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「外は雨だし映画でも観とくか。」なるブログがなかなか面白い旧作邦画イラストもグッド

森雅之をモリマと略すのがいいやね。
 ちなみにこの略称を初めて使ったのは、たぶんぼく(笑)。以降数少ない名画座女子が、この略称を使っているのが、散見される。
 同じころ、使いだしたサブリンも、ごく少数の名画座女子に汎用されておりますね(ごく少数なのに汎用というところが図太いところ)。
  このNoeさんのブログは、文章よし、イラストもよし。

e0178641_0234025.jpg「女の勲章」1961年 日本
船場ことば早口マシンガン男・田宮二郎は3人のしたたか内弟子衆を利用して事業を拡大させていこうとする。まあ内弟子たちも田宮二郎を利用する気満々なんだからお互い様なんですが。田宮二郎のセリフ回しと下半身のフットワークの軽さが素晴らしいです。清々しいほどの野心溢れるクズ。だけど時折、そのセリフからただの野心家ではない彼の暗い部分が見え隠れする。
そんなハイパークズ男田宮二郎の前に立ちはだかる、毎度おなじみのクズ男・森雅之。
田宮二郎と森雅之のクズ対決もこの映画の見所なんですが、なんせタイプが全く違うクズなので甲乙つけ難い。モリマは大学教授してて、田宮二郎や船越英二は彼の教え子。10年前に妻が若い男と心中して男やもめ。しかしその立ち振る舞いから気品と色気が溢れ出ていて京マチ子もイチコロです。お座敷であぐらかいてメシ食ってるだけでエロいのです。パリでお京さんと抱き合うシーンも表情がエロくて素晴らしいんです。溶けます。
田宮二郎とお京さんのやり取りを見ている時のモリマの情けない顔よ…するのほんとうまいね(褒めてる)(以上抜粋引用終わり。文字変色は引用者による)

 そもそも二郎さんのイラストというのが、なかなかないのだが、これはグッド、さわやかにして脂身こってり、というこのイラストは出色、多少色白な気もするが、そうゆう非アクション系色悪の二郎さんは、こんな感じか。
 船越も、何気にいい。やはりこってりな京マチ(この省略形も、いまいちヒットせず)のイラストも絶品。
 いまいちいいイラストにならない若尾、モリマもグッド。

e0178641_0243972.jpg「白痴」1951年 日本
上のあらすじは嘘です。ごめんなさい。いやでも、あながち間違ってないとも思う。
というか、これどんな話?って聞かれても非常に困ります。
「白痴」の初見は、旧作に興味を持ち始めた中学生の頃。三船目当てで。ちなみにモリマを初めて観たのもコレでした。
なんだかよくわかんないけどなんか凄い、原節子怖い、白痴の人可愛い、みたいな感想だった。
で、なんだかんだで黒澤映画で一番見返してるのはコレなんです。
あの透き通ったような瞳の色凄くないかい?「浮雲」では濁りまくった目をしてるのに、どうして役によってこんなに目の色を変えることができるんだろうか。森雅之恐るべし。
全身黒尽くめでもはや魔女にしか見えず、小津作品に出てる時の面影ゼロの原節子。情緒不安定とか通り越してあまりにもめんどくさい久我美子。ギラギラしつつも神経質な中学生男子感がプンプン漂う三船敏郎。三船は原節様が好きとか言いながらモリマとばっかり喋ってるよね。
そう、モリマと一緒にいる時の三船はまさに中学生男子。離れているとモリマが憎くて殺したいくらいなのに(一応恋敵だしね)、いざ顔を見ると優しい気持ちになってしまうらしい。
またこんなこと言うと怒られそうですが、これってBLと思って観ると案外、腑に落ちるんじゃないかと思うのよ。ていうかBLでしょこれ。←違う
モリマが三船の顔を両手で包み込んだ瞬間「チューすんのか…?」と考えてしまった自分の腐脳を叩き壊したいです。えぇ、もちろんチューはしません。(以上抜粋引用終わり)

 ちなみに、ハラセツという略称も、たぶんぼくが初めて。うぬぼれの、間違ったドヤ顔だったら、ごめんなさいね、ビシバシ指摘して、ください。
 旧作作邦画系イラストで、こんなにも似顔絵が決まったイラストは、初めて。東山千栄子!志村喬!

e0178641_0281287.jpg「二十四時間の情事/ヒロシマ・モナムール」1959年 日仏合作
実際、エマニエル・リヴァは本作の撮影に入る前に広島の街や人々を写真に撮っていて、その写真で数年前に個展も開いたそうで。その時の動画がYouTubeに出ているので興味があれば是非。映画のタイトル名で検索すればすぐ出てきます。余談ですが、これにチラッと映る岡田英次のスナップ写真が超男前です。←余談と言いながら強調
岡田英次、今まではゴツいという印象しかなかったというかそんなに気にして見てなかったんですが、どうも近頃ハマってます。肉感的な色気を感じるんですな。超美人エマニエル・リヴァと並んでも見劣りしない美しさかっこよさがある。抱き合ってても違和感がないですからねえ。(以上抜粋引用終わり)


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by mukashinoeiga | 2018-10-02 00:29 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

安田公義「東京博徒」

 神保町にて、「音楽から映画を愉しむシリーズ 作曲家・小杉太一郎の仕事――名優・小杉勇と映画監督・内田吐夢との絆に導かれた映画音楽の道」特集。67年、大映京都。
 好漢・田宮二郎映画の未見作。ニヤニヤして、見てまいりました。

e0178641_0283155.jpg6. 東京博徒S42('67)/大映京都/カラー/シネスコ/1時間22分 <神保町シアターHPより>
■監督:安田公義■脚本:舟橋和郎■撮影:竹村康和■美術:太田誠一■出演:田宮二郎、藤村志保、天知茂、春川ますみ、星ひかる、芦屋雁之助、毛利郁子
昭和初期の浅草を舞台に、気風の良い露天商の男と町娘の純愛を、古き良き下町風俗を絡めて描く。「犬シリーズ」でのコンビが人気の田宮と天知が敵を演じた任侠映画。
♪手堅いオーケストレーションによる楽曲が堅実に物語を支える。ラストに響くチェンバロが心憎い。

 浅草が舞台ゆえ、得意の大阪弁を封じるが、大阪弁なら、もっと面白かったろう。
 古着屋の娘ゆえ、ヒロイン藤村志保は、和服、洋服とコスプレ三昧。つられて田宮もコスプレ。
 この路線を推し進めていたら、もっと面白いものになったろう。
 だが、残念ながら、映画はまぢめに田宮を都落ちに。大阪へ。まったく逆ベクトルなのが、敗因で。

 天地茂が悪役のボス。なのだが、こんなに「フェアな悪役」は、初めて、見た(笑)。いろいろ「政治的に配慮」して、最後の対決も、ボス自らフェアに一対一って。こんなラスボスはじめて見た(笑)。
 悪役のほうがスクエアでクール、なんてのも、面白い。

 前半のぬるさをそのまま貫いていたら面白いはずなのに、ミョーにドラマチックな「定番」を選んで、失速。うーん。
 <不機嫌なブス>春川ますみも、田宮、天地の「犬」シリーズの、絶品・坂本スミ子に、なり損ねた。残念。
 なお、本特集のキモ、小杉太一郎音楽は、プログラムピクチャアの定番で、それ以上でも以下でもない。

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by mukashinoeiga | 2015-11-08 23:56 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(17) | Comments(0)

弓削太郎「背広の忍者」田宮二郎滝瑛子高松英郎伊藤雄之助杉田康早川雄三花布辰男

 神保町にて。「よみがえる田宮二郎―昭和を駆け抜けた狂熱の俳優人生」特集。63年、大映東京。
 旭電機は革命的なテレビ、AH4型とよばれる新しい秘密テレビを開発しているという。4インチの超小型携帯TVであり、自動車でも視聴できる画期的な製品だという。
 これは現在普及しているスマホや、ナビゲータ兼TVモニタのプロトタイプというべきもの。
 現在ではまったく当たり前に普及している汎用品の、開発初期における熾烈な企業スパイ活動を描く。
 (昭和的に)泥臭くもかっこいい田宮二郎、及びその調査会社・上司の高松英郎のクールなかっこよさが、楽しめる。

e0178641_22443188.jpg背広の忍者 <神保町シアターHPより>
S38('63)/大映東京/白黒/シネスコ/1時間28分
■監督:弓削太郎■原作:邦光史郎■脚本:白坂依志夫、江戸川弦■撮影:石田博■音楽:池野成■美術:山口煕■出演:田宮二郎、滝瑛子、高松英郎、伊藤雄之助、杉田康、竹村洋介、北城寿太郎、早川雄三、高村栄一、花布辰男
テレビの開発に絡む調査を行っていた会社の社長が、不審な死を遂げる。事件の真相を探る社員の日沼(田宮)は、調査屋ならではの戦術で忍者の如く黒幕を追い詰めていく。正義漢の若きサラリーマンが社会の闇に挑む産業スパイもの。怪優・伊藤の胡散臭い悪役は絶品! *16mm上映

 本作では、4インチTV開発、そのダミーとしての16インチTV開発の発表、という趣向だが、
★Sony Japan|Sony History第13章 IREショーで見つけたもの★  <ソニーHPより抜粋引用>
井深たちは、8インチのポータブルテレビ「TV8-301」(第9章参照)を発売した直後から、それをもっと小型に、もっと高性能にしたものを出そうと着想を重ねていた。それが、5インチのマイクロテレビ「TV5-303」である。この開発は、他社に気づかれないように進められ、試作名称も“SV-17作戦”と付けられた。ソニーは17インチのカラーテレビを開発しているのではないか、という目くらまし作戦である。それだけに、技術研究、試作、生産とすべてが秘密で、情報が漏れぬよう関係者たちは神経を使った。
(1962年)「天皇に口どめ」という前代未聞の行為で秘密は無事保たれ、4月17日、世界最小・最軽量のマイクロテレビ「TV5-303」は新聞発表された。翌18日の主要新聞各紙は、これを写真入り3段のスペースをとって報道。「TV5-303」は華々しいデビューを飾った。
 このマイクロテレビのお陰で、ソニー・アメリカは一息ついた。それまでは、売り上げにいちばん貢献するテープレコーダーは販売代理店のスーパースコープ社が扱っており、ソニー・アメリカで売る主力商品といえば、トランジスタラジオしかなく、売り上げ額もソニーの国内販売の名古屋支店分くらいしかなかったのだ。(引用終わり)

 と、本作の前年の実話では、5インチTV開発、そのダミーとしての17インチTV開発の発表と、映画のサバ読みが判明。
 しかし映画では、ライヴァル家電メーカー関係調査員を殺してまで秘密を守る、ということになっており、ソニーはこれに抗議していなかったのか(笑)。
 ま、堂々と鉄道ロケしておきながら、脱線描写は当たり前に撮影されており、それほど当時の映画会社は勢いがよかったというべきか、企業が自社イメージの、マイナス描写に、まだまだおおらかだった、というべきか。
 現在だったら、人を殺してまでも、またヤクザを使ってまでも嫌がらせをする、新製品開発を進めるソニー、なんて描写が映画や原作小説に現れたら、名誉毀損の訴訟モノだろう。
 なお、電機(ソニーがモデル?)と、熾烈な産業スパイ合戦を繰り広げるライヴァル社・東邦電機は、やはり松下あたりか。
◎追記◎仮称が東邦電機なんだから、ここは、ヤッパリ東芝でしたね。
なお、大映プログラム・ピクチャアにしては、小型TV製造工場の描写が、リッチ。まさか極小ブラウン管を、映画の小道具として量産したとは思えず、ソニー=旭電機に対抗するカウンター・パートナー(にして、二番煎じを狙う)東芝の工場を、撮影に借りたのか。
 ということは(笑)先行するソニーに追いつけ追い越せで、ソニーの犯罪行為を暴く映画に加担したのか、東芝(笑)。

 大映プログラム・ピクチャアならではの、クールな描写がグッド。なお高松所長、田宮調査員の勤務する、三流調査会社の描写が、大映的ミニマム描写で、すばらしい。入り口ドアは、すぐ目の前に立つ電柱ゆえ、少ししか開かず。毎度毎度田宮が、いらだたしげに、扉ドアに、入っていく。
 唯一の女事務員が、花も色気もあったものではない、ふてくされ顔の、ブスなオバサン。
 これが東宝だったら団令子、日活だったら田代みどりか、松竹だったら鰐淵晴子か、まあ、各社いろいろいる、ぴちぴち若手女優が演じるだろう、だってほかは男ばっかりなんだから、ここは、ひとつ、華やかな女優を、と、なるじゃないですか。
 それを大映は、地味で不細工なオバサン。さすが大映。
 高松のへヴィースモーキングに、プチプチ地味に文句を言う地味なおばさん。ああ、いいなあ(笑)。

 ラストは、この種大映サスペンスの、田宮モノとしても意外に、明るい、ヒロイン滝瑛子との、そぞろ歩き。うーん、珍しい(笑)。しかし、大映的にも、田宮的にも、なんだか生暖かいラストで(笑)。もっと、クールでなくちゃあ(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-30 01:36 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(3) | Comments(0)

田中重雄「密告者」田宮二郎藤村志保江波杏子滝田裕介早川雄三夏木章

 神保町にて。「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集。65年、大映東京。
 未見の田宮二郎映画を見に行くときは、とてもうきうきする。本作もそうで、見る前も楽しいし、見ているあいだも楽しい。
 ということで、神保町シアターでは、来る5月に、「生誕80年記念企画 よみがえる田宮二郎――昭和を駆け抜けた狂熱の俳優人生」という特集を組んでくれるようで、うれしい。個人的には、例によって未見作極少なのが、難ではあるけれども。
e0178641_22513836.jpg

 以下、ネタバレあり。
密告者 S40('65)/大映/白黒/シネスコ/1時間21分 <神保町シアターHPより>
■監督:田中重雄■原作:高木彬光■脚本:高岩肇■撮影:森田富士郎■音楽:古谷充とザ・フレッシュメン■美術:上里忠男■出演:田宮二郎、藤村志保、江波杏子、滝田裕介、泉かおる、早川雄三、夏木章、毛利郁子
独特の色気とダンディズムで人気を博した田宮二郎主演の推理アクション。借金苦から裏社会に身を落とした男が、自分を罠にはめた密告者の正体に迫る。清純派の藤村とヴァンプ派・江波、妖美を競う二大女優も絶品。

 原作:高木彬光ながら、本作が、なぜ「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集で上映されるのか、イマイチぴんとはこない出だしなのだが。
 新人とクレジットされる泉かおる(例によって、その後とんと聞かない、新人だけで終わった女優さんか)演じるヒロイン?の、姉という一見地味な役に、新人とは比べ物にならないヒロイン女優・藤村志保が。
 その後新人女優より、藤村の比重がどんどん増してきて、ははん、そういうことか、と(笑)。
 一見地味な役に大物女優を起用、ということは、そいつが真■人という、横溝正史映画の原点?ともいうべきで、改めてこの特集の一本であることに、納得(笑)。

 冤罪で、殺人犯(容疑)で警察に追われ、同時に真■人の一味に狙われる逃亡者を演じて、田宮二郎日本一(笑)。サマになるなあ。
 大映東京映画で楽しみなのは、脇役陣の充実。TVドラマの人気者・滝田裕介を、ニヤニヤ笑いつつ、田宮をだます役に起用する、このセンス。いつも出番が少ない地味地味大映専属脇役・夏木章(独特なふわっとした、しゃがれ声が大好き)を、ヒロイン?の夫(つまり田宮の恋敵)という大役にフィーチャー、夏木章の出番が多い、というだけで、ただただうれしい。
 夏木章大フィーチャーは、ほかの田宮二郎映画でも、ありました。
 なお、刑事役に、早川雄三。このひとの声も好き。いやあ、大映脇役陣は、みんな、いいなあ。

★大映宣伝部・番外編の番外 (52) 早川雄三さん、夏木章さん、藤山浩二さん - 映画が中心のブログです!★
早川雄三さんは兵庫県の出身で、大映演技研究所は四期生ですから北原義郎さんと一緒です。長い長い脇役生活が多い俳優さんでしたが、大映での出演は優に200本を超えていると思います。会った時にお互い生活苦の話になり、彼から生活費稼ぎのためアルバイトで夜間のタクシー運転手をやりました・・・と聞かされたことが強い思い出として残っています。とても真面目で仕事熱心な方でしたが、大映後テレビでの活躍の方が目覚ましく、時代劇・現代劇を問わず悪役で活躍されました。平成22年に85歳で亡くなったと聞きましたが残念です。
e0178641_9441769.jpg

夏木章さんも最近亡くなったと聞きました。たしか昭和3年生れだったと思いますので今年で87歳の筈ですが、亡くなったのが本当だったらまたまた寂しい思いが続きます。この人の役柄も早川さんに似ていて、本数も負けないくらい出ています。特にガメラ・シリーズにはほとんど出ていて、私の頭の中に自衛隊司令官・新聞記者・博士役の夏木さんの顔が浮かんできます。私の友人に福岡大映劇場の支配人をしていた田中淳一(故人)という人が居ました。永田雅一社長が競馬の馬を持っていてこの世界でも有名でしたが、社長の持馬は田中厩舎に委託飼育されていた、その厩舎の息子です。夏木さんと田中支配人は、たしか大映演技研究所の同期だったようで、3人で食事をしたり飲んだりしたこともありましたが、わざと詳しいことを聞くのをやめた思い出があります。
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by mukashinoeiga | 2015-04-19 09:47 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

田宮二郎自殺に新証言?

 ン年間レヴェルで、めったにないことだが、コンビニで、今週発売中の女性週刊誌を立ち読みしちったぜい。
 しかも2誌も(笑)。それぞれ一記事のみの一点立ち読み。
 週刊女性は、もと横浜・佐々木大魔神の実娘が、継母・榎本加奈子に虐待された週刊文春先週号記事への、佐々木の反論。
 中学時代の弁当が、豆腐一丁と、醤油のみだったことがある、という娘の告発には、ダイエットしたい娘のリクエストだった、と苦しい弁解。仮に、「今ダイエットしたいから、お弁当、お豆腐ねっ」といったとしても、冗談の範囲であり、それなりに工夫した豆腐料理にするのが「親」の愛情というもの。
 それを弁当開けたら、豆腐一丁と、醤油のみ、顔から血が引くのでは(笑)。
 また、両親の留守に家出中の娘が、実家に入ったのを、家宅侵入として警察に通報したのは、娘のためとか、娘に問題あり、というレヴェルを超えている。
 かつては絶対の信頼感で横浜ファンを魅了した、守護神として鳴らした、ハマの大魔神も家庭の守護は、甘すぎた、ということか。

 といいつつ、メインは女性自身の、
急逝36年目の衝撃スクープ 第一発見者の付き人が決意の証言
「田宮二郎さんは謀殺された!」
 だったりする。
 猟銃自殺の第一発見者の当時の付き人男性(現在61)の初証言だという。
 このひと、田宮は、殺されたのだ、自殺ではない、と信じていて、当時は、殺されたのだ、というと、自分にも危害が及ぶと、思い込んで、今まで証言をためらっていたのだという。
 しかし、自殺実は殺人だとする、この遺体第一発見者の付き人の、「証言」は、いろいろな意味で面白すぎる。

 まず当時、毎朝、田宮がシャワーを浴びている間、この、逆算すると二十代の若者の仕事は、下着も含めた田宮の衣装の用意。理容師資格を持つ彼は、田宮のヘアメイクも担当。当然TV局などにも同行する。
 田宮のお昼は、田宮の母手作りの弁当。この付き人青年も、必ず田宮の弁当を分けてもらっていたという。
 田宮が猟銃自殺をしたときは、田宮自宅には猟銃はなかったという。死後、クローゼットから銃弾が発見されたが、毎日田宮の衣装や下着を選ぶ付き人青年は、クローゼットに銃弾は、見たことがないという。
 また、田宮が自殺する兆候は、感じられなかった、自殺は、おかしい、という。
 今でも、毎年の命日には、田宮の夢を見て、涙するという。
 これなどは、あるいは、第一発見者の衝撃の悪夢かとも解釈できるが、なんだかゲイティストが漂うぞ(笑)。
 田宮を「兄と慕う」という表現も、ちょっと、怪しい(笑)。
 そして、極めつけは、田宮は、家族、関係者宛に9通の遺書を残したという。
 その9通目の遺書は、この付き人青年に宛てたもので、この付き人青年に、自分のセーターを遺品として贈るというもの。しかし、付き人青年は、署名もなく、筆跡も田宮本人のものか、わからない、何より、身長180センチの田宮のセーターが、(相対的にチビの)自分には、絶対着こなせない、と、田宮自身は、わかっているはず、だから、この遺書も偽造?と、そういう思い入れだ。

 しかし、ミステリ好きとしては、ここが、一番、おかしい(笑)。
 ある人物を自殺に見せかけて、殺す。自殺に見せかけるには、遺書を残すのが一番だ。
 しかし、その場合、9通もの遺書を残すか(笑)。
 1通で済ませるより、9倍リスクが高まるだろう。

 むしろ律儀な田宮としては(いや、田宮が律儀かどうかは、知らないが)自殺に当たって、あらゆる関係者に遺書を残したいと思う。で、当然自分のもっとも身近にいた付き人青年にも、何か残したいと思う。しかし、高価なものを残すのも、ヘンだ。ということで、自分の中古衣装を残すのが、まあ、順当だろうと思う。
 サイズが合わないなんて、「鷹揚な/下の者にアバウトな」スタアにとっては慮外のこと。オレの着たセーター、どうだ、形見としては最適ではないか、「にっこり笑う」田宮。
◎追記◎田宮としては、形見の品として記念になる、それほどへヴィーでない、気さくな、身近な品を贈ったのであって、別に、俺の代わりに着てくれ、というつもりはなかったのかもしれない。
 それを贈られた付き人は、着てくれと、贈られた、と、勝手に「誤読」しただけではないか。
 こういう、伝言ゲーム的勘違いはよくあること。これを付き人青年も朝日新聞も(吉田調書で)「誤読」したのではないか。
◎再追記◎ 下着も含む、衣装の用意をしてくれた付き人に、下着を贈るのはさすがにヘンだが(笑)俺のセーターでも好きにもっていっていいよ、というのは、スタアとしてはごく自然な発想だと思う。もちろん、それは、着てもらうためでは、ない。至極当たり前の発想かと、思う。 

 署名もないのは、ナンセ「9通目の遺書」だからなあ。手抜きになるのも、しかたあるまい。
 なにより「筆跡も田宮本人のものか、わからない」というのも、田宮との、近しさ、というより、遠さを感じさせるものだ。
 結局、この付き人青年の「片思い」的妄想と見るが(笑)。妄言多謝。

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by mukashinoeiga | 2014-09-10 21:22 | うわごと | Trackback(15) | Comments(0)

井上昭「監獄への招待」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。67年、大映東京。
 神保町シアターが、珍しく、柄にもなく?レアモノを4本も、しかも同じ週に上映。とうとう1本は、見逃した。
 柄にもない?レアモノゆえデキはいずれもイマイチだが、なかでも本作は面白いほうで。

監獄への招待 <神保町シアターHPより>
S42('67)/大映東京/白黒/シネスコ/1時間28分
■監督:井上昭■原案:義永充■脚本:船橋和郎■撮影:上原明■音楽:渡辺岳夫■美術:下河原友雄■出演:田宮二郎、野際陽子、真理アンヌ、渚まゆみ、河野秋武、津田駿、早川雄三、渡辺文雄
服役中の詐欺師・河西(田宮)に与えられた意外な指令は、自分に瓜二つの日系人になりすまし、麻薬密売の潜入捜査をする事だった――。二役の田宮が躍動するクールなサスペンスアクション。真理アンヌ、野際陽子のシャープな美女ぶりに目を奪われる。

 田宮二郎の一人二役、ファンには堪えられないが、どちらもクールな犯罪者で、オンナ好き。 たいして変わらない。一人二役の妙味は、まったく好対照のキャラの演じわけにあるので、たとえば、片方が無実の罪で監獄入りした善人とかの、落差がないと。でも、そうなると、物語は、よりサクサク進まないので、アウトか。
 ただ、いささかの違いは、ある。
 日系人田宮は、ベッドの上では、ワイルドプレイがお好み。娼婦・渚まゆみ(感想駄文済みの、似たような田宮大映映画で、似たような娼婦役をやっていたが。ま、呼んだコールガールが渚まゆみなら、御の字だろう(笑))を、乱暴に扱う。
 いっぽう、背乗り田宮は、ソフトムードがお好み。中盤、不意に日系人田宮の妻・野際陽子登場。夫婦としてキスをしたり、ベッドをともに、せねばならない。
 日系人田宮の日ごろの夫婦行為なんて、背乗り田宮にはわからないし、ちょっとでもフンイキ違ったら、妻には、丸わかりだろう、というサスペンスが、可笑しい。
 この一連のサスペンスは、グッド。
 在日ドイツ人(元ナチス)に仕える日本人秘書・渡辺文雄、靴をカチッと合わせるナチス式敬礼。海水浴の田宮を監視する、無表情の麦藁帽姿の、場違いが最高に可笑しい。
 普段はめがね愛用の背乗り田宮、日系人田宮に扮する際はコンタクトレンズ着用。大波に洗われてコンタクト喪失、視力が弱いゆえのドタバタ。
 クール田宮も、ひょうきん田宮も、ぼくたちは見慣れているが、どじっ子田宮は、初めて?
 いいなあどじっ子田宮、もっと見たかった。

 信じがたいショット。田宮が勢い付けて、階段を駆け上る際、手すりをつかんで勢いをつけるのだが、その手すりがぐらぐら。ひごろ、重厚な仕事ぶりで鳴らす大映美術陣の、手抜き。
 末期大映ならではの、やっつけ仕事か。
 そういえばダブルヒロイン、野際陽子、真理アンヌもTVタレントや、他社映画で注目された人。大映プロパーの渚まゆみは、チンピラ扱い。大映末期感もただよう。
 日系人夫婦役の田宮、野際は、英語での会話というのが珍。野際は、英語がしゃべれるということで起用されたと思しい。ぼくが見た野際陽子史上もっとも美しいが、しかし神保町シアターHPが言う「美女」では、ない。
 むしろ「美女」では、ないがゆえに、現在まで脇役女優として、生き延びた、というべきだろう。
 鈴木清順「殺しの烙印」の妖艶さに比べて、本作の真理アンヌは、カワイ子ちゃんな役。

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by mukashinoeiga | 2014-08-28 08:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

増村保造「爛(ただれ)」若尾文子田宮二郎水谷良重船越英二弓恵子藤原礼子丹阿弥谷津子倉田マユミ殿山泰司浜村純

 京橋にて。「映画監督 増村保造」特集。62年、大映東京。
e0178641_21124966.jpg 再見だが、何度見ても素晴らしい。若尾文子のいちいちの表情、いちいちの演技、まさに絶品。
 再見した理由は実に単純。大映東京が誇る二大怪獣・若尾(ガメラ)文子VS田宮(大魔神)二郎の、激突バトルを、見たかったからだ(笑)。絶好の消夏法ではないか(笑)。
 いや、若尾のほうが菩薩と夜叉の二面を持つ大魔神のほうか。そう考えれば、びゅんびゅん飛ぶ田宮のほうがガメラか。

 終映直後、ぼくの隣の客が一言、「重い・・・・」。完全にグロッキーな、感じであった。もうこの人は、二度とこの増村特集には、来ないかもしれない。
 いやー、ぼくの映画の見方のほうがおかしいのかもしれないですけどね(笑)、成功したマスマスムラムラ映画は、ことごとく怪獣映画なんだ、と(笑)。
 マスマスムラムラ映画では、若尾も、川口浩も野添ひとみも、高松英郎(増村「巨人と玩具」)も、ことごとく怪獣と化す。
 増村映画とは、いわば怪獣プロレス、その人間ドラマ版なんだ、と。「男と女の衝突・慟哭」を、装う、怪獣バトルなのだ、と。激闘の怪獣王ゴジラこそが、若尾あややなのだ、と。じゃあ、野添ひとみは、モスラか(笑)。川口浩はミニラか(笑)。
 以下、ネタバレあり。

e0178641_21134946.jpg爛ただれ (88分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
徳田秋声の小説を新藤兼人が現代に置き換えて脚色。愛人の増子(若尾)と愛欲の日々を送る花形セールスマンの浅井(田宮)は、嫉妬に狂う妻(藤原)との離婚に成功するが、2人の新しい生活も、増子の姪(水谷)が田舎から上京してきたのを機に狂い始める。若尾文子と田宮二郎演じる男と女の爛れた関係が息詰まるほどの執拗さで描かれる。
'62(大映東京)(監)増村保造(原)徳田秋声(脚)新藤兼人(撮)小林節雄(美)下河原友雄(音)池野成(出)若尾文子、田宮二郎、水谷良重、船越英二、弓恵子、藤原礼子、丹阿弥谷津子、倉田マユミ、殿山泰司、浜村純、永田靖、十朱久雄、宮川和子

 田宮二郎。 
 羽振りのいいカー・ディーラー、というより当時の言葉で言えばブローカーか、もちろん扱うのはアメ車の中古。
 考えてみれば、国産車がハバを利かせられない時代、外国産中古が華やかだった時代というのは、今では信じられないかもしれない。まあ、今でも、アメリカ由来の軍事技術に発する、IT産業が時代の花形なんだから、ぼくたちも、この時代のことを笑えないのかもね。
 さて、この田宮、「恩人の娘」をゼヒにもと嫁にもらいながら、キャバレーのホステス・あややを愛人にし、さらには田舎から上京してきた若尾の姪・水谷良重にも、ちょっかいを出す。
 びゅんびゅん飛ぶ、ならぬ、ピュッピュッ飛ばすガメラなり(笑)。
 これを「女の直感」で知った若尾、菩薩から夜叉へ「大魔神」のごとく変身して、田宮ガメラを、攻め立てる。
 いや、その前段と、して。
 田宮の本妻・藤原礼子への、増村の演出がすごい。喘息持ちでゼエゼエいいながら、果敢に田宮に挑み続ける藤原礼子演出こそ、まさに怪獣描写そのもの。特技監督(笑)マスマスムラムラの本領発揮の名バトルシーン。田宮も、ただただタジタジ。
 続く、蔵の座敷牢(笑)に閉じ込められた藤原礼子が、実母に襲い掛かり、助けに来た兄・殿山泰司に抵抗していくさなか、絶命するところも、まさに怪獣の最後というような様相を呈す。

 そして怪獣王(笑)あやや。いや、もう、アヤラと呼ぼう(笑)。
 アヤラ(笑)が、冷徹に(対藤原礼子比180パーセント)田宮や良江を追い詰めていくサマの、その表情、その演技の絶品さ。
 鬼のような形相でありつつ、同時にスタア女優としてのセクシーさも十分兼ね備えている、というまさに「国宝級」というか「重要無形文化財」というべきか、どこかひとつバランスが狂ってもすべて台無しの、タイトロープ上の絶妙さ(笑)。その絶対バランス。
 これがもし新劇女優だったり、非スタア女優であったりすれば、「鬼の形相」をそのまま体現して、文字通り観客をドン引きにするのだが、アヤラは、違う。
 スタア女優として欠かせない、ある甘さを残すのだ。もちろん、甘い演技ではない、ある甘さを。

 蛇足だが、若尾の友人たち、丹阿弥谷津子(もとキャバレー同僚、船越の妻)、倉田マユミ(増村映画ではいつもいい、愛人アパートの人)もいいのだが、超年上元大将の愛人・弓恵子がキュート。
 なお、元大将が永田靖とは、気づかず。いつもと演技が違うもの。
 いつもはクールな田宮も、アヤラの凄みを前にして、いささかたじたじの体。ただ、田宮、マスマスムラムラなメロドラマに、もっと、出てほしかった。

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 なお前者で「水谷良重」を「二代目水谷八重子」と表記するのは、いかがなものか。過去消去の「上書き」のみは、共産主義者特有の悪弊であろう(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-08-05 09:49 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback(2) | Comments(6)

原田治夫「おーい中村くん」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。58年、大映東京。
 自身も、「バーなかむら」のバーテン役で出演する、若原一郎の当時のヒット曲をフィーチャーした中篇。
 前半の脚本は、大変に素晴らしい。
 ところが、後半のお話はぐだぐだの、いい加減。この落差。
「おーい中村くん」という呼びかけソングにふさわしい?出落ち的な映画。

おーい中村くん <神保町シアターHPより>
S33('58)/大映東京/白黒/シネスコ/43分 *16mm上映
■監督:原田治夫■原案:橋本光夫■脚本:須崎勝弥■撮影:宗川信夫■音楽:大久保徳二郎■美術:佐藤忠夫■出演:川崎敬三、船越英二、柴田吾郎(田宮二郎)、近藤美恵子、若松和子、毛利郁子、潮万太郎
若原一郎の同名ヒット曲を基にしたサラリーマン歌謡映画。純情で不器用な中村君(川崎)は、やり手の新人・中村(柴田、後の田宮)に負けじと仕事に恋に奮闘する。川崎のとぼけた味が活きた軽喜劇で、若き田宮も好助演。船越も思わぬ形で顔を出す。

 純情どじっ子・川崎敬三が、電車通勤で見かける美人に恋。川崎が車内でスリに狙われているのを、目ざとく察し、川崎に注意する。この美人が、あとで婦人警官であることが明らかになり、これがその伏線であることがわかる。
 再度、交差点で出会った二人、川崎がおもわず手を差し出すと、その手に彼女が、老婆の手をつながせる。
 彼女を目の前にして、老婆を邪険には扱えず、仕方なくよちよち歩きの老婆の、横断歩道横断をアシストせざるを得ない。やっと横断させ、戻ってみると、彼女は、もういない。
 ここら辺の呼吸が、演出とも、可笑しくて、ナイス。
 職場の家電会社に出勤すると、同姓の中村君が、転勤して隣の席。
 この彼が、主人公とは正反対のプレイボーイ・柴田吾郎時代の田宮二郎。この対比、おたおたする川崎、万事調子がいい田宮が、グッド。
 この快調な出だしが、中篇なのにとたんに尻つぼみ。凡庸なコメディになり、後半は笑えず。
 とにかくヒット曲と、その歌手を出して、一本でっち上げようか、という拙速品。
 ひとつには、万事お調子モノの田宮君が、潮万太郎部長のお気に入り秘書に手を出したことに、部長が激怒、田宮を大阪支社に左遷させるという、映画的(笑)にも大暴挙(笑)。コンビモノなのに、片方が一時的に画面から消える。最後は、無理やり戻ってくるが、純情一筋の川崎君だけでは、コメディは持たず、面白みにかける。
 サブキャラなのに、しかもたった43分なのに、本社へ転勤→大阪に左遷→本社に復帰、って主人公より忙しい仕事ぶり(笑)、これじゃあ主人公が、かすむだけだろう。
 何しろ、のちに人気の点でも川崎を追い抜いた田宮でもあり。
 最後は自分が左遷された潮万太郎、公認の新部長(船越英二)もやはり中村姓、が落ちともいえない落ちだが、それなら最初から潮万太郎部長を中村姓にすれば、もっと面白くなったのではないかな。

 ヒロインの婦人警官自体のエピソードも、つまらない。演じる近藤美恵子自体も、二線級女優の味気なさ。美人は美人だが、取り付く島がないほど個性がなく、とてもヒロインの柄ではない。江波杏子もそうだが、ヤマフジ、京マチ、あやや、野添以外の大映女優は、大部分が、地味で味気がない、明らかにタマ不足というか、女優選択の趣味が悪いというか。
 戦前松竹に変わり、戦後女優王国・東宝の、二、三線女優たちのほうが、はるかに女優オーラありで。女優の層が薄い新東宝、大映が、真っ先につぶれたのは、ゆえなしとしない。

若原一郎 おーい中村君 1976

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 ただし、「おーい中村君」がタイトル。こちらが正式か。

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by mukashinoeiga | 2014-07-13 11:37 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

井上梅次「裏階段」田宮二郎司葉子安倍徹成田三樹夫田宮二郎歌唱映像おまけつき

 神保町にて。「華麗なるダメ男たち~色男、金と力はなかりけり~」特集。65年、大映東京。
 田宮二郎は、女好きの私立探偵、ではなくて、今回は、失意のピアニスト。
e0178641_1975589.jpg 今回のヒロインは、司葉子。東宝専属イメージの強い彼女だが(松竹出演はある)大映で、田宮二郎の相手役というのは、実に新鮮で、大人な大映テイストにぴったりフィット。東宝では絶対に演じさせてくれない<悪女>を、演じる。
 監督は、日活イメージの強い梅次だが、なにげに大映でも多数演出している。ヤングな日活でも良かったが、大人な大映でも、渋い快作を連発。本作も、B級プログラム・ピクチャアの佳作で、なかなか面白い。明日、あと一回のみの上映だが、オススメ。
 特に梅次映画ゆえ、音楽重視、なんと珍しくも、田宮の歌がたっぷり聞ける。まあ、あんまり声量のないシロウト歌唱(でも、二郎さん、がんばってます)なので、聞いてるこちらが少々息苦しくなる、不安定な唄だが、超貴重。
 いつもいつも、にやけている安倍徹(彼の代表作とも言うべき快演)の、怪しげな儲け話(妹の司葉子の婚約者を一ヶ月だけ、演じてくれ)から、話は、転がっていく。この、いかにも怪しげで、裏のある話に、司葉子に一目ぼれの田宮が、のめりこんでいく。
 その仲間、一目見ただけで怪しい成田ミッキー三樹夫、もともと成田はマンガみたいに個性的な顔立ちなのに、これまたマンガみたいに目立つアゴヒゲ(どう見ても、付け髭)なので、どう見ても、生けるアニメキャラ。成田が出てくるたびに、脱力して、笑える。すごい、マンガ顔。
 ラスト、タイトルにもなった「裏階段」での、アクションは、なかなか出色で。司葉子も、東宝では絶対にしないような、アクションに挑戦。東宝じゃ、お姫様だからね。
 タイトルから連想するに、梅次、ヒッチコックに挑戦したんじゃないかな。「裏窓」じゃなくて、「めまい」かな。

◎追記◎ということで 田宮 二郎歌唱が気になったので。
懐メロ歌謡曲 04 田宮 二郎

 やはり下手ながら絶対的な声の良さでカヴァーの俳優歌唱。でも歌唱中の科白語りでロレロレとは、俳優にあるまじき。

酒は大関 - 田宮二郎

 やはりろれってはいるが、なんとかこなす。
 裕次郎並みのムード歌謡もイケたのでは、ないか。本人相当歌に抵抗あったのかも。と、ジローさんの千倍音痴なわたくしメが上から目線で、いろいろ言ってますが、よい曲を得られれば、裕次郎並みなんだけど、大映はヒット曲、全くないからなあ。大映アウト。
 なお、時折聞こえる小さな太鼓が妙にイラつく(笑)。

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by mukashinoeiga | 2011-04-27 23:37 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

弓削太郎「今夜は踊ろう」

 阿佐ヶ谷にて。「歌謡曲♪ 黄金時代1960's」特集。67年・大映東京。
e0178641_2372833.jpg 結果的に、この映画が、ぼくの今年のシネ納めになった。なんともしょぼんな映画で。
 銀座の隠れ家的バーのマスターが田宮二郎。これがなぜ隠れ家的バーかというと、漫才師獅子てんや・瀬戸わんやのご両人がすしを握るすし屋があって、その店内階段をすすっーと上がると、二階が洋風のバー。つまり、すし屋店内を経由しないと入れないバー。で、このマスター田宮が、銀座のホステスに大人気の、頼れる男。知り合いのバーのママが、パトロンに店の権利書を取り上げられてしまう。それを取り返してあげてよ、という、映画的にもまったくつまらないが、それに輪をかけて話自体もあまりにしょぼい。
 いかにも、大映プログラム・ピクチャア特有の、ゆるい大人の事情の、しょぼい経済案件で、一本でっち上げようという、まるで一時間モノの連続TVドラマの一編だが、これが面白いならともかく、まったく生彩を欠いている。田宮の男前も何割かは下がりがちに。
 このしょぼさにさらに輪をかけているのが、田宮の弟分格になる荒木一郎。しょぼい顔で、しょぼい歌を何曲も何曲も歌う。しかも、この歌が、まったくドラマに絡まない。この荒木の歌ゆえに、本特集にかけられているわけだが、とてもヒットしたとも思われない。第一、聞き覚えがちらともない。本当にヒットしたのか。それに聞きほれる梓英子も、かわいいんだけど、なんというか、華がないよなあ。しょぼんな若手コンビを、まるで寅さんのように温かく見守る田宮も、男前下がりまくり。
 どんよりとしたフンイキで映画館を出て、いつも阿佐ヶ谷に来るたびに気になっているパンダ珈琲店は当然、やはり寄らず。

by mukashinoeiga | 2009-12-31 22:10 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)