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2011年 03月 27日 ( 2 )

続々・石原慎太郎「暴言」はなぜ非難されないか・その理由

 今生陛下を唯一の例外として、この60年間の、わが国のメディアの第一線に常に立ち続けてきたただ一人の男、石原慎太郎が、手に入れたキャラが<やんちゃなガキ大将>。
 そして、左翼ババア諸君に代表される、石原「暴言」に抗議する人たちが、自然に体現してしまうキャラが、<くそマジメな学級委員長>タイプ。
 石原慎太郎VS左翼ババア諸君
 この対立の中で、一般論として、権力者はどちらか、というと、疑いもなく、慎太郎のほうだろう。
 ところが、これが、
 <やんちゃなガキ大将>VS<くそマジメな学級委員長>
という、<キャラ対決>に<窯変>すると、あら不思議(笑)。<くそマジメな学級委員長>のほうが、体制守旧派の、権力側に、見えてしまうのよ。慎太郎のほうが、<既成権力に対抗するキャラ>に、見えてしまうのよ。
 慎太郎のデヴュー作、芥川賞の「太陽の季節」は、既成文壇人、PTA、社会の権威者たちが、みないっせいに非難した。社会中のおとな側からの、抗議、非難の嵐。
 東宝で監督になる際も、東宝助監督部から、大抗議。
 石原慎太郎は、常にマスメディアの第一線に立ち続けていたが、同時に、少なくとも前半部分は、常に、批判、抗議を受けてきた。
 批判には、完全に場慣れしているのだ、慎太郎は。
 それなのに、左翼ババア諸君たち、左翼の側からの慎太郎「暴言」批判者たちは、何の戦略も戦術もなく、ただただ、フラットに、慎太郎批判を繰り返す。マスコミや、慎太郎本人が、てんで相手にしないのも当然ではないか。
 左翼ババア諸君、市民運動家菅直人(笑)などは、常に、より弱い側に批判を繰り返し、そして成功してきた。その成功体験に乗っかって、慎太郎を批判しても、無駄なのにね。そして、護憲、九条死守、戦後レジームの堅持、など、この数十年間、左翼諸君は、完全に守旧派になっている現状の中で、自分たちが、実は、<体制側>であることを、よく自覚していないのではないか。
 <価値紊乱者>としての<やんちゃなガキ大将>VS<体制側>の<くそマジメな学級委員長>
 慎太郎と、左翼ババア諸君の関係性は、ここまで、価値転倒してしまうのだ。
 だから、これは慎太郎の「暴言」ではなく、都の政策なので、若干色合いが違うが、漫画・アニメの性的表現過剰の規制問題が、わりあい都の旗色が悪いのは、慎太郎側が、規制する側だからだろう。
 だから、国が規制する、放射線危惧の水道水、「んなことねぇだろ、ちゃんと飲めるぜ」と、飲み干すパフォーマンス、規制に対する抗議こそ、慎太郎のキャラ。
 ここで面白いのは、最近の、いわゆる同性愛者批判の「暴言」後の、現象。
 日本の同性愛者が、組織だっていないということもあるが、やはり<差別される側>にいるから、自分の言動が<世間様>から、どう見られるか、空気を読むのに、敏感というか、しょうがなく長けている面もあるのだろう。
 慎太郎「暴言」に、批判の声を上げる自分が、どう見られるか。
 本当は、左翼ババア諸君のように、そんなことなんか考えないで、批判すべき対象は批判すべきなのだが。

 しかし、慎太郎「暴言」は、本当に「暴言」なのだろうか。
 いや、当然「暴言」として感じて、批判するものたちは、いるわけで。
 しかし、いわゆるサイレント・マジョリティーの何割かは、「慎太郎、良くぞ言った」と、思っているのも事実だろう。そういう人たちは、慎太郎「暴言」に、心の中で喝采を送っている。
 なぜ慎太郎が、メディアで人気があるかというと、いわゆる「公人」の中で、ただひとり「本音」を発し続けているからだ。いい悪いを別にして、生の声を発している。そういう「公人」は、慎太郎以外、いない。
 なぜか。
 キャラが世間に確立していない、天性の愛嬌がない、ごくふつうの「公人」が、公の場で、「ぶっちゃけ」話をしても、無視されるか、大部分は「失言・暴言」として、非難の嵐、たちまち辞任、解任、「公人」として失職の憂き目に会う。
 だから、慎太郎以外の「公人」は、おおむね、タテマエしか、口にしない。
 公人の中で、ひとり慎太郎のみが、平然とホンネの「暴言」を発し続けている。
 サイレント・マジョリティーは、だから、心の中で、自分は何にも言わないけれど、慎太郎を支持し続けているのだ。
 都知事選での、慎太郎への大量投票は、そういうわけなのだ。
 サイレント・マジョリティーの支持がなぜかくも大量なのか、左翼諸君は、何にも、わかっていない。
 単に衆愚、愚民の類が、おろかにも慎太郎にだまされて、目くらましされて、唯々諾々と、慎太郎に投票しているのだろう、くらいにしか、考えていないのだろう。
 というわけで、長くなったので、この続きは、後日。

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by mukashinoeiga | 2011-03-27 09:06 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鈴木清太郎(清順)「8時間の恐怖」二谷英明香月美奈子柳谷寛利根はる恵金子信雄

 京橋にて。「よみがえる日本映画~映画保存のための特別事業費による」特集。57年、日活。
e0178641_20384297.png 被災地の皆さんも、それには遠く及ばないけれど、ぼくたちも、2週間の恐怖を耐えているときに、たかが8時間の恐怖も、ないだろう、と思いつつ、ぼくにとっては、3.11大地震のときに、まさに居たフィルムセンター、ぼくには、確実にトラウマの場所(笑)で、だから、ビビリつつ、見に行く。
 いやー、「たかが」一本の映画を見に行くのに、行こか行くまいか、こんなに逡巡したのは、ぼくの人生で、初めてのこと。
 根っからのビビリ屋であることをはっきり自覚しつつ、
「破る! この壁を破らなければ、俺に、明日は来ない」
 (鈴木清順「東京流れ者」より、不死鳥の哲こと渡哲也のせりふ)
 ということで、京橋に。いや、大げさだな、オレ(笑)。
 <映画価値紊乱者>その確信犯である鈴木清順が、まだ確信犯になる以前の鈴木清太郎時代の、小品であるから、たぶん、絶対につまらない映画だろう、と思いつつ見たら、やはりそうなので。
 「8時間の恐怖」その冒頭のタイトルロゴが、まったくコミカル系脱力レタリングで、ずっこける。まったくのコメデイ調の、それもおもいっきり、肩の力を抜いた、マンガみたいな、しかも明らかに下書きそのままのような、いい加減なロゴ。ここで、見るもの誰しもが、脱力するだろう。
 日活経営陣は激怒しただろうね。当たり前だよ。ぼくも、こんなに手抜きの映画タイトル・ロゴは、初めて見た。
 サスペンス企画を、ダサいコメディに変えてしまった、しかも清順映画の常として、コメディとしても全然泥臭くて、笑えない。
 <何か、自分らしい映画を作りたい>思いはありつつ、全面突破する覚悟も、突破する実力もないまま、だらだらつまらない映画を、ルーティンとはいえないルーティンで作りつつける。
 確信犯以前の清順の限界。
 B級映画専門の、さしてヒット作という実績もない、社員監督として、自由裁量は制限されている。脚本を自由に改変する裁量権は、ない。そもそも、脚本作成にも、まったく関与させてもらえないわけだ。
 そこで、清順が、とりあえず取った戦術は。
 脚本を一字一句変えずに作った、通常の映画空間の下に、<板子一枚下の地獄>を、垣間見せること。
 脚本に対する、面従腹背。
 いや、ホント、<脚本に対する、面従腹背>なんてこと、考えるのは、清順以外、いないよ。
 ホント、ヘンな人。
 そして、とりあえずの方針は、サスペンスをコメディーに変えること。
 鉄道が、台風災害で止まった。振替えのバスが、老朽バスで、しかも地域に銀行強盗の犯人たちが逃走しているらしい。そこで、山道を走るバスとその乗客に発生するサスペンス、それをコメディに<窯変>させること。
 その試みは明らかに、中途半端で、失敗しているのだが、しかしこの失敗の果てが、60年代のあまたある大快作大傑作、その前哨戦なのであり、80年代の大正ロマン三部作を、はるかに準備している。
 コメディ部分を一身に担うのは、女性下着のセールスマン(これも凡庸な設定か)柳谷寛。後の東宝名物ちょい役の柳谷も、出ずっぱりで、コメディ部分を担わされると、いささか苦しい。同じ狂騒パターンをえんえん繰り返すだけだから。長々出番があっても、ちっとも快ではない。
 乗り合わせた学生コンビに、二谷英明・香月美奈子。香月は可愛らしくていいが、まだ新人の二谷は、硬すぎて、味がない。この二人が、何かあると唄を歌う。もちろん当時の左翼学生だからロシアの唄で。この二人の歌いっぷりが、清順映画ではこれまた何十年、細々と続いて、ついには念願の?「オペレッタ狸御殿」に結実するわけだ。
 この二谷があるとき裸になると、柳谷のセールス見本から盗んだ女性下着を着ている、というギャグにもならないギャグも、全然笑えない、お粗末な演出。川島雄三の、これぞ「川島あり」というべき大快作「貸間あり」で、藤木悠がほいほい服を脱いでいくと、セクシーな女性下着を何のけれんもなく着ている、という馬鹿馬鹿しさにも、及ばない。
 絵に描いたハードボイルドなヒロインに、利根はる恵。いかにも清順好みの、気の強い女。
 いつもビミョーな役を演じることの多い金子信雄が、これまたビミョーに主役。ここら辺も、弱い。
 植村謙二郎とコンビを組む銀行強盗の近藤宏のみが、唯一日活らしいチンピラぶりで、快。

by mukashinoeiga | 2011-03-27 08:58 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback(5) | Comments(0)