人気ブログランキング |

タグ:日活 ( 100 ) タグの人気記事

中平康「四季の愛欲」山田五十鈴楠侑子桂木洋子中原早苗渡辺美佐子安井昌二小高雄二宇野重吉

異常につまらぬメロドラマ。
 渋谷にて「欲望のディスクール」特集。58年、日活。
e0178641_9494562.png 松竹がお得意なめそめそメロドラマ、東宝大映がそこそこ、こなすメロドラマ、これがいくら作っても、全然へたっぴなのが日活で。それこそ裕次郎が救世主のごとく登場するまでは、文芸ドラマを作らずを得ず、平板なメロドラマも多産した。
 でも、ツマンないんだよねー日活メロ。板についていない感じが明々白で。
 本作もそうで、さすがの才人・中平康も、全然興味のない、どろどろメロや、めそめそメロを、仕方なくトレースせざるを得ない。


『四季の愛欲(デジタル)』公開:1958年(渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:中平康
出演:山田五十鈴、楠侑子、桂木洋子、中原早苗、渡辺美佐子、安井昌二、小高雄二、宇野重吉、永井智雄、細川ちか子、峰品子、天路圭子、雨宮節子、三沢孝子、二木まこと、相馬幸子、波多野憲、下条正巳、松下達夫、西村晃、小泉郁之助、雪丘恵介、相原巨典、河上信夫、山田禅二、須藤孝
小説家・清水をめぐる女たち - 独身を騙り身体で仕事をゲットするモデル妻、男のために自分を捨てた母、不倫中の妹 ? が繰り広げるブラックな愛欲ゲーム。楠侑子と桂木洋子が爛れた女を生き生きと演じる中、最後をかっさらっていくのは、やっぱり48歳(劇中)現役バリバリのあの人!


 その現役バリバリのあの人・山田五十鈴には、父親の違う子が三人いる。
 長男の小説家・安井昌二、長女・桂木洋子、次女・中原早苗、そして安井の内縁の妻に楠侑子。
 この中で、山田、桂木、楠がバンバンドロドロ不倫。
 しかし、それらを冷ややかに見つめる安井、激しく非難する中原、メロドラマなのに、その批判者が多すぎる。まるで日活マインドが、ドロドロずぶずぶを批判しているかのようだ。これがメロドラマを全うするためには、安井はともかく、中原の役はせめてカットすべきだった。
 しかも元気娘・中原早苗の喧騒は、楚々としたメロドラマ空間を、破壊するしかない爆弾娘。

 笑いどころが二つ。
 桂木が典型的色悪・小高雄二に、連れ込み旅館で抱かれつつ、数十行のせりふを一気にしゃべり倒す(笑)。こんな覚醒的(笑)な抱擁シーンは、ただひたすら珍で。
 桂木洋子の美質の無駄遣い(笑)。ちなみに桂木が男に抱かれるシーンに音楽をつけたのは黛敏郎。

 禁欲的な安井も、楚々とした和服姿の渡辺美佐子と、ラヴシーン。
 そしてこのラヴシーンが世界映画史上に残る珍なもので(笑)。
 お互い足の水虫に悩む二人が、恥じらう美佐子の足指に安井が直接薬をぬりぬり。
 水虫が取り持つ恋に爆笑。いやあこれは川島雄三だろ(笑)。
 これらを笑い飛ばすことなく、マヂメに平板にメロして、全然面白くない、のちの才人・ナカコー。

 なお、この体たらくなメロドラマにあって、一人勝ちの山田五十鈴は、さすがに貫禄。48歳とのことだが、マスマスムラムラ「四十八歳の抵抗」の、男のしょぼくれ具合にくらべて、さすが。五十鈴、名前からしてアラフィフ(すでに死語)のカンロク。

 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2019-07-12 09:49 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

阿部豊「マダム」月丘夢路左幸子葉山良二金子信雄岡田真澄二谷英明細川ちか子キムタケ木村威夫

水準的なバーのマダムもの。水商売だけに。
 神保町にて。「女たちの街「色」と「花」に彩られた文芸映画の世界」特集。57年、日活。
e0178641_15394737.png 夫オダサクもすなる小説といふものを、妻もしてみむとてするなり、とばかりの織田昭子の原作。
 オダサクも、あの世で苦笑いというところか。このオダサクを演じるのがネコさんこと金子信雄。こういう女たらしの役なら、常にモリマのほうがいいんじゃね、と思ってしまうのが、モリマジャンキーの、サガ(笑)。
 オダサクも太宰も、全部モリマにやってほしかった(笑)。そうすれば、父親トラウマも解消するんじゃねぇの、と(笑)。
 なお斉藤高順音楽は、限りなく小津調に近い。手抜きか、夜のネオン街の絵面がそうさせたのか。

9. マダム S32('57)/日活/白黒/1時間34分(神保町シアターHPより)
■監督:阿部豊■原作:織田昭子■脚本:沢村勉、中村信■撮影:峰重義■音楽:斉藤高順■美術:木村威夫■出演:月丘夢路、左幸子、葉山良二、金子信雄、岡田真澄、二谷英明、細川ちか子
波瀾曲折の後、流行作家の愛人から銀座のバーのマダムに落ち着いた秋子(月丘)。かつて愛した男たちを思い出し、人生を憂いていたが…。作家・織田作之助の未亡人が、自身をモデルに書き下ろした小説の映画化。*デジタル上映

 ちなみに、この日は、神保町で本作、そのあと京橋のキムタケ特集に回ったので、3本ともキムタケ美術。
 あっ、さらにちなみに、木村威夫のことをキムタケと呼び始めたのは、たぶんぼくが初めて(笑)。ごく少数の名画座女子の間で、今も使われているようだ(笑)。映画美術における、ある種のポップアイコンにふさわしい愛称だと思っている。
 そのキムタケ美術だが、肝心のバーのセットなどは、水準的なもので、のちに実店舗の設計をいくつも手掛けたという安定感。
 ただそのバーの楽屋というか、ホステスの控室に通ずるドアが、キムタケが日活映画でさんざん使いまわす、なんていうんだろう、小さな柱が林立する模様の独特なもの。
 そのドアを開けて女給控室に入ると、もうバーとは別世界だ(というのがキムタケの思いだろう)。
e0178641_15403992.jpg 画面奥(ドアを開けた右)が全面金網。その奥には何やら衣装がつるされてはいるが、衣装庫としては、きわめて使いづらそう。
 おそらくキムタケとしては、バー部分の内装は、予算をかけるが、楽屋には予算をかけず、元の建物構造を生かす、という発想かしらん。しかしなぜ金網。
 部屋の奥には、金網で区切られた異世界があるということかしら。この映画以外にも日活のキムタケ美術で、奥の金網というものを見た記憶もあり、何よりも鈴木清順「東京流れ者」でこのショット、この画像では見にくいかもしれないが、渡哲也たちの奥にあるのは、まごうかたなき金網であり、ビルの一室にこのような衝立があるのは、明らかに不自然極まりない。(下の予告動画のラストのほうが、金網であることが鮮明)
 ふすま、戸板に連なる、キムタケ美術と鈴木清順コラボの一つ、薄い堺、衝立を隔てた別世界ということか。

 月丘夢路の友人役左幸子が、いつになくしどころのない役で。いつも、あらゆる方向にはじけまわっているか、意味深な役ばかりの彼女なのに、なにこの低温な役どころは。妄想するに、当初は彼女が本作のヒロインに想定されていた。しかし営業的に華がないと判断されたか、もっと妖艶さが求められてたか、彼女がはじかれて、月丘ヒロイン、左は脇に回された、と。うーん、邪推かしらん。

東京流れ者


 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2018-11-24 15:40 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(0)

カラオケ映像にモリマ! 高峰三枝子 - 湖畔の宿

‏たまにストーカーしているのえさんのツイッターから。

美都@名画座女子候補生@izumichiyo 11月12日
https://youtu.be/qVuY4fIpOQw @YouTubeさんから
まさかカラオケ映像にモリマが出てると思わなんだ。
高峰三枝子 - 湖畔の宿

@noebox 12時間前
高峰三枝子のカラオケ映像(これ始めて見ました。ありがとうございます!)帰郷の中に光る海が混入されるという雑な編集がツボ。

高峰三枝子 - 湖畔の宿

 一番最後の歌詞「青いクイーンの寂しさよ」で、なぜか高峰でなくモリマが映るのは、女子モリマファンのツボじゃないのかな(笑)。

高峰三枝子/湖畔の宿(新規)特攻隊の前で歌った歌(2)



鼻から下がラブラドールなんですよ(のえさんツイッターより)
e0178641_16561187.jpge0178641_16572283.jpg
 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2018-11-14 16:37 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

のえ男版か「映画観たからイラスト書いた」というブログの無骨イラスト面白い

なぜか最近清順映画がランクアップしているので投入。スパイクロッドさんのブログ。

e0178641_19515138.jpg『けんかえれじい』感想とイラスト 喧嘩道の行き着く先は?
ひとつ喧嘩はガンのつけ~♪ふたつ喧嘩は肝っ玉~♪みっつ未来の大物だい!大ちゃんアッチョレ人気者~♪……ん?なんか途中から違う歌になっているような気もしますが、細かいことは気にせずに、野明、東京へ行くぞ!
『東京流れ者』に続く、これまで未見であった鈴木清順映画の鑑賞企画第2弾。児童文学作家の鈴木隆による自伝的長編小説をもとに、新藤兼人が脚本を書き上げた青春痛快活劇。のはずだったのですが、脚本が気に入らなかった清順は先輩・新藤兼人を無視して大暴走。
ろくな説明もないまま怒涛のテンポで突き進む物語はもうなんのこっちゃわかりません。バンカラと呼ばれる戦前の中学生が喧嘩に明け暮れる毎日を描いただけの内容なのですけど、細かな説明をほぼ放棄しており、誰が何とどうなってこうなったのか皆目わからんのです。
しかしこの『けんかえれじい』のラストシーンはどっかで観たことあるぞ?って押井守ファンなら周知の事実でしょう。『機動警察パトレイバー』の初期OVA版第5話『二課の一番長い日(前編)』のラストシーンはこの映画に対するオマージュなのですよね。
いまさらようやく観たわけですが、そのそっくり加減にはおじさんびっくり!でも真似したくなる気持ちもわかる引きと高揚感をもった秀逸な終わり方でして、これはやはり続編を観てみたかったか!?ああ~ホントいまさらハマったんだけど、鈴木清順よなぜ死んだ!

e0178641_19505747.jpg『東京流れ者』感想とイラスト ぶっちぎりカルトムービー!
現在大ヒット中の『ラ・ラ・ランド』が影響を受けたという日活任侠映画『東京流れ者』。簡素で抽象化された異次元空間で繰り広げられる歌とドタバタと殺し合いのなんと映画的幸福感にあふれたことか!これに比べれば『ラ・ラ・ランド』なんぞ○¥△✕@%□$◇!(自主規制済)
鈴木清順初体験となるボクも唖然といたしました。意図的な違和感を狙ったとしか思えない編集に。斬新すぎる構図に。現実離れした異次元セットに。悪役たちの面構えに。アートな色彩感覚に。やたらと歌う渡に。唐突な展開に。ドタバタに。唖然として狂喜いたしました。
『ラ・ラ・ランド』の百万倍面白いから絶対にみんな観てくれよな!

e0178641_19523648.png『殺しの烙印』感想とイラスト 前代未聞のお米セクシー映画
「意味わかんねっ!」と日活の社長から詰め寄られた鈴木清順が、電話一本で一方的に専属契約を打ち切られるきっかけとなった伝説的カルト映画『殺しの烙印』。「なんて理不尽な!」と思われるでしょうが、この映画を観ればわかります。「人の金で何しとんねん!」って話。
物語としてはいつもどおりいたって単純。ランキング化された殺し屋世界でしのぎを削る男たちの玉の取り合い。実はただこれだけの単純な物語を、ここまで複雑怪奇に描いてしまう清順美学の圧倒的破壊力!紛れもない傑作だけど人の金で好き放題に遊んじゃダメ!
しかしバッキバキに決まったシャープなモノクロ映像は問答無用にカッコよく、高級クラブのバーテンダーに真顔で「飯を炊けって言ってるんだ」と詰め寄る、宍戸錠のほっぺた顔面力をハードボイルドにとらえたカットには悶絶必死!ひたすらカッコつけて何言ってんの!?(以上抜粋引用終わり)

 『ラ・ラ・ランド』は未見ですが、かえって悪評多くて、むしろ見てみたい(笑)。
 清順日活時代ベスト3ともいうべきものを見て絶賛するなら、その次には名もなき映画の瞬発的カットビぶりも見ていただきたいかと。
 ただ鈴木隆の原作を読むと、映画化された前編はすごく高揚感があって面白いのだが、戦争期に突入した後編は、どんよりして、あんまり面白くない。兵士としての圧がかかったキロクは、もはやかつてのバンカラは許されない。
 それにそもそもその前段の大学に入ったキロクは、なんとなんと入ったサークルが、児童文学研究会!
 もちろん作者の自伝的小説なんだろうけど、あのナンブキロクが、まさかのナンパ?な文系サークルにって(笑)。このパート2、作られたらもちろん何回も見ただろうけど、たぶんパート1には、及ばず、というところか。

『東京流れ者』 予告編


町山智浩の映画塾! 殺しの烙印 <予習編> 【WOWOW】#81




 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2018-10-26 19:22 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

西村昭五郎「青春の海」吉永小百合渡哲也和泉雅子川地民夫和田浩治山内賢笠智衆水谷豊

うーむこれはこれは。
 神保町にて「映画で愉しむ――石坂洋次郎の世界」特集。66年、日活。
 この特集、全作傑作快作と書いて、おススメした。しかし今回未見の、本作と松尾昭典「風と樹と空と」を続けて見て、小百合主演の映画は、例外だなー、と思った(笑)。この二作、まったくつまらん(笑)。
 これについては、不明を恥じ、訂正したい(笑)。

 確かに小百合、和泉は演技力はある。うまい。しかし、それが、ことごとく、空転している。

e0178641_1627469.png10. 青春の海(神保町シアターHPより)
S41('66)/日活/カラー/1時間29分
■監督:西村昭五郎■原作:石坂洋次郎『サルと空気銃』■脚本:三木克巳■撮影:姫田真佐久■音楽:黛敏郎■美術:横尾嘉良■出演:吉永小百合、渡哲也、和泉雅子、川地民夫、和田浩治、山内賢、笠智衆
東京から地方の漁師町に左遷された熱血女教師(吉永)の奮闘を描く。何かとヒロインを助けるワケ有りのやくざ者は、まさに渡のハマリ役!日活映画への出演は珍しい笠智衆の名演も嬉しい。

小百合、雅子ともに、デヴューのころの天然の輝きは素晴らしかった。しかしそれはたった数年間のゴールデンタイムの輝きで、本作で本当に若い娘にはもはや無理なことは、画面の端々から感じる。天然の輝きが崩れた後、しかしまだ若い娘を演じる戦術は何か。
 過剰演技だ。ふたりは天然の娘を演じるに、明らかなオーヴァーアクト。本来涼やかな映画のはずなのに、ヒロイン二人の演技は、暑苦しい。しかもふたりとも演技力があるだけに余計に暑苦しくなる。はっきり言うと、二十歳前後の女優に、その若さの演技はないだろう、というのも失礼だが、この二人に関しては、その前段があまりに素晴らしすぎたせいで。

 そして、さらに暑苦しさを増すのが。
 監督がのちに日活ロマンポルノで活躍する西村昭五郎だから感じてしまうのか、ある種の発情演技。
 不良中学生や、その兄貴分の渡哲也のバイクに乗せてもらう小百合の、ひしと背中に抱き着く、その恍惚感。旅立つ哲也に、何もかも捨てて、付いていこうとするあまりに拙い発情。
 雅子の過剰なシスコンぶり。
e0178641_16282745.png うーん、暑苦しい(笑)。
 石坂洋次郎流戦後民主主義礼賛が、このころから賞味期限を過ぎていた、ということか。
 なお少女小百合は、現在では周回遅れの左翼老女になっている。

 上記神保町シアターHPコメントで、「日活映画への出演は珍しい笠智衆の名演」とあるが、やはり若い監督だから一本調子の演出で、とても名演とは申せない。
 もっとも笠の息子たち、川地民夫、渡哲也、和田浩治、山内賢の日活四兄弟は、なかなかゴージャス。
 クレジットの最後のほうに水谷豊の名前が。
 確認はできなかったが、渡哲也の子供時代の子? 伊豆の海に海女の母を死なせる回想シーンの数秒のみの、アップなし、セリフなしの子だろうか。
 なお姫田真佐久の陰影ある撮影も素晴らしい。

 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2018-07-22 16:28 | 舟木一夫と60年代アイドル | Trackback | Comments(1)

柳瀬観『北国の街』舟木一夫和泉雅子山内賢脚本倉本聰

これもいいんだよなあ。
e0178641_1575055.png 主演三人の好ましさ。丁寧な絵作り。
 感想駄文自体は、この特集にあるので、できればお読みいただきたいが、今回特筆したいのは、以下の柳瀬観監督のインタヴュー、講演映像。
 ふつう彼のようなプログラムピクチャアの監督の講演など、ほとんど残されていないのが現実で、その中にあって、この講演自体の存在、そして記録の公開、本当にまれな事態。
 奇跡とすら言っていいほど。
 やはり舟木ファンの力だろうか。
 なおこの映画は村山新治「故郷は緑なりき」東映61年のリメイク。
 ヒロイン佐久間良子のセーラー服姿というお宝映像。
女子高校生役なのに、すでにしっとり(笑)。こちらも佳作。




映画『北国の街』予告

 男子同士の会話は今とあまり変わらない気もするが、女子和泉雅子の「申し遅れましたが」って(笑)。
「舟木一夫青春歌謡映画」 柳瀬 観 監督 1


「舟木一夫青春歌謡映画」 柳瀬 観 監督 2
「舟木一夫青春歌謡映画」 柳瀬 観(のぞむ)監督作品予告編集
「仲間たち」「花咲く乙女たち」「北国の街」「東京は恋する」「高原のお嬢さん」
柳瀬観監督の講演時に上映された主催者による編集版を再編集しました.

「舟木一夫青春歌謡映画」 柳瀬 観 監督 3


 ★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2018-06-06 01:56 | 舟木一夫と60年代アイドル | Trackback | Comments(0)

阿部豊「浮気の季節」出演の沢村みつ子歌唱動画張り付けました

ニコ動駄目ようつべOKでした。
 何個か前の阿部豊「浮気の季節」の関連動画です。
 子役上がりのジュディ・ガーランドの子役愛に感動。
Judy Garland & Mitsuko Sawamura - It's De Lovely (Ford Star Jubilee)


Mitsuko Sawamura - リンゴ追分 (Ford Star Jubilee)

 英語発音風って(笑)。
 沖縄出身という彼女が絵にかいたようなオキュパイド沖縄歌手であったわけだ。
My Lucky Charm
Dan Dailey and a little Japanese girl, Mitsuko Sawamura, in the film "meet me in Las Vegas".


e0178641_1684576.jpg★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2017-10-08 16:09 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

阿部豊「浮気の季節」益田喜頓岡田真澄赤木圭一郎白木マリ中原早苗吉行和子沢村みつ子小沢昭一

小気味いいホームドラマコメディ。
e0178641_354733.jpg 神保町にて「よみがえる赤木圭一郎 銀幕に輝く不滅の星(スター)」特集。59年、日活。
 東宝や大映が得意としたホームドラマコメディの日活版は珍しい。裕次郎はアクションものも青春ものもともに得意としたが、アクション偏重の赤木圭一郎が、この種ののほほん軽快コメディーに出るのも、さらに珍しい。
 最初はこの種のホームドラマコメディを得意としない日活らしくもたつくが、小ネタの連発で、だんだん良くなる法華の太鼓か。
 そもそも冒頭は、いかにも日活らしい、手慣れた拳銃強盗事件。ホームドラマコメディとしてはまことに異色のマクラが、いかにも日活で。

e0178641_354409.jpg2.浮気の季節S34('59)/日活/白黒/シネスコ/1時間25分 (神保町シアターHPより)
■監督:阿部豊■原作:松浦健郎■脚本:松浦健郎、山崎巌■撮影:岩佐一泉■音楽:大森盛太郎■美術:木村威夫■出演:益田喜頓、岡田真澄、赤木圭一郎、白木マリ、中原早苗、吉行和子、小沢昭一
定年間近の会社員・桐野(益田)は、男手ひとつで育てた三人娘の将来が気がかりだが、当の娘たちは父の再婚を企て大騒ぎ!思わぬ恋愛作戦が飛び出す恋の鞘当てを描いた愉快な明朗喜劇。赤木はストリッパーに恋する御曹司役。

e0178641_3552377.jpg これが東宝大映ならいかにも華やかなスタア総出演となるし、日活でも裕次郎北原芦川など出せば豪華なのだが、父親が益田喜頓、娘たちが新劇上がりの中原早苗、吉行和子とは、やや、安い造り。とはいえ、新劇上がりながら(笑)番茶も一番搾りで(笑)中原、吉行とも愛らしいのだが。
 赤木圭一郎も、この種ののほほんお坊ちゃんが柄にあって、大変好ましい。若死にしなければ、裕次郎並みに活躍したのに、つくづく惜しいなあ。
 その赤木の父親役・小川虎之助も、いつもに増して、あるいは例によって、大変愛らしい。ラブリー親父ナンヴァーワン役者ではあるまいか(笑)。赤木の恋人役・白木マリも彼女の代表作というべき、ベストパフォーマンス。  
 なお吉行和子、中原早苗姉妹の三女・沢村みつ子が、なかなかキュートで歌もうまいのに、その後伸びず、未知の人だったが、ググってみれば結構すごい人で。結局日本語オリジナルのヒット曲がないのが致命傷のオキュパイドジャパン歌手だったか。

Mitsuko Sawamura - ON LONDON BRIDGE

すてきなあなた 澤村美司子&沢村まみ

 なお貼り付けることができなかったが、ニコニコ動画It's De-Lovely-ジュディ・ガーランド&沢村みつ子という動画あり。
アップ主の説明では、50年代半ばの映像だと思います。ジュディ・ガーランドが日本人歌手とデュエットしている姿を初めて見ました。沢村みつ子は八月十五夜の茶屋ラスヴェガスで逢いましょうなどの映画に出演しています。歌っているのがコール・ポーターの曲ってとこがまた素敵。とのこと。

なお小川虎之助の会社、野呂圭介や柳瀬志郎が社員とあっては、到底まともな会社とは思われない(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2017-10-06 03:55 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(1) | Comments(2)

山本弘之「第五列の恐怖」轟夕起子中田弘二永田靖見明凡太郎伊澤一郎潮萬太郎水島道太郎北龍二

超レア物だが、内容は、うーん。
 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第86弾 轟夕起子」モーニング特集。42年、日活多摩川。
e0178641_6495140.jpg 通常は一週間上映の阿佐ヶ谷だが、フィルムセンターから借りたプリントは、三日しかできない縛りがある。平日最終日に行ったら、上映一時間前に、すでに長蛇の列(阿佐ヶ谷レヴェルではね)。
 案内の人から「補助席になりますが」、とりあえず並ぶ。その後もどんどん客が来て、返されていく。お詫びの轟夕起子しおりをもらって。
 おそらく三日間で、延べ百人近くは、見れなかったのではないか。
 場内に入ってみれば、なぜか普通席が一つ空いていたので、そこに座った。おそらくぼくの前にいた人が一人列から離脱しているので、そのせいか。「第五列の恐怖」を見に行って、列に並ぶ。

e0178641_6502621.jpg第五列の恐怖 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1942年(S17)/日活多摩川/白黒/64分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:山本弘之/原作・脚本:北村勉/撮影:内納滸/美術:仲美喜雄/音楽:飯田景應
■出演:中田弘二、永田靖、見明凡太郎、伊沢一郎
第五列(=スパイ)への警戒を国民に呼びかけるため製作された戦争映画。日本で新開発された無音発動機をめぐり、轟夕起子扮する女スパイ・YZ七号が破壊活動を計画。それを阻止するため憲兵隊は必死の捜査に乗り出すのだった…。轟が初の悪役に挑戦した異色サスペンス。めったに上映されない映画で、今回の特集上映の超目玉作品。

 なお相変わらずこの映画解説はヒドイ。本作はスパイ映画であっても、戦争映画では、ない。偏見で勝手に映画をカテゴライズするな! 007を戦争映画というか。言わないだろう。

 始まって十数分は、実に大勢の人物が同時に登場して右往左往。誰が誰だかわからず混乱するが、これは演出家の無能だ。ヤマサツやミッキー成瀬程度(笑)の交通整理能力を欠いている。
 時間経過とともに、落ち着くが。
 驚くべきは、轟夕起子の演技。通常の愛らしい、アイドル女優演技で「悪役スパイ」を演じる。まあいかにも悪役悪役していたら、スパイは務まらないか(笑)。
 ターゲットの航空機社長・見明凡太郎の娘に取り入り、そのホームパーティーに何食わぬ顔で「潜入」した轟が最新情報を得て、即興でピアノを弾く。そのピアノ曲を盗聴している外国人スパイ、ジェームス・ペインタース=高田弘(いかにもバタ臭い外人顔)が音符暗号を解読する。って、まんまヒッチコックやないかーい(笑)。
 ピアノが弾けて、なおかつ反日スパイらしい?適度なバタ臭さ?というところで轟が選ばれたのか。和風の花柳小菊では、イメージに合わないということかしらん。

e0178641_651158.jpg なお検索で見つけた映画収集狂というブログでは、

この轟夕起子演ずる女スパイのコードネームを「Y-27号」といいますが、「Y-27号」とは、どこがで聞いたような番号だな、と考えていたら、思い出しました。
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督「間諜X27」でディートリッヒ演ずる女スパイのコードネームが、まさにX-27号でしたよね。なるほど、なるほど。
僕は、はたして当時の日本映画に「分野としてのスパイ映画」を娯楽として成り立たせ得るような欧米に匹敵する成熟した大衆的な土壌があったのかと疑問に思い続けていたので、この命名といい、シュチエイションといい、欧米作品を全面的に拝借した手掛かりを得て、なんとなく納得した気になりました。
また、この映画が憲兵隊司令部から特別な表彰を受けたということからも察せられるように、あるいは、作られた1942年の戦局が厳しく切迫した状況にあったことを加味しても、軍部が苛立ちをつのらせて大衆に大きな影響力を持つ防諜映画に眼をつけ、「肝いり」したと考えたほうが、あるいは自然かもしれません。
この作品、当時はあからさまな酷評もありましたが、国民の防諜観念を向上させたとして憲兵司令官より感謝状も授与されたということと、映画統制によって新会社大映に統合される前の、日活多摩川撮影所名義の最終作としても記憶されるべき貴重な作品と言えます。(以上引用終わり)

 正確に轟のコードネームは、YZ7號。映画収集狂さんはZを2と「誤読」したように思うが、いずれにしても誤読させるように「間諜X27」をパクったのは、間違いなかろう。ディートリッヒのような大スタアもスパイ役を演じている、という一言は、当時の清純スタアに、本作出演を後押しする格好の口説き文句だったろうし。

 なお本作のデータについて検索したが、文化庁の日本映画情報システムHPは、他の映画を検索したときもそうだが、全くの役立たず。典型的お役所仕事の税金泥棒。ひどさもひどし。みたら笑っちゃうレヴェル。
 日活作品データベースは、さすがに詳しい。

撮影所稟議書によれば撮影=糸田頼一となっている。2003年6月6日フィルムセンターで上映(ロシアからの返還フィルムの1本として)。現存フィルムはカット入れ替り、シーンダブリ等あり、1/3位欠落した不完全版であるが、ストーリー理解は可能"(現代劇)
監督山本弘之 キャスト野口少佐(憲兵隊長)=中田弘二 森本光雄=伊沢一郎 小柳二郎=北龍二 YZ7号=轟夕起子 平田淑子=国分みさを 寺田中尉=永田靖(特別出演) 昭和航空機社長・平田兵衛=見明凡太郎 航空会社専務=村田宏寿 水田=水島道太郎 門衛=小宮一晃 渡辺伍長=笠原恒彦 森本の母=三井智恵 スコット牧師=吉井莞象 金山鉱三=斎藤紫香 江川運転手=潮万太郎 ジェームス・ペインタース=高田弘 長野軍曹=菊地良一 車掌=井上敏正 ボーズ=富士木弘 渥美君子 若原初子 町田博子 文野朋子 小林桂樹 
脚本北村勉 音楽飯田景應 その他スタッフ原作/北村勉 撮影/内納滸 糸田頼一 美術/仲美喜雄 編集/辻井正則
<ご注意>戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。
製作国:多摩川 製作年:1942公開年月日:1942/4/16 上映時間ほか:モノクロ/94分現存分数66分/スタンダード・サイズ/9巻/2580m(以上引用終わり)

 製作国:多摩川は、ご愛敬だが、驚くべきは、ランニングタイムの三分の一が失われた不完全フィルムとのこと。
 同時上映の島耕二「暢気眼鏡」は[不完全]と明記している阿佐ヶ谷も、フィルムセンターとずぶずぶの文化庁も明記なし(わかる人にはわかる9巻という表示で手がかりつかめって>1巻は約10分)。

現存フィルムはカット入れ替り、シーンダブリ等あり 確かにおかしい繋ぎは散見しましたが、これってなんのせい? 当時の映写技師が、フィルム切れの際、いい加減につないだってこと? 確かにそれはありそうだが。

 なお戦前戦後を通じて数多くの脇役陣が多数出演の豪華さ。OLD映画ファンにとっては、うれしき限り。ただし最後尾の小林桂樹については確認できず。電車内で新製品の噂をする職工風の男の一人だろうか。
 なお令嬢役の国分みさをには、別データベースでは、國分ミサヲという表記もあり。ここら辺があまりプリントもデータも残っていない戦前映画の難しい/面白いところ。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2017-09-03 06:51 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

菅井一郎「泥だらけの青春」三國連太郎乙羽信子高杉早苗山内明小杉勇植村謙二郎加東大介伊藤雄之助滝沢修

面白い映画業界内幕モノだが、イマイチ不発。それもそのはず、これからも業界で生きていかなければならないスタッフキャストが、どぎつくバックキャメラ?を暴くわけにもいかず、くすぐり程度でお茶を濁さざるを得まい。
 阿佐ヶ谷にて「一役入魂 映画俳優・三國連太郎」特集。54年、日活。

e0178641_2413081.jpg泥だらけの青春 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1954年(S29)/日活/白黒/93分 ※16mm
■監督:菅井一郎/脚本:新藤兼人/撮影:峰重義/美術:水谷浩/音楽:伊福部昭
■出演:乙羽信子、山内明、高杉早苗、小杉勇、植村謙二郎、加東大介、伊藤雄之助、滝沢修、清水将夫、三島雅夫、石黒達也
エキストラから人気スタアへ、一人の青年俳優がたどる華やかな道とその転落──。名バイプレイヤー・菅井一郎の第一回監督作品。松竹→東宝の移籍騒動でマスコミを賑わせた三國連太郎、本作への出演で今度は「五社協定違反第一号」に。

 Movie Walkerの本作スタッフ紹介にアッと驚く。スクリプター 吉村公三郎って(笑)。
 実際の画面上のクレジットは、演出看守、もとい演出監修。
 確かに吉村が出身の戦前松竹では、助監督がスクリプターを兼務していたと聞く。だから、スクリプトはお手の物だろうが、これひょっとして、スクリプターとしてぴっちり現場に張り付きつつ、演出監修していた、ということだろうか。
 新人監督にとって、嫌な現場だなあ(笑)。しかも脚本は、新藤だし、美術は水谷浩だぜー(笑)。主演は業界の問題児だし(笑)。
 映画の中の管井同様のほほんと受け流していたのだろうか。
 俳優出身監督だと出演も兼ねるのだが、本作では自身は出演せず。ただ、やはり俳優出身監督の常として、ほんの数ショットの脇役に、有名俳優多数出演。本作にも超贅沢なご祝儀出演てんこ盛りで。まともにギャラを払っていたら、それだけで赤字だろう。
 映画監督役に小杉勇、だが本作は業界内幕モノというより、人情ドラマに力点を置いてるので、さして見せ場なし、相変わらずの珍獣扱い。スケベ重役の三島雅夫の役名が根岸重役って。
 宣伝部の加東大介部長、ヒラ宣伝部の下絛正巳(最高にチャラい)。プロデューサーの石黒達也も最高にクール。高杉早苗らが囲む雀卓に「さあ、カモが来ましたよー」と、座り込む。

 三国連太郎はいささかワイルドだが、日活はこの数年後、ワイルドではあるが、三国よりはたいぶソフトな戦後派やんちゃスタア石原裕次郎という大鉱脈を掘り当てる。先輩女優スタアと割りない仲になる点も同じ。
 もし頭の良い日活プロデューサーがいたら、何らかの撮影の前に、この、わがままを言って転落する若手スタアを描く映画を、裕次郎や旭に参考上映として見せたのではないか(笑)。だとすれば本作自体はさしてヒットしていなかろうが、日活にとっては、値千金映画だったかも(笑)。
 まあもっともそれに主演したのが業界の横紙破りの連太郎だが、そこはそれ、お前に連太郎ほどの腹はくくれるのか、と。
 上の写真でお分かりのように、この時代の男性スタアとしては髪はぼさぼさだが、役作りか、この頭で打ち合わせに現れて、これで行こうということか。
 結局はスタアになった連太郎に捨てられる乙羽信子だが、かわいいけど儚さが皆無な、どっこい生きている女優だけに、より堅実スタアになった山内明に、ちゃっかり乗り換え感が半端ないぞ(笑)。

 舞台となった新日本映画撮影所廻りは、あからさまに日活だが、東亜映画撮影所ロケは、どこかな。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 なお本作のMovie Walkerキャストには、三国の母に北林谷栄がクレジットされてるが、下絛正巳が三国に「お母さんが上京してきた」と告げるシーンはあるが、頭がカッカしているので完全無視。カットされたのだろう。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2017-08-30 02:43 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)