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弓削太郎「黒の商標(トレードマーク)」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。63年、大映東京。
 大映「黒」シリーズを、見にいくことは、きわめて危険だ(笑)。
 既見作であるか未見作であるかが、タイトル、スタッフ・キャスト、あらすじからは、判別しがたいからだ。むろん、それは、第一に、ぼくの記憶力がきわめてずさんだからだが。
 他の各社にましての、大映の<無名の定食屋ぶり>が、際立つゆえんで。
 今回は、幸いなことに?見ていないものだった。
 ある特定の原作によるシリーズとは違って、ミステリ系の原作なんでも有りの雑食系ごった煮シリーズだから、特に「定食屋」感はハンパないにしても。
以下、ネタバレ有り。

『黒の商標(トレードマーク)』1963年(S38)/大映東京/白黒/79分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:弓削太郎/原作:邦光史郎/脚本:長谷川公之/撮影:石田博/美術:後藤岱二郎/音楽:池野成
■出演:宇津井健、藤由紀子、高松英郎、江波杏子、三島雅夫、浜村純、早川雄三、夏木章、谷謙一、南方伸夫、伊東光一
邦光史郎の『仮面の商標』を映画化した大映“黒”シリーズの一本。トレードマークに仕組まれた巧妙なからくり──。宇津井健扮する企業マンが、スーパーマーケットでの安売りの罠とそこで起こった殺人事件の究明に挑む。

 一流衣料会社の国際レーヨンのロゴKOKUSAIを、国産レーヨンなるバッタモンがそっくりKOKUSANとロゴをまねて、ニセブランドを大量販売させた。
 国際レーヨンの調査員・夏木章は、バッタモンの出先を調べるために、関西出張。
 日ごろは、大映専属の地味な脇役である夏木章(もっさりとした顔、もっさりとした口調でたいへん味のある)が、フィーチャーされているが、果たして冒頭五分も立たないうちに、殺されてしまい、再調査を宇津井健が、命じられる。

 この宇津井健も、不思議なスタアで、新東宝から流れてきて、地味な大映東京の社風にあったのか、いかにも大映ライクな主演者になりおおせた。
 一番似合うのが、堅実な若手サラリーマン役、というどうにもスタアになりにくい代物だが、妙に正義感の情熱を感じさせ、なりは平凡だが熱血漢な役を得意とし、本来ありえないはず?の、妙な華がある。
 刑事役より、検事、弁護士が似合う。
 今回の事件は、関西発のスーパーエースというスーパーが舞台。
 上記にせブランドの影の黒幕が、社長・三島雅夫だ。にせブランド偽造だけでなく、邪魔者を次々殺していく。手先には、腹違いの弟・高松英郎を使う。
 にせブランド多発だけでもモンダイだが、人殺しまで。関西発の新興勢力への、首都からの上から目線が目立つ発想で。ちなみに、関東初進出の川崎店へ、川崎駅前から公衆電話をかける宇津井のバックに、デカデカと「岡田屋」の屋上看板が(笑)。
 奇妙な情報ブローカーに浜村純というのは、ほとんど、出落ちに、近い。
 なじみの定食屋の日替りB定食。まあ、こんなもんだろ、の満腹感。

★Movie Walker★および★所蔵映画フィルム検索システム★のタイトル検索で、詳細な作品情報あり。ただし、簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)は、前者のみ。後者はスタッフ・キャストが超詳細。

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by mukashinoeiga | 2014-10-30 01:25 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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