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70年代女優はなぜ脱ぎまくる:今の女優は脱ぎ惜しみ

渡辺邦彦「阿寒に果つ」を何個か前の感想駄文したが、そこでの五十嵐じゅんの、堂々とした脱ぎに、改めて思った。
 なぜ70年代女優は、バンバン脱ぎまくり、現代の女優は、綾瀬はるかも石原さとみも長沢まさみも、なぜ脱ぎ惜しむのか(笑)。

e0178641_1524370.jpg ぼくなりに時系列で検証したい(笑)。

1 1960年代前期まで
 明治時代以降の禁欲的な時代風潮のせいで、公的な性的表現は、かなり抑圧されていた。明治以前の、日本の性的志向は、かなりあからさまだったと思うが、目指せ西洋文明で、抑制されたと思う。
 女優の脱ぎは、かなり抑制されていた。というか、ほとんど不可。
 例外的に、豊田四郎「雁」53年で浦辺粂子が、山村總「沙羅の花の峠」55年で東山千栄子が、成澤昌茂「裸体」62年で浪花千栄子が、バストトップまでさらけ出したが、失礼ながら、明らかに意味が違うだろう。
 
2 1960年代後半
 そうしたそれまでの倫理観が崩壊して、五社体制もぐだぐだになり、いわゆるひとつのヌーヴェルヴァーグ、アヴァンギャルド映画、ヨーロッパ映画などの影響もあって、脱ぐことが、先端的で、かっこいいんだ、という風潮を生んでいく。


e0178641_1922407.jpg3 1970年代
 ピンク映画、日活ロマンポルノ、東映ポルノ、ATG映画、各種アヴァンギャルド映画、そして何よりTVの11PMなどのピンク番組、週刊プレイボーイなどの青年誌グラビアの大流行などで、脱ぐことが、ますますかっこよくなっていく。
 映画業界的には、没落の一途の中、低予算映画の必要性が高まり、そうなると若い新人男女優を主演にした、低予算青春映画が人気を博すことになる。
 そういう低予算映画の青春映画では、新人女優のヌードが唯一の売りとなっていく。
 ここで、秋吉久美子、桃井かおり、芹明香などの、先端的な「とんがった」女優が、クローズアップされていく。、
 脱ぐことが、トレンドと、なった。
 ジュスト・ジャカン「エマニエル夫人」74年の大ヒットも、忘れてはいけない。ヌードがファッション化した。
 70年代は、発情していたのだ。

4 1980年代
 1940年代~現代にいたるまでで、カルチャー的には、もっともダメな年代だと思う。経済的には、バブルの時代。ふはふはして、軽佻浮薄で、結果は、そんなに、残せなかった、と思う。
 時代はさらに発情していく。
 いわゆるアダルトビデオが勃興し、脱ぐ人脱がない人の、「壁」が顕在化していく。
 それに加えて、五月みどり、畑中葉子や天地真理など落ち目の女優、アイドルの起死回生策という、街金ローン感が、漂って、70年代から一転して、脱ぐことが、やはりあんまりかっこよくなくなった。
◎追記◎そういえば、80年代の終わりの数年間に、TVのヴァラエティー番組で引っ張りだこだったのが、現役国立大学の女子大学生というのが売りの、AV女優、黒木香。
 完全にヴァラエティー向きの、お笑い芸人として、一世を風靡した。
 もし彼女が二枚目的に人気を博したのなら、また違っただろうが、完全なお笑い汚れキャラに徹したため、脱ぐ人に対する評価は、低下したと思う。完全にお笑いのオンナ芸人を、本人は得意げに演じたのかもしれないが、ぎこちなく(結果的に浮き上がっているという意味で)演じた。
 結果的に「脱ぐこと」の三枚目感、ダサさを、強調することになる。また、その相方、村西とおる監督の、ダサさも、女性をげんなりさせたかもしれない。
 さらに言えば、同じく一世を風靡した代々木忠も、その名前から察せられるとおりの、日本共産党的冷徹さ(笑)が、女性受けの悪さゆえ、ダメージだったかもしれない。ここは、まあ、指田さん的ホラに近いかもしれませんが(笑)。

黒木香

 オトコ受けはしているかもしれませんが、女性出演者は、ドン引きだよね(笑)。この空気感が、脱ぐことのカッコ悪さに、つながっていく?
◎追記◎哲学的対談 「黒木香(当時22歳)vsキダ・タロー」 1987年6月

 この程度を哲学的って(笑)。全ベクトルで規範を追及したら(あらゆる逸脱を禁欲的に否定)、いわゆる八方美人にならざるを得ず、まあ人格は崩壊するわなあ。

5 1990年代
 現在の「脱がない女優たち」を決定化した時代かと、思う。
 アダルトビデオの大流行が、脱ぐ女優は「本番女優」なのだと、「差別化」していく。
 そして二つの「事件」が決定的な役割を果たしたと、思うのは、ぼくだけか。
 宮沢りえ。写真集『Santa Fe』91年(篠山紀信撮影)は人気絶頂時のヌード写真集で大ヒットし、150万部のベストセラーとなる。
 これがあまりにヒットしたため、次にだれが脱いでも、これを超えるインパクトは、期待できなくなった。いわば、脱ぎ損な訳で、脱いだら負け感が、あるのではないか。
 りえ前、りえ後だ。

「サンタフェの未公開写真」


 もう一つは、高岡早紀。
 深作欣二「忠臣蔵外伝 四谷怪談」94年で、脱いだのはいいが、あまりの巨乳が唐突に映されたショットの超絶衝撃。
 あまりに唐突過ぎて、映画のすべてをぶち壊す衝撃。わざわざ脱いだのに、嘲笑の的になってしまった。この衝撃は、大きいと思うよ。
 結果的に脱ぐことが、ダサくなってしまい、アダルトビデオ女優と「一般」女優が「一線を画す」こととあいまり、脱ぐことが人気女優のトレンドと、外れてしまったのだと思う。

6 2000年代 
 映画に出ることより、TVに出ることの方が、女優たちのステータスに、完全になってしまった時代。
 特に、短時間撮影で稼げるTVCMこそが、女優の事務所にとっては、最優先。でCM契約にあたっては、スキャンダルはご法度。
 ヌードになるのは、お茶の間(そんなの、今あるのか、実態も不明だが)の女性層(同上)の不興を買うレヴェルに。
 さらに映画的に言えば、製作委員会方式が、主流に。
 十社(以上)の会社が、それぞれ少額の投資をして、堅実なノーリスクローリターンなのか、あわよくば高配当を狙う。
 しかしいずれも映画の素人で、ベストセラーの原作で、人気アイドルを使い、土地で儲けるより映画なんてはるかに文化の香り、わが社の知名度向上にも最適、なんて、出来る映画は、とにかく無難な造り、とにかくいかなるところからもクレームが来ないような(詰まらねー、とか駄作とか、というような「映画批評」は、クレームのうちには、入らない)無難な無難な、まるでコンビニ弁当みたいな映画を作って、まあ一定程度の投資回収ができれば、御の字、みたいな。

 そう、映画は柳川慶子の時代に、なってしまったのだ。
 鈴木英夫の傑作「その場所に女ありて」で、ヒロイン司葉子の後輩を演じた柳川慶子は、同僚の男性社員どもに、少額の金を融資し、その利息で稼いでいる。
「われわれ貸金をサイドビジネスにする者」に、日本映画は、半ば乗っ取られてしまっているのだ。
 映画をサイドビジネスにする奴らが、映画について真剣に考えるはずもなかろう。
 そういう映画で、女優のヌード、なんて、まず最初の選択肢には、入りませんね。どこそこの女性団体(的なところ?)から、理不尽なクレームが来るかわからないし、第一お子さん向けの映画じゃなくなってしまうじゃないですか。 

 かくて映画で脱ぐ女優は、単館映画の、独立プロの、新人女優に、限られるような事態に。
 まあ、元に戻ったわけですな。
 ぼくとしては、映画女優として、綾瀬はるかも石原さとみも長沢まさみも、脱いでほしいが、まあ、かなわぬ夢かしら(笑)。

 ああ、一番大事なことを書き漏らしていました(笑)。
 70年代までは、明らかに文化的にも、男性優位社会でした。
 しかし、80年代以降、日本でも世界でも、「女性の視点」が、徐々に重要視されるように。
 70年代こそ、文化的には最後の「男の楽園」だったのかもしれませんな。

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by mukashinoeiga | 2016-12-10 01:55 | うわごと | Trackback(415) | Comments(6)

森崎東「喜劇 特出しヒモ天国」芹明香池玲子山城新伍カルーセル麻紀絵沢萠子藤原釜足川谷拓三下絛アトム川地民夫

芹明香絶好調! 75年、東映。渋谷にて「芹明香は芹明香である」特集。
 個人的には森崎東は、苦手で。なんだかその個性と相性が合わないらしく、いつもそこそこしか、面白くない。
 本作も、作品的には、ビミョーだが、何より芹明香が大フィーチャーされ、芹明香ならではの、というか芹明香にしか演じられない役を、涼しい顔で、演じてしまう。

 若い娘なのに、顔がすすけたホームレス。
 なおかつアル中。
 初めてのストリップ中に、意図しない放尿の果て、舞台から滑り落ち、そのまま床で爆睡。
 こんなキャラを演じてサマになる女優は、貴重過ぎて、当時ですら芹明香の一択か
 現在では、無名女優にしか、いないだろうか。
 つまり、この役は、限りなく芹明香ありきの企画なのだろうか。

e0178641_2156537.jpg喜劇 特出しヒモ天国(Movie Walker HPより)
社会の底辺で生きるストリッパーと彼女たちのヒモとのつながりを描いたセックス喜劇。脚本は「青春トルコ日記 処女すべり」の山本英明と松本功、監督は「街の灯」の森崎東、撮影は「日本仁侠道 激突篇」の古谷伸がそれぞれ担当。
京都、ストリップ劇場・A級京都。舞台で踊っているのは看板娘のジーン・谷である。そのショウをポーと見つめているセールスマンの昭平、変装した大西刑事。ショーが終るや大西は舞台にかけ上り、踊り子全員を逮捕した。仰天した社長の亀井は、身代りに昭平を口車に乗せ臨時の支配人に仕立て警察に送り込む。三日後、昭平は釈放されたが会社をクビになったため、そのまま支配人役を引き受けることにした。
山城新伍 池玲子 芹明香 カルーセル麻紀 絵沢萠子 森崎由紀 藤原釜足 川谷拓三 下絛アトム 川地民夫

 しかし、とはいえ、これが神代だったら、もっと映画は輝いたはずで、森崎東映画としてはそれなりに面白いものの、うーん、いまいち。
 芹明香らが野坂昭如「男と女の間には」を歌うのは、明らかに神代映画の影響か。

 というのも、本作の主演・山城新伍が、かなりヘン(笑)。
 普段はチャラいキャラで、アドリブ連発の彼の、演技が固い硬い。2枚目半の役なのに、演技が、彼にしてはスクエア過ぎ、なんだかアドリブ一切なしの印象で。
 宴会映画ともいわれる森崎映画で、これは、なんだかイメージ違う。
 それに宴会映画というなら、ストリップ小屋の隣の寺の住職・殿山泰司も、何らか絡むべきではないか。全く殿山が絡まない、少なくとも「トナリなんだから、顔パスで入っていく」などの、ありがちなくすぐりは、あるべきでは。
 さらにいえば、老人ヒモがさまざまに弄られ、羞恥プレイまがいの演技なのだが、これを演じるのがヴェテラン藤原釜足
 うーん、なんだか、見ていて、痛々しい。痛々しさが狙いなら、別に構わないが、単純なコメディとしては、これはヤバいだろ(笑)。
 藤原釜足が演じれば演じるほど、見ている側が、いたたまれないという。
 うーん、なんだか、森崎宴会映画としては、ランニングタイムの短さゆえか、東映ゆえか、未完成で。

 森崎宴会映画としては、不満。
 しかし、繰り返すが,芹明香は、唯一無二の絶品。
 松竹の監督が東映に出張り、東映の山城と池を主演に、しかし実質は、東映生まれ、日活育ちの芹明香を大フィーチャー。でも、その1タス1タス1タスが3に、とどまったというところか。

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by mukashinoeiga | 2016-11-13 21:57 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(1)

芹明香は芹明香である

 なんだか久しぶりに芹明香特集に、渋谷シネマヴェーラに行ったら、最初の休憩タイムには、いつもの陰気な男性アナウンスが流れた。
e0178641_1531333.jpg ところが、二度目の休憩には、女性のアナウンス。これは、初めてなので、ややびっくり。ところが、この女声アナウンスが、いつもの男声アナウンス同様、こもったような陰気なしゃべり方。
 このアナウンスを聞いていると、とてもエンタメ施設のアナウンスとは思えない、どんより感。
 シネマヴェーラの従業員は、みんな、陰気な方々なのか。
 なにも、明るくハッピーにアナウンスしろとは言わない、阿佐ヶ谷の生声アナウンスみたいに、ふつーに、陰気でない、陰にこもった声でない、アナウンスが、なぜ、できない(笑)。
謎の闇に包まれたシネマヴェーラなのか。うーん。

e0178641_1534844.jpg ところで、今回の芹明香特集では、なんと本人のトークショーがあって、ぼくは行けなかったが、いくつかのブログなどで、その様子がかかれている。

★芹明香:ファン騒然“消えた”ロマンポルノ女優 渋谷に現る!-サンデー毎日★

★芹明香さん降臨!「マル秘色情めす市場」@シネマヴェーラ渋谷★

 写真で拝見すると全くの別人だが、生で見ると、面影があるのかもしれない。
 こういうトークショーは、その内容が、居合わせたものだけに共有されがちだが、映像も含め、一般に公開してほしい。
 劇場のページから、ユーチューブなどに飛べると、うれしい。
 誰が見ても、唯一無二の女優なので、これを機に、復活してほしいなあ。 



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by mukashinoeiga | 2016-11-09 15:05 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback(8) | Comments(4)

舛田利雄「社葬」

 池袋にて、「名優、加藤武さんを偲んで」特集。89年、東映。
e0178641_0144835.jpg いやあ、面白い。後期マスダなんて、バカにしていましたが、まあ、面白い。
 こういう雑なエンタメが、今、不足している(笑)。
 今、この手のエンタメをやりそうな原田某は、雑エンタメなんて、金輪際つくらなそうだからなあ(笑)。
 どうやら、原作はないようなので、脚本・松田寛夫の勝利か。
 新国劇出身のゆえか、深刻劇(シリアスドラマ)では、イマイチ底のなさを露呈して、ぼくには凡優としか思えない、どこが演技がうまいんだ、と世間の高評価に戸惑いを覚える緒形拳も、こういう軽妙な役柄では、その魅力を最高度に発揮する。素晴らしい。




社葬(予告編)

日本有数の大新聞社・太陽新聞は、営業サイドの会長派と、編集サイドの社長派との派閥­争いの渦中にあった。そんな折も折、社長が急逝。しかも腹上死という余りにもスキャン­ダラスな死因に、社内は大混乱に陥る。醜聞流出を恐れて事件を秘密裡に処理しようとす­る社長派、これを機に権力を奪還しようとする会長派。二派の露骨で浅ましい内部抗争は­、次期社長の座をめぐって紛糾。派閥嫌いの中立派をも巻き込んで、熾烈を極めていく・­・・

 肝心の加藤武をはじめとした、重役陣などに、高松英郎(部社長役)、根上淳、小松方正、菅貫太郎、北村和夫、中丸忠雄、野際陽子、江守徹、若山富三郎など各社脇役、フリー脇役陣を配し、若手には、本来なら参加してもおかしくない父親のジュニア、佐藤浩市(部ジュニア役)、船越栄一郎を、チョイス。
 まあ、これは、血族重視の同族会社を描く本作への、愛憎合い半ばの、皮肉かも知れぬが。
 いやあ、一番知りたいのは、東映を若くして継いだ田ジュニア社長と、その父親の感想か(笑)。あるいは、自社のスキャンダル?を、しれっとして、商売にする東映の雑エンタメ魂か(笑)。

e0178641_0195866.jpg 高松英郎社長を腹上死させるぴちぴち芸者に、井森美幸。お年寄りばかり出てくる(笑)本作の一服の清涼剤(笑)。
 この彼女の魅力が、なぜ、映画界で持続できなかったのか、不思議でならない。
 往年の東映であれば、早速添え物のB映画で、健全なお色気路線で、主役、ないし準主役で起用しただろう。
 げんに本作で妖艶なヒロインを演じた十朱幸代も、TV上がりのタレントと、最初のうちは言われながら、この位置を築いたのだ。
 80・90年代の日本映画に、かつての勢いがあれば(なかったんだけど)現在の井森美幸も、十朱幸代「程度」のヒロイン女優に、あるいは、なっていたかもしれない。

e0178641_0153776.jpg 最後のクレジットの割と、中盤のいい位置に、芹明香の名が。
 えっ、どこに、とムーヴィーウォーカーで確認したら、ご遺体化粧師。ああ、なるほどね。こういうまぢめな役では、彼女と気づかなかった(笑)。芹明香愛、いまだし(笑)。

 それぞれ、夫(高松、緒形)に、女を作られる妻に、野際陽子、吉田日出子。わかりやすいキャスティングだ。

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by mukashinoeiga | 2015-10-24 10:45 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(2)

神代辰巳「濡れた欲情 特出し21人」片桐夕子芹明香絵沢萠子高橋明粟津號

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。74年、日活。
 未見作同時上映ゆえの、何度目かの再見。
 ぼくのクマシロ「理解」は、ずぶずぶの庶民(というより、まつろわぬ民、放浪流浪者、長いモラトリアム期にある者)的俗情の揺れ、揺らぎ、たゆたうさまを、性行為(に、まつわる関係性)と、俗歌・流行歌、のあわいに描く、しがない、しかし軽快な人間コメディというところか。
 そこに、ふてくされているんだか、一途なんだか、いい加減なんだか、純情なんだか、快なる多面性を見せて輝くのが、クマシロ映画のミューズ芹明香だ。もちろん本作でも、その魅力を最大限に、発揮する。

『濡れた欲情 特出し21人(35mm)』公開:1974年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:片桐夕子、芹明香、絵沢萠子、古川義範、高橋明、粟津號、吉野あい、庄司三郎、外波山文明、内田栄一、東まみ、宝由加里とその一座、東八千代
ストリッパーの夕子を捨てて旅に出た芳介。旅先でコマしたメイ子にストリップを仕込んでいると夕子が現れて…。演歌と民謡がガンガン流れる中、ネチネチと迫るスケコマシとあっけらかんとしたストリッパーたちの世界が繰り広げられる。芹明香と片桐夕子のダブル主演も素晴らしい!©日活
e0178641_8203498.jpg

 万事に調子のよいスケコマシ・古川義範の、元カノ・片桐夕子と今カノ・芹明香が、ストリップのレズビアン・ショーのコンビを組む。受け役の芹明香は、片桐夕子に責められて、毎度毎度本気で感じてしまい、「一日四回のショーは、きついわあ、しぬわあ、堪忍してぇ」と哀訴。こんなせりふがサマになる女優は、おそらく芹明香しか、いまい。唯一無二の女優だ。
「ショーなんやから、毎度本気で感じるこたぁないんやで」といわれても、ダメ。

 古川義範と芹明香は、ラブホテルで、円形の回転ベッド。
 ベッドの上で、これまた回転する二人を映して、何の努力もせずに(笑)フクザツななキャメラ移動や、パンニングと同様の効果が得られる。姫田真左久、してやったりだろうか。
 屋台のコップ酒を呑んだ男がぐるぐる走り回るのを追いかけるキャメラも、いい調子で。その屋台の隅で呑んでいる宮下順子のたたずまいも、いい。
 なお、かなり挿入されるはみだし劇場・外波山文明(そのサブが内田栄一か)の路上パフォーマンスの、感性が時代と寝てしまっているがゆえに、古びているのは、やむをえないか。

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by mukashinoeiga | 2015-04-19 08:24 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback(15) | Comments(0)

神代辰巳「噛む女」桃井かおり永島敏行平田満余貴美子加藤善博楠田薫前川麻子

 神保町にて。「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集。88年、日活、配給シネ・ロッポニカ。
 きわめて短期間で終わった、日活試行錯誤のひとつ、ロッポニカの一本。
 一般?有名俳優を使ったソフトポルノ、まあいいとこ取りを狙ったのだろうが、いいとこ取りを狙うと、たいてい失敗する典型例。しかしサスペンスとしては、意外と、面白い。

e0178641_19121474.png噛む女 S63('88)/日活/カラー/ヴィスタ/1時間42分 <神保町シアターHPより>
■監督:神代辰巳■原作:結城昌治■脚色:荒井晴彦■撮影:篠田昇■音楽:小六禮次郎■美術:菊川芳江■出演:桃井かおり、永島敏行、平田満、余貴美子、加藤善博、楠田薫、前川麻子、飛田ゆき乃
妻子がありながら女遊びに興じるアダルトビデオ会社の社長は、噛み癖のある小学校の同級生の女と一夜を共にする。その後、女に、ある事実が浮上し…。男と女の危うい関係を炙り出す、神代監督の熟達の演出が冴えるエロティック・スリラー。

 永島敏行が、しまりのないからだと、しまりのない顔で演じるのは、高校時代に、ゴダール丸パクリの自主映画を作り(そのわかりやすい「オマージュ」ぷりは、あからさまに映画青年を馬鹿にしたはクマシロか脚本の荒井か)脚本コンクールにも入賞、しかし映画業界氷河期で、AV業界にもぐりこみ、初期エロヴィデオでは「傑作」とされるAVを監督、小金を得てAVメーカーの社長になりあがり、妻・桃井かおりとの間に一女をもうけ、比較的優雅な暮らしのまま、女遊びにふけりまくる、と。

 この前半の永島の日常が、だらだらと、しかしかすかな緊張をはらんで描かれ、そのどこがミステリなのか、上記の横溝特集で、なぜこの映画なのか、が逆にミステリーだったりする。そう、ミステリーではあるが、ミステリでは、ない前半。
 で、やっとタイトルロールの噛む女・余貴美子が登場し、「退場」してのちに、初めて、ミステリーが、ミステリに、なる。
 余貴美子は、今のふくよかな丸顔でもなく、優しげな役が多くなった今とは違う、肉のない顔で、不穏な女の役を演じる。

 しかし神代辰巳「悪女の仮面 扉の陰に誰かが」80年、神代辰巳「死角関係」87年(ともに感想駄文済み)、それに88年の本作と、ロマンポルノ時代には、無縁だった、ホームドラマ系、ミステリ系の方向に行ったのは、なぜなんだろう。
 もちろんロマンポルノ時代は、放浪する青年、流れ流れていくストリッパーたちなど、非定住者ばかり描いていた印象なのだ。
 ナニがクマシロをそうさせたのか。
 80年代バブルまっしぐらの時代にあっては、漂泊の、まつろわぬ民たちは、時代のニーズ(笑)に、合わないというところか。
 かくてロマンポルノ時代のクマシロのミューズ芹明香の登場シーンは、わずか10秒くらいで、芹ファンのぼくも、一瞬のことで、見逃したしだい(泣)。そもそも彼女の登場するエピソードは、軽に乗った永島一家が遭遇する路上の惨事という、これまた一分未満の短いシークエンス。幻想とも回想ともつかない唐突に始まり、瞬時に終わるシークエンス。
 その混乱を絵に描いた短いショットに、70年代ロマンポルノの裏ミューズ芹明香の、無残な80年代問題女優の、たそがれを、かいま、見れなかったのよ(笑)。しまらない。
 そういえば、1980年鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」こそが、70年代まつろわぬ民と、80年代?バブル豪奢のクロスイメージだったのか、と、ナニをわけのわからぬことを(笑)。

 永島や、その友人・平田満が、初対面の相手にすら、気安く肩を抱く肉体言語ぶりに、クマシロらしさを見るか、80年代らしいノリを見るか。夫の友人・平田の、ひざになれなれしく触りまくる桃井かおりも、同様。
 いまや草食系支配?の現代から見て、80年代バブル期の肉食系ぶりが、懐かしい?

 桃井・永島夫婦の幼い娘・渡辺麻衣という子役が、やけにセリフや本格演技が多く、無茶なクマシロ演出なのだが、幼女子役なりに健闘。この子役にクマシロぐだぐだ演技を見るのは、まあ、方向違いなんでしょうねー。
 余や、おなつかしや木築沙絵子が脱ぐ中、乳首も見せぬ桃井が、解せない。クマシロ映画でさえ、乳首NGとは、大物女優やねー。アメリカでは大物女優もばんばん脱ぐが、日本では大物女優になると、隠したがる。うーむ。

 ラスト、桃井の無邪気そうな笑顔で、エンド。邪気のないこの笑顔で、演技的によかったのかどうか、まあ、緊張をはらみつつ、凡庸なミステリでは、竜頭蛇尾も仕方ないか。
 おそらく同年公開のエイドリアン・ライン「危険な情事」(実は未見)の、パクリ企画で、それはそれなりにまとまっているが。前記「死角関係」どうよう、主人公の家庭の窓に投石三昧、ここにクマシロの、ホームドラマへの違和感を見るのは、まあ、考えすぎでしょうね。

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by mukashinoeiga | 2015-04-07 09:49 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback(43) | Comments(3)

神代辰巳「濡れた欲情 ひらけ! チューリップ」

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。75年、日活。
 同時上映ゆえの、何度目かの再見。
 しかし、何度見ても(笑)けっして馴れることのないワイルドキャットみたいな神代映画であり、芹明香である。
 主演は絶品としか言いようのない芹明香。
 この、珍くしゃ顔で、いつもふてぶてしくふてくされた、美声ではない野太いがらがら声の、貧乳女優が、菩薩、女神様に見えてくるのだから、神代演出、姫田キャメラ、誇大広告ならジャロに告発されるべきであろう。
 まったく、ラスト、金色のドレスをまとい、すらりと立つ芹明香、どう観たって美人女優と、勘違いしてしまうじゃないか(笑)。

 そしてモチロン、元スケバンをやらせたら日本一の女優で(笑)。かみそりを持つ女が、これほどサマになる女優はほかにいないし、連続足蹴りがこれほど決まる女優もほかにいまい(笑)。

『濡れた欲情 ひらけ! チューリップ(35mm)』1975年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:石井まさみ、安達清康、芹明香、江角英明、高橋明、奈良あけみ、谷ナオミ、二条朱実、間寛平、丘奈保美、浜村純、松井康子、小松方正
間寛平の大ヒット曲「ひらけ! チューリップ」を主題歌に描く傑作コメディ・ポルノ。大阪を舞台にモテモテのパチプロと童貞のクギ師が、意地と女をかけてパチンコ勝負!元スケバンの景品係であるヒロインを演じる芹明香が素晴らしすぎる!!©日活
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                  (クマシロの、いつもの、屋根好き)

 なお上記石井まさみ、芹明香を差し置いて、主演扱い、どんな女優だっけと、調べてみたら、なんと25歳童貞ブチャムクレ顔のクギ師青年を演じていた、男だった(笑)。
 女優と勘違いさせる、紛らわしいネーミング、しかもあのカボチャ顔で、まさみは、ないだろまさみは(笑)。男でまさみなら、美少年想起させる名前だろ。
 二重三重に誇大広告な芸名だ(怒)。こいつに比べたら、義父役の間寛平のほうが、まだ美男子だ(笑)。
 なお同じ石井まさみで、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」もヒットするが、こちらは「女達」の一人という扱いで、別人の女優だろうか。

 さて冒頭のっけに、ドドーンと大阪城のアッブ。
 これに(のちにクギ師青年の実の父と判明する)浜村純の、「ええか、女はとりあえず、押し倒してみるんや」という、息子への怒声が重なり、わけのわからない迫力にツカミは充分である(あるいはアゼンである)。
 で、不細工釘師に対比される、女にモテモテのパチプロの卵・安達清康が、芹はじめ、女たちにモテモテでイレイレ、それを指を咥えてみている不細工童貞、というところで、ロマンポルノ的濡れ場が散見されるわけだが、昔からこの手のロマンポルノで性的に興奮したためしのない小生としては、ビザールなクマシロ式ハーフコメディを、やや呆然として、見ることになる。
それに安達清康、どう見ても女にモテモテのタマでもないし(笑)。

 しかしグテグテなわりには、調子のよいクマシロ式は、なんだか心地よいのも事実。
 この時代のクマシロの常として、芹明香は仁義を切る真似事をし、石井まさみは高倉健「唐獅子牡丹」を歌う。
 定説では73年の「仁義なき戦い」以降、仁侠映画は急速に廃れていったというが、75年当時としては、クマシロの東映仁侠映画への思い入れ、オマージュは、仁侠映画ブームへの挽歌、ないしまだまだご存知ものだった任侠映画のパロディとして、愛されていたのだろうか。

 というのも、本作を見て、クマシロは、自分以外の映画を比較的見ていたのか、否か、気になったことがある。
 というのも(あえて二度書きするが)、本作には鈴木清順「けんかえれじい」「殺しの烙印」の影響が、かなり見られるからである。モチロンそれは確実に清順映画に関心があるだろう共同脚本・岸田理生によるものかもしれないが。
 データによれば、1968年4月13日に、神代辰巳デヴュー作「かぶりつき人生」が公開され、4月25日に鈴木清順は、日活を首になっている。
 監督昇進が長いあいだできず、同期は愚か、後輩が次々監督昇進するなか、万年助監督だった神代が、同じ時期、添え物監督として不遇をかこっていた清順(まあ、経営的には当然っチャ当然だが>笑)を、どうみていたのか、気になるといえば気になる。
 ともに、つながらないショットを、無理やりつなげる編集、という点で共通しているし。
 モチロン共通する編集は、鈴木晄。つながる編集を重視する監督(むろん、それが当たり前)の映画は普通に編集するが、清順、クマシロのカブいた映画には、カブいた編集をする。本作でも、そのカブいた編集の快を担う。
 つながらないショットの野合とともに、便箋の手書きスポークン・タイトル(字にスポットライトを、狭く当てる)や、普通局所にぼかしを入れるところに、大胆なでかく四角い黒味を入れるところなど、まさに鈴木清順/鈴木晄コンビの再現で。
◎追記◎クマシロ映画には、「ある甘さ」があり、その意味でも、実録路線というより、仁侠映画なのだろう。

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by mukashinoeiga | 2015-04-05 17:16 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

カテゴリに追加:神代辰巳猥歌 揺れた俗情

 最近わりと見ているので、追加しました。
 旧作は、過去にほとんど見ているのですが、すべてを書いている訳ではありません。
 なお、右柱の、カテゴリの順番も、若干変更しました。

★日本映画データベース/神代辰巳★

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by mukashinoeiga | 2015-04-03 10:01 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

神代辰巳「赤線玉の井 ぬけられます」宮下順子蟹江敬三清水国雄前野霜一郎丘奈保美芹明香古山義範吉野あい中島葵絵沢萠子殿山泰司

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。80年、日活。あと1回の上映。
 同時上映ゆえの、何度目かの再見。本特集も、TVドラマをのぞいて、全部ないしほぼほぼ見ているので、新味がないのが、悲しいところ。
 例によって、女のさが(性)を描く、クマシロ・サーガとして、素晴らしい。

『赤線玉の井 ぬけられます(35mm)』1974年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:宮下順子、蟹江敬三、清水国雄、前野霜一郎、丘奈保美、芹明香、古山義範、吉野あい、中島葵、絵沢萠子、殿山泰司
売春防止法の施行が目前に迫る昭和三十三年。ヤクザに入れ込むシマ子、二十七人お客を取ろうと張り切る直子、新婚早々お客を取る公子を中心に、娼家「小福屋」の正月の一日を通して売春婦たちの哀歓を描く。猥雑さの中にユーモアが溢れる女性讃歌。©日活
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 クレジットではトップは、シマ子役・宮下順子だが、実はもっとも出番の多いのは、だいぶクレジットの低い、クマシロお気に入り(みんなも、お気に入り)公子役・芹明香。
 4:3:2:1で、芹:宮下:直子役・丘奈保美:繁子役・中島葵と、いったところの、群像劇オムニバス。
 あいかわらず独特の低温演技が絶品。世間的には、よりメジャーなしらけ演技派女優かおりの陰に隠れてしまった、言ってみればマイナーポエット女優か。
 ただし、本作では、似たようなふてくされな顔立ちが似ている、直子役・丘奈保美とかぶり、顔面識別能力が低いぼくなど、はてこれは芹明香か、丘奈保美か、画面ごとに迷うことしきり。
 丘奈保美も、東映時代の丘ナオミみたいに、女だてらの丸坊主なら、識別は容易だったのだが(笑)。
 芹明香自体は、何度も薬品関係で逮捕されたようで、消えてしまった。女優の資質としては、年をとっても、通用するようなキャラで、残念で。
 ぼくの知るかぎり、中澤サカキ「女教師6」(1998)という日活ソフトポルノのヴィデオでの、小さな出演が最後か。
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 ヒロインの女教師の隣人の主婦、確かゴミ出しのルールを説明する、ホントに小さな役で。芹明香にふさわしくないといえば、これほどふさわしくない役はないのだが、あるいは中年なり老年なりの脇役女優としては、それなりに活躍できた可能性を示して、そして、ぼくの知る限り、芹明香は姿を、消した。惜しい女優だ。

 なお、繁子役・中島は、若くして亡くなった雅之の娘。愛人とのあいだに生まれた娘だったため、父森雅之とは、一度くらいしか会っていなかったのではないか。
 森雅之葬儀の際、小演劇及び日活ロマンポルノの脇役女優だった彼女は、ロマンポルノ以前の一般映画時代に、日活に出演していた森雅之を知るスタッフに背中を押され、衣装部の喪服を借りて、父の葬式に「紛れ込んだ」という。
 男性俳優としては、きわめて華やかだったモリマとは、似ても似つかぬ、地味な女優だった。女優としての、華が、なかった。
 本作でも、売れない、どんくさい、女郎の役。
 ただし、本作のラストショットは、そんな、どんくさい彼女が、売れなくなりお茶をひいて、より場末の品川に鞍替えを強いられ、店前の、どこぞの商人の自転車を「失敬」して、移動するショット。
 よりランクが落ちるくら替えを、ひょうひょうと自転車こいで、身一つで「流れていく」。
 そのわびしさと、かろみ。中島葵らしい、クマシロらしい、そのうらぶれた、かるみ。

 彼女たちの客に、高橋明、庄司三郎、前野霜一郎ら。後期日活アクション時代を下支えした、大部屋の彼らが、ロマンポルノになって、セリフのある役を得る。しばしば画面にインサートされる、滝田ゆうイラストと同じ、うら悲しさの、素晴らしさ。 
そうして、宮下順子のあえぎ顔は、やっぱり、エロい(笑)。 

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
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by mukashinoeiga | 2015-03-21 02:07 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback(7) | Comments(2)

白鳥信一「狂棲時代」芹明香

 阿佐ヶ谷にて。「わたしたちの芹明香」特集レイト。73年、日活。5月9日(金)まで上映中。
 昔、ロマンポルノを当たり前のように見ていたころは、白鳥信一の名前は、鬼門であった(笑)。とにかく見る映画、見る映画がことごとく、つまらない。ダルダルで。
 ところが、本作、非常にしまった、良作
 のちに、つかこうへい劇団で名を上げた風間杜夫が、予備校生役(まさに隔世の感)で主演。役名が「公平」というのは、何かの運命か(笑)。
 ヒロインは(ロマンポルノ的には、当然こちらが宣伝上も主役)切れ長の目の山科ゆり。風間とは、高校時代からの付き合いの女子大生。
 ところで、以下のラピュタ阿佐ヶ谷の紹介文には、きわめて大きいミスがある(笑)。

e0178641_4354329.jpg『狂棲時代』1973年(S48)日活/カラー/69分ニュープリント<ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:白鳥信一/脚本:いどあきお/撮影:前田米造/美術:川崎軍二/音楽:月見里太一
■出演:風間杜夫、山科ゆり、司美智子、絵沢萠子、芹明香、長弘、堺美紀子、清水国雄、しまさより、加納愛子、相川圭子
予備校生の公平(風間杜夫)は母と二人暮し。鬱屈がつのる彼はガールフレンドの典子(山科)にセックスを要求して拒まれ、声をかけてきたホステスともうまく果たせず、思わず公園で野宿していた家出少女(芹)を強姦してしまう。脚本家のいどあきおは、その後いどと芹にとっての代表作となる『㊙色情めす市場』を執筆する。彼の葬儀の際、芹はいどの妻と目が合った瞬間、電流が走ったように心が通じ、お互い無言で涙を零し始めたという。

 芹明香特集の紹介文で、致命的なミスは、芹明香は、本作では、山科ゆりの友人女子大生の役。家出少女の役は別人(しかも、公園で野宿なんか、していない!)で、明らかな間違い。
 この紹介文を書いた映画評論家は、自身のツィッターで弁解していた。本人自身は未見のまま、別の評論家の書いた文章を引用したのだと。
 しかし、これは、責められまい(笑)。
 今回上映がニュープリント(ほんとにきれい)であることからもわかるように、長らく上映されていなかったし、だから紹介者も確認できなかったし、何よりも、芹明香自身が、おそらく、公園で野宿している家出少女を演じさせたら、日本一の適役女優だからだ。
 家出、フーテン、公園で野宿、まさに芹明香パブリック・イメージそのものの適役ではないか。
 だから最初の評論家は、そう誤った記憶をし、誤った記述をした。(実際は芹明香でない)少女が、公園で野宿中に(繰り返すが、この映画では、誰一人として、公園で野宿してなど、していないにも、かかわらず)風間杜夫に強姦された、と。それこそが、芹明香だと。
 そして、紹介者は、それを一瞬も疑うこともなく、むしろ舌なめずりさえして(断言)これこそ芹明香だ、と、のどさえ鳴らして(笑)納得したことだろう(断言)。
 もちろん、ぼくも、ああ、これこそ芹明香ならではの役ではあるまいか、と舌なめずりさえして(事実)これこそ芹明香だ、と、のどさえ鳴らして(事実)阿佐ヶ谷に駆けつけたのだ。
 つまり、これは、正しい誤解、美しい誤解だ(笑)。

 じっさいは、芹明香は、優しい彼氏と同棲して、一切のDVを受けることなく(笑)、幸福に家事をしている女子大生。妊娠して、最初は、親からの仕送りもない同棲カップルゆえ、おろすことにしていたが、考えを変え「やっぱり、あたし、産むわ。いいでしょ」。
 優しい彼氏は「俺も、とうとうオヤジかぁ」。
 おそらく、芹明香史上もっとも幸福な女の役であり、新妻の女子大生(同棲ではあるが)とは野太い声の彼女に、似合わないったら、似合わない役柄で。これを野宿少女に誤変換した記憶は、正しすぎるくらい、正しい(笑)。

 話を主役のほうに戻すと、風間は夜の公園のブランコにあてどもなく腰掛けていると(公園シーン自体は存在する)絵沢萠子(意外に(笑)いい女の役)に、声をかけられ、童貞を捨てる。
 本命の彼女・山科ゆりに、これまた夜の公園で不用意に迫り、拒絶される。
 そこまでは、いいのだが、父親の愛人・司美智子に恋して、追いかけて、いたしちゃうのは、いかがなものか(笑)。逆親子どんぶり。
 父親は、本特集先週の曽根中生「㊙極楽紅弁天」(感想駄文済み)の平賀源内役でもあった長弘。日活アクション時代は、あまり目立たない大部屋だったが、なかなかいい味で。
 ラストは、お互いのすねを捨てて、山科ゆりと意外なハッピーエンド。ここら辺が白鳥新一か。

★狂棲時代|Movie Walker★

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by mukashinoeiga | 2014-05-05 19:32 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)