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佐々木康「踊る龍宮城」

 阿佐ヶ谷にて。「春爛漫 歌と踊りの銀幕祭典 Dancing,Singing!」特集。49年、松竹。3月28日(土)まで上映中。
 初代大辻司郎は、もともと気色悪い顔立ちだが、河童の悪大将として、さらに気色悪いメイク。クエックエッと台詞回しも気色悪く、子供が見たら、夢に出てきそうなレヴェル。素晴らしい
 その悪声は、息子の二代目そっくり。顔立ちはともかく、声まで親子でそっくり、というのは、珍しいかも。

踊る龍宮城 1949年(S24)/松竹大船/白黒/91分 ※16mm <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:佐々木康/原作:穂積純太郎/脚本:津路嘉郎/撮影:生方敏夫、斎藤毅/美術:小島基司/音楽:万城目正、浅井挙曄、田代与志
■出演:川路龍子、並木路子、曙ゆり、小月冴子、奈良光枝、岸井明、森川信、日守新一
海底の龍宮城から舞い戻った浦島太郎。彼を待ち受けていたのはすっかり近代化した故郷だった──。歌と踊りが満載のファンタジー・オペレッタ!幼い美空ひばりがなんとも可愛らしい衣裳で「河童ブギウギ」を歌う。
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 この映画については、以下のキネ旬からの孫引きが、たいへん面白い。

<Movie WalkerHPより>
「桃色河童騒動」の改題で製作は「殺人鬼」につぐ久保光三。元ムーラン・ルージュのライター穂積純太郎の原作を「社長と女店員」「シミキンのスポーツ王」の津路嘉郎が脚色、「魔の口紅」「別れのタンゴ」の佐々木康が監督する。配役は「我輩は探偵でアル」につぐ岸井・森川の“のらくらコンビ”に「シミキンの忍術凸凹道中」につぐ奈良光枝、終戦直後大船が作った「グランドショウ1946年」以来の川路龍子「のど自慢狂時代」の並木路子を中心に、日守新一、小林十九二、大辻司郎 (父)、横尾泥海男、らが出演、松竹歌劇団から小月冴子、曙ゆり以下東京方全員が参加する。特出には霧島昇、池真理子らがあり、注目されたターキー、秋月惠美子、芦原千津子の出演は都合で中止になった。(引用終わり)

 普通、こういう出演しなかった俳優については記述しないものだが、ここは松竹プレスリリースにはない、キネ旬の独自取材か。超人気者ターキーは、この手のアチャラカ三流レビュー映画には、やはり、出なかったほうが賢明か(笑)。
 ということで、浦島太郎に川路龍子、外国航路の高級船員・カツ男に曙ゆり、スリの少年サヨリに小月冴子、と松竹歌劇団の男役スタアが出演。
 ここで、複雑怪奇なのは、浦島太郎とカツオは、女優が男装して演じる男性の役。サヨリはその名のとおり、もともとは少女だが、なぜか男装して、対外的には少年扱いされている役を、女優が男装して、演じている。
 おそらく、敗戦直後の街場で、小悪党一味のチンピラたちの仲間に入り、スリ稼業をするのには、女の子であるよりは、男の子であるほうが、ダンゼン都合がよかった。という現実の実例があっての、ことだろうか。
 川路と小月は、超細顔の男顔、女の顔としては異様で、オトコ役としてしか生きられなかったような顔。現代の宝塚基準とも、かけはなれている印象。
 ゆいいつ曙ゆりは、さわやかな笑顔で、さわやかに男役を好演。この女優だけは、現代の宝塚でも、立派に男役になれそう。なおかつ人気が出そう。

 いっぽう娘役は、乙姫さまに奈良光枝、カツオの恋人・アン子に並木路子、と既成歌手&女優。このへんの、知名度のある人気歌手登用、松竹歌劇団の娘役無視が、あるいはターキーたちが出演しなかった理由だろうか。
 ただし、奈良、並木とも、歌手としては美人(いわゆるジャンル美人)だろうが、女優としては、ちょっとイマイチ(現代の基準から見て)。

 なお、肝心のストーリーだが(笑)。浦島太郎が、助けた亀(モチロンでぶな岸井明)とタコ森川信に、つれられて、竜宮城から戻ってみれば、なんと昭和24年の浦島町、地元一番の歴史上有名人の「浦島太郎仮装コンテスト」の真っ最中。そのコンテストに、本物が紛れ込んで、日守新一町長、中村是好警察署長、小林十九二博覧会長らが、右往左往する、いかにもありがちな展開。
 のちに俳優化した森川信の、アチャラカ軽演劇時代。卑怯なギャグで笑いを取るのが、楽しい。

 というところで、前述の、ワル河童集団が出てくるところから、浦島太郎タイムスリップ?話は、どうでもよくなり、程度の低いアチャラカものになり、前述大辻司郎の独壇場と化す(笑)。この大辻の大怪演は、かの「カリガリ博士」を、超えたとか超えないとか(笑)。
 なお、1946年、映画「はたちの青春」で日本初のキスシーンということになってるが、その大坂志郎も出ている本作では、川路浦島と乙姫様のキスシーン。これば女優同士初のキスシーンだろうか?

 肝心のソング&ダンスだが、この当時は、バリバリのアメリカ志向。まだまだ日本人には難しいハードルを、少女歌劇というもうひとつの虚構・仮想で、乗り越えようとしたのだろうか。
 なお、のちに東映にトレードされて、お嬢ひばりの主演映画を量産する佐々木康も、本作では、ひばりを歌が歌える子役としか認識していなかっただろう、2シーンで「河童ブギ」を歌わせるが、どちらのシーンも、ひばりの歌を途中でぶつ切り、セリフの一言すらなく、アップのひとつもなく、雑な扱い。こういう雑なゲテモノ扱いから、ひばりは、スタートしていったのだ。
◎おまけ追記◎
漫談 耳と眼の話 (大辻司郎)

五所平之助 映画監督

2012/12/07 に公開
昭和初期、湯河原中西旅館にて。
漫談家・大辻司郎と脚本家・伏見晃と共に。(五所平之助旧蔵プライベートフィルムより­)
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★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

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by mukashinoeiga | 2015-03-24 09:28 | 珍品・怪作の谷 | Trackback | Comments(2)