渡辺祐介「契約結婚」大空眞弓(真弓)沼田曜一小畑絹子寺島達夫松浦浪路星輝美鳴門洋二菅原文太

よく出来たラヴコメ快作。お気楽楽しい。
 渋谷にて。「玉石混淆!? 秘宝発掘! 新東宝のまだまだディープな世界」特集。61年、新東宝。
 冒頭大空ら女子大生が、キャンパスの芝生の上で、ラーメン屋でラーメン食いつつ、銭湯で湯につかりつつ、持論を展開する、次々と場所を変えた、短いショットをつないでいく、快調なスタート。
 かつて、実態はともかく、いくつもの契約結婚モノが作られた。
 それまで、なあなあの状態で結婚していた日本人が、きっちり契約書を交わして結婚する。しかし、肝心の結婚中の収入配分、離婚時の財産分与については、まったく触れていない、きわめて情緒趣味のお遊び。
 当時の日本人に契約書の概念が全くないのが、まるわかり。何しろ双方に弁護士が全く出てこないのだから!
 要するに消極的な日本女性が、浅薄な理論武装をすることによって、先進的な女子が後進的な男子に、積極的なアプローチを仕掛けることが、出来ると。そういう極めて日本的なスクリューボールコメディな(だけの)わけだ。

e0178641_2511741.png『契約結婚(デジタル)(86分)』公開:1961年(渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:渡辺祐介
出演:大空眞弓、沼田曜一、小畑絹子、寺島達夫、松浦浪路、星輝美、鳴門洋二、菅原文太、原聖二、国方伝、並木一路、石川冷、山口多賀志、加藤欣子、ピーター・ウィリアムス、堀池浩子、橘恵子、水上恵子、鈴木信二
寮のお風呂で同級生相手に“契約結婚の勧め”を唱える進歩的女子大生・大空眞弓のターゲットは将来有望な野球部員。一方、バーのマダムと契約結婚しているプロ野球選手の沼田曜一は落ちぶれて解雇され…。若い二人と大人の二人の契約結婚の顛末を描いた渡辺祐介の傑作コメディ。結婚って打算、それとも愛!?

 打算であり、愛でもあると思うんだが。あだしごとは、さておき。
 この種の軽いコメディ向きの大空眞弓が、かわいい。一応処女なのに、積極的アプローチは、日本版プロフェッショナルヴァージンといったところ。ただ、奥さんになったとたんイキナリしおらしい和服で、楚々とした風情に急変とは、進歩的女子大生から大和なでしこへ、お里が知れるとはこういうことか。
 相手役寺島達夫は、ぼく的にはなじみがないが、なんでもプロ野球の東映フライヤーズに入団した実際のプロらしく、野球シーンは決まっているし、演技も合格点。けがで退団したが、拾ったのは東映でなく新東宝というのが面白い。
 演技はうまいのだが、スタアオーラに欠けていて、その後は伸び悩んだか。
 一方こちらも契約結婚の先輩、スタアオーラがあるんだかないんだかの沼田曜一は、生き延びた。契約相手の小畑絹子もなかなか。
 ただ契約結婚といいながら、なあなあでほだされ、ずるずると実結婚?に横滑りするのは、ああ日本人てのは、ビジネスライクな契約に、とことんなじまないんだなあ、としか。

土居通芳監督『男の世界だ』(1960)より、ハンサムタワーズ+大空真弓


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by mukashinoeiga | 2018-09-09 02:53 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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