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三隅研次「鼠小僧次郎吉」

 京橋にて。「映画監督 三隅研次」特集。65年、大映京都。
 プロクラム・ピクチャアとして、ウェルメイドな快作。
 大映ならではの、重厚美術・映像と、三隅のある種の張ったり演出の冴え。

e0178641_941335.jpg24鼠小僧次郎吉(76分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
1965(大映京都)(監)三隅研次(原)大佛次郎(脚)新藤兼人(撮)牧浦地志(美)内藤昭(音)鏑木創(出)林与一、姿美千子、長谷川待子、神田隆、工藤堅太郎、藤村志保、伊藤孝雄、須賀不二男、浜村純、香川良介、明星雅子、伊達三郎、千波丈太郎
NHK大河ドラマ「赤穂浪士」(1964)の堀田隼人役でスターとなった林与一が、お馴染み鼠小僧と浪人の2役に扮して映画初主演。世直し人助けをする中でやくざの親分・梵字の安五郎(神田)から恨みを買い、これと対決する。蛸壺的に密集した崖下の貧民窟のセットが秀逸。

 スタア時代劇映画にありがちな、一人二役映画のひとつ。
 わざわざ東宝から借りてきた新スタアが、ねずみ小僧だってぇ。肝心の時に頬被りして、美男のお顔が隠れるじゃねえか。しかも屋根から屋根に移ったり、盗賊だからナイトシーンが多く、夜でロングショットの立ち回りなら、スタントマンで充分だ。
 林与一、見せ場ねえじゃねえか。

 いっほうミーチャンハーチャンの娘っ子は、あら、今度の映画の与一っチャンは、ねずみ小僧の役だってー? ねずみって、被り物で、半分顔が見えないじゃないー。やだあ。切符代、半分損じゃない。今回は、見るの、よそうかなあ。

 なら、もうひとつ、ねずみを助ける浪人役を出して、たっぷりお顔を、拝ませましょう。
 かくての一人二役。大映も林与一もミーちゃんも、ウィンウィンの三方一両お得。
 こういう苦肉の策だから、作劇上何の必然性もない、一人二役。同じ顔のふたりと遭遇しても、「お二人、顔がそっくりですねえ。もしかして双子?」なんて、誰も言わない。しらんぷり。
 実は、生き別れの兄弟、なんて苦し紛れも、堂々、出さない。
 仕掛け、工夫、エクスキューズが、ひとつ。
 後半、浪人のほうの林与一を助けんと、姿美千子が、口に含み綿、服に体型増量のためのクッションを入れて、顔も不細工な化粧して、変装する。相思相愛の林与一も、気づかない?変装振り。これまた、一人二役、ね、変じゃないでしょ?との、エクスキューズも、見えたり。

 この映画、両方の林与一を捕縛するシーンが、楽しい。
 歩く与一。その前方で、わらじの紐をかがんで治す商人風。
 歩く与一。その後方から声をかけてくる町人風。
 その声に気をとられると、すかさず前の商人風が襲い掛かる。周りの何人かも、襲い掛かる。
 そのタイミングの、心地よさ。

 エクスキューズその2。
 浪人与一と、ねずみ与一が、座敷で、長く語り合う。ふたりの顔が同じなので、自分VS自分の、ひとり「ふたり語り」が強調され、ちと、異様な光景。
 ここのダブル与一合成が、異様なまでにクリアで、継ぎ目がまったく見当たらない。おそらく現代のCGでも、こうはうまくはいくまいという神業。
 怪獣映画のブルーバック合成など、継ぎ目丸わかりの日本映画なのに、なぜこんなにカンペキな合成が。スパシーボ。
 まあ、ミーちゃんも、同一画面に二人も与一で、鼻血ブーであろうか。
 まあ、もっとも、おじさんには、美顔与一よりも、老十手持ちの浜村純の、メンタマ見開いての凝視、ランランと言うか、ギャンギャンの目線のほうが、受けたりもするのだが。

★映画監督 三隅研次 | 東京国立近代美術館フィルムセンター★
 クリックすると、Not Foundと表示されますが、その上の黒いメニューバーをクリックすれば、大丈夫。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 ねずみの世を忍ぶ仮の姿の小間物問屋の、小僧は、白木みのるというには、大部大人びた(笑)少年に、変更されている。

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by mukashinoeiga | 2016-02-04 09:05 | 三隅剣児女なみだ川と大魔剣 | Trackback | Comments(0)

弓削太郎「黒の商標(トレードマーク)」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。63年、大映東京。
 大映「黒」シリーズを、見にいくことは、きわめて危険だ(笑)。
 既見作であるか未見作であるかが、タイトル、スタッフ・キャスト、あらすじからは、判別しがたいからだ。むろん、それは、第一に、ぼくの記憶力がきわめてずさんだからだが。
 他の各社にましての、大映の<無名の定食屋ぶり>が、際立つゆえんで。
 今回は、幸いなことに?見ていないものだった。
 ある特定の原作によるシリーズとは違って、ミステリ系の原作なんでも有りの雑食系ごった煮シリーズだから、特に「定食屋」感はハンパないにしても。
以下、ネタバレ有り。

『黒の商標(トレードマーク)』1963年(S38)/大映東京/白黒/79分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:弓削太郎/原作:邦光史郎/脚本:長谷川公之/撮影:石田博/美術:後藤岱二郎/音楽:池野成
■出演:宇津井健、藤由紀子、高松英郎、江波杏子、三島雅夫、浜村純、早川雄三、夏木章、谷謙一、南方伸夫、伊東光一
邦光史郎の『仮面の商標』を映画化した大映“黒”シリーズの一本。トレードマークに仕組まれた巧妙なからくり──。宇津井健扮する企業マンが、スーパーマーケットでの安売りの罠とそこで起こった殺人事件の究明に挑む。

 一流衣料会社の国際レーヨンのロゴKOKUSAIを、国産レーヨンなるバッタモンがそっくりKOKUSANとロゴをまねて、ニセブランドを大量販売させた。
 国際レーヨンの調査員・夏木章は、バッタモンの出先を調べるために、関西出張。
 日ごろは、大映専属の地味な脇役である夏木章(もっさりとした顔、もっさりとした口調でたいへん味のある)が、フィーチャーされているが、果たして冒頭五分も立たないうちに、殺されてしまい、再調査を宇津井健が、命じられる。

 この宇津井健も、不思議なスタアで、新東宝から流れてきて、地味な大映東京の社風にあったのか、いかにも大映ライクな主演者になりおおせた。
 一番似合うのが、堅実な若手サラリーマン役、というどうにもスタアになりにくい代物だが、妙に正義感の情熱を感じさせ、なりは平凡だが熱血漢な役を得意とし、本来ありえないはず?の、妙な華がある。
 刑事役より、検事、弁護士が似合う。
 今回の事件は、関西発のスーパーエースというスーパーが舞台。
 上記にせブランドの影の黒幕が、社長・三島雅夫だ。にせブランド偽造だけでなく、邪魔者を次々殺していく。手先には、腹違いの弟・高松英郎を使う。
 にせブランド多発だけでもモンダイだが、人殺しまで。関西発の新興勢力への、首都からの上から目線が目立つ発想で。ちなみに、関東初進出の川崎店へ、川崎駅前から公衆電話をかける宇津井のバックに、デカデカと「岡田屋」の屋上看板が(笑)。
 奇妙な情報ブローカーに浜村純というのは、ほとんど、出落ちに、近い。
 なじみの定食屋の日替りB定食。まあ、こんなもんだろ、の満腹感。

★Movie Walker★および★所蔵映画フィルム検索システム★のタイトル検索で、詳細な作品情報あり。ただし、簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)は、前者のみ。後者はスタッフ・キャストが超詳細。

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by mukashinoeiga | 2014-10-30 01:25 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)