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福田純「血とダイヤモンド」宝田明水野久美石立鉄男はデヴュー作

 阿佐ヶ谷にて。「漢★佐藤允!BANG!BANG!BANG!」特集。64年、東宝。
e0178641_2111272.jpg なかなか、いやいや、かなり小気味いいサスペンス快作。多少の甘さはあるのだが、いや、ここまでやってくれれば、プログラム・ピクチャア快作としては、御の字。すばらしい
 本特集では、同じ福田純の「吼えろ脱獄囚」「暗黒街全滅作戦」 (感想駄文済み)も堪能いたしました。福田純に、改めてカツモクです。
 神戸税関から、輸入ダイヤモンドを強奪。田崎潤を組長とするチームAの鼻先から、佐藤允リーダーのチームBがダイヤをかっさらう。
 ところが仲間(珍優砂塚秀夫がまぢめに演じている)のドジから、佐藤允は被弾して、負傷。
 かくてチームBは、暗闇の廃工場に逃げ込み、足止め状態、仲間割れを繰り返す。
 そう、まるでクェンティン・タランティーノ出世作「レザホアドッグス」を先取りしたような、ワンナイト・クライム・サスペンス
 白黒シネスコサイズで展開される、ほぼ夜の暗闇のなかのサスペンス。グッド。
<以下、完全ネタバレ>
 チームBが仲間割れをしている間、
1 田崎潤、子分伊藤久哉らは、チームBの居所を探して、ダイヤ奪還をもくろみ、夜の町を駆け巡る。
2 三国人の闇故売屋・遠藤辰雄は、佐藤允から強奪ダイヤを買い取ろうと暗躍。
  佐藤に提示したダイヤ購入額2500万を、トラヴルを理由に2000万、ついには1800万と、ディスカウントするけちん坊。
3 喫茶店ウェイトレスを偽装しつつ、ダイヤ強奪の発端を作った悪女・水野久美は、佐藤允からの連絡を待つ。
4 外資系のタイタニック保険(いかにも怪しげなネーミングだ)日本支社白人マネージャーは、保険をかけているダイヤが盗まれたので、どんな手を使ってでも、ダイヤを回収しようと暗躍。
 白人マネージャーは宝田にダイヤを回収してくれたら7000万を支払うという。 
5 タイタニック保険の委託を受けて、これまた怪しげな町場の興信所をひとりで経営する私立探偵・宝田明は、独自の嗅覚で、水野久美を張り込む。
 夫の浮気調査を妻から依頼された宝田は、浮気しているダンナに「奥さんに浮気の事実を隠すから、金をよこせ」と、夫から口止め料、妻から調査費と、二重取りをもくろむような、ちんけな小悪党だ。
 宝田は、佐藤を裏切ってダイヤ奪還で手を握ってくれるなら、水野久美に4000万、オレの取り分は1000万でいいと、水野にもちかける。差額2000万はばっくれる気だ。
6 佐藤允の負傷、銃弾処理を、「ナントカしろ」といわれた佐藤の弟分・石立鉄男が、砂塚とともに、女子高生・中川ゆきを誘拐、ゆきの父・町場の外科医である志村喬を脅迫、父娘ともに拉致して、佐藤允の銃弾摘出手術を強制する。
 その志村は、寄る年波で、メスを握る手が震える状態。果たして佐藤允の銃弾摘出は、できるのか。
 ちなみに、住み込みの婦長・中北千枝子が、警察の問い合わせに「先生はまだお帰りになっていません。よく屋台のおでん屋で呑んでいるんですよ」の、サスペンスを「中断/断絶/無効化」しつつ、逆説的に、よりサスペンスを延命させるかのような、のんびりとした電話対応がグッド。
7 兵庫県警、夏木陽介、その上司内田朝雄らは、市内に潜伏しているだろうBチームの捜査にやっき。次々檄を飛ばす。
 と、大勢の奴らが、夜の神戸の町を右往左往する。ワンナイト・サスペンス
 多少の甘さを含みつつ、グッド。
 チームBの、佐藤允、藤木悠、砂塚秀夫、グッド。ことに、本作がデヴュー作という石立鉄男が、少年の甘さを残したチンピラを柄に合って好演。すばらしい。本当にいい。
 水野久美も、圧倒的美女ルックスで、悪女を好演。素晴らしい。
 ただ、そこにいるだけ(笑)で、胡散臭さマックスの遠藤辰雄、例によってぬたぬたとしたこもったしゃべり方で、グッド。でも、簡単に、殺されすぎだろ(笑)。
 この遠藤辰雄が簡単に殺されないよう、老獪さゆえの万全の準備をして、なおかつ、殺されてしまうという、厚みのある話であって、ほしかった。そこらへんが弱いのだが、脚本・小川英・間藤守之、ここまでやれば、グッド。
 うーん、福田純、快調さくさく、他の映画も見てみたい。

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by mukashinoeiga | 2013-09-19 23:07 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(2)

大原麗子のドラマ?

 3/6に、TV東京が、大原麗子ドラマを、スペシャルで放映するという。内山理名が大原役。いや、ヴィジュアルは、どんな美人女優であっても、再現できるだろう。しかし、ワン&オンリーな大原麗子の、声は? この時点で、アウトなのでは。










 最後の流しは、吉田拓郎らしいが。ほんとか。TVに出ないなんて、うそじゃん、拓郎。

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by mukashinoeiga | 2013-03-05 23:19 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

今井正「仇討」中村錦之助神山繁丹波哲郎石立鉄男河原崎長一郎三津田健三島雅夫田中春夫

 京橋にて。「生誕百年 映画監督 今井正」特集。64年、東映京都。脚本・橋本忍。
e0178641_2583282.png 下級武士・中村錦之助が、些細な口論から、すこし上級侍・神山繁と対立し、果たし状をもらい、これを討ち果たす。
 さらに、神山の弟・丹波哲郎も、その仇討ちを挑んで、錦之助に返り討ち。
 なあなあで、丸く、かつ抑圧的に、納めようとした、家老・三津田健、その部下たち藩官僚、三島雅夫、田中春夫、は、これでは、顔が立たない。かくて、「正式な作法」に、のっとった「仇討ち」を「演出」する。
 討たれるのは、もちろん錦之助、「討つ」のは、兄ふたりを錦之助に殺された、三男・石立鉄男。後年のずうずうしい石立とは別人のように、錦之助は兄と慕う友達だし、陰惨な仇討ちにもメソメソと泣く、弱い、年少の男の子を好演。
 錦之助は、兄・河原崎長一郎の、家としての体面と、面目を保つため、石立鉄男に、討たれようとする。先祖伝来の名刀を、石でワル研ぎして、歯をぼろぼろにして、仇討ちで、殺されようとする。
 しかし、石立少年には、山本麟一ら、六人の助っ人(この一人に蜷川幸雄がいるらしいが、例によって役者としては、地味なヤツなので、判別できず)。卑怯なり、相手が石立鉄男少年のみなら、おとなしく討たれてやったものを。かくて、助っ人や石立、そして、藩重役に対する大立ち回り。体制派官僚の、ことを丸く納めて、穏便に治めよう、と言う思惑が、主人公を狂わせていく。
e0178641_2594090.png 「ことを丸く治めようとする」日本的政治配慮が、すべて裏目に廻り、陰惨な惨事へとなっていく。まるで、今の尖閣、竹島問題を見ているようではないか。
 ぼくは、若い頃の錦之助の、ナチュラルな魅力が好きだ。さわやかで、つつましくて、低温で、クールで、まるで、若い、子猫のような。
 年をとり、クサい芝居の、(名前改め)ヨロキンは、もうダメ。萬屋錦之助、変化ありすぎやで。
 本作では、後年の、クサくて、あざとい演技のヘンリンが、かな~り出ている。どす黒い顔のメイクからして、もう、錦之助ではない、ヨロキンの兆候。
 しかし今井正の、反体制映画の数々を見て、いつも思うのは、同じ共産党作家、山本薩夫が撮っていれば、いかに、映画的豊穣さに満ちた快作が、生まれていたか、ということ。
 明朗快活な青春讃歌「青い山脈」系をのぞいて、すべてを山本薩夫が、撮っていれば。どれほど豊饒な左翼娯楽映画になっていたか、と。
 やはり、正しいだけじゃ、ダメなのよ、

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by mukashinoeiga | 2012-08-29 00:06 | 今井正 青い左傾山脈 | Trackback(1) | Comments(0)

大原麗子とダイヤ菊と三百人劇場と

 大原麗子さんといえば、ぼくなどは、かの石立鉄男全盛期の主演ドラマ「雑居時代」「おひかえあそばせ」のヒロインの印象が強い。がらがら声なのに、かわいい、という稀有な美人女優で、その時期のぼくのアイドルでした。その延長上に、市川崑演出のサントリーオールドCMや、映画「獄門島」があるわけで。それ以前の東映映画チンピラ女優時代は、がらがら声や美貌が邪魔していたのか、あまりぱっとせずじまい。むしろもっと昔に生まれていたほうが、正統の美人女優として活躍できたかもしれません。

 都営三田線の千石駅で降りて、数十秒のところに、かつて三百人劇場というのがありました。メインは新劇の小屋でしたが、時折あるマニアックな映画特集で結構通いました。で、最寄の駅が数十秒というのは、結構つらい(笑)。いや、行きは便利この上ないのですが、帰りがつらい(笑)。で、用もないのについふらふらと。いや、用もないからこそ、ふらふらか。で、近くの路地で何かと暖簾が下がっていると、なおありがたい。路地といっても、今風のカラフルなタイルを敷いた小ぶりの商店街、夜だから店はほとんど閉まっている中に、ふいとダイヤ菊の電灯看板が目に入る。
 入ってみると、カウンターだけの小ぶりな居酒屋。
 ぼくの好みの、年配の女性が(と、いっても、若々しいのだが)一人で切り回している店。いや、別にぼくが熟女フェチというのでもないのですが、若いおねえちゃんの店というのも、落ち着かないじゃないですか。そういう店にいくと(連れて行かれると)、たいてい「こちらの方、お静かなのね」といわれてしまう、おしずかなんじゃなくて、おちつかないだけなのよ。大原麗子さんが、着物姿でいる居酒屋なんて、もう緊張しまくりだと思うよ。それはオーバーか。酔えば、ぐだぐだだあね。
 別に親父さんが一人で切り回している店というのでもいいのだが、頑固親父なら、子供のころにいやというほど付き合ったので。あと若い衆が切り回す店も、妙に悪気取りしている傾向もあり、おじさんとしては疲れる。
 一人で切り回している、というところも重要。若いころ、そういうおばあさんが一人でやっている店、あまつさえ猫などいて、飲みながら文庫本を読んでいると、ひざの上で勝手に寝てしまう、という、ぼくにとっては理想的な居酒屋、しかもそこのおばさんは昔数館の映画館の経営者だった、という今思うと夢のような、ひなびた、しけた居酒屋もあったけど、それももうなくなっちまったしなあ。ああ、話がどんどん大原麗子から離れていく。
 で、その千石の(もっとわかりやすく言うと、巣鴨の先の)小さな居酒屋に、小津ファンにとっては清酒ならぬ聖酒といっていい(笑)ダイヤ菊がなぜあるかというと、単なる偶然で、ン十年前の開店当初から、たまたま置いているという。いいなあ、たまたま。で、ぼくの知る限り都内でダイヤ菊を置いてる店三店目に、三百人劇場での帰りは、たいてい寄ることになった。といっても、特集はたまにしかなく、何ヶ月も行かないこともあれば、週に三日行くこともある、というところ。で、また、ダイヤ菊もうまいのよ。
 あるとき、店のおばさんが「この近く(歩いて約一分)に和菓子屋さんがあるでしょう」という。ありますねえ。もっともここへ来るのはいつも夜だから、閉まっているけど。「そこが、女優の大原麗子の実家なのよ」。で、その店はもと店員だった女性が、大原麗子の父親の後妻になって、いろいろ複雑なのよとか、彼女が大河ドラマの主役のころは(これはぼくの知らない世界)観光バスが店に乗り付けて大繁盛だったとか(主演女優の実家に観光バス!)、彼女が地元中学生だったころ、数学の先生と・・・・で、その数学の先生は左遷されたんだか、どうだとか・・・・中学生の大原麗子も美少女だったろう。さすが六本木野獣会。
 そういう彼女が、おとなしいかたぎのお嬢さんや、理想のお嫁さん女優になるのだから、女はわからない(笑)。そのあと、こどもの日に三百人劇場へ行ったときは、その和菓子屋さんで柏餅など買い、映画を見ながら食べたりしたのですが、その居酒屋も閉店し、翌年には三百人劇場も閉館して。
 三百人劇場に通う映画ファンの中には小津ファンも、大勢いたろう。その彼らも、劇場の近くにダイヤ菊が飲める店があることは知るまい。ざまあ見ろ・・・・なんて、下衆な気はなかったけれど(笑)まあ、お酒はおいしかったからね。
 三百人劇場スタッフも今は神保町シアターに流れてきて、ぼくも通っているが、映画を見たあとの、いい居酒屋、というのがないのが、少々つらい。


●追記 大原麗子は「おひかえあそばせ」には出ていませんでしたね。ごめんあさあせ。サントリーのCMも、レッドがメインで、でもあとから「今夜から我が家でも、サントリー・オールド」のシリーズがあり、これはあながち間違いでも。
 なおネットをいくつかうろついてみたら、既成メディアではザの字も出ないことが多い「雑居時代」が、多くの人々にとって、大原麗子で一番印象に残る作品のようだ。これは当たり前のこと。作品自体の、日本的ラブコメの面白さもさることながら(映画脚本ではいまいちはじけない、松木ひろし脚本の代表作)石立鉄男の相手役というのが肝。ぼくはゴールデンタイムの本放送から見ていたのだが、午後4時からの再放送でブレイクするのが石立コメディ。夕方なのに下手すればゴールデンより視聴率がよかったりして。実際、当時ぼくは新聞の文化欄の記事で、夕方からの再放送が異常大人気、というかなり大きな記事を読んだ記憶がある。この再放送人気を支えたのが、おそらく当時の小・中・高校生たち。
 こども(もちろんぼくも)はみんな石立鉄男が好き。子供受けのする絶妙なキャラ。しかも、当時の人気子役・杉田かおるも、大原麗子の末の妹役で出演(もちろん杉田がブレイクしたのも石立コメディ「パパと呼ばないで」による)、子供受けは万全だ(もちろん大人にもウケた)。
 当時の小・中・高校生は、この石立ドラマの、かわいいヒロイン大原麗子を<きれいなお姉さん>として、なんていうんだろう、トラウマという言葉は当然ネガティヴな言葉なんだけど、いい言葉が思いつかないので、逆トラウマとするけれど、ま、馬虎ですか、当時の、小・中・高の子供たち世代に、きれいでかわいいお姉さんとして、世代的に決定的な印象を残したはずだ。映画女優としてはいまいちであったが、70年代の子供たちは、みんな(笑)覚えている、お茶目で、突っ張って、でも、めちゃくちゃかわいい、きれいなお姉さんだった。

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by mukashinoeiga | 2009-08-07 03:35 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)