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青柳信雄「愛の砂丘」島崎雪子高島忠夫滝沢修田村秋子

楽しいほのぼの大快作家庭劇。53年、新東宝。
 渋谷にて「玉石混淆!? 秘宝発掘! 新東宝のディープな世界」特集。
 ごく近い近所の二家庭の、家族ぐるみの交流、そして、それぞれの家族の、息子と娘の恋を、ほのぼの、つつましやかに、描く。
 あやしげな大蔵貢新東宝になる前の、つつましやか?新東宝の、佳作良編。ああ、いいなあ。

e0178641_8362978.jpg『愛の砂丘(デジタル)』公開:1953年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:青柳信雄
出演:滝沢修、田村秋子、島崎雪子、高島忠夫、三津田健、和田孝
病を抱えた父聴一と共に辻堂に越してきた歩は近所に住む田島家の娘薫と知り合うが、彼女の母秋子はかつて聴一と結婚の寸前まで行った間柄であった。木下惠介のオリジナル脚本を青柳信雄が意外にも好演出。名優滝沢修の静な演技も光る。後に木下の妹楠田芳子(本作では作詞)が脚本を書き川頭義郎が監督した『涙』は本作の姉妹編ともいうべき作品で主題歌もそのまま転用されている。©国際放映

 誰一人、悪人が、嫌な奴が出てこない、ささやかホームドラマ、ああいいなあ。
 脚本木下恵介。島津保次郎「隣の八重ちゃん」の撮影助手だった。
 感想駄文済みの「隣の八重ちゃん」は、隣同士の二家族の交流と、それぞれの家族の息子と娘のほのかな想いを描いた。
 それの発展形が本作で。いや、パクリなどといういやらしいものではなく、まさに発展系としか言いようがない、つつましくも、のびやかな快作だ。
 ただ、まあ、松竹で作ったら、島津御大のパクリだよねえ、と言われちゃうかもしれないから、お気楽な他社でアルバイト的に脚本提供と(笑)。
 その結果が、かくも快作なのだから、言うことなし。青柳信雄演出も、いつになく快調で。

 いつになくおだやかで、病弱(精悍すぎて、そうは見えないが(笑))な滝沢修、毎度たおやかな田村秋子(役名も秋子なので、木下の当て書きか)の絶品。
 この時期どんな映画でも絶対キュートな島崎雪子の愛らしさ。
 島崎雪子で画像検索すると、原節子のオンパレード。今井正「青い山脈」で、原節子の役名が確か、島崎雪子、それにあやかって芸名にしたので、今はすっかり忘れられた島崎雪子で検索すると、ハラセツ画像ばっかし。
 かわいそうや島崎雪子(泣)。
 阿佐ヶ谷の女優モーニングで、島崎雪子やるべきだ。客来ないかなあ。
 島崎の父役(ということは田村秋子の夫役)の、三津田健も、この時期各社映画に出まくっているのに、平凡人ばかり演じるキャラゆえ、いまいち話題にならず。
 しかし凡人ゆえの快は、いつ見ても、楽しい。個性豊かすぎる脇役だけが、名脇役にあらず、の典型だ。
 OLD映画モノにとっては、全員顔見知り(笑)の役者たちによる、全員善人の、ほのぼのホームドラマの親和性の快は、これまた応えられず、の快感なのですね。
 なおヴェーラの解説にもあるが、脚本木下恵介、音楽木下忠司の、本作主題歌は、作曲木下八郎とあるが、やはり木下兄弟の弟なのだろうか。
 なお、滝沢・高島父子の大家に、坂本武・清川虹子の、団子屋夫婦。その娘夫婦に、特別出演格で水島道太郎・相馬千恵子という、なかなかの豪華版。って、この設定そのものが、まんま寅さんやないかい(笑)。
 注目すべきは、中空の満月(合成か)を含む白黒撮影の見事さ。
 映画は白黒のままでよかったんじゃないか、とすら思わせる見事さ。いちいちのスタジオセットの見事さ。撮影・小原譲治、美術・松山崇 、照明・矢口明の完璧。
 夜の海岸撮影も見事。ただ、辻堂当たりの海岸の砂浜を、砂丘と称するタイトルは、明らかに、盛り過ぎだろう(笑)新東宝。
 
★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

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by mukashinoeiga | 2017-03-03 01:41 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

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