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2017年 03月 16日 ( 1 )

中川信夫「地獄」天知茂沼田曜一三ツ矢歌子

前半快作、後半大凡作。60年、新東宝。
 渋谷にて「玉石混淆!? 秘宝発掘! 新東宝のディープな世界」特集。
 未見作の同時上映として、何度目かの再見。世評に反して、うーん、あんまり評価できないなあ。

e0178641_231335.jpg『地獄(デジタル)』公開:1960年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:中川信夫
出演:天知茂、沼田曜一、中村虎彦、宮田文子、三ツ矢歌子、林寛、徳大寺君枝、山下明子、大友純、三ツ矢歌子、大谷友彦、宮浩一、新宮寺寛、泉田洋志、津路清子、小野彰子、石川冷、山川朔太郎、嵐寛寿郎
不幸続きの大学生・四郎と周りの因果な人たちが死んで地獄行きとなる前半から、後半の地獄巡りへと物語は続く。特に父・剛造の皮剥ぎの刑は骨や内臓が剥き出しになるエグさで、そんな阿鼻叫喚の中を「許して下さい」と彷徨う四郎が哀れにも可笑しい。中川信夫が意図した和製『ファウスト』とエログロ路線がないまぜになった本作は、新東宝の解散寸前に咲いた仇花的傑作カルト映画だ!

 まず前半。
 中川信夫「東海道四谷怪談」は、鈴木清順映画の祖型だと思った。
 本作には、寺山修司映画の祖型を感じる。田舎の描写、田舎の老人ホーム、これには、明らかな、寺山ライクなティストを強烈に感じる。
 大の大人の天知、沼田の学生服姿、沼田のカットんだ演技にも、寺山の影響を感じる。
 中川信夫を通じて、鈴木清順、寺山修司にいたる、アヴァンギャルド日本映画の脈絡。

 なお、後半だが、某ツイッターに共感(以下引用)。

シネマヴェーラの新東宝特集、中川信夫の地獄を観るのは4度目ですから、結構細部を覚えていて、既に知っているという安心感からか、ちと油断すると睡魔に襲われ、何度か寝落ちしましたが、目覚める度にアングルの凝った画面や意表をつく編集が出てきて、中川の構図感覚・編集感覚に感心させられます。(以上引用終わり。文字変色は引用者たる当ブログによる)

 いやー、ぼくも何度見ても、後半の地獄シーン見て、寝ちゃうんですよ(笑)。
 つまり、ぼくにとって、後半の地獄シーンは、退屈な描写で。
 それとも、この地獄描写は、ぼくにとって、あまりに心地よすぎて、寝ちゃうのかな。地獄こそ、ぼくの本性か(笑)。
 おそらく超マジメな中川信夫が、どう見てもクレイジーな地獄描写をすることの齟齬。真面目な中川が、クレイジーな地獄描写をするから、みんな寝落ちしちゃうんだよ(笑)。
 たぶん石井輝男か鈴木清順なら、あるいは鈴木則文なら、面白く見られただろう。
 寺山修司でも、ダメだったかな。いや、ダメながら、見てみたいな寺山版地獄(笑)。

e0178641_326842.jpg なお中川の構図感覚・編集感覚ということであれば、吊り橋を上から見下ろすショットは、CG全盛の今なら簡単にパソコン上で「偽造」できるが、当時は、本当に吊り橋以上の撮影位置を確保しなければならず、これは相当苦労したのではないかと、推察。
 執念の素晴らしいショットだった。

 一人二役の三ツ矢歌子、大変愛らしいが、まじめな中川ゆえ、一人二役の意味がない。ここはやはり、石井、清順、寺山で見たかった。
 沼田曜一の、特異な演技はもっと注目されてしかるべきだろう。

【語り】屁たれ嫁こ 梅津幸三氏
2012/05/24 に公開 演題:屁たれ嫁こ 作:沼田曜一
語り:梅津幸三(劇団やまなみ)動画製作:ハロー山梨 YaYaYa TV
http://www.yayaya.co.jp/

 
【語り】山んば 梅津幸三氏
2012/05/24 に公開 演題:山んば 作:沼田曜一
語り:梅津幸三(劇団やまなみ)動画製作:ハロー山梨 YaYaYa TV

 
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by mukashinoeiga | 2017-03-16 23:02 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)