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今井正「泣いてたまるか/兄と妹」渥美清原田芳雄

水準的な快作TVドラマ。千葉テレビにて。67年、国際放映/TBS。
 昔は家に帰ると、電気TVパソコンを即電源を入れていたのだが、最近はTVは、ほとんど点けないなあ。パソコンは電源消してないし。
 でも最近は例外的に、水曜日にTVをつけてる。
 8時に千葉テレビ「泣いてたまるか」(最近知った)9時にテレ朝「相棒」10時に日テレ「地味にすごい校閲ガール」11時にテレ朝「有吉マツ子の怒り新党」(これは昔から)、と連続で。

 先週の「泣いてたまるか」は、脚本家城巳代治で、監督今井正という、豪華メンバー。
 まあ、豪華メンバーといえば豪華メンバーなのだが、ルーティンで軽くこなしたアルバイトともいえる。

e0178641_13224731.jpg泣いてたまるか(第55回)兄と妹 (テレビドラマデータベースHPより)
キー局TBS放送曜日・時間日 20:00-20:56放送期間1967/10/01
演出(監督:今井正)(助監督:榎本冨士夫)
プロデューサ高島幸夫、茨常則
脚本 家城巳代治 音楽 木下 忠司
主題歌 渥美清「泣いてたまるか」(作詞:良池まもる、作曲:木下 忠司)(ク…
出演 渥美清、岩崎加根子、原田芳男(原田芳雄)、寺田路恵(寺田路…
解説正平は早くに両親を亡くし、妹の直子を男手一つで育ててきた。正平の夢は直子を「一流企業」の社員に嫁がせることだったが。

 今回の渥美は16で、立て続けに両親を亡くし、小学生の妹と取り残された、奮闘努力の男。
 町工場で旋盤工として生計を立て、妹を大学にやろうと、両親の墓前に誓うが、まあ夜間高校に通わせるのがせいぜいだった。
 その妹・寺田路恵も別の町工場の事務、渥美はこの妹に、丸の内勤務の「一流会社サラリーマン」中野誠也とのお見合いを画策する。
 しかし、兄の思惑と違い、妹は同僚の工員・原田芳雄と、恋仲で。渥美は不安定な町工場の旋盤工なので、妹には安定したサラリーマン一択だと、迫っている。
 
 まず、目を引いたのは、渥美の工場の旋盤工たちは全員、通勤時はネクタイスーツ姿に着替えていることだ。
 今井正ら戦後左翼映画に出てくる労働者は、いわゆる菜葉服や普段着で通勤していたことが多いと思うが、まあ本気のホンペン映画ではリアリズムだが、TVでは、少しおしゃれしようということか。
 それとも当時の党の方針は、労働者の生活意識向上運動の一環として、通勤時にはスーツネクタイ着用推進運動なんてものがあって、今井や家城は、その党の方針に従っただけなのか。
 パルタイ星人(笑)は、よく党の方針をコロコロ変えるので、ワカラナイ。

 ということで狭い家にふたり暮らしの兄と妹は大ゲンカし、お前とはもう二度と口を利かない、ええいいわ、ということになり、二人は無言の朝食。
 このふたりの無言のやり取りを、渥美清の絶品のサイレント演技で魅せる。
 素晴らしい。
 そして後年、不貞腐れたクサい演技で、一世を風靡した(さらに後年松田優作という亜流も生む)原田芳雄が、なんと、率直そのままの好青年を、演じる!
 この一点で、これは珍作といってもいいかもしれないが(笑)。
 その好青年ぶりストレート演技が、サマになっているんだかなっていないんだか。新鮮っちゃ新鮮で、微苦笑とともに原田の演技を見ているので、あった(笑)。
 寺田路恵とともに工員仲間で合唱コンクールに出演する原田は、まさしく民青青年そのもので。歌って踊って恋をして共産党に入りましょう的な。
 なお原田芳雄の同僚で、原田と寺田が勤務中に会話しているのに、茶々を入れるのが蟹江敬三。
 うーん、今井正や家城巳代治にとっては、単なるアルバイト仕事にとどまらず、党の方針に従った若手党員確保のイメージ戦略の一環だったのか(笑)。
 恐るべし左翼、TBS、共産党。国際放映といえば、共産党主導の東宝争議と袂を分かった新東宝の流れを汲むものと理解しているが、違ったか。

 さらに言えば渥美が常連で通う居酒屋「ちどり」の看板娘に、岩崎加根子。実は渥美は彼女に惚れていて常連化の図。しかし岩崎は、看板娘にしては、ちと固いなあ。
 こんなお堅そうな岩崎に通い詰めるなんて(笑)。
 その居酒屋の親父に浜田寅彦、寺田や原田や中野など、渥美を除いては、新劇系(つまり左翼系)で固めたキャスティングか。
 
泣いてたまるか


おまけで、
玉置浩二 - 男はつらいよ

 こういうのもいいね。

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by mukashinoeiga | 2016-12-28 13:26 | 今井正 青い左傾山脈 | Trackback | Comments(2)

歌う銀幕スター夢の狂宴/林美雄

 TBSラジオ・パックインミュージックは、なかでも、なっちゃんちゃこちゃんなど深夜で大爆笑で、聞いていました。
 もちろん第二部の林美雄も愛聴していました。苦労多かるローカルニュースでしたか、そういうコーナーを記憶しております。アナウンサーなのに、なんだか不器用な感じで。
 この「歌う銀幕スター夢の狂宴」も、だいぶのちに知り、ああ、聴いてみたかったなあ、と長年思っていました。当時は、映画に、ほとんど興味がなかったので、アウトオブ眼中。今となっては、泣きたくなりますな(笑)。

歌う銀幕スター夢の狂宴

2014/06/18 に公開
1975/01/19 新宿厚生年金会館大ホール
ポスターのイラストは小説家の島田荘司さんのものですね。当時はイラストの仕事をなさっていたとか。という、コメントもあり。

★あがた森魚 with 桃井かおり 「昭和柔侠伝の唄」1975年1月19日★

2009/02/09 にアップロード

 しかし、林美雄もホントに不器用だな(笑)。TBSの社員だったのだから、正式な録音・録画をしようと思えば、出来ただろうに(笑)。
 まだ、全部を聴かないまま、とりあえずアッブしてみます。
◎追記◎聞いてみれば、文太、深作をのぞけば、ほぼ日活オンリー、しかも実際に主題歌を歌っているスタアは少ない、という案外しょぼい人選だ。
 林美雄が取材を通じての知り合いだけに声をかけただけの、一種のプロデューサーごっこ、という形か。
 確かに、主題歌スタアをかき集めたら、莫大なギャラになるだろうし、興行ど素人のラジオ・アナウンサーに仕切りきれるものではないだろう。
 当時の若い映画ファンたちにおける、おくれてきた日活ブームを、垣間見れる人選でもあり、それはそれで楽しい。
 当時の名画座ファンに絶大な人気を誇っていた鈴木清順の登場は、神の降臨か(笑)。
 清順、深作が歌うなら、ここはひとつ、鈴木清順「殺しの烙印」主題歌を、助監督・脚本家風情で歌った大和屋も、呼んでほしかったな。
林美雄パック最終回(1974年8月30日)

追悼 原田芳雄 故 林美雄へ鎮魂歌「リンゴ追分」を弾き語る

小説「すばる」の主人公「林美雄」について久米宏さんが語ります。


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by mukashinoeiga | 2015-02-19 04:43 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

貞永方久「夜が崩れた」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。78年、松竹。
 いかにも松竹なヤクザ映画。
 まじめな新人刑事・勝野洋が恋した女は、組の中堅・原田芳雄の、妹だった。
 恋愛メロ寄りの、健全?なヤクザもの。というのが、らしくて、可笑しい。
 そうして、改めて、思う。まあ、前々から思っていたことではあるけれども。
 若いころの、くぐもっているのに、妙にはしゃいでる感がある、クサミ満載の台詞回しの桃井かおりの、どこがいいんだか(笑)、と。
 同じくクサミ満載の台詞回しの原田芳雄のほうは、まだ、コミカルな効果があるから、いい。聞いていて、楽しい。
 しかし、桃井の臭みは、な~んも、楽しくない。こういうのが<時代の寵児>と、もてはやされた、つくづく悪い時代でございました。

『夜が崩れた』1978年(S53)/松竹/カラー/93分松竹株式会社 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督・脚本:貞永方久/原作:結城昌治/脚本:田坂啓/撮影:川又 /美術:芳野尹孝/音楽:佐藤勝
■出演:勝野洋、桃井かおり、原田芳雄、夏八木勲、吉行和子、夏桂子、石井富子、福田豊土、草薙幸二郎
結城昌治『刑事』の映画化。孤児同然に生きてきたヤクザな兄・原田芳雄、その妹・桃井かおり。彼女を愛する正義感の強い刑事・勝野洋。この三人が悲しい運命に翻弄されながらも、強く激しく、愛し憎しみあう姿を描いたもの。

 桃井かおりは、居酒屋風の気さくなバーで、大勢の客の前で、タバコぷかぷかを歌い、原田はひとりベッドに横たわり、ギター爪弾きつつ桃井の置手紙を即興で歌う。まあ、<一種のアイドル映画>と、考えれば、納得の、生ぬるさか。
 「ヤクザの妹と結婚? お前、頭、確かか」と、センパイ刑事・夏八木勲にも、原田にも、どやされても、まじめ刑事・勝野洋は、ひるまない。
 いや、どう見ても、一時の遊び相手としては最適かもしれんが、桃井かおり、結婚相手としては(笑)。
 刑事をやめるか、と言われた勝野は、なんと、原田に、足を洗ってもらい、カタギにしようと奔走、原田へのストーカーと化す。
 ここら辺の、原田の演技が笑えるが、中途半端。
 いっそ、山田洋次監督で、ヤクザ・渥美清(原田芳雄でも当然可、ハナ肇は不可)、純情刑事・森田健作、これなら桃井も生きよう、完全喜劇で、行ったほうがよかったのでは。
◎追記◎で、あるならセンパイ刑事夏八木勲は、丹波か。山田洋次の映画に、若い丹波や原田が出ていないのは、つくづく惜しいの一語。

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 なお、岡田英次なんて出ていたっけか(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-11-30 12:35 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

澤田幸弘「反逆のメロディー」原田芳雄梶芽衣子地井武男藤竜也富士真奈美梅野泰靖青木義郎佐藤蛾次郎曽根晴美深江章喜須賀不二夫

 三原橋にて。「梶芽衣子スタイル その魅力にはまる」特集。70年、日活。ダイニチ配給。
e0178641_21313826.png 特集は梶芽衣子のはずなのに、梶芽衣子より、原田芳雄・追悼の文字が大きい劇場前告知。それもそのはず、この時期の梶は助演で、本日の二本立ては原田芳雄の主演作。その劇場告知には、原田がシネパトス劇場前で、スタッフと肩を組む写真もあり。
 この二本はもちろん前に見ている。
 話は変わるが、今回廃刊になった「ぴあ」を、本当にン年ぶりに買いました、最終号。へたしたら二十年ぶり?くらいに買ったかも知れない。
 かつて、田舎に住んでいたモノとしては、田舎では絶対見られない映画を、見たくて見たくて、月に一回か二回か<日帰り上京>しておりました。その頃は「ぴあ」だけが頼りで。そういう<ぴあだけが頼り>の頃に見たのが、この二本を始めとした、日活アクション、日活ニューアクション、日活ロマンポルノ、その他各社のもの、でした。
 「ぴあ」に関しては、あとでまとめて書くとして、そう「反逆のメロディー」。
 ぼくは茨城出身なのですが、この映画、鹿島ほぼオールロケの映画だったんですね。<陸の孤島>の、すさんだ、寒々しい、港、砂浜、まばらな町の中、が画面に定着している。格闘シーンのスナック近辺は、鹿島実景と、当時末期の日活パーマネント・オープンセットの混合か。古臭い米屋(夜のシーンなので閉店してるが)が、問題のスナックの近所にあるなんて、絶対オープンセットではありえない、<実景ロケ>ゆえでしょう。
 この「反逆のメロディー」と柳町光男「さらば愛しき大地」との二本立ても見てみたい。鹿島、ほとんど、変わってないっしょ。ゆいいつの違いは、「さらば」以降の鹿島に外国人女性の多いことか。
 <ジーパンはぐれやくざ>原田芳雄の、圧倒的素晴らしさ。サングラスで決めているが、サングラスを外すと、野太い眉に優しそうな目。ドンくさいじゃん、素顔(笑)。
 梶芽衣子は、<キチガイ犬ヤクザ>地井武男の、妻の役。スーパークール。スーパーホットな地井もいい。
 しかし、ふつう、スーパークールと、スーパーホットが、夫婦になるかい(笑)。
 その地井が肩入れする、<孤狼ヤクザ>に、藤竜也。寒い港で、うつむいて、しょぼんと、子犬を抱く(!)サングラスの男、あまりに決まりすぎてマンガみたいな爆笑度。しょぼんとして、子犬を抱くしょぼくれ男に、藤竜也以上に似合うオトコがいるだろうか。卑怯すぎるぞ(笑)。
 しかもこの子犬が、松竹あたりなら、ころころ丸い和風雑種犬で済ませそうなところ、いかにも血統書付きそうな、すっきり美形な洋犬の子犬。いかにも、鹿島の<地元重要人物>あたりが「犬が必要? おう、わしが貸しちゃる」といってきたような感じで。はぐれ犬・藤に似つかわしいはぐれ犬でなくて、ちゃんと首輪・リードつきなのが、おかしい。
 原田の義兄(原田は妾腹の子)・梅野泰靖の妻に、富士真奈美。この人ももっと活躍してしかるべき美人女優なのだが。彼女と、原田が、鹿島の港の桟橋を、そぞろ歩いて、語り合う。ああ、日活。
 この冨士が喫茶店で生バンドに演奏させた。北浦警察署・マル暴刑事青木義郎が「著作権法違反(容疑で逮捕!)」、ちょっと体が触れた組員も「公務執行妨害(容疑で逮捕!)」かっこいいぞ青木義郎。
 この青木刑事、カウンターを飛び越え、車も飛び越え、おまえはメル<マッドマックス>ギブソンか。
 いや、青木だけでなく、原田も、その弟分格の佐藤蛾次郎も、若さゆえ、いろいろなものを飛び越える。柵も車もカウンターも飛び越える、こういうトンチキなやつが、日本映画から消えて、久しい。下手したら、ハリウッドでも、ないか。だからこそのオーストリア映画「マッドマックス」だったか。
 「男はつらいよ」の蛾次郎しか知らない向きには、この映画の、ヤングな蛾次郎は衝撃的だろう。
 曽根晴美、深江章喜、いいなあ。ああ、悪い冷酷な親分は、須賀不二男で。
 澤田の師匠格・鈴木清順「東京流れ者」で、後期小津組常連・北竜二を悪い親分にしたように、やはり後期小津組常連・須賀不二夫を悪の親分にした。しかも、この映画、原田芳雄が、大阪~鹿島を流れる流れ者ヤクザで。鈴木組助監督・澤田らしいいろいろな目配せ。快作。


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by mukashinoeiga | 2011-07-27 00:20 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(6) | Comments(0)