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五所平之助「かあちゃんと11人の子ども」左幸子、渥美清、内藤武敏、近藤洋介、佐藤英夫、工藤堅太郎、田村正和、藤岡弘、久我美子、稲野和子、十朱幸代、倍賞千恵子、左時枝、竹脇無我

いかにも日本映画的なウェルメイド佳作。
 人によっては生ぬるく感じてしまうだろうが、五所平の交通整理術、主演二人の演技で見せきってしまう。
 神保町にて「俳優・渥美清――「寅さん」だけじゃない映画人生」特集。

五所平之助「かあちゃんと11人の子ども」左幸子、渥美清、内藤武敏、近藤洋介、佐藤英夫、工藤堅太郎、田村正和、藤岡弘、久我美子、稲野和子、十朱幸代、倍賞千恵子、左時枝、竹脇無我_e0178641_09435838.jpg

かあちゃんと11人の子ども (ネットより) 
S41('66)/松竹大船/カラー/1時間46分
■監督:五所平之助■原作:吉田とら■脚本:堀江英雄■撮影:長岡博之■音楽:斎藤一郎■美術:浜田辰雄■
出演:左幸子、渥美清、内藤武敏、近藤洋介、佐藤英夫、工藤堅太郎、田村正和、藤岡弘、久我美子、稲野和子、十朱幸代、倍賞千恵子、左時枝、竹脇無我、三津田健
大正後期に伊豆の農家に若くして嫁いだ女性とその家族の姿を、実話を基に描く。夫の出征中も家業と子育てに励み、一家を守り抜いた逞しい母を左が熱演。渥美は、誠実で仕事熱心な家長役で、子だくさんの愛情深い父を印象的に演じた。
(上記ポスターは、主要出演者クレジットを、大胆に隠してしまう地方館ビラ)


 実年齢三十代の左と渥美が、十代と、二十歳前後を演じるという無茶振り。とくに高等小学校(今の 中学校か)の左と青年らしさが全く感じられない(笑)渥美と仮祝言、初夜には「眠りなさい」と恥ずかしがっていた渥美だが、とうとう我慢できずに、妊娠。(仮)が取れてしまう。
 アラフォーの左が十代とは恐れ入るが、でっかいパッチリお目々と、演技力で、ビミョーながら、乗り切ったのか、乗り切らないのか。今の基準で言っても、かなりでっかいお目々。なまじ演技力があるのと、がらがら声で損しているが、若い頃には立派にアイドル女優となりえた逸材なのだ。
 一家揃って左翼の羽仁進と結婚したのも、左巻子、もとい左幸子の「性癖」故か。

 嘘か真かウィキペディアによれば、
1965年1月4日から1965年5月31日まで音楽番組『ミュージックフェア』(フジテレビ)の司会も担当した。ワイドショーの司会をした事があるが、番組中で沖縄国会強行採決を批判した政治的発言により降板した[2]。
1952年の映画デビュー以降数々の作品に出演したが、新東宝、日活、大映に短期間所属したことはあるものの、五社協定をものともせず、一匹狼の女優として活動。強い信念の持ち主で、映画会社にスターとして売り出してもらうより、いい脚本、いい監督の作品を自ら選択することを重要視し続けたためである。演出や役柄の解釈について自分の意見を主張し納得するまで議論する女優だった。『遠い一本の道』の監督・主演も「男女差別をなくしたい」との主張に基づくものだった。[2]
私生活では、1959年に映画監督の羽仁進と結婚[3]。1964年に長女・未央を出産。しかし、1973年に羽仁が未央を連れてアフリカに長期撮影旅行に出かけた際、これに未央とともに同行した左の実妹(四女)で当時羽仁のマネージャーを務めていた額村喜美子[4]と不倫関係にあったことを人づてに知り、ショックを受け自殺を図るが事なきを得た[3]。このこともあり1977年、離婚し未央は父側に付き[5]、羽仁はその4ヶ月後の11月8日、喜美子と再婚した[3]。
2001年11月7日(水曜日)午後8時40分、国立がんセンターで親族に囲まれ、息を引き取った[2]。71歳没[3]。品川での密葬の際、羽仁・喜美子夫婦だけでなく実娘・未央も、幸子と(離婚後)親交がないとして参列しなかった[3]。

とのこと。相当激しい女、という感じか。実の娘にすら相手にされなかったのか。未央は、少ない映画出演とか、テレビの姿しか見たことがないが、穏やかな話し方の人だった印象。左巻き一家にもハブられた、のか、左幸子。
 本作では、そういう左巻子ではサラサラなく、大地に根をはった、知的なドスコイ母ちゃんを好演。
 倍賞千恵子を巡る家族会議に、若干の左翼臭だが、それほどでもない。左・渥美の好人物ぶりの好ましさ。
 なお、長女・久我美子は、左と同年代。これは、やや無理筋だが、そういうもんだ、という無理矢理の納得(笑)。左の実の妹・左時枝が、17才年下なのを大胆に援用して、左の末っ子。ただ幸子は丸顔たぬき顔、時枝は細面キツネ顔、あんまり似てねーのは残念。

 渥美は、助演の控えめに徹し、学歴は低いが、心優しい、市井のインテリを好演。寅さん系をのぞいた、ベストパフォーマンスかと。穏やかな佇まいが好もしい。
 こういう穏やかな好人物を演じた渥美清をもっと見たかった。


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by mukashinoeiga | 2023-01-14 11:21 | 傑作・快作の森 | Comments(0)

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