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谷口千吉「カモとねぎ」モリマ森雅之緑魔子高島忠夫山岡久乃小沢昭一砂塚秀夫東野英治郎

ヤサ男ダメ男専門の感があるモリマが、57歳にして、キヨーレツな男臭プンプンのダンディで、主演する。すばらしい。
 渋谷にて「欲望のディスクール」特集。68年、東京映画・東宝(これまた、ビミョーな並びで)。
 かつて男臭プンプンのダンディといえば、チャールズ・ブロンソンが有名だが、モリマはらくらくブロンソン超えてるぞ(笑)。
谷口千吉「カモとねぎ」モリマ森雅之緑魔子高島忠夫山岡久乃小沢昭一砂塚秀夫東野英治郎_e0178641_2165610.png 名画座女子は、ムンムンするモリマの色気にノックダウンしているようだが、男のぼくは、そのムンムンは頭ではわかるものの、いまいち感じない。もちろんすごい色気なのはわかるが、「感じ」ないのね。これは致し方ない。 
 この年にして、軽コメディに主演。いかに添え物とはいえ、いかに低迷期の東宝とはいえ、レアというべき。おそらく当初は、モリマならぬモリシゲを想定していた可能性は高い。
 しかし東宝としても森繁本人にしても、今更感はあるだろう(推定)。この種の添え物にしては、ギャラも高かったと思われる。で、たぶん同じころに(いいかげん)「狙撃」があって、そのモリマならどうだろう、と(いいかげんな推定の上塗り)。
 おかげで、嬉々としたモリマのコスプレの数々が楽しめる、と。
 ラストイッコ前、警察に捕まる時、きっとにらむ山岡久乃に、テヘへトホホ笑いの愛らしさ、臥竜点睛を欠かない、さすがのパーフェクトでモリマ。

 で、この映画には、モンダイのヒロインがいて、緑魔子。
 みんなキュートだキュートだ、というけど、長髪フェチのモリマが感じないように、前にも書いたように、ぼくは緑魔子には、何にも感じないのね。 
 キュートというには、コワい顔(笑)だし、最後に、ぶれたのがなんだが、拒否し続けたモリマは、正しいぞ(笑)。 
 この映画の緑魔子が、峰不二子の原型か、という意見もあるが、峰不二子は天然の悪女で、緑魔子は、いかにも人工的で、ゲテっぽい感じ?
 なんか、やっぱり「映画女優」じゃあないんだよなあ(笑)。
 ちょっと違うし、黒髪長髪だけど、同じ東映なら、大原麗子ならどうだったんだろう。

 お話自体も二度目だと、あらが目立つ。
 でも新作の田中亮「コンフィデンスマンJP」なんかに比べたら、極の上。


『カモとねぎ』公開:1968年(渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:谷口千吉
出演:森雅之、緑魔子、山岡久乃、高島忠夫、小沢昭一、砂塚秀夫、東野英治郎
スマートな仕事ぶりが自慢のサギ師トリオが、せしめた300万円を謎の女に横取りされる。どうにかその女の居場所を突き止めた三人であったが、ワケありのその女・麻美の押しの強さに負け、一緒に仕事をすることに。表情もファッションもくるくる変わる緑魔子のキュートなコメディエンヌぶりに負けじと、森雅之もダンディでお茶目なキャプテン役で魅せる贅沢な一本!

 なおこの映画、2009年にも駄文してました。駄文がダブっていたようで、削除してこちらに移しました。たいして内容はない。

 「男優・森雅之」特集、神保町にて。68年、東宝。
 なかなか肩の力が抜けて面白いプログラム・ピクチャア的コメディ。
 モリマが詐欺師団のボスという設定で、ダサダサのよれよれ税務署職員、かっこいい紳士の教育委員会委員長、引き締まった自衛隊員、などコスプレ三昧。新劇俳優であった彼にとって、こういう扮装はまことに板についた感じで、モリマ・ファンとしてはただただ、ニヤニヤしながら見ていればいい。紳士にうっとりして、手もなく丸め込まれた教育ママ・山岡久乃が、教育映画と信じてピンク映画を見せられ、だんだん興奮していくさまで、笑いを取る。
 なお、この特集では、大部分が既見なのでパスしたが、数少ない未見作「東京のヒロイン」(50年新東宝)を見逃す。外れのない島耕二なのに。彼と相性がよい轟夕起子なのに。残念。
 井上梅次「女房学校」(61年大映東京)は見た。コミカルな金魚研究家のモリマはよいが、全体につまらない。井上の映画に必ず出てくる月丘夢路も出てくるが、実人生で夫婦であっても、映画的相性があるわけではないのが、惜しいところ。
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by mukashinoeiga | 2019-07-09 02:17 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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