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増村保造「原色の蝶は見ていた」由美かおる大和田伸也火野正平財津一郎

 京橋にて。「映画監督 増村保造」特集。78年、大映映像、俳優座映画放送、ANB。
 後年、多数のTVドラマを監督・監修した増村保造のTVドラマを、本特集では、一作のみチョイス。
 増村保造らしさは、あちこちで垣間見れるものの、まあ、TVサイズの凡作。

原色のは見ていた (72分・16mm・カラー)<フィルムセンターHPより>
1977年にテレビ朝日系列で始まり、長時間テレビドラマの先駆けとなった「土曜ワイド劇場」で放映された作品。原作は西村寿行のミステリー「原色の」。若い女をひき逃げしてしまった夫婦が、見知らぬ男から脅迫を受け、言われるがままに金を払ってしまう…。
'78(大映テレビ室)(監)増村保造(原)西村寿行(脚)山浦弘靖(撮)中川芳久(美)今井高司(音)山内正(出)由美かおる、大和田伸也、竹内亨、中村たつ、前川哲男、望月太郎、木村四郎、鈴木正幸、後藤緑、香川えり子、火野正平、財津一郎

原色のは見ていた 死の匂い <テレビドラマデータベースHPより>
交通事故で女性を死なせてしまった夫婦が現場を目撃した男から脅迫され、金をせびられる。【データ協力:たかし】
キー局 ANB 放送曜日 土 放送期間 1978/08/19
放送時間 21:00-22:24 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 土曜ワイド劇場
主な出演 由美かおる、大和田伸也、財津 一郎、火野 正平、竹内  亨
主な脚本 山浦 弘靖
主な演出 (監督・増村 保造)
原作 西村 寿行「原色の
局系列 ANN 制作会社 大映映像、俳優座映画放送、ANB
音楽 山内  正
 このサブタイトルは、今回のプリントには、なかった。
 当時は2時間ドラマでは、なかったのか?

増村保造「原色の蝶は見ていた」由美かおる大和田伸也火野正平財津一郎_e0178641_22361811.png ここで、やはり注目したいのは、由美かおるか。たいへん、きれい。
 ただし、やはりマスマスムラムラらしく切迫感あるしゃべり方。絶えず顔面蒼白な立場に置かれるので、白塗りのドーラン(笑)。
 しかしその、マスムラ式一本調子のしゃべり方は、由美かおるのように演技に難があると、かなり、見ていて、つらいことになる。彼女の演技の難というのは、いわゆるアイドル演技から一歩も外に出ていないので、やはり大人の演技は、無理があるという。
 甘い甘いしゃべり方も、サスペンスの悲劇には、不向きで。
 だから、冒頭、海岸で、水着で、サイレントで、最高の笑顔で、もとカレと抱き合い、キスするシーンの、なんと美しく光り輝いていることか。こういう役柄で最後まで行けば、由美かおるのアイドル演技も生きるというもの。
 彼女に、苦悩する人妻の役は、徹底して、似合わない。
 ましてや、マスムラ式演技では、その苦悩っぷり(笑)も、当社比130パーセントの濃厚さに跳ね上がるのだから、似合わなさは、おびただしいばかり。

 しかし、どうして、こうも、マスムラドラマの女性たちの演技は、一本調子なまでに一本調子なのであろうか。
 これが演技的相性バツグンの最高演技女優・若尾文子なら、その最高の演技を引き出すのだが、江波杏子から由美かおるまで、演技が硬すぎる新人女優だと、総崩れの、痛ましいお人形芝居に、なってしまう。
 映画留学した、イタリア式の、アグレッシブ演技の応用なのか。それが消化できる女優と、出来ない女優がいる、ということにも、お構いなしのマスムラメソッド。
 ただし、甘い声でせりふを言わないときの、無言のときの、由美かおるの<切迫した蒼白な顔のふるえ>には、捨てがたいものがある。このときの、無言の彼女は、確かに、増村保造的演技を、生きている。

 そして、大和田伸也、財津一郎、火野正平ら、由美以外の演技は、平常どおりの、フツウの演技。
 この落差は、なんだろう。男の演技には、興味が、ない、ということか。まあ、男の演技も、マスムラ式にいじっちゃうと増村保造「曽根崎心中」の、主演男優の醜態にまで、いたってしまうのだが。
 ドラマ自体も、増村保造らしい<小振りさ>、いかにも増村保造な<小銭なドラマ>。

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by mukashinoeiga | 2014-09-07 04:27 | マスマス増村保造ムラムラ | Comments(0)

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