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黒木和雄「紙屋悦子の青春」原田知世永瀬正敏松岡俊介本上まなみ小林薫キムタケ木村威夫

ぺらっぺらの会話劇。紙屋だけに。
 京橋にて。「生誕100年 映画美術監督 木村威夫」特集。06年、バンダイビジュアル=アドギア=テレビ朝日=ワコー=パル企画。
 冒頭フィックス(ゆるやかな横移動を含む)で、病院の屋上のベンチで話す老夫妻がとらえられるのだが、推定八十台の老人ふたりを演じるのが、原田知世と永瀬正敏。
 これが高校学園祭の高校演劇並みの簡単老けメイク。いや今時の高校演劇ならもっと特殊メイクに凝るだろう、というレヴェル。特に童顔の原田知世なんて、老年どころか中年にも見えない。ぺらっぺら。

e0178641_9355284.png19紙屋悦子の青春(113分・35mm・カラー)(国立映画アーカイブHPより)
2006(バンダイビジュアル=アドギア=テレビ朝日=ワコー=パル企画)(美)木村威夫、安宅紀史(監・脚)黒木和雄(原)松田正隆(脚)山田英樹(撮)川上皓市(音)松村禎三(出)原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみ、和田周、小林薫
松田正隆の戯曲を映画化した黒木和雄監督の遺作。空襲で両親を亡くし、鹿児島で兄夫婦と暮す悦子(原田)に縁談が持ち上がる。見合い相手の永与(永瀬)を連れてきたのは悦子と想いを寄せ合う明石(松岡)で、彼は特攻隊に志願していた。切迫した時代状況の中、互いに思いやる男女三人の姿が静かな感動を呼ぶ。木村は幾重もの意味を込めるように、主人公の家の前に満開の桜とススキをあえて同居させた。


 おそらくは原作は「静かな」系の演劇と思うが、上記登場人物たちが入れ代わり立ち代わり、組み合わせを変えて、部屋で二人、ないし三人で会話する、まあ会話劇。
 この会話が、そこそこ笑える部分もあるが、まあ見事なまでにぺらっぺら。
 同じ特集で見た木村威夫「夢のまにまに」08年、同様の趣向(老人が青春時代を送った戦時中を回想する)ながら比べても、初長篇監督のキムタケのほうに数日の長あり。これってプロの監督の黒木和雄としては、本当にどうなの(笑)。
 初めて会う永瀬正敏のプロポーズを即答で了解する原田知世の心理が、よくわからない。小津安「麦秋」で、杉村春子がうちの息子と結婚してくれたら、という誘いにハラセツが即座に了承するまでには、丁寧な前振りの数々があった。それが、このハラトモには、ない。
 はじけない会話劇、しみじみしない会話劇。
 意中のハラトモを、永瀬とふたりきりにして帰る松岡俊介の、険しい目線で振り返るのは、明らかに不適切な演技ミスだろう。そう思う。

 上記「木村は幾重もの意味を込めるように、主人公の家の前に満開の桜とススキをあえて同居させた。」も、キムタケ美術は、肝はこれだけ。あとは監修で弟子の安宅紀史に任せたと思しい凡庸な美術。
 だいいち狭い日本家屋で各部屋の位置関係がわからない(それは盆暗なぼくだけかもしれないが)セット造形って何なの。
 トイレと玄関の位置関係も不明だし、家族が食事する居間と、永瀬、松岡を迎える応接間?との位置関係も、わからない。それはぼくが盆暗なのか、あえて位置関係を不分明にしたキムタケ美術を、黒木が理解していなかったのか。うーん。

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by mukashinoeiga | 2018-12-23 09:38 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(0)

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