田中重雄「密告者」田宮二郎藤村志保江波杏子滝田裕介早川雄三夏木章

 神保町にて。「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集。65年、大映東京。
 未見の田宮二郎映画を見に行くときは、とてもうきうきする。本作もそうで、見る前も楽しいし、見ているあいだも楽しい。
 ということで、神保町シアターでは、来る5月に、「生誕80年記念企画 よみがえる田宮二郎――昭和を駆け抜けた狂熱の俳優人生」という特集を組んでくれるようで、うれしい。個人的には、例によって未見作極少なのが、難ではあるけれども。
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 以下、ネタバレあり。
密告者 S40('65)/大映/白黒/シネスコ/1時間21分 <神保町シアターHPより>
■監督:田中重雄■原作:高木彬光■脚本:高岩肇■撮影:森田富士郎■音楽:古谷充とザ・フレッシュメン■美術:上里忠男■出演:田宮二郎、藤村志保、江波杏子、滝田裕介、泉かおる、早川雄三、夏木章、毛利郁子
独特の色気とダンディズムで人気を博した田宮二郎主演の推理アクション。借金苦から裏社会に身を落とした男が、自分を罠にはめた密告者の正体に迫る。清純派の藤村とヴァンプ派・江波、妖美を競う二大女優も絶品。

 原作:高木彬光ながら、本作が、なぜ「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集で上映されるのか、イマイチぴんとはこない出だしなのだが。
 新人とクレジットされる泉かおる(例によって、その後とんと聞かない、新人だけで終わった女優さんか)演じるヒロイン?の、姉という一見地味な役に、新人とは比べ物にならないヒロイン女優・藤村志保が。
 その後新人女優より、藤村の比重がどんどん増してきて、ははん、そういうことか、と(笑)。
 一見地味な役に大物女優を起用、ということは、そいつが真■人という、横溝正史映画の原点?ともいうべきで、改めてこの特集の一本であることに、納得(笑)。

 冤罪で、殺人犯(容疑)で警察に追われ、同時に真■人の一味に狙われる逃亡者を演じて、田宮二郎日本一(笑)。サマになるなあ。
 大映東京映画で楽しみなのは、脇役陣の充実。TVドラマの人気者・滝田裕介を、ニヤニヤ笑いつつ、田宮をだます役に起用する、このセンス。いつも出番が少ない地味地味大映専属脇役・夏木章(独特なふわっとした、しゃがれ声が大好き)を、ヒロイン?の夫(つまり田宮の恋敵)という大役にフィーチャー、夏木章の出番が多い、というだけで、ただただうれしい。
 夏木章大フィーチャーは、ほかの田宮二郎映画でも、ありました。
 なお、刑事役に、早川雄三。このひとの声も好き。いやあ、大映脇役陣は、みんな、いいなあ。

★大映宣伝部・番外編の番外 (52) 早川雄三さん、夏木章さん、藤山浩二さん - 映画が中心のブログです!★
早川雄三さんは兵庫県の出身で、大映演技研究所は四期生ですから北原義郎さんと一緒です。長い長い脇役生活が多い俳優さんでしたが、大映での出演は優に200本を超えていると思います。会った時にお互い生活苦の話になり、彼から生活費稼ぎのためアルバイトで夜間のタクシー運転手をやりました・・・と聞かされたことが強い思い出として残っています。とても真面目で仕事熱心な方でしたが、大映後テレビでの活躍の方が目覚ましく、時代劇・現代劇を問わず悪役で活躍されました。平成22年に85歳で亡くなったと聞きましたが残念です。
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夏木章さんも最近亡くなったと聞きました。たしか昭和3年生れだったと思いますので今年で87歳の筈ですが、亡くなったのが本当だったらまたまた寂しい思いが続きます。この人の役柄も早川さんに似ていて、本数も負けないくらい出ています。特にガメラ・シリーズにはほとんど出ていて、私の頭の中に自衛隊司令官・新聞記者・博士役の夏木さんの顔が浮かんできます。私の友人に福岡大映劇場の支配人をしていた田中淳一(故人)という人が居ました。永田雅一社長が競馬の馬を持っていてこの世界でも有名でしたが、社長の持馬は田中厩舎に委託飼育されていた、その厩舎の息子です。夏木さんと田中支配人は、たしか大映演技研究所の同期だったようで、3人で食事をしたり飲んだりしたこともありましたが、わざと詳しいことを聞くのをやめた思い出があります。
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by mukashinoeiga | 2015-04-19 09:47 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

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Commented by サセレシア at 2018-10-10 20:37 x
志保リストの小生といたしましては、この映画初見
だったのですが、志保さまの登場した瞬間というか
台詞のトーンで「こりゃ何か一癖ある役かも」と
直感しましたです。
ヒロイン?と思しき妹に複雑な気持ちを抱いていたという事ですが、その事実をサラッと流してませんでしたっけ?
例えば異母妹とかなんですかね?
詳しくは原作を読めって事ですかね。

江波さんと志保さまのキャスティングを逆にしたのが
大映サイドとしては「してやったり」の態だったのでしょうか。

滝田祐介は何と言っても「細腕繁盛記」の駄目亭主に
尽きますな。
間違いなく陰の主演だったと思います。
世の駄目亭主たちに「まだ俺は良い方だ」と勇気づけた功績は大きいと思います。
Commented by mukashinoeiga at 2018-10-10 22:27
田中重雄「密告者」田宮二郎へのコメント、サセレシアさん、ども。
志保リスト 初めて聞きました。じゃぼくも志保リストだったのか(笑)。
 しかし志保さん、怪しげな演技すると、裏があることまるわかり。ミステリとしてはいけませんねー(笑)。
 昔の映画
 
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