中川信夫「深夜の告白」小沢栄山根寿子池部良月丘千秋三宅邦子東野英治郎河津清三郎千田是也青山杉作

俳優陣素晴らしく端正でさわやかな中川演出もさえる快作。
 渋谷にて「玉石混淆!? 秘宝発掘! 新東宝のもっとディープな世界」特集。49年、新東宝、配給東宝。
 小沢栄太郎の老け作りの老人が素晴らしく、そのアパートの隣人の、老け作りなんだか若作りなんだかよくワカラナイ(笑)東野英治郎もグッド(笑)。
 戦前から松竹で活躍した、小沢の娘・三宅邦子も、小沢の息子の嫁・山根寿子も、おそらくキャリア最高の美貌と演技。おふたりとも娘時代は地味だったが、この年代こそ彼女らの華だったのだろう。それを中川演出が効果的にクローズアップ。
 この名演合戦に影響されたのか中川演出の故か、日ごろ演技パターンが限られている、つっころばしの池部の良ちゃんが、驚くほど多彩な顔芸ともいうべき演技の引き出し全開で攻め立てる(笑)。池部良もおそらく男の美貌全盛期、そこでこの多彩な演技は、目を見張る(笑)。
 山根寿子の愛人・河津清三郎は、ただただ突っ立っているだけで、究極の名演。素晴らしい。

e0178641_21583243.jpg『深夜の告白(デジタル)(78分)』公開:1949年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:中川信夫
出演:小沢栄、山根寿子、池部良、月丘千秋、三宅邦子、東野英治郎、河津清三郎、千田是也、青山杉作、東山千栄子、村瀬幸子
戦争中に謎の失踪を遂げ既に死んだものと思われていた航空機会社の社長早川が実は生きていた事が波紋を呼び家族らの間に動揺が広がる。早川の失踪の本当の理由は何だったのか? 新東宝を代表する名匠中川信夫監督の作品ながら永らく観ることが出来なかった作品を今回遂に発掘。苦悩を抱えた早川役の小沢栄の抑えた演技が光る。 (解説:下村健)

 いっぽう三宅の夫・千田是也は今回も演技のしどころのない役なのでいささかかわいそうなのだが、ぼくは名演技と思ったことはあんまりない。ほんとに名優なの(笑)。
 その父(三宅の義父)青山杉作は、フツーに演じていても、タヌキな元外交官なんだけどねー。
 ぴょんぴょんぴょん月丘千秋と、ぴょんぴょんぴょん池部良には、にこにこ。

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by mukashinoeiga | 2017-10-29 22:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

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Commented by お邪魔ビンラディン at 2017-10-30 00:13 x
この映画、むかし大井武蔵野館で見て以来、何度目かの再見になりますが、脚本の構成がイマイチという感じはするものの、演技と演出の層の厚さに引き込まれて見てしまいます。
この映画のラストで池部良がかじっていないリンゴをそのまま海に向かって投げるシーンに対して、あとでキャメラの河崎喜久三が中川信夫に「信ちゃん、あのリンゴ食べられるのにもったいないことするねぇ」と言われてくさったというエピソードがあります。
伊福部昭の音楽がたいへん効果的に使われていて、とくに終盤のパーティー場面に流れるピアノソロの曲などは、伊福部昭屈指の名曲のひとつではないかと思うのですが、全曲通したものとして過去にレコードやCDになったことも、楽譜が発売されたこともなさそうです。(このあたり、片山杜秀さんの調査がほしいところ。)
それから、「日本映画データベース」では、千田是也が青山杉作の父で、なおかつ東山千栄子の夫であるようになっていて、三宅邦子も河津清三郎も出てこない。そろそろ訂正をしてもらいたいところですね。
Commented by mukashinoeiga at 2017-10-30 02:58
中川信夫「深夜の告白」へのコメント、お邪魔ビンラディンさん、ども。

>この映画、むかし大井武蔵野館で見て以来、何度目かの再見

 おおヴェーラいうところの「今回遂に発掘」は思い切りの嘘じゃアーりませんか(笑)。

 恋の告白のシーンですから、リンゴはむしゃむしゃ喰ってのち、というのがふさわしい?、いや、それはちと下品か、食べたリンゴはその前にやっぱり海に投げていますから、同じことは二度したくなかったのでしょう。

>「日本映画データベース」
 ムーヴィーウォーカーもひどい。青山杉作家で最重要な三宅邦子を抜かし、お手伝い村瀬幸子はあるのに山根寿子なし、というなぜか俳優座重視の怪。
 ムーヴィーウォーカーはべつにして、個人が無償でやるのは難しい。愛用していた「今日の名画座」も更新が止まっています。下村健さんもかつてそうでした。 昔の映画
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