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2014年 08月 17日 ( 1 )

田中重雄「真昼の対決」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。57年、大映東京。
 神保町シアターが、珍しく、柄にもなく?レアモノを4本も、しかも同じ週に上映。とうとう1本は、見逃した。

 菅原謙二の、純情痛快しかも若さゆえにいろいろ煩悶の新米牧師。大学柔道部の全国チャンピオン、医師免許あり、なのに、志あって、貧しい小町の、うらさびれたオンボロ教会に、赴任。
 面白くなる要素は、あり~の、志村喬、角梨枝子絶品のスバラシさもあり~の、でも、なんとも生ぬるく。

真昼の対決 <神保町シアターHPより>
S32('57)/大映東京/カラー/ヴィスタ/1時間41分
■監督:田中重雄■脚本:小國英雄■撮影:渡辺公夫■音楽:古関裕而■美術:柴田篤二■出演:菅原謙二、志村喬、角梨枝子、山本富士子、川崎敬三、東山千栄子、見明凡太朗、村田知英子
酒と賭博と喧嘩にまみれた田舎町に赴任してきた牧師(菅原)の愛と正義を描く。町のごろつきの食い物にされながら飲み屋を営むうらぶれた女は、角梨枝子のはまり役。実際に柔道有段者である菅原が、悪党たちを懲らしめるために繰り出す技は迫力満点!

 菅原の、もと学友ながら、道を踏み外して殺人の罪を逃れようと、偽名暮らし、いまは町の暴力団幹部。菅原をおとしめようとするのが、高松英郎。コレが、感想駄文済みの島耕二「誘惑からの脱出」同様、悪の迫力に欠ける、中途半端な気弱さ。年取ってTV「柔道一直線」などで、あるいはマスマスムラムラ「巨人と玩具」などで迫力俳優となったが、この若いころのひ弱な悪役ぶりは、呆然の一言。
 顔がひねくれているせいで、悪役やらされてるけどサー、といういやいや感満載の演技。

 いっぽう町のアイマイ居酒屋の、酌婦なんだか娼婦なんだかの、酔いどれ角梨枝子の絶品よ。彼女の代表作というべきか。いまは落ちぶれ果てているが、当の教会の小さなオルガンを所在投げに、投げやりに弾いているとこを見ると、昔はお嬢さんだったか。
 そういえば前記島耕二「誘惑からの脱出」でも、酔いどれストーカー?女を演じてました。酔いどれといえば彼女、というのが大映の共通意識か。

 その角梨枝子に、岡惚れの、土方の大将に志村喬。この時期国民的名優の重厚演技じゃないお気楽なおっさんの志村は、かなりの珍品で、味わい深い。戦前ののんき脇役期を髣髴させ、うれしい。
 たぶん黒沢映画以降だと思うが、分厚いたらこ唇を一文字にしての、重厚演技もいいのだが、本来はもっとすっとぼけた演技を得意にしていただけに、演技もくちびるも重厚一本やりは、勘弁してほしいところだ。

 赴任した菅原とすぐ仲良しになる、町の小学校教師の兄妹、川崎敬三と山本富士子、この理想主義ぶりも、ナイス。山本の助演も、この時期ならではか。
 全体的にはコミカルだけど、シリアスもあり~の、いいとこ取りも不発なり。
 脚本、演出は駄目だけれど、菅原らの、演技を見てるだけで、及び例によっての安心の大映美術陣のスバラシさ、大映映画の楽しさよ。

★Movie Walker★に、詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

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by mukashinoeiga | 2014-08-17 11:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)