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野田幸男「不良街」松方弘樹菅原文太谷隼人山城新伍有吉ひとみ

いまいちヌルいハンパなコメディ調やくざモノ。72年、東映
e0178641_17233216.jpg 池袋にて「追悼 松方弘樹 演じた! 作った! 撮った! 映画をこよなく愛した最後のスター」特集。
 そもそも親父の方は大好きなのだが、ぼくにはどうも、松方の良さが、ワカラナイ。
 新人の頃は、チャラチャラとした若造で、まあ、アイドル的といっていえないこともない程度。本作のころの青年期は、まあどうでもいい感じで、ぼくのセンサーには、引っかからない。
 実録路線のころの、文太、欣也、弘樹は、言ってみれば勃起した男根のようなぬめりテカリがあり、閉口する。まあ、男が勃起した男根を見て、興奮はしませんわな(笑)。

不良街 (レッツエンジョイ東京HPより)
監督:野田幸男
出演:松方弘樹/谷隼人/山城新伍/有吉ひとみ/津々井まり/水島道太郎/安部徹
製作年:1972 配給:東映
5年前、大柴組の幹部を殺して刑務所入りした伊吹信次が出所した。高層ビルがひしめく新宿の町の変貌に信次は目を見張った。5年の間に暴力団の地図は大きく変り、組も解散し縄張り内にはチンピラがのさばっていた。信次は生きるために自力でのし上っていくより他に方法はなかった。かつての弟分勇に会った信次は、ひとまずその根城に身を置くことにした。
東映にカムバックした松方弘樹の主演作。脚本は『セックス喜劇 鼻血ブー』の山本英明と松本功。監督は『不良番長 口から出まかせ』の野田幸男。撮影は『未亡人殺しの帝王』の山沢義一がそれぞれ担当。(キネマ旬報映画データベースより抜粋)

 もう一つ、コメディアンとしての山城新伍にも、ひかれない。長いセリフの中に、たまに、アドリブなんだろうが、卑怯なくすぐりがあって、つい笑ってしまうのだが、あくまで例外。
 谷隼人も、無駄にイケメンだが、それだけ。恋愛ドラマに主演できないようなイケメンは、はっきり言おう、存在自体が、無駄(笑)。
 こんな頼りない主演グループを、水島道太郎、安部徹が、引き締める安定感。
 なお特別出演で、文太が、松方の兄貴分。ちょっとの出番かと思ったら、最後は松方と殴り込み。東映お得意の「お前ひとりは、死なせはしないぜ」だが、文太に池部良の貫禄があるでなし。
e0178641_104921.jpg ヒロインに、これまた珍しい、当時のTV女優の有吉ひとみ。若いのに落ち着いて、若いなりのお色気もなく、いかにもTVらしい無難な女優が、映画の水に合うわけもなく、ただ可愛いだけで。一応ヒロインなのに、上記ポスターに写真が載っていない!
起用したけど、東映のお客には受けないよね、という冷徹な営業判断か(笑)。

 こういうシマラない役者たちに加え、純愛、エロ、コメディ、アクション、人情、すべてぷっこめばいいんだろ的な、いい加減で不良な映画屋さんの、幕の内弁当、いろんな食材をパーツ的に組み合わせて、一丁上がり。でも、全部冷凍もの食材だよね、という。

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by mukashinoeiga | 2017-03-28 17:26 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(60) | Comments(2)

加藤泰「炎のごとく」菅原文太倍賞美津子きたむらあきこ国広富之豊田充里佐藤允若山富三郎中村玉緒桜町弘子汐路章東龍明岡八郎谷村昌彦藤田まこと藤山寛美高田浩吉大友柳太朗

 京橋にて。「生誕100年 映画監督 加藤泰」特集。81年、大和新社、配給東宝。
 公開時には、見ていないと思う。加藤泰が何者かも知らず、主演の二人、菅原と倍賞美津子は、どちらかというと、ぼくの苦手なタイプ。後年見た時も、二人の暑苦しい演技が、好みに合わず。「ぼくのきらいな、ダメな日本映画の典型」と、思った。
 で、今回再見したら、まあ、それほどダメな映画でもないなあ、かつて暑苦しいと思った、その一部は、活気のある映画、という印象に、変わった。
 ただし、あくまで、一部、なんだよね。

e0178641_23234994.jpg42炎のごとく(147分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1981(大和新社)(監・脚)加藤泰(原)飯干晃一(撮・出)丸山恵司(美)梅田千代夫(音)鏑木創(出)菅原文太、倍賞美津子、きたむらあきこ、国広富之、豊田充里、佐藤允、若山富三郎、中村玉緒、桜町弘子、汐路章、東龍明、岡八郎、谷村昌彦、藤田まこと、藤山寛美、高田浩吉、大友柳太朗
会津の小鉄こと仙吉(菅原)は、愛する女りん(倍賞)のために、幕末の京都で人生を賭け始める…。全篇通じて飛び交う怒号や叫び声、誇張された表情、無様な斬り合いや噴出する血糊、脈絡のないカットや照明の変化など、演出は一見不自然に、時に稚拙にさえ見える。だが仙吉の、目の前の人間を不幸にはさせないという意志が周囲に伝播していくと共に、映画は異様な美しさを獲得していく。

上記「演出は一見不自然に、時に稚拙にさえ見える」うん、ほんとに稚拙、子供が描きたいようにお絵かきした感じ。
 例えば、鈴木清順のかっとぴ演出のような、戦略はおろか戦術も感じさせない。自由気ままだが、そこに「思想」も「美学」も感じられない。
 「一貫性」が、ぼくには、感じられなかった。
 上記「異様な美しさ」も、ぼくには、「そこそこ異様な、そこそこ美しさ」しか、感じられない。
 で、なんで、こんなに、まとまりのない、とっ散らかした映画になったのかというと、どうやら主人公・会津の小鉄は、実在した人物で、その聞き書き?を、もとにした映画らしい。
 しかし、ふつう実在の人物を主人公に据えた場合、その人物は、何事か偉業を成し遂げた人物、首尾一貫した思想に生きた人物、何か大きな事件を「奇跡的に生き延びた」人物が、主として描かれるだろう。
 しかし、この映画の主人公は、おそらく、そうでは、ない。いちヤクザが、時代の荒波に翻弄されつつ、ある程度は特異な人物なので、それなりに「生き延びて」しまった、と。
 そういう、とっ散らかした半生を、これまたとっ散らかしたように描いたのが、本作で、ある、と、ぼくは、そう理解した。

 おそらく本作と、もっとも似ている映画(あるいは、もっとも真逆な映画)はロバート・ゼメキス「フォレスト・ガンプ 一期一会」だろう。
 ご存知のように、あの映画は、もしアメリカ人が、この数十年間、一切の間違いを犯さず、人生の岐路において、いちいち正しい選択をしていったら、こうなったであろう、という楽観主義的シミュレーション映画で、あった。
 しかし、残念ながら、普通の人間には、人生の岐路でいちいち正しい選択は出来なかろう、ということで、主人公は「聖なる知恵遅れ」に設定され、結果、人間として、アメリカ人として、その時代時代で、常に正しい選択を、行う、という夢の展開で。
 そして、ガンプの対比として、彼のガールフレンド、ロビン・ライトが、常にアメリカ人が犯してきた負のスパイラルの象徴として登場、最後には、エイズで死んでいく。

 そういう「フォレスト・ガンプ 一期一会」を、補助線に見た場合、本作の菅原文太は、正しい選択もしたし?、間違った選択もした。ただ、単に、時代の波に、翻弄された、ともいえる。
 要するに、本当の庶民として、まさに、とっ散らかした人生をとっ散らかして、生きていったわけだ。
 思想も戦略も戦術もない、という。
 そこが、加藤泰の、好みだったのだろう。後期加藤泰映画を、一言で表すとすれば、まさに、とっ散らかした映画であり、職人娯楽スタア映画としての、まとまりのある映画を散々作ってきた彼の、もう、とっ散らかせてくれよ、という本音の発露なのかもしれない。
 巨匠にも名匠にもなれなかった頑固職人の、ささやかな、破れかぶれ。
 ぼくには、そう、思える。

 なお、新選組が語る「友達になりたい」「仲良しになりたい」に、げげーっ(笑)。
 本作でもそうだが、離脱を許さず、即死罪の、超ブラック集団が、どの口で言うという。
 皮肉でいってると思いたいが、左傾の気味がある加藤泰だけに、案外本気の脳内お花畑だったりして(笑)。

 なおなお、菅原文太にまとわりつく許嫁を演じるのが、若いけど華もオーラもない女優きたむらあきこ。こりゃーかなりの確率で、出資者の、「俺の娘をよろしく」と押し付けられたパターンかと思うじゃないですか。
 ところがネットで伝え聞いたところによると、クロード・ガニオン「Keiko」のヒロインで、加藤泰が気に入ったうえでの起用という。
 ぼくもこの映画は公開当時に見たが、評判と違う凡作との印象、そこそこはいいが、まあ外国人監督が日本で映画を作ったという珍しさ、だけの映画だと思ったし、ヒロインも印象にない。
 まあ、いかにも外国人好みの日本女性(日本人男性にとっては、しばしば問題外)という感じで。
 さすがブス好きの加藤泰か。
 どの映画でも、美剣士の沖田総司、そして人斬り以蔵さえ、そこら辺の兄ちゃん、そこら辺のおっさん俳優に演じさせ、まさに、加藤泰のブス好きは、極まる(笑)。美学、お竜さん、とことん嫌いだったのか、加藤泰(笑)。

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by mukashinoeiga | 2016-09-01 23:25 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback(3) | Comments(0)

田中登「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」井上梅次「炎と掟」野村孝「昭和やくざ系図 長崎の顔」

 渋谷にて。「祝・芸能生活50周年 安藤昇伝説」特集。
 数か月前に上記特集で、下記の3本を見たのだが、直後にもしばらくしても、感想を駄文する気になれず。
 なぜなんだろう、と、まとめ駄文。
 共通するのは、安藤の印象がキョーレツで、なおかつ日活系?の監督によるもの、という点か。
 安藤昇は、顔も演技も、抜き身かつ勃起したチンポみたいで、どうにも「通常娯楽映画」との、すわりが悪い印象。
 だから、一部女子映画ファンには、異常に(笑)受けるのだろうが、男としては(笑)勃起した抜き身のチンポを見ても、特に感想は、ない(笑)。もっとも安藤昇のファンは、圧倒的に男性だろうから、このぼくの戯言は、あまり有効ではないですね。すいません。

e0178641_8594927.jpg安藤昇のわが逃亡とSEXの記録(35mm)』公開:1976年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:田中登
主演:安藤昇、萩野まゆみ、ひろみ麻耶、小杉じゅん、中島葵、絵沢萠子、石橋蓮司、蟹江啓三、小池朝雄、近藤宏、小松方正
昭和33年、安藤興業社長・安藤昇は組員に極東船舶社長・早川の襲撃を指示。警察の追跡を逃れ、7人の愛人宅を転々としながら、34日間にわたり逃走を続けるが…。本人が過去に起こした横井英樹襲撃事件をほぼ事実通りに映画化しているのだから、もはや言葉を差し挟む余地なし。東映実録路線が行き着いた究極の1本!©東映

 若いころの自分の体験談を、約二十年後に、中年になってから自ら、再現ドラマ。
 ここでの衝撃ポイントは、二つ。
 ひとつは、安藤昇自身を除く、石橋、蟹江ら安藤組全員が、結核患者。おそらくヒロポン、ないし覚せい剤の注射器の使い回しから、感染したものと思われるが、とにかく子分全員がゲホゲホ。
 ヤクザと結核は、なかなか珍しい?組合せで、ほかの映画では(そんなに)見たことがないので、新鮮だ。しかし、全員て。
 第二ポイントは、安藤は、さまざまな愛人とセックスするのだが。
 相手は変われど、パターンは同じ。受身のときは、半目で女に奉仕させる。自分が上に乗るときも、半目でひたすらピストン活動。
 相手による違いもなく、ああ、このひとはいつもこうして交合しているのだろうなあ、と。
 監督がロマンポルノ出身なんだから、相手によってパターン変えろよ、とも思うが、田中登程度では、「では、安藤先生、よろしく」てな程度で、全部安藤にお任せなんだろうな。
 田中登程度(笑)では、安藤に演出できたとは、思えない(笑)。
 大爆笑したのは、安藤を匿う盟友・小池朝雄。
 究極のど素人演技の安藤と、ふたりきりのシーンで、小池の芝居のクササが炸裂(笑)。
 小池の何気ない芝居でも、究極のつっけんどんな演技の安藤と一緒に入ると、異常にクサイ演技に見えてしまう(笑)。
 メンタマむき出しの「小芝居」が、「大芝居」のクササに見えてしまう。
 笑った笑った。

e0178641_902545.jpg昭和やくざ系図 長崎の顔(35mm)』公開:1969年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:野村孝
主演:渡哲也、安藤昇、嵐寛寿郎、水島道太郎、藤竜也、青木義朗、益田ひろ子
高間一家の三代目の慶二が出所すると、長崎は新興の松井一家が仕切っていた。一門を立て直すため、襲名披露記念興行を打った慶二だったが…。松井一家に草鞋を脱いだ流れ者の竜吉(安藤昇)と慶二(渡哲也)の漢の友情が泣かせる、長崎オールロケ作品。記念興行で歌うは、もちろん内山田洋とクールファイブ『長崎は今日も雨だった』!©日活

 究極のつっころばし演技の渡と、半生感半端ない安藤の水と油。
 やはり純正日活と安藤は、合わない?
 なお、善玉の渡の側のコンサートには、クールファイブだが、悪玉の側のコンサートには、ディック・ミネ(笑)。
 ヒロインの益田ひろ子は、その後見ない顔だが、かわいい。
 また渡の実家は、爆心地からほんの目と鼻の先。これで、生き残ったのは不思議だが、とうとう最後には、死んでしまう。おそらく原爆悲恋モノの大ヒットよ、もう一度という企画なのだろうが、ヤクザモノとの相性悪く?字幕での処理と、ずさんなもの。

e0178641_9121346.jpg炎と掟(35mm)』公開:1966年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:井上梅次
主演:安藤昇、高千穂ひづる、中村晃子、高宮敬二、菅原文太、安部徹
町で対立するやくざの権田と庄治。権田組の南条は、新興やくざの庄治の罠にはまり、町を離れるが…。耐えに耐えた怒りを爆発させる安藤昇がド迫力。相手役に抜擢された中村晃子とのラブシーンも見逃せない、井上梅次によるスタイリッシュな「掟」シリーズ第4弾。©松竹

 ヤクザの抗争と、いまや人妻となった幼なじみとのメロドラマと、親分の娘に一方的に言い寄られる別種のメロの混合、なのだが、素人演技の安藤に対応できるわけもなく、単なる幕の内弁当のまま、進行する。松竹はヤクザ映画でも松竹メロ
 なお、ちょい役の菅原文太、ウラでいろいろ画策するお兄いさんだが、こんなにヤクザぴったりの演技では、松竹専属のちょい役に収まるには、あまりにヤクザに似合いすぎ、結局東映に引き抜かれることになったのは、当然の結果過ぎで。
 なお、往年の武闘派が晩年、左翼に変じるのは、革マル派や中核派がNGOを、隠れ蓑にするに、似たり寄ったり。
 
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by mukashinoeiga | 2015-08-12 09:12 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(61) | Comments(0)

加藤泰「阿片台地 地獄部隊突撃せよ」

 渋谷にて。「祝・芸能生活50周年 安藤昇伝説」特集。66年、ゴールデンぷろ、配給松竹。
 うーん、加藤泰にしては、ぬるぬるの戦争コメディ。
 ロバート・アルトマン「M★A★S★H マッシュ」70年をパクった、安易な企画モノと思っていたら、なんと、こちらのほうが早かった(笑)。まあ、小戦隊ものコメディは、昔から、あったしなあ。
 松竹ということであれば、何も加藤泰など動員せずとも、森崎東あたりに、ちゃらちゃら撮らせておけばよかったのではないか、という体のもので。
 この種の軟派コメディで、しかし主演が顔も演技も硬派の安藤昇って(笑)。水と油の、珍。

e0178641_11242936.jpg『阿片台地 地獄部隊突撃せよ(ニュープリント)』公開:1966年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:加藤泰
主演:安藤昇、ペギー・潘、南原宏治、佐々木孝丸、菅原文太、久保菜穂子
上官に睨まれ、ならず者だらけの地獄部隊へ飛ばされた宇留木少尉は…。分隊長との対立、中国娘(ショウブラザーズの名花ペギー・潘)との恋、八路軍との激しい戦闘と、見どころ満載の傑作戦争活劇。愛する女を亡くし祖国への怒りに燃える安藤昇に痺れる。長年マボロシだった「戦中派三部作」第二作が、今ニュープリントで甦る!©1966 松竹株式会社

 渡辺篤、左卜全、デブのオカマの岸井明、などのコメディ脇役陣と、むっつり剛直(笑)安藤昇の、華麗な?コラボ。
 どこまでも、交わらないのに、呉越同舟。まあ、よく言えば、その混沌ヴァラエティが、ありか。
 無表情演技に片言日本語のヒロインにペギー・潘(貫地谷しほり似)、その立ち位置というか、その出演に論理的必然性を感じられない、とにかく外地映画だから、現地の女優を出しとくか、という安易さ。
 で、最後は、出ました、日本軍批判。どんなに三流コメディでも、最後は、日本軍批判をぶちかましときゃ、収まりつくだろう、という体の安易さ。
 ああ、何から何まで凡庸であることか。
◎追記◎デブのオカマの岸井明、と、書いたが、岸井とは、違うデブ役者。ああ、誰だっけ?

 ただ、こっそりやる大宴会、ドンちゃん騒ぎをすればヤバイ、ということで、砂塚秀夫らの無言のドンちゃん騒ぎの、卑怯さには爆笑いたしました。
 セリフは一言三言のエキストラ従軍慰安婦に、藤田弓子。目立つ。
 準主演の、下っ端将校に、菅原文太。新東宝から、松竹に行ったが、目が出ず、柄に合った東映に行ったのは、正解の好演。

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by mukashinoeiga | 2015-06-07 11:24 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback | Comments(0)

山下耕作「日本女侠伝 鉄火芸者」

 池袋にて。「追悼 菅原文太 永遠(とわ)に輝け一番星」特集。
 同館の健さん特集は、平日でも満席感があったが、文太は、少ないなあ。新文芸坐も、追悼に味をしめて(という言い方はお下劣だが)この4~5月にも、健さん追悼第3弾を企画した。健さん好きとしては、文句は、ない(笑)。
 上を読めばわかるとおり、文太には、健さんほどの思い入れは、ない。今回の2本立ても、文太目当てではなく、それぞれのヒロイン目当てで、見に行った。まあ、文太も、この二作では、ヒロインのつけたし、従者だからね。

「日本女侠伝 鉄火芸者」 <今日の名画座HPより>
解説 | 辰巳芸者の心意気を描いた女侠伝シリーズ三作目。脚本は『任侠興亡史 組長と代貸』の笠原和夫。撮影は『監獄人別帳』の古谷伸。監督は『博奕打ち 流れ者』の山下耕作がそれぞれ担当。
ストーリー | 子供のころ見ず知らずの通りすがりの男から受けた恩が忘れられず、十年たった今でもその男のために操を立て通している辰巳芸者小しずが、その男小林勇吉にあったのは、年に一度行なわれる羽織会の留めを毎年勤めていた先輩仇吉に代わり、自分が内定したことを、小しずが父親のように慕う米問屋浅井喜一郎に報告しにいった時のことだった。勇吉は浅井のもと...続きを読む(1970/東映/100分)

 典型的東映任侠モノを、女性目線?、いや違うな、女性視線で?、あくまでも男性目線の女性視点で?描いた、プログラム・ピクチャア。それ以上でもそれ以下でもないが、女優・藤純子の圧倒的素晴らしさ
 今回感想駄文済みの石井輝男「緋ぢりめん博徒」との2本立てで気づいたのだが、「緋ぢりめん博徒」主演の新人中村英子は、顔のどアップが、多かった。作り手側は、どうだ中村英子きれいだろ美人だろ、という思い入れ?で、顔のみのクローズアップを多用。
 どうだ美人だろ、といわれても、なんだか味がない美人で、そこそこ美人にしか見えない。主演女優オーラの欠片も、アイソもない、生硬無表情三流美人ときては、挨拶に、困る。典型的美人なだけじゃダメなのよ女優。

 ところが、本作の藤純子は、中村ほど、顔のどアップが、ない。あるいは、気づかなかった。
 なぜなのかというと、藤純子は顔の、どアップではなく、必ず首つき(笑)。
 和装の、若い女の、くびの表情の、豊かさ。前後左右にほのかに首を傾けつつ、表情とあいまって、藤純子は、顔の表情だけでなく、首でも演技しているのだ。
 単なる様式美と笑わば笑え。素晴らしい。

 政界の重鎮・伴淳、米問屋・曽我廼家明蝶らが、果敢に藤純子にアタックして袖にされるのだが、年配コメディ系に藤純子にふられる役を任せるのは、作劇として、ちょっと卑怯かとも思う(笑)。
 まあ、クライマックス、たっぷりと藤純子の踊りを見せる、アイドル映画仕様のファンサーヴィス。時折文太の殴りこみが、気もなくインサートされるのは、まあ、お約束の消化試合か。

日本女侠伝・鉄火芸者「予告篇」

 藤山寛美、玉川良一、庄司照枝など、コメディアン多用も度が過ぎる?
 それにしても予告で一言も声を発しない文太の、軽い扱いは、何(笑)。これは異常。いじめか(笑)。
 深作欣二「仁義なき戦い」の大ヒット以前には、一部東映スタッフが、必ずしも文太を快く思っていなかった?のだろうか? うーむ。

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by mukashinoeiga | 2015-03-28 00:52 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

石井輝男「緋ぢりめん博徒」

 池袋にて。「追悼 菅原文太 永遠(とわ)に輝け一番星」特集。
 同館の健さん特集は、平日でも満席感があったが、文太は、少ないなあ。新文芸坐も、追悼に味をしめて(という言い方はお下劣だが)この4~5月にも、健さん追悼第3弾を企画した。健さん好きとしては、文句は、ない(笑)。

 上を読めばわかるとおり、文太には、健さんほどの思い入れは、ない。今回の2本立ても、文太目当てではなく、それぞれのヒロイン目当てで、見に行った。まあ、文太も、この二作では、ヒロインのつけたし、従者だからね。

「緋ぢりめん博徒」 <今日の名画座HPより>
解説 | “ポスト藤”としてデビューした中村英子主演第一回作品。明治中期の関東を舞台に、やくざの世界に身をおく五人の女侠の赤裸々な生き方を軸に、義理と人情の波間にただよう女の哀しさとエロティシズムを描く。脚本は『極道罷り通る』の高田宏治、監督は『怪談昇り竜』の石井輝男、撮影は『女番長ゲリラ』の赤塚滋がそれぞれ担当。
ストーリー | 浦和・新川一家に対する一宿一飯の義理から、東京砂町の榎屋一家の親分三右衛門を斬った美貌の女博徒、鬼百合のお勝が、五年間の刑を終えて出所したのは明治十五年の秋であった。お勝は、服役中に知りあった、流山の江戸幸組の娘お秀を訪ねる途中、金町の帝釈天一家の賭場へ立ち寄った。ところがお勝に一目惚れした帝釈天牛五郎は、イカサマ賽をつかってお...続きを読む(1972/東映/86分)

 “ポスト藤”中村英子に、主役オーラなし。まあ、美人なんだろうけど、単にととのっているだけで、何のフックもない。典型的美人なだけじゃダメなのよ女優。正直、魅力のない主演の映画を見続けるのは、ちと苦痛。
 彼女の兄貴分・土田早苗も、美人なんだろうけど、昔から顔が苦手(笑)。理由はないけど、なんだか彼女の顔は、ちょっとした臭みがあって、それがぼくのセンサーをワル刺激する。
 ちなみに、東映映画を見ていると、子分から「叔父貴」と藤純子が呼ばれたり、本作の土田早苗も、中村英子から「アニキ」と呼ばれたりする。女子も進出したけれど、別に女子トイレを新設するまでもなく、男子トイレをそのまま使えよ、という発想か。
 ここら辺に無理がある。大勢の男衆を、バッタバッタと斬り倒す腕力が女子にあるという不自然は、映画的と思えば、無理はないが、実際にそれを演じる中村英子や土田早苗の、華奢さは、いかんとも隠しがたい。
 本作の悪役・小池朝雄(石井映画の常連、今回もねちねちとヘンタイ道を体現(笑))は、中村英子に、「もともと女は男のおもちゃ」と、嘯く。
 文太は、ちゃっちゃと、中村英子を抱く。というか犯し気味(笑)。ここが健さんの禁欲とは違うところ。
 押し倒されれば、押し倒されるのに、なぜ、大勢の立ち回りでは、大の男をバッタバッタと? そこをネグっているなら、単なるファンタジーだが。まあ、もっとも、映画は、すべからずファンタジーか。

 ヒロインを助ける女侠客・松平純子はレズの男役みたいなおなべ系。
 ただ、唯一気になるのは、女座頭市・藤浩子。この藤純子の一字をもらった、と思しき彼女は、絶えず口角を上げて、微笑しつつ、男たちを、バッタバッタ。この彼女を、ヒロインにしたほうが、ほんとは、よかったんじゃないの(笑)。この映画では、藤浩子イチオシだなあ。
 また池玲子は、脱ぎ要員(ほかの女優は脱がないので)として、巨乳を、さらす。ちらりとも見せないほかの女優のなかでも異色。そして、ほほ下同じ衣装の女優たちの中で、彼女だけが、芸者、明治期西洋ドレスと、カラフルにコスプレする。グッド。

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by mukashinoeiga | 2015-03-24 21:56 | テリー石井 恐怖奇形番外地帯 | Trackback | Comments(2)

歌う銀幕スター夢の狂宴/林美雄

 TBSラジオ・パックインミュージックは、なかでも、なっちゃんちゃこちゃんなど深夜で大爆笑で、聞いていました。
 もちろん第二部の林美雄も愛聴していました。苦労多かるローカルニュースでしたか、そういうコーナーを記憶しております。アナウンサーなのに、なんだか不器用な感じで。
 この「歌う銀幕スター夢の狂宴」も、だいぶのちに知り、ああ、聴いてみたかったなあ、と長年思っていました。当時は、映画に、ほとんど興味がなかったので、アウトオブ眼中。今となっては、泣きたくなりますな(笑)。

歌う銀幕スター夢の狂宴

2014/06/18 に公開
1975/01/19 新宿厚生年金会館大ホール
ポスターのイラストは小説家の島田荘司さんのものですね。当時はイラストの仕事をなさっていたとか。という、コメントもあり。

★あがた森魚 with 桃井かおり 「昭和柔侠伝の唄」1975年1月19日★

2009/02/09 にアップロード

 しかし、林美雄もホントに不器用だな(笑)。TBSの社員だったのだから、正式な録音・録画をしようと思えば、出来ただろうに(笑)。
 まだ、全部を聴かないまま、とりあえずアッブしてみます。
◎追記◎聞いてみれば、文太、深作をのぞけば、ほぼ日活オンリー、しかも実際に主題歌を歌っているスタアは少ない、という案外しょぼい人選だ。
 林美雄が取材を通じての知り合いだけに声をかけただけの、一種のプロデューサーごっこ、という形か。
 確かに、主題歌スタアをかき集めたら、莫大なギャラになるだろうし、興行ど素人のラジオ・アナウンサーに仕切りきれるものではないだろう。
 当時の若い映画ファンたちにおける、おくれてきた日活ブームを、垣間見れる人選でもあり、それはそれで楽しい。
 当時の名画座ファンに絶大な人気を誇っていた鈴木清順の登場は、神の降臨か(笑)。
 清順、深作が歌うなら、ここはひとつ、鈴木清順「殺しの烙印」主題歌を、助監督・脚本家風情で歌った大和屋も、呼んでほしかったな。
林美雄パック最終回(1974年8月30日)

追悼 原田芳雄 故 林美雄へ鎮魂歌「リンゴ追分」を弾き語る

小説「すばる」の主人公「林美雄」について久米宏さんが語ります。


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by mukashinoeiga | 2015-02-19 04:43 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

菅原文太もまた死す

 高倉健に続いて。
 東映で一時代を築いた健さんに続いて、その次の時代をになった文太までもが。
 東映関係者、映画ファンにとっては、盆と暮れがいっぺんに来たようなものか。
 ぼくには健さんほど、思い入れがない。
 代表作「仁義なき戦い」シリーズは、実は主演作は、少ない。集団ドラマの、代表者の一人といった趣き。もちろん映画は、傑作であった。
 「トラック野郎」シリーズも、数本しか見ていない。
 文太の、いわゆるパブリック・イメージ、短髪、浅黒い精悍な顔をてらてら光らせて、額に青筋立てて、男を殺(ヤ)ったり、女をヤったり、そういうのが、あまり好きではないせいだろうか。
 若いころの、新東宝、松竹などでの、<雑味ある二枚目>も、イマイチで。
 俳優を離れてからは、世に左翼崩れと言う言葉があるが、このひとは左翼上がり、というべきか。

 個人的には、健さんの陰に隠れて、片山明彦の死が気にかかる。役者を辞めてだいぶたつし、もう忘れられた人なので、世間の話題にもならないのは、仕方がないが。

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by mukashinoeiga | 2014-12-02 08:22 | うわごと | Trackback | Comments(0)

中島貞夫「犬笛」菅原文太竹下景子原田芳雄酒井和歌子三船敏郎川地民夫神田隆北大路欣也村野武徳岸田森小林捻侍勝野洋伴淳山村總

 渋谷にて。「中島貞夫 狂犬の倫理」特集。78年、製作三船プロ、配給東宝。ほぼニュープリント。
e0178641_0245332.png いかにも70年代邦画大作らしい、大味なつくり。
 1シークエンスのみの出演のチョイ役にも、村野武徳・勝野洋ら当時の人気者若手、伴淳・山村總ら誰でも知っているヴェテランを配す、オールスタア映画。しかも原作・西村寿行の長編のダイジェストな、幕の内弁当状態の脚本。
 あまりに知った顔ばかり、かつ大勢なので、三船プロダクション創立15周年記念作というクレジットの本作は、映画というより、周年記念パーティー(入れ替わり立ち代りの立食式)に、参加しているような趣。
 しかも、上映前の館内アナウンスでは、「なお「犬笛」の上映時間は、フライヤーで139分と告知しましたが、今回の上映は112分のヴァージョンとなります。スクリーンサイズも、特殊な東宝スタンダード・サイズですが、通常のスタンダード・サイズでの上映となります」とのこと。
 つまり27分も刈り込まれた短縮版ということか。更なるダイジェストか。
 もっとも、フライヤーなんて言葉、渋谷以外の映画館では、通用しない、一種の渋谷語(映画館カルチャーの中では)。すかすなあ、シネマヴェーラ。

 <特殊な東宝スタンダード・サイズ>には対応できないという正直な告白はよろしい。というのも、おそらく現存する映画館で、それに対応する映写システムは、ほとんどないからだ。ふつうのスタンダード・サイズは、ほぼ真四角な形状、横長TV出現前の、TVスクリーンのサイズと思ってもらえばいい。<東宝スタンダード・サイズ>は、それよりは、やや横長なのだと思う、たぶん。
 とすれば、浅草東宝閉館後、それに対応する映画館はほぼ絶無か。あるとすれば、昔からの、古い地方東宝系映画館だろうが、それすら絶滅危惧種だろうし、そういう地方映画館は、そもそも、ここ何十年もスタンダード・サイズの映画など上映していまい。
 唯一可能性のあるのは、東宝の試写室、それも本社ではなくて、撮影所の試写室だろうが、それも新設されていれば、アウトの可能性もある。ああ、フィルムセンターなら、いけるか。
 それにしても、シネスコ・サイズ全盛の70年代に、なぜスタンダード? おそらく、幅広のスクリーンサイズでは、
●屋内シーンの、セットを、より大きく作らねばならない。>予算が、かかる
●屋外シーンの、大自然描写>開発が進んで、大自然らしからぬ建造物が写ってしまう
 という、せこい理由しか、考えられない。しかも、多くの東宝系映画館では、ブローアップして、ヴィスタ・サイズで上映していた可能性も高い。

 ということで「犬笛」だ。
 西村寿行の冒険小説は、昔、愛読しました。しかし、その荒々しいヴァイオレンスとセックス描写(おそらく女性登場人物は、ほぼ全員悪党にレイプされる。見境のない悪党など、70のばあさんも、穴があるという理由でレイプ、ばあさんも、ひいひいよがっちゃう)、ところがこういう素材も、明るく楽しい東宝映画は、子供からお年寄りまで、誰でも見れる、一般映画にしてしまう。西村寿行特有の荒々しさなんか、影も形もなくなる。
 この映画でも、原田芳雄が、子分・小林捻侍に、利用価値のなくなった精神科医・竹下景子を、「好きにしていいぞ」というが、ベッドに押し倒して、シーンが変わっちゃう。
 ただしいかにも70年代だなあ、かつ監督が中島貞夫だなあ、というのは、売春に絡む殺人何件かの、女性死体が、みんな血だらけのすっぽんぽん。
 主人公・菅原文太の幼い娘が、重要な証拠のありかを知っているということで誘拐される。
 娘の安否を気づかって、母・酒井和歌子は発狂。文太は、愛犬テツを連れて、娘を探して、信州、新潟、北海道、島根、神戸、ついには海上保安庁の巡視船でインドネシア沖まで。船の船長に、御大・三船敏郎。航海長に川地民夫。原田芳雄らを乗せた、追われる船の船長に神田隆。文太とともに原田を追う外事課刑事に北大路欣也。
 映画は、娘への親子愛、けなげな愛犬との関係で、がんがん感動を盛り上げようとする。小林亜星の劇伴も、なんだか「砂の器」のパクリみたいなメロディで泣かせに走るが、無理やり過剰な、へたくそな演出と、編集のせいで、泣くもおろか。お互いに走り寄るテツと文太、そのえんえんの走りのカットバックが長すぎて、いい加減飽きるほど(笑)。
 感動も、アクションも、ヴァイオレンスもの、幕の内弁当の、一個一個の材料のうすさ。
 しかも、娘を誘拐し続ける理由のうすさ。
 文太の捜索方法の無謀さ。あれ、殺された総合商社調査課課長の家を張り込んで、怪しげな岸田森を尾行したほうが、早いんじゃね。ま、描写としては、つまらないが。
 車で移動する誘拐犯を、探すなら、車道を中心に探すべきなのに、車が通行不能な、雪の山岳原野を探し回るのは、単に吹雪く雪の山岳原野を行く、文太と愛犬、そのよろめきつつの彷徨、という<絵>と、<感動のBGM>を、出したかっただけだろう。
 誘拐される女の子の子役が、ブスなのは、まあ許すが、役柄上多発する泣き顔の見苦しさも、興醒めで(笑)。この子役の役柄上、泣き顔の見苦しくない子を選ぶべき。
 また、敵船から愛娘を救出する際、民間人の文太は、三船船長に止められ、巡視船から、救出劇を見守るだけ。アメリカ映画なら、文太は、元軍人という設定で、真っ先に乗り込むだろう。悪党・原田芳雄は、逃げ切れぬと観念し、子分・小林捻侍らを射殺し、自分も自殺。日本以外の国のアクション映画なら、クライマックスは、銃撃戦しか、ありえない。
 アンチ・クライマックスの、残念感。野ダメ政権クラスの凡作。


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by mukashinoeiga | 2011-09-20 10:16 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(10) | Comments(0)