を歌う。
 ネットで調べてみると、大阪育ちのインド人、子役として、松竹、日活でそれぞれ数本出演。まあ、たいした映画ではないのは、不運なところ。60-70年代に、TVタレント、ラジオDJで、結構人気があったようだ。ぼくの知らない、最初の「オールナイトフジ」(女子大生番組ではない)とか、「世界歌謡祭」の第3・4回司会者。たぶん、英語で、出演歌手をコールするような役回り?
 週刊プレイボーイでの、細いからだに、ばばんと美乳な、ヌード・グラビアも、ネットで拝める。けっこう人気があったようだ。まあ、あの美貌ならね。
 そして、かの大滝詠一「夢で逢えたら」、数限りない歌手がカヴァーしているこの名曲は、もともとアン・ルイスのために書かれた曲だが、お蔵入り。名曲伝説の始まりは、最初にこの曲をレコードで出した、シリア・ポールからのようだ。このシリア・ポール歌唱も、ネットで聞ける。やはり、涼しい声だ。
◎追記◎


★シリア・ポール グラビア★

by mukashinoeiga | 2010-08-24 22:10 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(2) | Comments(0)