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千葉泰樹「青空交響樂」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。43年、大映東京。あと1回の上映。オススメ。
 なんともメルヘンな、牧場の牧童たちが楽団を結成したり、訪れたヒロインの学生時代の友達がコーラスをしたりと、文字通り牧歌的な音楽映画。
 主演の杉狂児、霧島昇の、エンターティナーぶりが楽しい。
 製作年にもかかわらず、冒頭の戦時標語をのぞいて、本編にはほとんど戦争の影はない明朗映画。
 歌あり恋ありアクションあり、グリフィス「東への道」ばりの、ラストミニッツ・レスキューもあり~の、きわめてアメリカナイズな映画であり、鬼畜米英と言う時代にあって、そのアメリカ映画志向は、面白い。

青空交響樂(87分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
父の牧場を継いだ東京育ちの青年(杉)と、静養目的の父と共に別荘に来た令嬢(朝雲)との恋を描く音楽喜劇。牧場での個々の労働がそのままリズムとメロディーを奏で、やがて「牧場未完成交響楽」のオーケストラとなり、室内でレコードを鑑賞する都市的な音楽の楽しみ方と対比されている。千葉は、音楽を民衆の生活と地続きのものとして描き続けた作家だった。
1943(大映東京)(監)千葉泰樹(原)サトウ・ハチロー(脚)石田吉男(撮)長井信一(美)仲美喜雄(音)山田榮一(出)杉狂児、朝雲照代、霧島昇、雲井八重子、國分ミサヲ、吉谷久雄、齋藤紫香、上代勇吉、吉川英蘭、奥岡榮次郎、金子春吉

 大映は、正式クレジット、大日本映画製作株式会社。美術・仲美喜雄の助手に木村威夫。
 きわめて、アメリカン・ボーイな杉狂児の、洗練されたエンターティナーぶりがあってこそ成立する世界だが、労働の結果発生する音がそのまま音楽になったり、牧童たちが馬を駆ってヒロインを助けに行ったり、実に堂に入ったエンターティンメント好みこそが、千葉の一面で。
 ただ杉狂児は、その前年千葉泰樹「海猫の港」で、結婚する娘・息子の胡麻塩頭の中年親父を好演している。その翌年に令嬢に恋する青年とは、杉狂児に頼りっぱなしではないか千葉泰樹(笑)。

 もともと老け顔で、実年齢もいい年なので、とても青年のイメージではないのだが、「海猫の港」の老けメイクから一転しての、エンターティナーぶりは、見事の一語。

 ただいかにも大映だなあ、というのが、華のないヒロイン女優。女友達の集団に混じると、どれがヒロインやら識別できない(笑)。こういう地味な二線級女優を平気でヒロインにするのは、大映のDNAということがわかる。

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 こちらでは製作年は42年と、なっている。
 
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by mukashinoeiga | 2014-11-22 06:22 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

阿部毅「犯行現場」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。60年、大映東京。
 いずれも本特集でこの前見た「襲われた手術室」阿部毅の監督による、村山三男「犯罪6号地」の、続編だか前作だか。たぶん続編か。この3作ともすべて60年、大映東京。
 「犯罪6号地」どうよう、ジャズが全篇に流れ、サスペンス気分を盛り上げ、所轄たたき上げのデカ・高松英郎と、本庁から出張ってきたキャリアの友田輝は、相変わらず相性が悪い。

犯行現場 1960年(S35)/大映東京/白黒/78分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:阿部毅/脚本:阿部桂一/撮影:宗川信夫/美術:下河原友雄/音楽:池野成
■出演:高松英郎、友田輝、弓恵子、岸正子、六本木真、倉田マユミ、村上不二夫、三保まりこ、藤山浩二、土方孝哉、伊東光一
キャバレーの女給殺しに端を発した連続殺人事件。しかし容疑者少年のアリバイは白、捜査は難航する。少年犯罪を追う不屈の刑事魂が、恐るべき殺人組織をあばいていく──。高松英郎が敏腕刑事に扮した推理アクション。

 味のある面々、大映脇役陣を総動員、それぞれのキャラ、マスクにあわせて、警察側、ヤクザ側、にきれいに色分け。
 おそらく外部からは、誰も呼んでいないだろう。
 つまり、
1 専属俳優のみの出演だから、彼らは月給制。だから、新たに発生する俳優費はゼロ。
 超低予算が可能な、コスパ重視が、これほどあからさまな、作りも珍しい。
 大量エキストラの、不良少年少女などは、俳優予備軍のキャメラテスト名目のノーギャラだろうし。
2 逆に言えば、専属俳優総動員で一本の映画を作りうる大映東京の厚み。
 こんなことが出来る(そういう発想が出来る)のは、大映でしか、ありえない。
3 しかしそのことは同時に、華のあるスタアが不在ということであり、それらの試みは、その場限りの、併映作対策であり、約60年後のこんにちまで、「残らなかった」映画のひとつとなった。
 まあ、当時はどんなに大作であっても、約60年後のこんにちまで「一般的」に「残らなかった」映画が大部分なのだから、これは言いがかりに近いのだが(笑)。

 社長業の余技として、大映専属ちょい役の大山健二、一応主役を目指す?も、隠しようもないチンピラ感から、ちょい役チンピラ一筋の大川修など、ほんの数秒しか写らないのも、重厚感たっぷりに高松の上司刑事を演じる見明凡太郎も、大映ファンとしては、ほとんど見慣れた顔ばかりであり、OLD映画ファンならば、大映東京脇役陣総出演の、脇役陣オールスタアとして、見ているわけだが(笑)。
 しかし準主役の見明すら、上記阿佐ヶ谷HPからもれているのは、やはり脇役の悲哀か。より出番の少ない伊東光一と、取替え可能なクレジット。
 後年の一時期、刑事コロンボのパロディとして脚光を浴びる村上不二夫も、相変わらずのいい味。
 そして全部専属で固めたため、いい女役として、外部から呼ぶべきセクシー女優を、この時期大映の不審者女優・倉田マユミで、よりいっそうの味わい(笑)。
 なお、大山・伊東らの顧問悪徳弁護士を演じた、セリフ噛み噛みながら存在感バツグンも、やはり専属か。素人なんだか玄人なんだかの存在感、最高で。
 そして、刑事役をやらせたら、やはり高松英郎、スキがない(笑)。スキだ(笑)。
 今後、何らかの大映特集があるならば、この手の大映専属俳優総覧映画は、ぜひ混ぜてほしいものだ。
 今回のミステリ特集で、どこぞの名画座のようなありがちな有名松本清張原作映画を廃し、清張モノとしては比較的地味な鈴木清順「影なき声」などみ2本にトドメ(ナンセ最近出た清張映画に関する本を立ち読みしたら完全無視)、大量の無名大映「無印良品」サスペンスを投入した、本特集、さすがラピュタ阿佐ヶ谷、といくら絶賛しても足りないほどだ。

 なお本作の内容にはほとんど言及していないが、なじみの定食屋の日替わりB定食として、きっちり満腹いたしました。

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by mukashinoeiga | 2014-11-09 08:39 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

「千葉泰樹の愉しさ」をカテゴリ新設

 今月から京橋フィルムセンターにて、こういっていいのか、<成瀬巳喜男になれなかった男>千葉泰樹の特集あり。
★上映会情報映画監督 千葉泰樹★
 ということで、過去ログを見てみたら、すでに大量の千葉泰樹作品を、見ていたことが、改めて、判明。
 やっぱりぼくは千葉泰樹映画が好きなんだなあ&千葉泰樹はやっぱり面白いなあ、ということを、改めて実感いたしました。
◎追記◎当ブログ既見作の千葉泰樹映画の感想駄文については、下の千葉泰樹<ヤスキ節>の愉しさを、クリックしてください。

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by mukashinoeiga | 2014-11-03 23:04 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(2)

弓削太郎「黒の商標(トレードマーク)」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。63年、大映東京。
 大映「黒」シリーズを、見にいくことは、きわめて危険だ(笑)。
 既見作であるか未見作であるかが、タイトル、スタッフ・キャスト、あらすじからは、判別しがたいからだ。むろん、それは、第一に、ぼくの記憶力がきわめてずさんだからだが。
 他の各社にましての、大映の<無名の定食屋ぶり>が、際立つゆえんで。
 今回は、幸いなことに?見ていないものだった。
 ある特定の原作によるシリーズとは違って、ミステリ系の原作なんでも有りの雑食系ごった煮シリーズだから、特に「定食屋」感はハンパないにしても。
以下、ネタバレ有り。

『黒の商標(トレードマーク)』1963年(S38)/大映東京/白黒/79分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:弓削太郎/原作:邦光史郎/脚本:長谷川公之/撮影:石田博/美術:後藤岱二郎/音楽:池野成
■出演:宇津井健、藤由紀子、高松英郎、江波杏子、三島雅夫、浜村純、早川雄三、夏木章、谷謙一、南方伸夫、伊東光一
邦光史郎の『仮面の商標』を映画化した大映“黒”シリーズの一本。トレードマークに仕組まれた巧妙なからくり──。宇津井健扮する企業マンが、スーパーマーケットでの安売りの罠とそこで起こった殺人事件の究明に挑む。

 一流衣料会社の国際レーヨンのロゴKOKUSAIを、国産レーヨンなるバッタモンがそっくりKOKUSANとロゴをまねて、ニセブランドを大量販売させた。
 国際レーヨンの調査員・夏木章は、バッタモンの出先を調べるために、関西出張。
 日ごろは、大映専属の地味な脇役である夏木章(もっさりとした顔、もっさりとした口調でたいへん味のある)が、フィーチャーされているが、果たして冒頭五分も立たないうちに、殺されてしまい、再調査を宇津井健が、命じられる。

 この宇津井健も、不思議なスタアで、新東宝から流れてきて、地味な大映東京の社風にあったのか、いかにも大映ライクな主演者になりおおせた。
 一番似合うのが、堅実な若手サラリーマン役、というどうにもスタアになりにくい代物だが、妙に正義感の情熱を感じさせ、なりは平凡だが熱血漢な役を得意とし、本来ありえないはず?の、妙な華がある。
 刑事役より、検事、弁護士が似合う。
 今回の事件は、関西発のスーパーエースというスーパーが舞台。
 上記にせブランドの影の黒幕が、社長・三島雅夫だ。にせブランド偽造だけでなく、邪魔者を次々殺していく。手先には、腹違いの弟・高松英郎を使う。
 にせブランド多発だけでもモンダイだが、人殺しまで。関西発の新興勢力への、首都からの上から目線が目立つ発想で。ちなみに、関東初進出の川崎店へ、川崎駅前から公衆電話をかける宇津井のバックに、デカデカと「岡田屋」の屋上看板が(笑)。
 奇妙な情報ブローカーに浜村純というのは、ほとんど、出落ちに、近い。
 なじみの定食屋の日替りB定食。まあ、こんなもんだろ、の満腹感。

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by mukashinoeiga | 2014-10-30 01:25 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

佐分利信「心に花の咲く日まで」芥川比呂志淡島千景丹阿弥谷津子杉村春子仲谷昇

 渋谷にて。「日本のオジサマⅡ 佐分利信の世界」特集。55年、文学座、配給・大映。
 本作では、サブリンは出演せず、監督に専念。主演の三十代には若すぎ、かといって年配者らのなかに、重要な役もない、ということでの、監督専念か。あるいは文学座主体のユニット製作で、「ぼくが出なくても、役者は、そろっている」ということかな。
 自分の優柔不断から失業した夫・芥川比呂志と、づけづけいう妻・淡島千景の物語。
 強い妻と、柔わな夫の、物語。
 いかにも、自虐サブリンならでは、のメロドラマだ。

e0178641_1957939.jpg『心に花の咲く日まで(35mm)』(35mm) <渋谷シネマヴェーラHPより>
公開:1955年
監督:佐分利信
主演:淡島千景、芥川比呂志、丹阿弥谷津子、杉村春子、仲谷昇
都営住宅で暮らす三吉と妻・すず子と赤ん坊。失業した三吉の代わりにミシンで生活を支えるすず子だったが…。貧乏ゆえのケンカもするが、小さな楽しみと前向きな明るさで苦労を乗り越える夫婦の姿を、愛情込めて描いた一作。美青年と駆け落ちしたものの、情緒不安定で毎日愚痴をこぼしにやってくる森下さんを演じる杉村春子が笑えます

 上記青字には、疑問。笑えないよスギハル。こんなこと書いたやつは、頭おかしい、と思うレヴェル。
 むしろ、杉村春子を、その泣いてる姿を、美しい、とか、色っぽいと、芥川・淡島夫婦の、意見にドンビキ。
 役者仲間内でのウチワぼめ、というか、特定業界・特定団体文学座(笑)にのみ通じるローカルルール(笑)を、一般に押し付けているかのようで。そういうキャラを、スギハルにやらせる、というのも、ドンビキで(笑)。
「あなた森下さんが泣いていたのに、グッときたでしょう」「確かに、それは否定できないな」(大意)、には、わが耳を、疑うほど。盛りすぎだろ。
 逆にぼくは、美青年駆け落ち夫・仲谷昇のほうにこそ、心の中で爆笑。
「ぼくは天才だ」「ぼくは芸術家だ」と、何のテライもなく高らかに宣言。
 淡島千景にも、超クサい口説き文句で、粉をかけるのを、忘れない(笑)。
 さらには、「ぼくはいま、小説を書いています。長編だ。芥川賞に出すつもりだ。そうだ、あなたのご主人(芥川比呂志)にも、読んでもらいましょう」
 には、ひそかに心の中で大爆笑。でも、場内は、シーン。ここで、笑わなくて、どーする(笑)。
 ここがフィルムセンターならば、面白くもなんともないシーンで、鼻から抜けた間抜けな笑い声を出す御仁がいて、この御仁がいたら、脱力するような笑い声を、発するはずで、いつもは軽くイラッとするのだが、今回、この御仁には、いてほしかったぜ渋谷(笑)。
 別シーンでは、芥川比呂志のいる場で、芥川賞、芥川賞、連呼するんですぜ仲谷昇(笑)。
 ちなみに「芥川賞に出すつもりだ」って、アレは応募制の新人賞ではないでしょう(笑)。

 突如、スローモーションで踊りだす淡島千景。主婦らしくシャツをたたみつつダンス。まぢめなホームドラマに、突如挿入されるヴァラエティ。サブリン、こういうのを必ず挿入する。なんだろう。サーヴィスか。シリアスなドラマに突如風穴を開ける異次元。説明不能の意欲による鈴木清順ゼーション。
 いや、サブリンとしては、ふにゃふにゃした夫への、心理的抵抗ダンスと、いうべきだろうか。
 東宝、新東宝、東映、松竹で撮ったサブリンは、日活作品はないのか。同じく俳優出身の山村總監督「黒い潮」のチーフ助監督は、鈴木清太郎だった。ありえたかもしれない、サブリン/清順のコラボすら、夢想する。

e0178641_2157492.png 淡島の実姉・文野朋子の、「気持ち悪さ」。自分でさっさと、人の迷惑顧みず決めてしまう女。その快、ないしは不愉快。文野朋子って、円谷プロの怪獣そっくりの顔で、見るたびに、楽しい(笑)。ガラモン?
 淡島の実弟の、ガールフレンドに加藤治子。
 最初はボーイッシュな、職工風の男装。二度目は振袖。三度目は洋装か。まだ若い彼女の、年齢に不釣合いな「大人」志向。危うい(笑)。のちの加藤治子をセルフパロディにしたような、危うさ。
 この女優の資質を、さすがサブリン、見抜いてらっしゃる。
e0178641_21583991.png しかし、こうしてみると、加藤治子、丹阿弥谷津子、賀原夏子と、文学座には、女優としても女としても、やや、ヘンな人しかいないかの印象で、スギハル以来の伝統か。第一主演女優に淡島千景を持ってくるあたり、スタア女優不足は明らか。

 傑作とかそういうレヴェルではないが、気楽に見られる娯楽作。というか、わざわざ文学座の、いわばアルバイトなんだから、なぜ、もっと「意欲作」にしなかったのか、そこは疑問。

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by mukashinoeiga | 2014-10-29 07:34 | 佐分利信 サブリン人生劇場 | Trackback(2) | Comments(2)

村山三男「犯罪6号地」高松英郎仁木多鶴子友田輝市田ひろみ見明凡太朗早川雄三

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。60年、大映東京。
 感想駄文済みの同年作阿部毅「襲われた手術室」とは逆に、高松英郎が主役で、友田輝がサブ。
 高松が所轄のたたきあげデカ長で、友田が本庁のキャリア。友田が勘に頼る所轄デカを、古いタイプだとバカにしたことから、意地の張り合い。昔から、こうなんですね。
 大映らしい、小ぶりなサスペンス。水準作だが、見ているあいだは楽しい。
 安心の職人技が光る、いつもの定食屋の、日替わりB定食。って、こればっかや。
以下ネタバレあり。

e0178641_19595358.png『犯罪6号地』1960年(S35)/大映東京/白黒/79分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:村山三男/脚本:阿部桂一/撮影:村井博/美術:高橋康一/音楽:浜口庫之助
■出演:高松英郎、仁木多鶴子、友田輝、野口啓二、若松和子、市田ひろみ、吉野妙子、見明凡太朗、石井竜一、早川雄三
埋立地の石炭山で起きた射殺事件。判定された新型消音銃から、密輸関係の聞込み捜査が始まった。しかし当局の動きをあざ笑うかのように、第二、第三の犠牲者が──。三つの惨死体を追って暗黒街に挑む刑事魂を描いた活劇篇。

 音楽:浜口庫之助が、ジャズ、流行り歌、といっても、聞いた覚えのない曲だが(笑)、クラシックと、遊びに遊んでいるのが、にやりとさせられる。
 冒頭、男が射殺されるシーンには、サスペンス映画の定番、ジャズ、それが女性歌手の、いかにもなモンキリな流行り歌に変わり、そして殺されるシーンには、かの、ヴェートーベンの、ジャジャジャジャーン!
 小サスペンスに、大げさな、と失笑しかけると、場面は変わって、アパートの一室で、浴衣姿の男が、レコードを聞いている、その音だったのね。高松英郎がくつろいでレコード鑑賞としゃれ込んでいると、ドアにノックの音。
 最寄りの交番巡査が、「お休み中のところ申し訳ありませんが、殺人事件が発生したとのことで、至急現場に向かうようにとの、ことです」。
 当時は、独身警官の家などに電話がないから、最寄り交番の巡査が連絡係りに借り出される、定番ながら快調な出だしだ。
 この時期の大映で、悪役か刑事役のどっちかしかない高松英郎は、悪役では、いつも中途半端だが、刑事役では能吏。職能に徹した演技が、刑事役では映える。
 もとコールガールの若松和子(この時期大映のお色気お姉さん)が、第二の犠牲者として、殺されるが、壁に自分の血でダイイング・メッセージ「シ6」。この謎に高松はさんざん悩むが、やっとわかってみれば、なんと「芝浦6号台場」、そこに組織のアジトがある、という。ダイイング・メッセージのためのダイイング・メッセージ。こんなダイイング・メッセージ書くバカあるか(笑)。
 第一の犠牲者の立ち寄り先の、クラシック喫茶に行く高松。証言者の清楚な、クラシック好きのウェイトレス・仁木多鶴子に、好かれてしまう。武骨一本やりの高松に好意を持つという、普通はありえない(笑)展開。落ちは案の定だが。
 刑事役、ヤクザ・チンピラ役の、大勢の大映脇役陣の安心の演技が、ココロ和む(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-10-26 04:48 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(7) | Comments(0)

阿部毅「襲われた手術室」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。60年、大映東京。
 無名の監督、65分というビミョーなランニング・タイム、いま現在から見て、ほぼノンスタア、かろうじて名前が残っているのは高松英郎くらいか。
 こういう超ジミ映画を混ぜてくれるラピュタは、ホントウにありがたい。

『襲われた手術室』1960年(S35)/大映東京/白黒/65分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:阿部毅/原案:竜井謙太/脚本:下飯坂菊馬、田坂啓/撮影:宗川信夫/美術:山口煕/音楽:池野成
■出演:友田輝、浜田ゆう子、倉田マユミ、三保まりこ、高松英郎、藤山浩一、土方孝哉、町田博子
とある外科医院に逃亡中の強盗三人組が逃げこんだ。そこへ急病の少年が──。深夜の手術室、凶悪ギャングの拳銃を背に、幼い命は救えるか?!緊張と恐怖の極限に追いこまれた青年医師とその恋人の奮闘を描く異色篇。

 大映らしい、小ぶりなサスペンス。水準作だが、見ているあいだは楽しい。
 安心の職人技が光る、安心の定食屋の、日替わりB定食
 見明凡太朗院長(ちょっとしか出てこない)が留守の小医院の、若い先生カップル(スタアオーラのまったくない友田輝、浜田ゆう子)が、高松英郎ら三人の殺人強盗の、逃げ場に利用される。
 かの、存在そのものが不審者女優・倉田マユミが、今回は有能な婦長で、職業に徹した役で、頼もしい。
 もっとも事件が解決した後の、全員笑顔で、彼女の笑顔のみ、やや不自然(笑)。
 この時期の大映で、悪役か刑事役のどっちかしかない高松英郎は、刑事役では能吏だが、悪役では、いつも中途半端。本作でも、妙に観念しちゃって、仲間の藤山浩一を、裏切ってしまう。
 悪役なのに、悪に徹しきれない生ぬるさが、いつもの高松英郎。
 いつもチャらい、にやけ顔の藤山浩一が、あごひげを生やしてワイルドに。いい。
 医院に固定電話が一本で2台。受付と手術室に切り替えスイッチあり。この時代めいた小道具による、小サスペンスが楽しい。

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by mukashinoeiga | 2014-10-25 02:22 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

黒沢(澤)明のエロ映画!?

黒澤明のエロ映画!?
 まだ、全部は読んでいないが、たまたまの検索で面白い記事を見つけたので。

★映画の國 || コラム ||★
 うーん、やるなあ本木荘二郎。

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by mukashinoeiga | 2014-10-11 00:08 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(0)

田中重雄「共犯者」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。2014」特集。58年、大映東京。
 感想駄文済みの田中徳三「誘拐」という、緊迫感たっぷりサスペンス快作の直後に見たものだから、余計、そのまったり感が倍増(笑)。
 一応、探偵役となっている船越英二、彼が素人丸出しの調査員で、調査には、その奥さん・八潮悠子を帯同。千葉に、岡山に、下関に、船越が調査におもむけば、船越以上にのんき者の彼女も必ずついていく。
 というのも、奥さんの実家に間借りしていた失業者夫婦なので、一種の「家なき夫婦」。一応全国をまたにかけて?調査する船越についていけば、その安宿に同泊出来て、「家なき」状態も解消できる、という発想だ(笑)。
 こんな夫婦探偵見たこともない(笑)。
 しかも、船越、奥さん得意のトランプ占いで、ターゲット高松英郎を探す方角を決めたりする。
 江戸時代じゃないんだから(笑)。

共犯者 1958年(S33)/大映東京/白黒/95分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:田中重雄/原作:松本清張/脚本:高岩肇/撮影:渡辺公夫/美術:柴田篤二/音楽:古関裕而
■出演:根上淳、高松英郎、船越英二、叶順子、宮口精二、倉田マユミ、八潮悠子、町田博子、多々良純、山茶花究
強奪した金を元手に事業に成功した男・根上淳は、五年前に別れた共犯者の動向が気になって仕方なく、私立探偵を雇って身辺調査を開始した──。疑心暗鬼から自滅していく男の姿を描いた松本清張の同名短篇小説を映画化。

 探偵仕事を船越に依頼した根上淳、こいつが映画史上最弱といっていい臆病者。いつ過去が露見されるか、常にびくびくしている。婚約者・叶順子の、何気ない過去への質問にも、きょどりっぱなしで。
 こんな根上と、のんびり探偵船越が、交互に描かれて、まあ、サスペンスのサの字もありませんな、というのんびりっぷり。
 同じ田中姓の大映専属監督、徳さんと重さん、偉い違いで。
 ちなみに池広一夫によれば、当時の大映京都には三一ローテーションというものがあった、という。
 は、田中徳隅研次、は、森生、池広夫の、監督が交互に「座頭市」や「眠狂四郎」のヒットシリーズを、まるでローテーションを組みように、担当していたという。
 まあ、この中では新人監督である池広一夫の証言は、ちと眉唾だが(笑)。
だいいち安田公義などの立場は(笑)。閑話休題。

 相変わらずエロキュートな叶順子の魅力は当然のことながら、問題は高松英郎と、倉田マユミだ(笑)。
 高松英郎。ゴツイ顔のせいか、この時期の大映では、渋い小悪党を担当。
 前記田中徳三「誘拐」の、職能一点張りの主任刑事などでは、スマートささえ感じる好演を見せる彼も、小悪党役では、いいところなく、ずっこける。
 第一に笑顔を見せたら、もうだめ。悪党らしい「凄みのある笑い」も、小悪党らしい「卑屈・卑劣な笑い」も、出せない。
 素の「純朴な笑顔」一点張り。それ以外の、演技が、出来ない(笑)。
 高松英郎、一度でも笑顔を見せたら、演技終了。史上最強の笑顔がサマにならない役者なのだ。

 倉田マユミ。田中徳三「誘拐」と同様に、挙動不審な「謎の同居人」が出色で。
 もちろん「誘拐」では、実は主人のモト妾の、今では女中頭扱い。本作では、根上の世話をする女中、という「謎」でもなんでもない「同居人」なのだが、二作とも、あのウロンな顔で、いかにも謎めいた、挙動不審な登場、行動。
 ドアを開けると、いつも彼女が立ち聞きしている(笑)。
 「謎の同居人」女優と呼ぼう。この時期の大映で、そんな彼女をいく本か見た気がするぞ。別名「究極の出落ち女優」というべきか。
◎追記◎そうそう増村保造「恋にいのちを」(感想駄文済み)でも、出落ちとも言うべき挙動不審者の印象で。

 ラスト、根上と高松、船越が一瞬交差して、そこに小サスペンスはあるが、基本はのんびりサスペンスだ。
なお、九州の根上が、何の面識もない上州高崎の失業者・船越を、いかに知って手紙を出し、高松捜査を依頼したのか、映画を見ているあいだわからず、そこが不思議。

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by mukashinoeiga | 2014-10-02 00:29 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

田中徳三「誘拐」宇津井健万里昌代川崎敬三大瀬康一高松英郎小沢栄太郎中田康子渋沢詩子根上淳

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。2014」特集。62年、大映東京。
 プログラム・ピクチャアの範囲内で、これは傑作だ! 9月27日(土) まで上映中。
 現役弁護士にして、探偵小説作家・高木彬光の原作(未読)を最大限に生かしきった、素晴らしいサスペンス傑作で。
 大映職人スタッフ集団と、大映スーパーキャストの最高のコラボによる、プログラム・ピクチャアの最高度の達成(の、ひとつ)。
 高利貸し会社の社長夫妻・小沢栄太郎&中田康子の、小学生の一人息子が営利誘拐されるが・・・・。
 ある意味、営利誘拐ミステリの白眉といっていいだろう。
 以下、ネタバレあり。

e0178641_20144846.jpg誘拐 1962年(S37)<ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
大映東京/白黒/93分 ※16mm
■監督:田中徳三/原作:高木彬光/脚本:高岩肇/撮影:小林節雄/美術:仲美喜雄/音楽:塚原晢夫
■出演:宇津井健、万里昌代、川崎敬三、大瀬康一、高松英郎、小沢栄太郎、中田康子、渋沢詩子、根上淳
ある金融会社社長の一人息子が誘拐された。心憎いばかりに巧妙な手口を駆使する犯人の完全犯罪計画。熱血弁護士・宇津井健は突破口をみいだせるのか──。高木彬光原作の持ち味をいかした犯罪ミステリの佳作。
(注)35の気がするが、もと映写技師の勘違いか?

 まず、誘拐された児童の家庭が、金持ちならではの、フクザツな人間関係が、どろどろ。この誘拐に、この人間関係が関連しており、単なる第三者による誘拐ではないことがうかがわせる。
 これは、この家庭に出入り(中田康子夫人の実妹・渋沢<可愛い眼鏡っ子>詩子の婚約者)している大瀬康一が、学生時代の先輩・宇津井健に、個人的捜査を依頼することも関係する。
 もし、不特定第三者による誘拐犯罪だったら、組織もない一弁護士に、解決の糸口は、とうてい見つからないからねー。
 弁護士でもある原作者高木、美人妻・万里昌代とともに捜査に協力する弁護士宇津井健を、きわめてかっこよく描く(笑)映画の元になる、いいなあ。

 このミステリは、実はミステリ好きのぼくも、大満足、あっと驚く趣向が満載なので、すばらしい。おそらくかなり緊密な原作を、怪しげな登場人物が多数登場する物語を、通常の映画製作者なら、登場人物を整理して、よりシンプルな構成にするはずだ。たかだか93分のプログラム・ピクチャアだからねー。
 しかし、このサスペンスは、多数多彩な登場人物があってこそ、その輝きが増す体の、ミステリだ。
 それを大映は、田中徳三は、よくわかっている。
 じっくりねとねと、重厚に、サスペンスを、盛り上げる。
 大映プログラム・ピクチャアとしても、このじっくりねとねとの、サスペンス盛り上げは、きわめて、すばらしい。
 9月末日締め切りの、サスペンスミステリ映画の投票を、新文芸坐がしているが、この映画が選ばれなければ、新文芸坐の作品選択基準は、はっきりいって、疑わしいものとなるだろう(笑)。

 熱血弁護士に宇津井健、検事に根上淳、グッド。
 誘拐される子供の家族、悪徳高利貸し兄弟に小沢栄太郎&川崎敬三、グッド。
 主任刑事に高松英郎、グッド。似合いすぎやろ。
 最初の誘拐事件犯人・杉田康、怪しげなヤツ・村上不二夫、怪しげなヤツパート2・片山明彦、グッド。
 その他、多くの大映脇役陣のスバラシさ!
 特に存在するだけで不穏な雰囲気をかもし出す>「謎の同居人」(笑)倉田マユミのスバラシさは、どの大映映画を見ても、顕著(笑)。
 ああ、素晴らしい(笑)。
 こんなパーフェクトなサスペンス映画が、何度でも、いいますよ。
 9月末日締め切りの、サスペンスミステリ映画の投票を、新文芸坐がしているが、この映画が選ばれなければ、新文芸坐の作品選択基準は、はっきりいって、疑わしいものとなるだろう(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-09-26 01:46 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(2)