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2015年 02月 19日 ( 2 )

石井輝男「網走番外地」「同・望郷篇」高倉健南原宏治桜町弘子

 池袋にて。「さらば健さん! 銀幕に刻んだ男の生き様 追悼 高倉健 第二部・東映編」特集。両作とも65年、東映。
e0178641_14251686.png モチロン、いまさら言うまでもなく、ぼくはヒーロー役者・高倉健が大好きだ。
 本特集でこれから上映される、たとえばマキノ雅弘「侠骨一代」をはじめとして、繰り返し繰り返し、見ている。
 特にマキノ、高倉健、藤純子の、絶対の、奇跡の黄金トリオの諸作など、ぼくにとっては猫にマタタビ状態だ(笑)
 日本侠客伝シリーズ、いいですなあ。昭和残侠伝シリーズ、最強ですぜ。高倉健のすごいところ(笑)は、持ちネタと言うべき人気シリーズに「日本」と「昭和」という、ある意味最強ワードをクレジットしている唯一無二のスタアである点か。こんな人は、ほかには、絶対に、いない。
 しかし、マキノも、藤純子も同伴しなくなった70年代後半以降、つまり東映専属を解消してのち、高倉健は迷走に迷走を続け、この40年間、凡作駄作の山を築き上げてきた。この間、高倉健は、かつての、あれほど光り輝いていたオーラを、一度として発することは、なかった。とは、言い過ぎかもしれない、確かに「瞬間的」にはかつてのオーラは発したが、だからといって作品全体を光り輝かせてはいなかったように思う。
 
 というのが、ぼくの高倉健イメージなのだが、なぜか高倉健のもうひとつの人気シリーズ「網走番外地」は、実は、一本も、見たことがないのだ(笑)。これで、健さんファンといえるのか(笑)。
 「網走番外地」は、ぼくにとっては、健さん番外地だったのだ、とつまらない駄洒落を言っていたら、今回、シリーズ第一作と、「当シリーズの中で傑作の声が高い一本。必見!」(新文芸坐のチラシの解説)の、ぼく的絶好の組み合わせの2本立て。ということで、見てまいりました。

石井輝男「網走番外地」
 うーん、なんだろな、これ(笑)。
 面白いといえば、面白い。つまらないといえば、つまらない。
 つまり、東映プログラムピクチャアの水準作で、可もなく不可もなし。映画の勢いと高倉健の魅力で、ヒットはしただろうが、所詮は小ヒットの類か。
 遅れてきた高倉健フォロワーの視点で見れば、この映画は、天性のヒーロー役者・高倉健の魅力を、ことごとく相殺しているように思う。
 まず、刑務所の囚人たる高倉健は、看守などの「お上」には、絶対に、逆らえない立場。
 次に、新入り囚人が、自己紹介をする場面で、なんと、健さんは、一言のセリフすらなしの、エキストラ状態。
 さらに「手錠のままの脱獄」(本作は明らかに、そのパクリ)も、南原宏治に、ひきずられっぱなし。
 つまり、健さん、この映画では、常に受け身の立場。
 受け身に次ぐ受け身では、ヒーロー役者としての、自己決定権は、まったくなし。
 健さん、形無しで、かれ独特の魅力を、まったく発揮できないシチュエーションばかり。まさに「網走番外地」というよりは、健さん番外地というべき映画では、ないか。

 健さんを、手錠につながれているゆえに、無理やり脱獄させるのが、南原宏治。極寒の荒野ゆえ、ムクツケキ男ふたりが、ごしごしからだを「愛撫」して「抱き合い」からだを暖め合うシーンが、石井輝男のゲイティストを思わせる。
 なお二年後、鈴木清順「殺しの烙印」で再度、南原宏治はライヴァル宍戸錠と、敵同士の同棲生活を演じ、清順ないし誰かは絶対に本作を見ていただろうキャスティングだったような?

石井輝男「網走番外地 望郷篇」
 終映時に、数人の客が拍手。まあ、健さんに対して贈られたと、信じたい。それほどの凡作。
 なーにが「当シリーズの中で傑作の声が高い一本。必見!」だか。
 これだから、人様の評価は、あてにならない(笑)。ま、自戒も含めてですが。
 おそらく本作の「評価が高い」一番の理由は、黒人とのハーフの子役を使った「泣かせ」にあるのだろう。本当に日本人は、子役に弱いなあ。
 しかしマキノの健さんでガン泣きするぼくには、全然泣けず。正統派の人情モノが、石井演出は、まったく下手すぎて、失笑する程度だ。
 郷里の長崎に帰ってみれば、幼なじみの桜町弘子は、中谷一郎の妻。母が眠る寺で再会した健さん・桜町は、寺の門にいたずら書きされた、かつての相合傘マーク(ふたりの名入り)を前にする。
 こんな情緒纏綿なシーン、マキノなら涙涙の展開になるだろうが、石井演出は、何の感情も乱さない。
石井映画が、だんだんカルトのほうに行ったのも、納得の不出来ぶりで。
 しかし桜町、息が長い女優さん。50年代の東映時代劇、60年代の仁侠映画、どちらでも活躍、しかも90年代の三池Vシネでも、姐さん役で。

網走番外地(予告編)

網走番外地 望郷篇(予告編)

高倉健「網走番外地」全10作ダイジェスト (24分42秒)

殺しの烙印─BRNDED TO KILL ,STYLE TO KILL─ 予告篇


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by mukashinoeiga | 2015-02-19 16:17 | テリー石井 恐怖奇形番外地帯 | Trackback | Comments(2)

歌う銀幕スター夢の狂宴/林美雄

 TBSラジオ・パックインミュージックは、なかでも、なっちゃんちゃこちゃんなど深夜で大爆笑で、聞いていました。
 もちろん第二部の林美雄も愛聴していました。苦労多かるローカルニュースでしたか、そういうコーナーを記憶しております。アナウンサーなのに、なんだか不器用な感じで。
 この「歌う銀幕スター夢の狂宴」も、だいぶのちに知り、ああ、聴いてみたかったなあ、と長年思っていました。当時は、映画に、ほとんど興味がなかったので、アウトオブ眼中。今となっては、泣きたくなりますな(笑)。

歌う銀幕スター夢の狂宴

2014/06/18 に公開
1975/01/19 新宿厚生年金会館大ホール
ポスターのイラストは小説家の島田荘司さんのものですね。当時はイラストの仕事をなさっていたとか。という、コメントもあり。

★あがた森魚 with 桃井かおり 「昭和柔侠伝の唄」1975年1月19日★

2009/02/09 にアップロード

 しかし、林美雄もホントに不器用だな(笑)。TBSの社員だったのだから、正式な録音・録画をしようと思えば、出来ただろうに(笑)。
 まだ、全部を聴かないまま、とりあえずアッブしてみます。
◎追記◎聞いてみれば、文太、深作をのぞけば、ほぼ日活オンリー、しかも実際に主題歌を歌っているスタアは少ない、という案外しょぼい人選だ。
 林美雄が取材を通じての知り合いだけに声をかけただけの、一種のプロデューサーごっこ、という形か。
 確かに、主題歌スタアをかき集めたら、莫大なギャラになるだろうし、興行ど素人のラジオ・アナウンサーに仕切りきれるものではないだろう。
 当時の若い映画ファンたちにおける、おくれてきた日活ブームを、垣間見れる人選でもあり、それはそれで楽しい。
 当時の名画座ファンに絶大な人気を誇っていた鈴木清順の登場は、神の降臨か(笑)。
 清順、深作が歌うなら、ここはひとつ、鈴木清順「殺しの烙印」主題歌を、助監督・脚本家風情で歌った大和屋も、呼んでほしかったな。
林美雄パック最終回(1974年8月30日)

追悼 原田芳雄 故 林美雄へ鎮魂歌「リンゴ追分」を弾き語る

小説「すばる」の主人公「林美雄」について久米宏さんが語ります。


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by mukashinoeiga | 2015-02-19 04:43 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)