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2010年 10月 12日 ( 1 )

深田金之助「唄祭り赤城山」


 阿佐ヶ谷にて。「剣聖 近衛十四郎」特集。62年、東映京都。
 近衛の国定忠治、品川隆二の、一の子分・板割の浅太郎。
 後の大ヒットTVドラマ「素浪人月影兵庫」の名コンビの、前哨戦。月影兵庫と焼津の半次で、かなり、快調に、ぶっ壊れるふたりも、まだまだ二の線。
 大映現代劇時代の脇役の、品川隆二は、かなり、ハンパな二枚目で。本人は、クールガイを気取っているようだが、イマイチ、古風な二枚目で、なおかつ、何のオーラもない。面白くもなんともない。
 それが、時代劇に移って、品川は、化けた。低温クールガイが、時代劇ならではの、臭くて、アツい芝居に目覚めて?個性を出した。ついには、TVドラマで、完全な三枚目(顔が古風な二枚目なので、必然的に、二枚目半という位置)に、なってしまう。
 本作は、近衛・品川のダブル主演といっていい。近衛は、いつもどおりの、近衛的豪快な国定。そして、映画の時代劇の品川を、しみじみ見るのは、ぼくには、おそらく、初めて。現代劇の古風な二枚目が、時代劇では、見事に、生き生きしている。
 現代劇での、さえない、古風な二枚目が、生き生きとする時代劇。
 なんか、ベタな展開ではあるが、時とところを得た品川隆二の時代劇への、はまりっぷり。
 特に、チンピラな堺俊二を相手に、仁義を切るシーンの、惚れ惚れするような、スタア・オーラすら感じるところ。その、啖呵を聞いているだけで、惚れ惚れ。
 なお、本作は「唄祭り」と題しているが、別にミュージカル調時代劇というわけではない。要所要所に、村田英雄など当時の人気歌手の歌が流れる。ま、それは、当然、映画の流れを断ち切る形の、古い唄の挿入方法なので、純粋に映画としては、興醒めなのだが。
 「赤城の山も、今宵限り」「俺には、生涯、おめえという強い味方があったのだ」「勘太郎月夜」といった、クリシェを、なんのてらいもなく、流していく、おなじみの話。品川にまとわりつく女スリ・立川さゆり(大島渚「天草四郎時貞」)も、かわいい。

by mukashinoeiga | 2010-10-12 22:46 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)