是枝裕和「イ・ナ・ヅ・マ her lightning」広瀬すず渡辺直美滝川クリステル阿部寛

その現代版を妄想する。ミッキー成瀬「稲妻」52年、大庭秀雄「稲妻」67年に続く現代版を考えてみる。

e0178641_244613.jpg是枝裕和「イ・ナ・ヅ・マ her lightning」18年/東宝
■監督:是枝裕和/原作:林芙美子/
■出演:広瀬すず 渡辺直美
四人の子どもの父親の人種がみんな違うという複雑な母子家庭の物語。原作は林芙美子の同名小説で今回の東宝版では、家族からの脱出を試みる末娘を広瀬すずが好演。
 
ミッキー成瀬版   大庭秀雄版    是枝裕和版
清子高峰秀子    倍賞千恵子    広瀬すず(父親が日本人)
光子三浦光子    浜木綿子     渡辺直美(父親が黒人)
縫子村田知英子   稲垣美穂子    広瀬アリスまたは滝川クリステル(父親が白人)
嘉助丸山修     柳沢真一     ソ・ガンホまたはイ・ビョンホン(父親が朝鮮人)
おせい浦辺粂子   望月優子     大竹しのぶ または高畑淳子
龍三植村謙二郎   穂積隆信(竜吉) 坂上忍またはバナナマンか雨上がり決死隊のどっちか
綱吉小沢栄     藤田まこと    阿部寛
田上りつ中北千枝子 宗方奈美     カフカ
国宗周三 根上淳  削除       星野源
つぼみ香川京子   削除       新垣結衣
広瀬すずの会社の同僚         綾瀬はるか または夏川結衣

最近の南朝鮮映画はまったく見ていないので、昔の映画人をテキトーに上げました。より若い人でもっとテキトーな人が、いるかと思います。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-29 01:26 | 架空映画妄想キャスティング | Trackback | Comments(6)

うーんどうなの(笑)武内英樹『今夜、ロマンス劇場で』綾瀬はるか坂口健太郎本田翼

マニアックと通俗の組み合わせ、お点前拝見というところで。
映画『今夜、ロマンス劇場で』【HD】2018年2月10日(土)公開

映画『今夜、ロマンス劇場で』予告編【HD】2018年2月10日(土)公開


 綾瀬はるかは言う。「私は白黒の世界しか知らない」
 ということは彼女は女優本人ではなくて、フィルム上のコピーなのか。そうするとカラー白黒混在の世界に突入すると、女優本人、白黒コピー、カラーコピー、白黒もカラーも両方知っているコピー、パラレルワールドありまくりになるが、整合性はとれるのか(笑)。さらに同じカラーでも富士フィルム女優と、アグファカラー女優では、テクスチャーがビミョーに違うのか(笑)。
 それにスチールのロマンス劇場にはシネマスコープという電飾文字があるが、そこでわざわざスタンダードを掛けるか。うーん、謎は深まる。
 また綾瀬は時代劇調のしゃべり方だが、これもOLD女優は古臭いという過剰設定か。
e0178641_03165165.jpg

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# by mukashinoeiga | 2017-12-27 03:18 | 新・今そこにある映画2 | Trackback | Comments(0)

一体どういうつもりだ(笑)「お茶の恋」浅丘ルリ子大原麗子高橋恵子高峰三枝子原節子若尾文子

スーパーの新商品コーナーで見つけた(笑)。
 いったいどの客層に売れると思っているんだ(笑)。

e0178641_23291593.jpg 検索してみると、
(以下ネットニュースより)
“昭和の大女優”がラベルにプリントされた「昭和の大女優シリーズ緑茶 お茶の恋」が、11月上旬にドウシシャから発売されます。500mlペットボトル入り、価格は150円(税別)。全国のスーパーや量販店での取り扱い。
これは、写真家である故・早田雄二氏が撮影した6人の女優の写真がパッケージデザインに採用されたお茶。浅丘ルリ子、大原麗子、高橋恵子、高峰三枝子、原節子、若尾文子(五十音順、敬称略)がラインナップされています。
中身の緑茶は、静岡県産緑茶葉を独自の低温保存で熟成させ、しっかりとした味わいに仕上げられているそう。外見だけでなく中身にもこだわったペットボトル緑茶、ぜひお気に入りの女優さんを手に取ってみては?(以上引用終わり)

 日本の飲食メーカーは、毎シーズンごとに定番の他に、新商品を出さねばならない強迫観念にとらわれている。数年前の夏に記憶にあるのは、男が好きな缶飲料は、コーヒーと炭酸飲料だ、じゃ、一緒にしちゃえと、炭酸入り缶コーヒーを出した。飲んでみたが、不味かった。結局ワンシーズンで消えた。
 この「お茶の恋」も、新商品開発のアイディアに詰まった、中年社員が、焼けのヤンパチ日焼けのなすびで出した企画を老社長が「お、それいいな、これからは老人社会だから、まかり間違えば、面白いかもしれん」と乗り、若手社員は眼を白黒という構図だろうか(推定)。
 人選も不可思議。おそらくOLD女優で一番人気の吉永小百合は、ギャラの面から断られたのか。いやいや、早田雄二側に安い写真料(これまで散々使いまわししているので)を払って、各女優側にも安い肖像権料を払えば、成立したのだろうが、小百合のみは現役のキャンペーンガール。高いはずだ。
 
 しかしこの人選はどうなんだ。特に高峰三枝子は、全盛期は戦前だし、年齢層は想定できない(笑)。フルムーンまで延長すれば、ファン層は、広がるのだが。
 見方を変えれば、安い肖像権料で、キャンペーンガールを得られる。コスパ的にはいい仕事なのかも。
 これ、スーパーだけでなく、名画座で売ればいいじゃんと、思うが、考えてみれば、名画座で売ってもせいぜい各数十本だろうし、メーカーも歯牙にもかけまい。

しかし「お茶の恋」はネーミングとしてはいかにもダサい。常日頃「お茶はおっちゃんの飲み物や」と、ペットボトルのお茶を愛飲している身としては、「おっちゃんの恋」というダジャレネーミングなのかなあと。ダサいけど(笑)。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-17 23:30 | 業務連絡 | Trackback | Comments(8)

あのウォルター・ヒル新作が面白そうなんだがシネマカリテ封切とは落ちたもんだぜ(笑)

まあ話自体も典型的B級アクションなんだが。
e0178641_19381427.jpg
「レディ・ガイ」という邦題だ。
 なんだかB級アクションの夢とパターンをすべて詰め込んだような(笑)。
 それにしてもシガニー、顔が怖すぎてマッド・サイエンティストに、ぴったり(笑)。
 特に日本では映画館客は女性主流だから、B級アクション盛り上がらないのよね。

ミシェル・ロドリゲス主演!『レディ・ガイ』予告編
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# by mukashinoeiga | 2017-12-17 19:39 | 新・今そこにある映画2 | Trackback | Comments(0)

堀内真直「正々堂々」伊藤雄之助鳳八千代渡辺文雄千田是也三井弘次トニー谷大泉滉中村是好

クスリともできない喜劇ほど始末に困るものはない(笑)。
 阿佐ヶ谷にて「豊かに実る 松竹文芸映画の秋」特集。59年、松竹大船。
 笑えないながら、いろいろ工夫しているが、全く面白くない(笑)。
 例えば木下恵介「カルメン純情す」ばりに、画面を傾けて撮るのだが、いきなり初めて、ある時点からいきなりやめる、何の戦略も感じられず。
 字幕でも遊んでいるのも、おもしろ―もない。
 そして、最大の欠陥は、それなりに面白い役者がバンバン出てくるのに、クスリがほんの数回のみ(笑)。
 主演の市長・伊藤雄之助は全編顔芸、変顔の連発で、でも無駄に面白くないのね(笑)。

e0178641_11473041.jpg正々堂々 1959年(S34)/松竹大船/白黒/66分 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
■監督・脚本:堀内真直/原作:源氏鶏太/脚本:川辺一外/撮影:小原治夫/美術:森田郷平/音楽:木下忠司
■出演:伊藤雄之助、鳳八千代、渡辺文雄、千田是也、三井弘次、トニー谷、大泉滉、中村是好
億万長者の帰郷で、寄付金目当ての歓迎攻めに奔走するたぬき市長、きつね助役、むじな議員たち!市会は上を下への大騒ぎを繰り広げる──。欲の塊・伊藤雄之助市長ほか名バイプレイヤーたちが絶妙の演技を競う、源氏鶏太原作のコメディ篇。

 ある事情から、三井弘次は「あ、そう」を連発するのだが、もちろん昭和天皇の真似なのだが、この連発する科白の管理が、口調の変化もまったく行き届かず、見ているこっちもイラつくほど。
 ぼんやり思ったのは、渡辺文雄&三井弘次の、都会から来たある意味詐欺師コンビが、田舎の人たちをだますコメディというと、木下恵介「花咲く港」だなあ、と。いかにも松竹のお家芸だが、監督の名前が真直ではコメディは無理か(笑)。
 先輩格の川島が撮ったらとも夢想する。
 戦前松竹の好青年磯野秋雄がおっさんメイクで市議の一人とは、いささか感慨深い(笑)。もっとも若いころから老け顔だったが(上記不鮮明な集合写真の後列右端)。
 感想駄文済みの大庭秀雄「稲妻」の、ついで見の本作だったが、ミッキー成瀬「稲妻」のリメイクを見に行ったら、ついで見もある意味リメイクだった(いささか強引な物言いだが)戦後松竹の企画不足とは、これまた牽強付会か。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-17 11:48 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

大庭秀雄「稲妻」倍賞千恵子藤田まこと浜木綿子望月優子稲垣美穂子穂積隆信柳沢真一宗方勝巳

真のアイドル女優!倍賞千恵子。不満から口はへの字ながら両口角は上がっている(笑)。その愛らしさは、ナチュラルボーン・アイドル(笑)。
 阿佐ヶ谷にて「豊かに実る 松竹文芸映画の秋 」特集。67年、松竹大船。
 陰鬱な52年版ミッキー成瀬版「稲妻」に比べれば、はるかに明朗軽快なプログラムピクチャア、より気軽に楽しめる娯楽編となっている。
 それはいいことなのか。

e0178641_3222265.jpg稲妻 1967年(S42)/松竹/白黒/85分 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
■監督:大庭秀雄/原作:林芙美子/脚本:堀江英雄/撮影:長岡博之/美術:芳野尹孝/音楽:真鍋理一郎
■出演:倍賞千恵子、藤田まこと、浜木綿子、望月優子、稲垣美穂子、穂積隆信、柳沢真一、宗方勝巳
四人の子どもの父親がみんな違うという複雑な母子家庭の物語。原作は林芙美子の同名小説で、1952年に成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演で映画化されている。今回の松竹版では、家族からの脱出を試みる末娘を倍賞千恵子が好演。

 それは主演女優、高峰の陰と、倍賞の明と、の違いなのか。成瀬と、大庭の違いなのか。
 おそらく、大庭は、成瀬的名シーンを、たいてい排除する方向で、脚本を作っていったのだと思う。
 戦前松竹の助監督/監督の成瀬は、おそらく松竹メロドラマメソッドを、体質的に受け入れられない。
 一方成瀬の後輩、大庭は、その松竹メロドラマメソッドを受け入れ、戦後はそれを体現し続けた。

 その真逆な二人が、同じ林芙美子原作で、かくも対象的な、陰鬱明朗を見せた。面白い。

ミッキー成瀬版      大庭秀雄版
清子 高峰秀子      倍賞千恵子
光子 三浦光子      浜木綿子
縫子 村田知英子     稲垣美穂子
嘉助 丸山修       柳沢真一
おせい浦辺粂子      望月優子
龍三植村謙二郎      穂積隆信(竜吉)
綱吉 小沢栄       藤田まこと
田上りつ 中北千枝子   宗方奈美
国宗周三 根上淳     削除
つぼみ 香川京子     削除

e0178641_324545.jpg 重厚なミッキー成瀬キャスティングと、軽快な大庭キャスティング、その演出、何から何まで対照的だ。この「軽さ」は、50年代と60年代の差ななのか。松竹メソッド嫌いの成瀬と、松竹メソッドそのものの大庭の差なのか。
 高峰秀子と倍賞千恵子、三浦光子と浜木綿子、丸山修と柳沢真一、浦辺粂子と望月優子、植村謙二郎と穂積隆信、小沢栄と、藤田まこと、中北千枝子と宗方奈美、いつでも大庭版のほうが明るい。

 割と陰鬱に進む成瀬版の、最後にふと現れる、ほのかな希望、根上淳・香川京子兄妹を、ひそかに無視する明朗大庭も、面白い。まあ当時の松竹に根上香川に対抗しうる若手がいなかったゆえか。

 先週はラピュタに行かなかったので、ワカラナイが、例の休憩中の、柳沢真一録音予告は、この映画だったのかな(笑)。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-14 03:24 | 成瀬巳喜男映画の正体成瀬る | Trackback | Comments(1)

フィルムセンターの入場方式が変更されたが それってどうなの

いかにもお役所仕事らしい規制強化の方向だが。

e0178641_03052100.jpg(上映会)『入場整理券』導入のお知らせ(2017.11.24更新) (フィルムセンターHPより)
このたびフィルムセンターでは、上映会各回ごとの『入場整理券』を発券することといたしました。詳しくは下記のとおりです。
■開始日: 2017年10月7日(土)より
■発券場所:1階ロビー
■発券方法:●開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を発券します。
※10月7日(土)特別上映会『デルス・ウザーラ』については、11:00amの回は10:00amより、4:00pmの回は11:10amより、発券します。ご注意ください。
※『連合艦隊』振替上映日の10月15日(日)は、10:00am開館です。
※本上映会は終了しました。
●入場整理券は、お一人様各回1枚のみの発券です。
■入場方法:●各回の上映開始時間40分前→30分前*に1階ロビーへ集合してください。
*11月28日(火)より30分前に変更します。
※10月11日(水)より開催の「映画の教室2017 色彩の探求」は各回19:00までに1階ロビーへ集合してください。
●番号順にお呼出しし、入場を開始します。
●番号呼出し時に入場されなかった方の入場整理券は無効となります。
■その他:●入場整理券を紛失された場合、再発行はいたしません。
●入場整理券を紛失された方や無効の入場整理券をお持ちの方は、入場待ちの列最後尾にお並びください。(以上引用終わり)

 フィルムセンターの客筋には二種類あった。
 先の上映が終わると、とりあえず一目散に(笑)一階のソファに座り、次回の席順を確保。暇な老人が多い。
 ぼくは近場の八重洲ブックセンターかイナックス?の本屋に行ったり、近場飯とか近場コーヒーだったり。
 とにかく二時間近くあのソファにいる神経が理解できない(笑)。
 で、おそらく事情は知らないが、何らかのトラブルが、二時間ソファ待機組にあったのだろう。それは、よく、ワカラナイ。で、規制が厳しくなった、と。
 で、二時間ソファ待機組にはゆるやかになったとはいえ、どうせそんなに客は来ない番組だから、ぎりぎりに行ってもいいや、というぼくにはかえって拘束時間が増える、という官僚的規制に感じる。
 まあ客足の少ない平日の番組に関しては、実質変わらないだろうが、土日の人気番組に関しては、チョイ厳しくなりそうか。
 いままでは、お役所仕事の割には(のゆえには)管理がゆるゆるなのが、フィルセンのいいところだったのに(笑)。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-08 00:33 | うわごと | Trackback | Comments(7)

ネット検索で見つけた「資料庫」なる地味過ぎるデータベースにOLD映画ファンもヒャッハー!

黒沢明「荒姫様」をネット検索していて見つけたのだが、タイトル地味過ぎ(笑)。
 そもそも何に関する資料庫なのかもわからない(笑)。
 ところが目次を見ると、

映画監督によるテレビ監督作品の記録  映画監督による舞台演出の記録
映画監督による文庫解説        東映歌舞伎時代劇データ集
「金曜スペシャル」           「SHOGUN」
「映画監督競作 われらの主役」     日本テレビ サスペンスシリーズの世界
裏日本映画史              マキノ雅広 戦后文献目録抄
『週刊新潮』連載「読切時代小説」掲載リスト 三上於菟吉「雪之丞後日」

など、OLD映画ファンには、ただただため息の連続(笑)。
 まだ全部は見ていないが、例えば「映画監督競作 われらの主役」なんか、テレビ東京、隠し持っているなら、頼むから蔵出ししてくれっ(涙)。

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# by mukashinoeiga | 2017-12-03 19:49 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

ひどさもひどし朝日新聞クレイジー北朝鮮

日本に世界に迷惑かけるなあ。
♯68 報道特注【朝日新聞大紛糾SP!①】


報道特注【北朝鮮緊急撮って出しSP前編】 米本土攻撃可能なICBM発射!

報道特注【北朝鮮緊急撮って出しSP後編】 米本土攻撃可能なICBM発射!


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# by mukashinoeiga | 2017-12-03 10:38 | うわごと | Trackback | Comments(0)

黒沢明「わが靑春(青春)に悔なし」原節子藤田進大河内傳次郎杉村春子三好榮子河野秋武高堂國典志村喬

時流に乗った四流メロという印象をかつては持っていたが、今回ついで見の何度目かの再見で、それほど悪い映画でもないか、と日和りつつあります(笑)。まあせいぜい三流かな、と(笑)。 
e0178641_650931.jpg 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。46年、東宝。
 感想駄文済みの、つい四年前の島津保次郎「緑の大地」脚本黒沢明)で、乳児のある若夫婦を演じた原節子藤田進が、令嬢大学生を演じるのは、いささか無理があるのだが、まあそこはそれ。

9わが靑春に悔なし(110分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1946(東宝)(出)原節子(八木原幸枝)(監)黑澤明(脚)久板榮二郎(撮)中井朝一(美)北川惠司(音)服部正(出)藤田進、大河内傳次郎、杉村春子、三好榮子、河野秋武、高堂國典、志村喬、深見泰三、清水將夫、田中春男、光一、岬洋二、原緋紗子
占領軍の民主化政策に沿って、戦前の京大滝川事件とゾルゲ事件を題材にした民主主義啓蒙映画。原は八木原教授(大河内)の娘・幸枝を演じる。幸枝は急進的な学生の野毛(藤田)と恋に落ち、彼が獄死した後は彼の老いた両親と共に、スパイの汚名を受けながら農村で働く。従来の日本映画には見られなかった強烈な女性像が話題となった。

 本作は、前半京都青春時代、中盤東京スパイ時代、終盤東北での農民時代と、三部構成のていだが、終盤のみいささか異様で。前半中盤は、いわゆる滝川事件とゾルゲ事件をモデルにしているが、農村時代は、それとは無関係。

 これはウィキペディアによれば、

本作と同時期に同じ題材の映画「命ある限り」(楠田清監督)が企画されていたため、「新人監督をつぶすつもりか」との労働組合の圧力を受けて、黒澤の意図に反して映画後半の展開を大幅に変更せざるをえなかった。農村シーンに込められた異様な気迫は、この圧力に対する反感があったからと黒澤は述懐している。(以上引用終わり)

e0178641_6504241.jpg 黒沢としては精一杯時流に乗り、左翼的な作品を撮るが、応援してくれるはず?の、共産党組合から、妨害されたのは、いかにもサヨクの好きな内ゲバ状態か(笑)。
 同じ東宝社内で同一企画が二つ同時進行しているのは、まさしく時流に乗っているというしかない。河野秋武、中北千枝子、清水将夫、志村喬と四人も共演者がかぶってすらいる。
 その共産党が、いまでは野党野合連合を画策しているが、これは反安倍の同一テーマの映画を3、4本同時公開するようなもので?共倒れにならないか(笑)。共産変じて共倒の図。

 しかし妨害があって、かえって良かったのでは、ないか。前半中盤の、いささか締まりのないふにゃふにゃドラマ(結局藤田進が何を画策しているのか、全くわからないマクガフィン状態で、出来の悪いヒッチコック仕様)が、最後まで行ってしまったら、この映画、今ほど名を残せなかったかもしれない。最後の、ハラセツ、高堂国典、杉村春子の異様なドラマゆえに、この映画は残ったのではないか(ただしぼくの好みではなく、ぼくには面白くはないが)。
 黒沢のオリジナルな結末はどうだったのだろうか。脚本なりシノプシスは残っていないのか。

 まあ、いずれにせよ、おかげで、令嬢、OL、若妻、獄中の女、農婦と、ハラセツ波乱万丈、イロイロのハラセツを楽しめるわけだが。そして、現代劇の大河内伝次郎は、いつでも絶品!
 学生役の田中春男には爆笑せざるを得ないが、このワンショットだかワンシーンの田中、「黒沢はん、せっかく京都でお撮りになるんでっしゃら、ワイも出して―な」と、衣装部で学生服をちょろまかし、勝手に学生エキストラに交じり、居座って、黒沢も苦笑いしながら、その場で科白を一言口伝え、てなことを想像するが、あながち間違ってはいまい(笑)。

 映画の中で何回も出てくるのは「顧みて悔いのない生活」というフレーズだが、これをタイトルに転用して「わが靑春(青春)に悔なし」とはキャッチ―でパワーあるタイトルになったが、「わが青春に悔なし」と言い切れる奴は、おそらく人類史上皆無だと思う(笑)。ここら辺が、いかにもお花畑な黒沢(笑)。青春というものは常に無駄遣いされるものなのだ。まあそれを言ったら、少年中年老年も変りもないが。
 黒沢は映画「わが靑春に悔なし」に悔なし、と言い切れるのか(笑)。

わが青春に悔なし


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# by mukashinoeiga | 2017-12-03 06:53 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(4)