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チェン・カイコー「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」染谷将太ホアン・シュアン阿部寛チャン・ロンロン松坂慶子

原題妖猫傳つまり化け猫映画なのだが、邦題は大河ドラマ風にフレームアップ、さらにサブタイはハリウッド伝奇大作風にブラッシュアップ。しょせん化け猫映画だから深みはないが、中華風の派手さには事欠かない。
 18年、中国=日本、配給・東宝=KADOKAWA。

e0178641_1065793.jpgチェン・カイコー「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」(Movie Walker HPより)
『さらば、わが愛 覇王別姫』で第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝くなど、数々の受賞歴を誇る中国の巨匠、チェン・カイコーによる歴史ミステリー。若き天才僧侶・空海と詩人の白楽天が、長安で起きる怪事件の謎に迫っていく姿が描かれる。空海を染谷将太、白楽天をホアン・シュアンが演じる。
1200年以上前、若き天才僧侶・空海(染谷将太)は、日本から遣唐使として中国・唐へ渡る。空海はあるきっかけで、のちに白居易と名乗る詩人・白楽天(ホアン・シュアン)との交流を深めていく。そのころ、世界最大の都・長安の街では、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件が起こっていた。空海は白楽天とともに一連の事件を探るうち、約50年前に同じく唐に渡ったもう一人の日本人・阿倍仲麻呂(阿部寛)の存在を知る。仲麻呂が玄宗皇帝(チャン・ルーイー)に仕えた時代には、国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃(チャン・ロンロン)がいた。極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実……歴史を揺るがす巨大な謎に迫っていく。楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂が知っていたこととは? 空海と白楽天は、やがて歴史に隠された哀しき運命と対峙する……。


 ほんらい本格的探偵ミステリと映画の相性は、全くよくない。延々とした説明科白が、映像の流れをよどませ、映画は延々と遅延していく。シンプルなスリラーこそサスペンスものこそ、映画的なので。
 また歴史ミステリも映画としては悪手。科学的捜査も組織的捜査もまったく期待できないので、探索側は単なる勘と偶然に頼るしかない。
 さらに妖怪やら魔物が絡むと、もう最悪。もう何でもありの世界だから、論理的整合性なんてえものは、論の外。
 本作はこの三つのミステリ阻害要因をすべて備えているので、もう必然的にシナリオ段階からグダグダ。もうもう妄(笑)。
 しかも化け猫映画なんて所詮低予算映画の宿命なんだから(猫のサイズとスケールと、そのなりわいを、考えよ!)大作映画との何たるミスマッチ!
 かくて本作は金を掛ければ掛けるほど失敗作の宿命に(笑)。化け猫映画は低予算でこそ花、そんなこと大映なんかにはわかっていたとは思うが、その大映を引き継いだKADOKAWAには、伝わってはいなかったのねー(笑)。

 おそらく監督および中国映画界にとっては、中国史上最盛期でもあった唐の時代を再現して、中国の威勢を誇りたい、という意思があって、それがこの原作になったのだと思う。でも、それが、結局化け猫映画って(笑)。
 もっとオリジナルで楊貴妃の映画を作ってもよかったんじゃないの(笑)。
 その楊貴妃には台湾フランスのハーフの女優さん。ダブルだという言い方もネットにはあるが、美人だけどオーラがない。典型的な美人なだけじゃダメなのよ女優で。
 この台仏女優だけではなく、本作には日中俳優陣、それに松坂慶子など(笑)国際色豊かな東アジア俳優陣が参加。
 なお当時世界最大の都だった長安を東京ドーム八個分のオープンセットで再現、というけれども、これだけCG使いまくりだと、その有難みもない(笑)。

映画『空海-KU-KAI-』予告編

まるっと32分『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』ジャパンプレミア


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by mukashinoeiga | 2018-02-26 09:57 | 新・今そこにある映画2 | Trackback | Comments(2)

島津保次郎「嫁ぐ日まで」原節子矢口陽子御橋公大川平八郎沢村貞子大日方伝清川玉枝汐見洋杉村春子

ハラセツ絶頂期の輝き。
 ユーチューブにて。40年、東宝。

(以下、完全ネタバレあり)
原 節子さん 20歳の肖像「嫁ぐ日まで」1940年


e0178641_19472775.jpg モダニスト島津は、松竹時代の「兄とその妹」(感想駄文済み)で、火鉢に網を乗せてトーストを焼き、ケーキに当時としては珍しいだろうドライアイスをつけていた。本作でも、ハラセツは火鉢でシチューを煮込み、叔母清川玉枝に、菓子鉢を勧め、普通せんべいかと思うだろうが、なんとエクレア。清川玉枝は「チョコレットがついているねえ」とご満悦。思わず着物にこぼし、ああエクレアは、たいていこぼすよねえ(笑)。
 そういう和洋折衷な和モダンな島津の、楽しさ。
 黒沢明「一番美しく」でも千葉泰樹「煉瓦工女」でも、イマイチ地味でどこがいいのか、よくワカラナイ矢口陽子が、ハラセツの妹役。率直に好ましい。アイドル女優といっていい。彼女も、役に恵まれなったなあ。
 ハラセツを自分の嫁に、と大川平八郎青年。
「まずはあなたの了解を得てから、ぼくの両親に話を持っていきたいんです」
「それは…」
「いけないんですか」
「それじゃあ、まるであたしたち恋愛しているみたいで、恥ずかしいですわ」(大意)
 この恋愛嫌いの潔癖さは、なんなのか。

 ハラセツ矢口姉妹の父・御橋公は、沢村貞子をのち添えに迎える際、娘矢口が大切にしている母(御橋にとっては亡妻に当たる)の写真を勝手に没収。亡き母を思う娘に同情して沢村が写真を返したと知るや、娘の留守に娘の部屋を、見るからにアサましく探し回る。
 この易姓革命めいた旧代否定のおぞましさは、なんなんだろう。

 矢口の女学校の音楽教師・杉村春子は授業終了後、矢口ら女生徒たちが、ピアノを弾き、合唱するのを聞いて、「あんないたずらを」と激怒、直ちにやめさせてしまう。音楽の授業が終わって、みんながピアノを取り囲むことは、むしろ好ましいことではないか。この規律の厳格さの異常は、いったい何なのか。

 再婚の沢村貞子・御橋公は、初婚のうれしハズかしでもなかろうが、それにしても一度も笑顔を見せない。このぎすぎすっぶりは、明らかに異常に思われる。

 この厳格ぎすぎすっぶりはこの映画特有のものなのか。それとも時代の気分エートスといったものなのか。
 結局恋愛嫌悪のハラセツは、仲のいい大川(所詮友達以上恋人未満か)をあっさり振って、見合いで大日方伝のもとに。
 大川は、酒に酔って、いびきかきつつ、ふて寝するばかり。
 ノンシャランとした「隣の八重ちゃん」の島津が、かくも「不機嫌」な人物を描くとは。
 上記引用のポスターのハラセツも花嫁姿とは思えないほど、相当怖い(笑)。この集団的厳格さは何なんだ(笑)。
 子供のころ識別不能?だった沢村貞子と杉村春子が夢の競演! 共演してみればちゃんと識別できる(笑)。
 なお杉村は、音楽教師として的確にピアノを弾いているように見える。むしろ演技的には極めてアグレッシヴ。むしろ、アグレッシヴし過ぎて、怖いほど。音なのにこえーよ杉村(笑)。
音大声楽科の大空真弓といい、こういう才能を生かしえない日本映画の不幸。
 なおこの音楽の時間に矢口陽子の後ろの席にいるのが御舟京子こと加藤治子と思われる。


原節子を偲ぶ 「10分で辿る原節子全フィルモグラフィー」

シモケンさんの労作。10分で見せるため、どれだけ時間をかけたのだろう。

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by mukashinoeiga | 2018-01-31 19:39 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(0)

新藤兼人「花嫁さんは世界一」フランキー堺雪村いづみ乙羽信子水野久美曽我廼家明蝶東野英治郎小沢栄太郎

軽快コメディ快作。特に冒頭からの十数分は、早口の科白、素早い場面回しと、この時代らしからぬアップテンポな、川島か増村か喜八か、と絶好調。
e0178641_18495422.jpg 新藤、やればできるコなのね(笑)。こころなしか同時期の裕次郎映画、喜八映画、増村映画、中平康映画より、ハイセンスにカットんでいる気が、する。
 阿佐ヶ谷にて「歳末&新春特選 コメディ天国 It's 笑 Time !」特集。 59年、東京映画、配給東宝。
 基本的には新藤は、メジャー各社から、発注された娯楽映画の脚本を量産しつつ、資金をため、自分の監督作は、少々メンドーな、問題作、意欲作、異色作を撮っている、というイメージだ。
 ところが本作はずぶずぶのプログラムピクチャア娯楽作。いったいどうしたんだ(笑)。ふつー新藤は、こんな娯楽作監督しないやろ。考えられるのは、

1 いつものように娯楽映画脚本として流し書きしたら、あまりに出来が良いので、監督もしたくなった。→いや、そこまで出来は良くないので、これは無理筋。

2 この時期手元不如意だったので、脚本料だけでなく、監督料も欲しかった。→これは判定不能。

3 娯楽映画とはいえ、少々水と油なドキュメンタリータッチの「当時の日本社会の多々ある細部」の描写がいくつかあるので、もちかけられた新人監督、職人監督が皆、しり込みした。
「新藤はん、だーれも手―あげる監督おりませんわ。かといってベテランさんに頼むようなシャシンでもおまへん。ここは、あんた、責任取ってもらわんと、あての立場があらしまへんわ」
「うーん、しゃーない、やりますわ。でも乙羽出してくれますやろ」
「そんなのもちろんオーケーオーケーですわ。とにかく番組に穴開けたら、あての立場はあらしまへんわ。たのんまっせー」
 これが一番ありかなー(笑)。

e0178641_18504153.jpg花嫁さんは世界一 ニュープリント (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1959年(S34)/東京映画/白黒/95分
■監督・脚本:新藤兼人/撮影:遠藤精一/美術:丸茂孝/音楽:広瀬健次郎
■出演:フランキー堺、雪村いづみ、乙羽信子、水野久美、坪内美詠子、藤木悠、藤山寛美、曽我廼家明蝶、東野英治郎、小沢栄太郎、千田是也
カリフォルニアから二世の青年が花嫁探しにやってきた!大阪・広島・名古屋と三人の候補者とお見合いをするのだが、さて運命の相手はみつかるのか──。主演フランキー堺、雪村いづみ。新藤兼人監督には珍しい、軽いコメディ。

 ラヴコメ娯楽映画としては、やや失速していくのだが、その理由であるドキュメンタリータッチの白黒描写が、あまりに素晴らしく、美しすぎる。寺の庭の砂庭園の生成、塩田、なんだかいかにも手作りのイチゴ栽培、このドキュメントな描写があまりに美しくて、これでラヴコメが失速するのは、やむを得ないな、と。
 むしろ意図的に失速させている、とみるべきだろう。
 かといって東海道線車中から見る富士山は、思いっきり書き割りの大胆さ

 旅行ガイドとしてフランキーに同行する雪村いづみが素晴らしい。喜八映画で鍛えた?早いセリフ回しの滑らかさ。そして喜八は短いカットを積み上げて編集していくが、本作では長回しのいくつかで、いづみフランキーの軽快な会話をとらえていく。
 長回しでも軽快、早口は撮れるんだぜ、喜八っつあんよ、というような、どうでぇ感(笑)。これを支えるのは、フランキーでなく、いづみである。
 そのいづみが、各出張先のホテルから、電話で小沢栄太郎社長に、報告を入れる。ははあ、ネタ元は、ハワード・ホークス「ヒズカール・フライデー」フランク・キャプラ「或る夜の出来事」当たりか。真っ当なネタ元だ。
 ただ政治的立ち位置から見ると、新藤は、どう見ても米帝嫌い?だろう。アメリカという虎の威を借る?日系二世のフランキーが、日本の娘さんを品定めっていう設定には、どうなの(笑)。
 第一候補奥村恵津子は、父東野英治郎をはじめとする日本的大家族に反発して、万事都会的なアメリカにあこがれる。しかしフランキーは家族主義者だ。奥村は当然フランキーを振る。この皮肉。
 第二候補水野久美は、父曽我廼家明蝶の没落に、好きでもない金持ちの息子に嫁ぐ、けなげな娘。というか日本的に自分を殺す娘。まれびとのフランキーは彼女を救うすべもない。

 うーん通常東宝ラヴコメと比べると、嫌がらせのように暗いネタだな(笑)。第三候補は、乙羽信子。当時としては確信犯的いかず後家? しかもイケズで半チクなインテリで。なんとなく化け物感あり。この奇妙さは、東宝プロパー監督にはなかなか出せない味か。
 浜田寅彦や天津敏、岩崎加根子や横山道代、どんな小さな役にも贅をこらした、かなりのぜいたくさ。主役陣にはともかく、脇役陣には、「一応東宝配給だけどよー、ギャラは近代映画協会価格で(笑)」というとこ?

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by mukashinoeiga | 2018-01-20 18:53 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

黒沢明「わが靑春(青春)に悔なし」原節子藤田進大河内傳次郎杉村春子三好榮子河野秋武高堂國典志村喬

時流に乗った四流メロという印象をかつては持っていたが、今回ついで見の何度目かの再見で、それほど悪い映画でもないか、と日和りつつあります(笑)。まあせいぜい三流かな、と(笑)。 
e0178641_650931.jpg 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。46年、東宝。
 感想駄文済みの、つい四年前の島津保次郎「緑の大地」脚本黒沢明)で、乳児のある若夫婦を演じた原節子藤田進が、令嬢大学生を演じるのは、いささか無理があるのだが、まあそこはそれ。

9わが靑春に悔なし(110分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1946(東宝)(出)原節子(八木原幸枝)(監)黑澤明(脚)久板榮二郎(撮)中井朝一(美)北川惠司(音)服部正(出)藤田進、大河内傳次郎、杉村春子、三好榮子、河野秋武、高堂國典、志村喬、深見泰三、清水將夫、田中春男、光一、岬洋二、原緋紗子
占領軍の民主化政策に沿って、戦前の京大滝川事件とゾルゲ事件を題材にした民主主義啓蒙映画。原は八木原教授(大河内)の娘・幸枝を演じる。幸枝は急進的な学生の野毛(藤田)と恋に落ち、彼が獄死した後は彼の老いた両親と共に、スパイの汚名を受けながら農村で働く。従来の日本映画には見られなかった強烈な女性像が話題となった。

 本作は、前半京都青春時代、中盤東京スパイ時代、終盤東北での農民時代と、三部構成のていだが、終盤のみいささか異様で。前半中盤は、いわゆる滝川事件とゾルゲ事件をモデルにしているが、農村時代は、それとは無関係。

 これはウィキペディアによれば、

本作と同時期に同じ題材の映画「命ある限り」(楠田清監督)が企画されていたため、「新人監督をつぶすつもりか」との労働組合の圧力を受けて、黒澤の意図に反して映画後半の展開を大幅に変更せざるをえなかった。農村シーンに込められた異様な気迫は、この圧力に対する反感があったからと黒澤は述懐している。(以上引用終わり)

e0178641_6504241.jpg 黒沢としては精一杯時流に乗り、左翼的な作品を撮るが、応援してくれるはず?の、共産党組合から、妨害されたのは、いかにもサヨクの好きな内ゲバ状態か(笑)。
 同じ東宝社内で同一企画が二つ同時進行しているのは、まさしく時流に乗っているというしかない。河野秋武、中北千枝子、清水将夫、志村喬と四人も共演者がかぶってすらいる。
 その共産党が、いまでは野党野合連合を画策しているが、これは反安倍の同一テーマの映画を3、4本同時公開するようなもので?共倒れにならないか(笑)。共産変じて共倒の図。

 しかし妨害があって、かえって良かったのでは、ないか。前半中盤の、いささか締まりのないふにゃふにゃドラマ(結局藤田進が何を画策しているのか、全くわからないマクガフィン状態で、出来の悪いヒッチコック仕様)が、最後まで行ってしまったら、この映画、今ほど名を残せなかったかもしれない。最後の、ハラセツ、高堂国典、杉村春子の異様なドラマゆえに、この映画は残ったのではないか(ただしぼくの好みではなく、ぼくには面白くはないが)。
 黒沢のオリジナルな結末はどうだったのだろうか。脚本なりシノプシスは残っていないのか。

 まあ、いずれにせよ、おかげで、令嬢、OL、若妻、獄中の女、農婦と、ハラセツ波乱万丈、イロイロのハラセツを楽しめるわけだが。そして、現代劇の大河内伝次郎は、いつでも絶品!
 学生役の田中春男には爆笑せざるを得ないが、このワンショットだかワンシーンの田中、「黒沢はん、せっかく京都でお撮りになるんでっしゃら、ワイも出して―な」と、衣装部で学生服をちょろまかし、勝手に学生エキストラに交じり、居座って、黒沢も苦笑いしながら、その場で科白を一言口伝え、てなことを想像するが、あながち間違ってはいまい(笑)。

 映画の中で何回も出てくるのは「顧みて悔いのない生活」というフレーズだが、これをタイトルに転用して「わが靑春(青春)に悔なし」とはキャッチ―でパワーあるタイトルになったが、「わが青春に悔なし」と言い切れる奴は、おそらく人類史上皆無だと思う(笑)。ここら辺が、いかにもお花畑な黒沢(笑)。青春というものは常に無駄遣いされるものなのだ。まあそれを言ったら、少年中年老年も変りもないが。
 黒沢は映画「わが靑春に悔なし」に悔なし、と言い切れるのか(笑)。

わが青春に悔なし


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by mukashinoeiga | 2017-12-03 06:53 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(4)

島津保次郎「緑の大地」原節子藤田進入江たか子池部良丸山定夫英百合子江川宇礼雄千葉早智子嵯峨善兵汐見洋

山崎豊子のいない山崎映画か。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。42年、東宝。
 つまり面白くない。大勢の、立場が違うひとびとが右往左往する群像ドラマは、小市民のこじんまりドラマを得意とした島津保次郎には、荷が勝ちすぎか。あるいは、内弁慶な日本の映画屋さんが、海外ロケの映画を作ると、常に失敗する一例か。

e0178641_54222.jpg6緑の大地(118分・16mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1942(東宝)(出)原節子(上野初枝)(監・原)島津保次郎(脚)山形雄策(撮)三村明(美)戸塚正夫(音)早坂文雄(出)藤田進、入江たか子、丸山定夫、藤間房子、英百合子、里見藍子、江川宇礼雄、千葉早智子、嵯峨善兵、池部良、汐見洋、林千歳
中国・青島に長期ロケを敢行した国策映画。運河建設をめぐり、日本人技師(藤田)やその妻(原)、女教師(入江)、悪徳商人(嵯峨)、反対派の中国青年(池部)たちが衝突するさまを描く。原は、女教師が夫の初恋相手であると知り、友情と嫉妬の間で揺れる妻の役を演じる。

この広告、いくら何でも写真がヘン。「戦争とスポーツ」って、この映画特に戦争映画でもないし、スポーツは同時上映か何かなのか??? それにスポーツは敵性語じゃん(笑)〉

 そんな嫉妬も淡い描写で。日本人なのに中国人に味方する、いわゆる良心派(笑)日本人池部良も、淡彩だし。何から何まで淡彩な濃厚人間ドラマ(笑)。矛盾な筋違い。
 島津保次郎の弟子の、小津安が、中国に長期滞在しながら、キャメラをちらりとも回さなかったのは、おそらく正しい選択だったのだ(笑)。とは言いつつ、そういう珍品も、見たかったのだけれどね。

 はるばる日本から赤ちゃん連れでやってきたハラセツに藤田進は邪険。ここはのほほんと迎えるのが島津じゃないか。
 戦時中ゆえ製作本数減で、何気にオールスタアだが、小悪党専門の嵯峨善兵が、いい味。

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by mukashinoeiga | 2017-11-28 05:05 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(2)

伏水修「青春の氣流」原節子大日方傳山根壽子黒沢明進藤英太郎藤田進加藤治子英百合子清川玉枝矢口陽子

元祖宮崎アニメ(笑)。民間航空機を設計する技師と、その恋を描く。監督デヴュー前年の黒沢明の脚本だから、あるいは宮崎駿も何らかの参照をしたのかもしれない。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。42年、東宝。
 これは時局柄基本的にいわゆる国策映画を作りたかったのだろうが、軍用機の開発を扱うと、当時の日本は軍機密を極端に秘匿していたからNG、それで時節に合わなくても、国産民間機の開発ドラマにせざるを得ない。たぶん東宝も黒沢も国策映画に拒否感があったから、一種のアリバイ作りとしての、なんちゃって国策映画になったのだろうが、そのなんちゃってゆえに、生煮えの映画になったのは、否めない。

e0178641_1284134.jpg5青春の氣流(87分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1942(東宝)(出)原節子(由島槙子)、御舟京子[加藤治子](喫茶店の女)(監)伏水修(原)南川潤(脚)黒澤明(撮)伊藤武夫(美)松山崇(音)服部良一(出)大日方傳、山根壽子、進藤英太郎、中村彰、藤田進、清川莊司、眞木順、英百合子、清川玉枝
新鋭旅客機を設計した若き技師・伊丹(大日方)が、その製造実現に向け突き進む姿を、喫茶店で偶然出会った女性(山根)との恋愛を絡めつつ描くメロドラマ。社内で伊丹を支持する進歩派の専務(進藤)の令嬢に原が扮し、伊丹と添い遂げようと積極的にアプローチする姿が目を引く。ニュープリントによる上映。

 つまりドキュメンタルな航空機開発ドラマを描くのだが、それだけにはあまりに色気に欠けるので、技師大日方傳に二人の人気女優を、からませようという。
 洋風積極系おてんばお嬢様なハラセツ。
 和風消極系ひかえめな質素娘山根壽子。
 この二人のうちどちらを選ぶのか、というドラマは、吉村公三郎「暖流」で佐分利信が洋風高峰三枝子と和風水戸光子のうち、水戸光子を選ぶというものの二番煎じか。
 もちろん時局柄(笑)か、大日向もサブリンも和風を選ぶのだが。
 社長役・進藤英太郎の抜群の安定感。
 この時期、製作本数が減っているので、俳優は余っている。竜崎一郎は、大日方傳にぶつかる役で数秒のみ。 
 大日方傳と山根壽子が待ち合わせる喫茶店のウェイトレス三人娘に、新人の加藤治子と矢口陽子、あとの一人は確認できず。このウェイトレス三人娘がコメディリリーフなのだが、イマイチ不発。やはり黒沢にコメディは無理か。

原節子の代表作ベスト10

著者が語る「原節子の真実」

伝説の女優 原 節子


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by mukashinoeiga | 2017-11-26 12:09 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(0)

伏水修「東京の女性」原節子立松晃江波和子水上怜子

原節子絶対の魅力。映画も戦前モダン都市東京の魅力がたっぷり!
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。39年、東宝東京。
 まだ若く顔の左右の表情が違い、いろいろな顔が楽しめる。テキパキ歩くと、うすい服越しに軽く胸がゆさゆさ揺れるのは、戦前日本人女優としては珍しい。ハラセツだけか。
 戦前日本人女優としては珍しいのは、明確で明朗な強い意志を持ち、目的に向かって邁進する女性を、はつらつと、不自然でなく体現する、その強靭さか。ハラセツの強度よ、その美貌よ。
 戦前モダン都市東京を滑走する、時に挫折する、東京モダンガアル・ハラセツの魅力よ!

e0178641_19135458.jpg4東京の女性(82分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1939(東宝東京)(出)原節子(君塚節子)(監)伏水修(原)丹羽文雄(脚)松崎與志人(撮)唐澤弘光(美)安倍輝明(音)服部良一(出)立松晃、江波和子、水上怜子、藤輪欣司、水町庸子、水上怜子、外松良一、鳥羽陽之助、深見泰三、如月寛多
丹羽文雄の同名小説を映画化。生活能力のない父に代わって一家を支えるため、節子(原)は自動車会社のタイピストから“セールスマン”へと転身し、次々と成功を収める。能動的で溌剌とし、男性社会を脅かしさえする女性を演じた原は、当時の映画評で「東宝入社以来おそらく最も生彩のある演技」と高く評価された。ニュープリントによる上映。

 借金まみれのクズな父に3000円で妾に売り飛ばされようというハラセツは、タイピストから、車のセールスマンに、チャレンジ。セクハラの嵐にもめげず我を通し、男勝りな性格と美貌で、トップセールスマンに。
 この強気の戦前キャリアウーマンに、当時19歳のハラセツ、貫禄的には二十代半ばな感じ。
 一方ハラセツの妹に、設定19歳の江波和子。こちらは男に甘えて、服や何やらプレゼントしてもらい、ドライブもおねだりする、天然な憎めない女の媚びを生かして、いわば楽して稼ぐタイプ。
 この江波和子が、爬虫類顔ながら、キュート。たえず体をふはふは動かして、自然の少女の愛くるしさ。
e0178641_19142435.jpg この江波和子が、のちに江波杏子の母となる。より爬虫類顔が強化された杏子がなぜ女優として一定の人気があったのか、ぼくには不明で。
 こういういい方は、いささか趣味が悪いが、女性として、和子はオーケーで、杏子は対象外。典型的に上から目線ですが(笑)。杏子、ハラセツ以上に、怖すぎ。和子は、堅気の娘さんを普通に演じられるが、杏子は堅気の娘さんは、絶対ムリ。そういう違い。
 この二人の相手役・立松晃は、東宝入社第1回の典型的美男子。絵に画いた二枚目だが、あまり活躍していないようなのは、やはりイケメンなだけじゃダメなのよの典型か。
 この彼がハラセツと外食、ご飯を口にほおばり、その直後の科白が、もごもご。飯食いドラマが頻繁な日本の役者は、ご飯を口に入れた直後もクリアなセリフ回しを要求される。そこがダメだったのか(笑)。

 モダン都市東京(ハラセツ両親の古い価値観を内包しつつ)の、モダンガアル原節子&江波和子姉妹のはつらつが快。よって下の英題は、複数形でよかったかも、と思う。

Woman in Tokyo (1939)


節子の唄 二葉あき子

蓄音機で聴く昭和の流行歌。昭和14年12月新譜。東宝映画「東京の女性」当選主題歌。

 ハラセツの役名は、君塚節子。ということはハラセツのテーマソングか。ところが、この曲、いたるところでBGMとして流れるが、歌唱曲そのものは、ハラセツと関係ない、立松晃と江波和子のドライヴシーンにのみ流れたというのは、単なる勘違いか。うーん。って、当選主題歌って、なに?

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by mukashinoeiga | 2017-11-24 19:14 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(4)

出目昌伸「俺たちの荒野」黒沢年男酒井和歌子原知佐子赤座美代子清水元東山敬司

時代と寝た映画の面白さ?
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。69年、東宝。
 いや、昼の回夜の回ともがらっがら。猛烈な酷暑のなか他人様の追悼にでも出かけもしたら、下手したらわしらのほうがお陀仏じゃ、と老人連中も思ったと思しい(笑)。
 こういう法事は多少涼しくなった秋あたりがふさわしい。小津じゃあるまいに。まあ元お役人には、このあたりのキビは忖度できないか(笑)。

 さて、(以下、完全ネタバレあり)

e0178641_424041.jpg29俺たちの荒野(91分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1969(東宝)(監)出目昌伸(音)真鍋理一郎 (原)中井正(脚)重森孝子(撮)中井朝一(美)竹中和雄(出)黒沢年男、東山敬司、酒井和歌子、原知佐子、赤座美代子、清水元、左卜全、草川直也、荒木保夫、佐田豊、横田米子、望月敦子、宮田芳子
米軍基地のある街を舞台に男女3人の青春の夢と挫折を瑞々しく描き、日本映画監督協会の新人奨励賞に輝いた出目昌伸の第2作。邦画斜陽期にようやく監督昇進を果たした出目は、藤本眞澄プロデューサーから打診された2作目の企画を蹴って、ひっそりと準備していた本作の脚本をぶつけ、役者をそのままスライドさせて実現にこぎつけた。(変色が追悼対象の方)

 ポスターの東山は似ても似つかないショットが採用されていて、悪意すら感じられる(笑)。

 日本映画監督協会新人奨励賞というものが、いかほどの権威を持つのか知らないが、いかにもさわやかな、かつモンダイ意識も少々ある青春映画を新人監督が撮りました、よしよしというところかしらん。たぶん、既成監督たちに牙をむいた新人は対象外か?
 主演トリオは、もともと暑苦しい黒沢年男が暑苦しさマックスの熱演、この酷暑にこの黒沢を見たら、確かにご老人熱中症になるわな(笑)。しかもフィルムセンター冷房ケチってるし(笑)。
 ヒロイン酒井和歌子は超かわいい。まさにアイドル女優の鏡。その彼女もセリフは声を張り上げる熱演。声を張り上げてもアイドル品質を維持。ほんまもんや。この役も相当暑苦しい役なのだが、それをサラリさわやかに演じてしまう。ほんまもんのアイドルや。
 東山敬司は、もー三浦友和クリソツな絵に画いた二枚目。友和が生き残って東山がなぜ生き残らなかったのか、男の身としては、ワカラナイ。単に時代のタイミングなのか。
 その男どおしが、少年のように、野っ原でじゃれ合うさまを延々と見せられるのも、もはや暑苦しすぎて閉口で(笑)。

 さてデメショー演出は、うまいのか。うまいことは、うまい。
 清順ファンとしては、アメリカ兵士相手の酒場での日米男女入り乱れての乱闘シーンに鈴木清順「東京流れ者」へのリスペクトを見るし、彼らの荒野の空がラストでは薄い黄色一色なのは、ともにリアル版清順ティストを妄想したりして。
 さらに男二人が網走番外地主題歌を歌ったり、やくざの仁義切ったり、いかに当時の若者に、あるいは東宝の新人監督に、東映映画が受け入れられたのか、わかりやすい。
 東宝若手が、当時の他社にあこがれの気持ちを持っているのは、よくわかる。いや、ひょっとして、この意図しない他社礼賛の結果が他社監督の支持も集めての、日本映画監督協会新人奨励賞(笑)。いや、ひょっとして、あり得るかも(笑)。

 東山敬司は、酒井和歌子にあこがれても、酒井が横たわって目をつぶっても、逃げてしまう。のちに黒沢にデキないんだ、つまり立たないんだ、とサウナの中でハダカ同士で告白する。これは童貞の逡巡か、二人の男が異常に仲が良いので、あるいは東山にはヘテロ志向が薄いのか。
 黒沢には腐れ縁の同棲相手・赤座美代子がいて、酒井和歌子を好きになった瞬間から、赤座が飽きてきて、疎ましい。
 同時に、処女酒井には立たない親友には、最初は赤座みたいなヴェテランに身をゆだね、練習してみたら、と赤座を貸してもいいという。
 ところが、いざ、それ(赤座X東山)が実現してみると、なぜか黒沢はブルー。同じ夜に黒沢は酒井とキスしている。チンピラたちに酒井を襲わせレイプさせようとした赤座に何の未練があるというのか。
 ここら辺の黒沢の心理が全く不明だ。単に深刻な青春の葛藤ブリたいだけか。東山への男の未練か。
 もしこの映画をルビルビルビッチが撮れば、二組のカップルの夫婦交換コメディとして、ハッピーエンドだろう。
 しかし残念ながら、日本の幼児的青春映画なので、はじめからバッドエンドは、約束されている。

 最後、男二人と女一人が子供のように無邪気に遊びまわるが、その中で男と女は二人だけでひそかに愛し合う。
 取り残された男は、親友とこころの恋人に同時に袖にされて、もう、死ぬしか、ない。
 ただ、それは悲劇にするためだけのお約束のように感じられるのが、このドラマの欠点だろう。


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by mukashinoeiga | 2017-08-10 04:04 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(2)

池袋新文芸坐必見の司葉子特集!

本日からの司葉子特集! 必見です。

6/11(日)~24(土) 池袋新文芸坐
日本映画のヒロイン 司葉子 美しさと凛々しさと
e0178641_845462.jpg  司葉子さんトークショーも3回ある気の入れよう。
 定番名作の秋日和、小早川家の秋、乱れ雲、ひき逃げ、などもいいのですが、隠れた傑作、その場所に女ありて、丼池〈どぶいけ〉、快作大快作の、獄門島、不滅の熱球、帰って来た若旦那、愛妻記、沈丁花〈じんちょうげ〉、春らんまん、女の座も。
 お気楽プログラムピクチャアから大傑作大快作まで。個人的おススメは文字変色で。
 いや、変色していないのもおススメですからね(笑)。
 要は三度の飯より好き、というのと、ご飯はしっかり食べて、その上で大好きという個人的嗜好だけの違いですかね。なんのこっちゃ。
 これだけ注目している女優さんなのに、世間的代表作といわれる紀ノ川は一度も見たことがない。今度は見れるかしらん。

♪見ないと葉子、葉子ハマる、葉子スキー♪ お粗末。

◎追記◎ここからは完全妄想モード(笑)。
 上記引用画像の司葉子は、ミドリ基調のモード。タイトル等もミドリ主体。もちろん葉子という芸名に由来してはいるのですが。
 新文芸坐といえば池袋にある。池袋といえば小池百合子の地元。都議選もちかい(笑)。
 この時期の司葉子特集とは、サヨク傾向のある新文芸坐のステマなのかしら(笑)。
 かなり昔にすべての広告は全部セックスがらみの隠し味がある、という本を読みましたが(タイトル失念)うーん。

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by mukashinoeiga | 2017-06-11 08:05 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

川島雄三「箱根山」加山雄三星由里子藤原釜足北あけみ佐野周二東山千栄子

らしくない大快作だ。62年、東宝。
 阿佐ヶ谷にて「芳醇:東宝文芸映画へのいざない」特集。5/20(土)まで上映中。
 昔見たときは、さわやか好青年加山雄三の主演のせいか、川島らしくないお子様映画で、笑いの少ない、まあ川島としては凡作の部類かな、と。
 ところが今回再見して、やはりらしくないという印象は変わらないながら、評価は180度!変わって、なんと大快作となってしまった(笑)。

e0178641_2348491.jpg箱根山ニュープリント (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1962年(S37)/東宝/白黒/105分
■監督・脚本:川島雄三/原作:獅子文六/脚本:井手俊郎/撮影:西垣六郎/美術:浜上兵衛/音楽:池野成
■出演:加山雄三、星由里子、藤原釜足、北あけみ、佐野周二、東山千栄子、三宅邦子、東野英治郎
観光開発が進む高度成長期の箱根。駆けひきと思惑が乱れ飛ぶなか、二軒の老舗旅館は対立し、煽りをくらった若い男女の恋路もなんだか前途多難──。「若大将」シリーズの名コンビが、ロミオとジュリエット風の恋人たちを好演している。

e0178641_20593647.jpg 旅館主人・佐野周二が、地形の模型を使って、とうとうと箱根の古代史を、泊り客の映画監督・藤木悠に語っている。通常の川島映画なら、映画監督などあちゃらかにハイハイ聞き流す感じ?
 ところが本作の藤木悠は、まじめに佐野の講義を聞き、適切なレスポンス。
 まさに日本映画、および東宝映画としては、らしくないインテリ同士の応酬。もちろんあたしゃ戯作者でゲス、という川島としても、らしくないのだ。
 そして圧巻は部屋の電気を消して、カーテンも閉めて、漆黒の闇の中、地形模型にペンライト当てて、「この初日が最初にあたる地点に古代人は住処を作ったんだ」というショットに演出と撮影の本気を見た。
 見る前は加山とホシユリの青春ものだから、カラーだと思っていたが、なんと白黒。しかし上記ショットは白黒撮影の極美。カラーでは、シマリない絵になって、その緊張美はウシなわれたろう。
 アイドル映画にも筋を通す。
 そういえば、本作の冒頭は、政治家役人、対立する二大交通系大企業、報道関係者の人いきれでむんむんする会議場。いわばなんちゃってヤマサツ映画の趣。これも白黒でなくては、味は出ん。
 そして劇伴が、なんだかサスペンス調。喜劇にも明朗青春ものにも合わないもの。
 川島がヤマサツ風にと、頼んだのかもしれない。もっともこの劇伴、本作にも合ってないんだけど(笑)。 
 二大交通系企業の対立、そしてその縮小版としての二大老舗旅館の対立、ヤマサツが撮っても面白そうだ。もっとも原作者の前身を考えれば(笑)、ヤマサツひきうけんだろうと、東宝が忖度して、川島にお鉢が廻ってきたのかもしれぬ(笑)。

 思えば加山はこの地域一番の秀才だし、その上司番頭・藤原釜足も、開発企業社長・東野英治郎も独自の人生哲学を持っている。
 ちゃらちゃら女子高生みたいなホシユリも、向学心。
 だからこの映画は、いつもの東宝喜劇にあらず。それを察したか言われたのか、森繁も有島一郎も藤木悠も、あちゃらか一切なし。
 これは市井のインテリ、準インテリ?が出てくる、川島らしくない異色作で、そして面白い。

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by mukashinoeiga | 2017-05-17 23:49 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(4)