島津保次郎「緑の大地」原節子藤田進入江たか子池部良丸山定夫英百合子江川宇礼雄千葉早智子嵯峨善兵汐見洋

山崎豊子のいない山崎映画か。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。42年、東宝。
 つまり面白くない。大勢の、立場が違うひとびとが右往左往する群像ドラマは、小市民のこじんまりドラマを得意とした島津保次郎には、荷が勝ちすぎか。あるいは、内弁慶な日本の映画屋さんが、海外ロケの映画を作ると、常に失敗する一例か。

e0178641_54222.jpg6緑の大地(118分・16mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1942(東宝)(出)原節子(上野初枝)(監・原)島津保次郎(脚)山形雄策(撮)三村明(美)戸塚正夫(音)早坂文雄(出)藤田進、入江たか子、丸山定夫、藤間房子、英百合子、里見藍子、江川宇礼雄、千葉早智子、嵯峨善兵、池部良、汐見洋、林千歳
中国・青島に長期ロケを敢行した国策映画。運河建設をめぐり、日本人技師(藤田)やその妻(原)、女教師(入江)、悪徳商人(嵯峨)、反対派の中国青年(池部)たちが衝突するさまを描く。原は、女教師が夫の初恋相手であると知り、友情と嫉妬の間で揺れる妻の役を演じる。

この広告、いくら何でも写真がヘン。「戦争とスポーツ」って、この映画特に戦争映画でもないし、スポーツは同時上映か何かなのか??? それにスポーツは敵性語じゃん(笑)〉

 そんな嫉妬も淡い描写で。日本人なのに中国人に味方する、いわゆる良心派(笑)日本人池部良も、淡彩だし。何から何まで淡彩な濃厚人間ドラマ(笑)。矛盾な筋違い。
 島津保次郎の弟子の、小津安が、中国に長期滞在しながら、キャメラをちらりとも回さなかったのは、おそらく正しい選択だったのだ(笑)。とは言いつつ、そういう珍品も、見たかったのだけれどね。

 はるばる日本から赤ちゃん連れでやってきたハラセツに藤田進は邪険。ここはのほほんと迎えるのが島津じゃないか。
 戦時中ゆえ製作本数減で、何気にオールスタアだが、小悪党専門の嵯峨善兵が、いい味。

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by mukashinoeiga | 2017-11-28 05:05 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(2)

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Commented by お邪魔ビンラディン at 2017-11-29 01:44 x
この映画は見逃してしまいましたが、「敵性語」といっても、ラジオの放送以外ではそれほどキビシく取り締まられていたわけではありません。
たとえば、川島雄三のデビュー作「還って来た男」(1944年7月公開)のなかで、子どもがキャッチボールをしながらアウト、セーフと声をあげているシーンがあったように思いますが、子どもは大目玉を食らっているわけでもないし、ちゃんと検閲をパスしている。それ以外にも、隔週刊の「アサヒスポーツ」という雑誌は昭和18年の6月くらいまで、誌名を変えずに発行できていました。(ちなみに川島の映画では「わが町」のなかで、大正時代のかけっこで「ヨーイドン」という科白を使っていましたが、このヨーイドンというコトバは、昭和のはじめに陸上競技関係の雑誌が募集して作ったかけ声で、これは時代考証のミスです)
あるいは、「青春の気流」で、原節子がピアノでショパンを弾くシーンが何度も出て来ていましたが、戦中は洋モノ排斥だという先入観があると、意外の感にとらわれると思います。
戦中も、昭和18年半ばくらいまでは、そこそこに自由な雰囲気が存在していたことを見落とすと、歴史の本当の姿が見えなくなってしまいますね。
Commented by mukashinoeiga at 2017-11-30 05:30
島津保次郎「緑の大地」へのコメント、お邪魔ビンラディンさん、ども。
 おお、そうでしたか。
「ヨーイドン」というと昔はピストルの代わりに、太鼓を打っていたのかな。   昔の映画
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