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2014年 04月 25日 ( 1 )

曽根中生「㊙極楽紅弁天」

 阿佐ヶ谷にて。「わたしたちの芹明香」特集レイト。73年、日活。4月28日(月)まで上映中。
e0178641_2354836.jpg 芹明香の特集がレイトとはいえ組まれ、平日夜に席はかなり埋まっている。素晴らしい。
 モーニングにはムリでも(笑)この個性派女優特集が、昼番組でも組まれたら、さらに素晴らしい。
◎追記◎2016年11月、渋谷シネマヴェーラが、やってくれました(笑)。

 芹明香という女優は誠に不思議で、ブスだけど、可愛い。
アンニュイなんだけど、なんだか明朗な感もあり。ふてくされた口調が、なんだか、元気?が出てくる。
 やってることはズベ公そのままなんだけど、そしてそれがサマになっているんだけど、妙に聖なるものを感じさせる。汚れた町の、なりは穢れているが、聖なる女、それが芹明香。
 角度によっては、なんだ美人じゃん、と彼女に幻惑されるようになったら(なるのだ、必ず)もう、あなたの心の片隅に、確実に、居座るのだ、芹明香は。

e0178641_231164.jpg㊙極楽紅弁天ニュープリント<ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
1973年(S48)/日活/カラー/70分
■監督:曽根中生/脚本:田中陽造/撮影:森勝/美術:渡辺平八郎/音楽:月見里太一
■出演:片桐夕子、芹明香、薊千露、山本涼、長弘、丹古母鬼馬二、織田俊彦、橘田良江、吉野あい、小森道子
デビューこそ東映だが、芹明香といえば日活ロマンポルノであり、その記念すべき出演第一作。江戸の貧民街で暮らすフーテン娘で、すでに芹らしいアンニュイなセリフ回しは完成形。しかし曽根中生監督いわく「片桐夕子と一緒に、脱ぐのがイヤだとスタジオから逃げて、二人で肩を抱き合って泣いていた」そう。本作のふてぶてしい、芹の自由奔放さからは意外に思える純情な逸話。底辺で暮らす人々の自由なバイタリティに魅了される一作

曽根中生のコメディのなかの悲しみ演出も、快調。音楽の、さまざまな映画音楽(佐藤勝風からフランス映画風まで)を、パスティーシュしたセンスもバツグン、ロマンポルノゆえ、うそ臭いペンネームだが。
 本作の主演は、これまたブス可愛い片桐夕子で、芹はその相棒。
 片桐の役名は、ふーてんお紺。芹明香の名啖呵は、「うちら、江戸のヒッピーや」。
 ゆるい関西弁で江戸もないもんだが、そういう時代劇。で、そういう時代劇には、NHKドラマ「天下御免」71年に習って、平賀源内が出てくるのは、もはやお約束といっていいか。
 日活デヴュー作で、これほど唯一無二の存在感をかもし出し、自由自在に、この貧民窟コメディを、彼女だけが、ほとんどコメディ演技をしていないのに、自然におかしみをかもし出すことに成功している。
 このドタバタのなかで、片桐と芹は当然何度も脱いで、男と抱き合うのだが、まあ、こんな雑な雰囲気で、とうぜん観客は、そんなの見ても、エロい気分には、普通は、ならない。
 片桐夕子のシーンでも、当然、気分は、出ない。ところが、芹明香は、こんな悪条件で、エロ的には完全アウェイな状態で、観客を、エロ気分に、もって行くのだ。
 長屋の誰もが、片桐夕子のニセ幽霊に気づき、腰を抜かすなかで、ただひとり芹明香だけが、純なエロ心のあまり?夕子ユーレイに、気がつかない。汚れた聖女の面目躍如。

 1990年代の日活ポルノAV「女教師6」以来、彼女を見ていないのが、心残りだ。このレイトは、既見作も含め、なるべく通いたいとは、思っている。年寄りにレイトは、ちときついのだが(笑)。
◎追記◎大五郎ヘアのデブ丹古母鬼馬二も、目立っていてよいのだが、死人稼業?の、いつ見ても超ヤセ男・庄司三郎も似合い過ぎ。この人の痩せ過ぎは、異常(笑)。でも、なんだか、いつも味出してんだよなあ。

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by mukashinoeiga | 2014-04-25 10:16 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)