木村恵吾「一刀斎は背番号6」菅原謙二叶順子仁木多鶴子春川ますみ五味康祐小西得郎菅井一郎浦辺粂子
前半ニコニコ後半ややヘンテコ。59年、大映東京。
長年見たかった一本だが、期待違わぬ面白さ。
『一刀斎は背番号6(16mm)(87分)』公開:1959年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:木村恵吾
出演:菅原謙二、叶順子、田宮謙次郎、山内和弘、仁木多鶴子、小林勝彦、五味康祐、菅井一郎、浦辺粂子
素人ホームラン大会に髪も髭も伸ばし放題の男が現れ、見事打球をスタンドに叩きつけた! 剣術の達人がプロ野球で10割打率&初球ホームランという脅威の活躍をするという野球ファンタジー。当時の有名選手や原作者の五味康祐もゲスト出演している。【坪内祐三セレクション:スポーツ映画】
後楽園大ロケ、当時の大毎・西鉄の稲尾らの選手、実際の観衆、エキストラを使い倒したロケが多発。当時の球場ロケでも他の映画は、エキストラ映り込みのショットはせいぜい10以下かな。本作では何と観衆・エキストラ映り込みのショットが数十以上と拝察。こりゃあ助監督は苦労したろう。ただし観衆・エキストラを背景に科白を言う大部屋俳優の演技は、ハリウッド並みとはいかぬが(笑)。
下手な大部屋よりよほどうまいのが、当時の人気解説者の小西得郎。
主演の菅原謙二は朴訥な柄を生かして好演。ただし髭を剃ったら岡田時彦にはさすがに及ばず、実直な顔で意外性は少なし。ウシマンさん他大映脇役陣大量出演の頼もしさ楽しさは、相変わらずのうれしさ。
で、問題は、この一刀斎、ある意味究極の出落ちキャラというべきか。長尺が、持たないタイプ。本来は「ルパン三世」における五右衛門みたいな脇役タイプか。
で、後半、木村恵吾らはいろいろ工夫するのだが、結果、それが、それまでの健全娯楽映画路線から心ならずも中途半端に逸脱するような結果に。
菅原は偶然から、主人菅井一郎、女将浦辺粂子、娘叶順子の三流旅館に投宿する。
浦辺粂子「うちみたいな三流旅館にお泊りいただいて」
菅井一郎「いえ、うちは三流ではありません。二流です」いいなあ。
でもほぼ素泊まりの商人宿は、二流とも言えまい(笑)。
この宿の路地を挟んだ反対が、清川玉枝の美容室。
その娘がストリッパー春川ますみ。清川=春川の親子役とはなんというベストマッチ。子の春川の唐突かつあいまいな登場ぶりと、菅原謙二の絡みぶりが、この映画の健全娯楽ぶりを少しずつ狂わせていく(笑)。
春川と叶のとってつけたようなキャットファイトなんざ、この監督の趣味かしら(笑)。
この春川ますみが歌うのだが意外やうまい可憐な歌声。
さて菅原謙二上京の目的は合気道達人との真剣勝負。その達人が大阪で死んだことを知らされ呆然。達人の娘仁木多鶴子や叶順子との恋も発展せず、いささかアンチクライマックスの様相を呈す。
この後半の雰囲気が、ほんとにビミョー(笑)。
橋本力さん死去 大魔神スーツアクター ブルース・リーと共演
本作でけがをして、大魔神に。そしてブルース・リーと共演。ほんとに不思議な人生。
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by mukashinoeiga | 2018-03-02 02:14 | 傑作・快作の森 | Comments(0)