伏水修「東京の女性」原節子立松晃江波和子水上怜子

原節子絶対の魅力。映画も戦前モダン都市東京の魅力がたっぷり!
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。39年、東宝東京。
 まだ若く顔の左右の表情が違い、いろいろな顔が楽しめる。テキパキ歩くと、うすい服越しに軽く胸がゆさゆさ揺れるのは、戦前日本人女優としては珍しい。ハラセツだけか。
 戦前日本人女優としては珍しいのは、明確で明朗な強い意志を持ち、目的に向かって邁進する女性を、はつらつと、不自然でなく体現する、その強靭さか。ハラセツの強度よ、その美貌よ。
 戦前モダン都市東京を滑走する、時に挫折する、東京モダンガアル・ハラセツの魅力よ!

e0178641_19135458.jpg4東京の女性(82分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1939(東宝東京)(出)原節子(君塚節子)(監)伏水修(原)丹羽文雄(脚)松崎與志人(撮)唐澤弘光(美)安倍輝明(音)服部良一(出)立松晃、江波和子、水上怜子、藤輪欣司、水町庸子、水上怜子、外松良一、鳥羽陽之助、深見泰三、如月寛多
丹羽文雄の同名小説を映画化。生活能力のない父に代わって一家を支えるため、節子(原)は自動車会社のタイピストから“セールスマン”へと転身し、次々と成功を収める。能動的で溌剌とし、男性社会を脅かしさえする女性を演じた原は、当時の映画評で「東宝入社以来おそらく最も生彩のある演技」と高く評価された。ニュープリントによる上映。

 借金まみれのクズな父に3000円で妾に売り飛ばされようというハラセツは、タイピストから、車のセールスマンに、チャレンジ。セクハラの嵐にもめげず我を通し、男勝りな性格と美貌で、トップセールスマンに。
 この強気の戦前キャリアウーマンに、当時19歳のハラセツ、貫禄的には二十代半ばな感じ。
 一方ハラセツの妹に、設定19歳の江波和子。こちらは男に甘えて、服や何やらプレゼントしてもらい、ドライブもおねだりする、天然な憎めない女の媚びを生かして、いわば楽して稼ぐタイプ。
 この江波和子が、爬虫類顔ながら、キュート。たえず体をふはふは動かして、自然の少女の愛くるしさ。
e0178641_19142435.jpg この江波和子が、のちに江波杏子の母となる。より爬虫類顔が強化された杏子がなぜ女優として一定の人気があったのか、ぼくには不明で。
 こういういい方は、いささか趣味が悪いが、女性として、和子はオーケーで、杏子は対象外。典型的に上から目線ですが(笑)。杏子、ハラセツ以上に、怖すぎ。和子は、堅気の娘さんを普通に演じられるが、杏子は堅気の娘さんは、絶対ムリ。そういう違い。
 この二人の相手役・立松晃は、東宝入社第1回の典型的美男子。絵に画いた二枚目だが、あまり活躍していないようなのは、やはりイケメンなだけじゃダメなのよの典型か。
 この彼がハラセツと外食、ご飯を口にほおばり、その直後の科白が、もごもご。飯食いドラマが頻繁な日本の役者は、ご飯を口に入れた直後もクリアなセリフ回しを要求される。そこがダメだったのか(笑)。

 モダン都市東京(ハラセツ両親の古い価値観を内包しつつ)の、モダンガアル原節子&江波和子姉妹のはつらつが快。よって下の英題は、複数形でよかったかも、と思う。

Woman in Tokyo (1939)


節子の唄 二葉あき子

蓄音機で聴く昭和の流行歌。昭和14年12月新譜。東宝映画「東京の女性」当選主題歌。

 ハラセツの役名は、君塚節子。ということはハラセツのテーマソングか。ところが、この曲、いたるところでBGMとして流れるが、歌唱曲そのものは、ハラセツと関係ない、立松晃と江波和子のドライヴシーンにのみ流れたというのは、単なる勘違いか。うーん。って、当選主題歌って、なに?

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by mukashinoeiga | 2017-11-24 19:14 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(4)

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Commented by なご壱 at 2017-11-25 06:22 x
確かに「節子の唄」は、立松と江波のドライブシーンのみに流れていました。もう一曲 挿入歌として淡谷のり子の歌が流れていました。
Commented by mukashinoeiga at 2017-11-25 20:25
伏水修「東京の女性」原節子へのコメント、なご壱さん、ども。
 ですよねえ。いいかげんだなあ。曲の出来が良ければ、使いまわし出来たのになあ(笑)。 昔の映画
Commented by 弓の助 at 2017-11-29 02:28 x
前から観たかった「東京の女性」を、FCで初めて観ました。丹羽文雄が原節子のために書いた原作を元にしています。丹羽文雄は原節子の大ファンだった。19歳の原節子が、ハツラツとしていていいですね。戦前の原節子の映画ではかなり好きになりました。キャリアウーマンで車を運転したり、戦争前にこういうモダニズムの世界があったんですね。モダンガールの原節子がかっこいい。今回の特集では、「魂を投げろ」も観られて、本当に美少女ぶりに感動しました。
Commented by mukashinoeiga at 2017-11-30 05:39
伏水修「東京の女性」へのコメント、弓の助さん、ども。

>丹羽文雄が原節子のために書いた原作

そうでしたか。ぴったりでしたね。颯爽と車を運転するシーンを、一番最後まで取っといたのも粋な演出でした。
「魂を投げろ」は見逃して、残念。  昔の映画
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