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増村保造吉村公三郎衣笠貞之助「嘘」滝瑛子叶順子川崎敬三山茶花究喜頓乙羽信子森光船越滝沢修

濃密な大映空間のコクとキレ。
 渋谷にて。「映画は大映、ヴェーラも大映」特集。63年、大映東京。
 2コ前の感想駄文佐藤武「帰国 ダモイ」で、
 そもそもどのオムニバス映画でも、各エピソードの食い足りなさが残る仕組みになっており、本作もそう。それぞれ独立した中篇、長篇にすれば感銘を与ええるものになる可能性があるものをも、ぶつ切りにして、すぐに次のエピソードに移っていく。
 と、書いたが、本作感想駄文で、早くも裏切る(笑)
e0178641_2523675.jpg 3話オムニバス映画なのに、このコクとキレ! しかも圧倒的大映空間の濃密。
 各話それぞれ余韻を持っているのがいい。大映ならではのダークな照明の統一感。いかに明るく明細感ある照明を目指すのではなく、暗み重視の大人照明。

『嘘(16mm)(99分)』公開:1963年
監督:増村保造、吉村公三郎、衣笠貞之助
出演:滝瑛子、ジェリー藤尾、江波杏子、叶順子、川崎敬三、山茶花究、益田喜頓、乙羽信子、中田康子、森光子、船越英二、滝沢修、杉田康
「嘘」をテーマに増村保造、吉村公三郎、衣笠貞之助が競作したオムニバス。処女を守りつつ男たちを手玉に取る短大生の「プレイガール」、2号を持て余して別れを画策する社長の「社用2号」、1人の男をめぐる3人の女の虚勢の張り合いを描く「女体」。豪華俳優陣の技が光る!【小西康陽セレクション】

e0178641_840419.png 第一話。短大生滝瑛子は、何十人ものボーイフレンドとデートを繰り返す。相手はいずれも金持ちのお坊ちゃん。いわゆる玉の輿結婚を狙う。しかし体は許さない。
 処女を高く売るのが戦略。典型的プロフェッショナルヴァージン。
 19才だが一つさばを読んで、あたし18よ、って細かいな、おい。19じゃ処女感減るんかい。
 いかにもマスマスムラムラの増村らしいエネルギッシュさ。
 滝瑛子の弟の中学生男子も、姉と大人の会話。大映は、中学生男子もスケベ中年男並みの発想、会話、徹底的に青春が似合わない大映ならではの(笑)。しかも姉もまだ未成年なのに、この大人の女感満載。ああ面白い。

e0178641_2594063.jpg 第二話。新劇上がりの苦労人女優叶順子は、精力剤が大ヒットの製薬会社社長益田喜頓を、パパにゲット。優雅にマンション暮らし、しかもその製薬会社がCM提供の連続ドラマの主演もゲット。
 ところがこの役が女子高生役なものだから、トウが立った叶ではだめだ、ということで早くも第四話で交通事故で死ぬ羽目に。
 いやでも映像を見る限り、叶順子の女子高生はぎりぎりセーフだろう(笑)。
 TVドラマの役も、愛人の座も切られようとする叶のドタバタを、吉村ハムハム軽快に描く。
 叶の新劇仲間の大辻司郎、この時期の大映では欠かせない脇役で、決してうまくはないんだけど、味で際立つ。

 第三話。冒頭いきなり船越が銃殺される。殺したのは愛人乙羽。
 その裁判に船越本妻モリミツや証人中田康子が絡む。
 本妻モリミツ、愛人乙羽、中田康子、殺される色摩船越、ちょっとした黒い三人の女だ。
 ダメダメな男女そろい踏み、ああいかにも大映。そしてこれらグダグダ男女を裁くのが、ザ正義感・宇津井健! キヌサダ余裕の演出の好ましさ。

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by mukashinoeiga | 2018-10-21 02:53 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback | Comments(0)

木村恵吾「一刀斎は背番号6」菅原謙二叶順子仁木多鶴子春川ますみ五味康祐小西得郎菅井一郎浦辺粂子

前半ニコニコ後半ややヘンテコ。59年、大映東京。
 長年見たかった一本だが、期待違わぬ面白さ。

e0178641_2143187.png『一刀斎は背番号6(16mm)(87分)』公開:1959年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:木村恵吾
出演:菅原謙二、叶順子、田宮謙次郎、山内和弘、仁木多鶴子、小林勝彦、五味康祐、菅井一郎、浦辺粂子
素人ホームラン大会に髪も髭も伸ばし放題の男が現れ、見事打球をスタンドに叩きつけた! 剣術の達人がプロ野球で10割打率&初球ホームランという脅威の活躍をするという野球ファンタジー。当時の有名選手や原作者の五味康祐もゲスト出演している。【坪内祐三セレクション:スポーツ映画】

 後楽園大ロケ、当時の大毎・西鉄の稲尾らの選手、実際の観衆、エキストラを使い倒したロケが多発。当時の球場ロケでも他の映画は、エキストラ映り込みのショットはせいぜい10以下かな。本作では何と観衆・エキストラ映り込みのショットが数十以上と拝察。こりゃあ助監督は苦労したろう。ただし観衆・エキストラを背景に科白を言う大部屋俳優の演技は、ハリウッド並みとはいかぬが(笑)。
 下手な大部屋よりよほどうまいのが、当時の人気解説者の小西得郎。

 主演の菅原謙二は朴訥な柄を生かして好演。ただし髭を剃ったら岡田時彦にはさすがに及ばず、実直な顔で意外性は少なし。ウシマンさん他大映脇役陣大量出演の頼もしさ楽しさは、相変わらずのうれしさ。
 で、問題は、この一刀斎、ある意味究極の出落ちキャラというべきか。長尺が、持たないタイプ。本来は「ルパン三世」における五右衛門みたいな脇役タイプか。
 で、後半、木村恵吾らはいろいろ工夫するのだが、結果、それが、それまでの健全娯楽映画路線から心ならずも中途半端に逸脱するような結果に。
 菅原は偶然から、主人菅井一郎、女将浦辺粂子、娘叶順子の三流旅館に投宿する。
 浦辺粂子「うちみたいな三流旅館にお泊りいただいて」
 菅井一郎「いえ、うちは三流ではありません。二流です」いいなあ。
 でもほぼ素泊まりの商人宿は、二流とも言えまい(笑)。
 この宿の路地を挟んだ反対が、清川玉枝の美容室。
 その娘がストリッパー春川ますみ。清川=春川の親子役とはなんというベストマッチ。子の春川の唐突かつあいまいな登場ぶりと、菅原謙二の絡みぶりが、この映画の健全娯楽ぶりを少しずつ狂わせていく(笑)。
 春川と叶のとってつけたようなキャットファイトなんざ、この監督の趣味かしら(笑)。
 この春川ますみが歌うのだが意外やうまい可憐な歌声。
 さて菅原謙二上京の目的は合気道達人との真剣勝負。その達人が大阪で死んだことを知らされ呆然。達人の娘仁木多鶴子や叶順子との恋も発展せず、いささかアンチクライマックスの様相を呈す。
 この後半の雰囲気が、ほんとにビミョー(笑)。

橋本力さん死去 大魔神スーツアクター ブルース・リーと共演

 本作でけがをして、大魔神に。そしてブルース・リーと共演。ほんとに不思議な人生。

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by mukashinoeiga | 2018-03-02 02:14 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

田中重雄「共犯者」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。2014」特集。58年、大映東京。
 感想駄文済みの田中徳三「誘拐」という、緊迫感たっぷりサスペンス快作の直後に見たものだから、余計、そのまったり感が倍増(笑)。
 一応、探偵役となっている船越英二、彼が素人丸出しの調査員で、調査には、その奥さん・八潮悠子を帯同。千葉に、岡山に、下関に、船越が調査におもむけば、船越以上にのんき者の彼女も必ずついていく。
 というのも、奥さんの実家に間借りしていた失業者夫婦なので、一種の「家なき夫婦」。一応全国をまたにかけて?調査する船越についていけば、その安宿に同泊出来て、「家なき」状態も解消できる、という発想だ(笑)。
 こんな夫婦探偵見たこともない(笑)。
 しかも、船越、奥さん得意のトランプ占いで、ターゲット高松英郎を探す方角を決めたりする。
 江戸時代じゃないんだから(笑)。

共犯者 1958年(S33)/大映東京/白黒/95分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:田中重雄/原作:松本清張/脚本:高岩肇/撮影:渡辺公夫/美術:柴田篤二/音楽:古関裕而
■出演:根上淳、高松英郎、船越英二、叶順子、宮口精二、倉田マユミ、八潮悠子、町田博子、多々良純、山茶花究
強奪した金を元手に事業に成功した男・根上淳は、五年前に別れた共犯者の動向が気になって仕方なく、私立探偵を雇って身辺調査を開始した──。疑心暗鬼から自滅していく男の姿を描いた松本清張の同名短篇小説を映画化。

 探偵仕事を船越に依頼した根上淳、こいつが映画史上最弱といっていい臆病者。いつ過去が露見されるか、常にびくびくしている。婚約者・叶順子の、何気ない過去への質問にも、きょどりっぱなしで。
 こんな根上と、のんびり探偵船越が、交互に描かれて、まあ、サスペンスのサの字もありませんな、というのんびりっぷり。
 同じ田中姓の大映専属監督、徳さんと重さん、偉い違いで。
 ちなみに池広一夫によれば、当時の大映京都には三一ローテーションというものがあった、という。
 は、田中徳隅研次、は、森生、池広夫の、監督が交互に「座頭市」や「眠狂四郎」のヒットシリーズを、まるでローテーションを組みように、担当していたという。
 まあ、この中では新人監督である池広一夫の証言は、ちと眉唾だが(笑)。
だいいち安田公義などの立場は(笑)。閑話休題。

 相変わらずエロキュートな叶順子の魅力は当然のことながら、問題は高松英郎と、倉田マユミだ(笑)。
 高松英郎。ゴツイ顔のせいか、この時期の大映では、渋い小悪党を担当。
 前記田中徳三「誘拐」の、職能一点張りの主任刑事などでは、スマートささえ感じる好演を見せる彼も、小悪党役では、いいところなく、ずっこける。
 第一に笑顔を見せたら、もうだめ。悪党らしい「凄みのある笑い」も、小悪党らしい「卑屈・卑劣な笑い」も、出せない。
 素の「純朴な笑顔」一点張り。それ以外の、演技が、出来ない(笑)。
 高松英郎、一度でも笑顔を見せたら、演技終了。史上最強の笑顔がサマにならない役者なのだ。

 倉田マユミ。田中徳三「誘拐」と同様に、挙動不審な「謎の同居人」が出色で。
 もちろん「誘拐」では、実は主人のモト妾の、今では女中頭扱い。本作では、根上の世話をする女中、という「謎」でもなんでもない「同居人」なのだが、二作とも、あのウロンな顔で、いかにも謎めいた、挙動不審な登場、行動。
 ドアを開けると、いつも彼女が立ち聞きしている(笑)。
 「謎の同居人」女優と呼ぼう。この時期の大映で、そんな彼女をいく本か見た気がするぞ。別名「究極の出落ち女優」というべきか。
◎追記◎そうそう増村保造「恋にいのちを」(感想駄文済み)でも、出落ちとも言うべき挙動不審者の印象で。

 ラスト、根上と高松、船越が一瞬交差して、そこに小サスペンスはあるが、基本はのんびりサスペンスだ。
なお、九州の根上が、何の面識もない上州高崎の失業者・船越を、いかに知って手紙を出し、高松捜査を依頼したのか、映画を見ているあいだわからず、そこが不思議。

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by mukashinoeiga | 2014-10-02 00:29 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

木村恵吾「やっちゃ場の女」若尾文子叶順子宇津井健藤巻潤清川玉枝信欣三

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン51・若尾文子」モーニング特集。62年・大映東京。
e0178641_2081224.png 未見の若尾文子ものだ、わーいわーい、と見に行ったら、すべてのシーンに既視感あり(泣)。それでも楽しめるのは、ぼくの記憶力もさることながら、映画が面白いから。
 先の若尾モーニング「東京おにぎり娘」と同工異曲のプログラム・ピクチャア。
 東京の下町の商売やの長女で、妹が叶順子で、父親(今回は信欣三)のいい年こいた浮気癖に悩まされたり、親戚のおばさん(今回は村田千栄子)にお見合いを勧められたり(今回の相手は宇津井健)ませた中坊の弟(今回はなかなか達者な手塚央、親父の信にタメ口を利くのがうまい)に手を焼いたり身近な二枚目が気になったり(今回は本当に好青年な藤巻潤)。
 もちろん木村恵吾演出は、「東京おにぎり娘」より上等で、築地の青果市場、隅田川沿いの若尾の家、佃の父親別宅、と当時の実景ロケもこのましい。
 いつものメンバーがいつもの役を演じる安定感。母に岡村文子(母娘でダブル文子!)同業組合の世話役に大山健二、戦前松竹蒲田・大船プログラム・ピクチャアの安定感を戦後引き継いだのは、まさしく大映東京なのだ。
◎追記◎岡村文子は、清川玉枝の「ケアレス・ミス」。似ているから、ついつい混同しちゃう(笑)。

 何かと注目される若尾文子は、増村や川島らの問題作の、くろうと系・水商売系だが、こういう何気ない映画での、素人系いき後れ系というのも、とても楽しいし、うまいんだよね。だらしない親父や、ませガキの弟を扱わせたら、言うことなし。まあ、お色気過剰の妹・叶順子には手こずるんだけどね。で、また、この叶順子もいいんだよ。似たもの同士、ベスト姉妹賞。ああ、似すぎて、相性は悪いんだけどね。
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by mukashinoeiga | 2010-02-03 01:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)