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森一生「螢(蛍)の光」菅原謙二、市川和子、若尾文子、船越英二、矢島ひろ子、八潮悠子、東山千榮子、三宅邦子、滝花久子、潮万太郎、直木明、丸山修

 京橋にて。「日本の初期カラー映画」特集。55年、大映東京。
 まだまだ高校生役の若尾文子主演メロドラマ。ただし俳優序列は、船越英二、菅原謙二に次ぐ三番目。
 高3で退学して家業を継ぐが、下記紹介で能装束となっているが、実際に映画で作っているのは、女性向けの振袖。
 おそらく、原作の能装束では一般的にはなじみがないということで、振袖に変更されたものと思われる。
 実際、若尾文子が着る和服の絶美に、ため息のカラー映画

 内容は、はっきり言ってお粗末。

螢の光 (76分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
戦後初の百万部雑誌となった「平凡」連載の川口松太郎の小説を映画化。両親に死に別れ、妹の為に学校を退いて縫箔ぬいはく(刺繍と金銀の箔を併用した能装束)の仕事を継いだ玲子(若尾)だが、実母の出現、自動車事故、親友との三角関係などの難事に次々と巻きこまれ…。
'55(大映東京)(監)森一生(原)川口松太郎(脚)笠原良三(撮)長井信一(美)髙橋康一(音)伊福部昭(出)菅原謙二、市川和子、若尾文子、船越英二、矢島ひろ子、八潮悠子、東山千榮子、三宅邦子、滝花久子、潮万太郎、直木明、丸山修
◆イーストマンカラー
米イーストマン・コダック社は、1935年に世界初の多層式カラーフィルム「コダクローム」(外型反転)を発表。主に8mmや16mm映画で用いられた。1950年には35mm映画用で内型ネガ・ポジ方式の「イーストマンカラー」を発表し、以後テクニカラーに取って代わりカラー映画市場の中心を占めていく。日本では大映が意欲的に研究・採用し、これに合わせて東洋現像所(現IMAGICA)が1953年、イーストマンカラーの現像処理工場を完成させる。

 高3の姉が退学して、高2妹を養う、って、年齢差が近すぎないか(笑)。せめて、二、三歳は離さないと、リアルじゃなかろう。
 また、生みの母(三宅邦子)にいきなり再会して動揺するあまり、駆け出して、交通事故。
 接触した車の加害者男と、被害者女の出会いと結びつきの成瀬巳喜男的メロドラマな展開。なんだが、この交通事故メロドラマの「要諦」とは、文字通り、事故が運命的出会いとイコールにある、という点だ。出会ってはいけないフタリが、不意の事故で、不可避的に出会ってしまう、という。このあたりについては、当ブログ「成瀬巳喜男映画の正体」を参照されたい(笑)。
 ところが、本作の場合は、もともと中途半端な出会いをした菅原謙二との遭遇再会であり、事故車はタクシー、菅原は「ぼくはたまたま、タクシーに乗りあわせた客なんだし」と、責任回避。イヤ、そりゃ、当たり前だよね、単なるタクシー客では、出会いがしらの衝突的いきなりの出会いの責任なんて、取りようもないだろうし。
 若尾の親友が、菅原と親どおしが決めたいいなずけで、若尾は身を、引く、といっても、この親友自体が、菅原を好きでもなんでもない、というのが、メロドラマのセオリーに、反しているし。
 菅原の母・東山千栄子や、三宅の存在も中途半端。
 父の弟子・潮万太郎のコミカル演技と、若尾文子の可憐さを楽しむ映画。
 なお、若尾が菅原から逃げるように家出して、いきなり稽古場で集団ダンスの、唐突(笑)。しかも、若尾と集団は別撮りか? さらに、他のみんなはへそ出しセパレーツの稽古着なのに、若尾のみ、へそも隠す、ぴっちり衣装。
 さすが、アイドル女優のへそ出しはNGということでの、別撮り対応か。イヤ、別に若いあややのへそ出しルックが、特に見たかったわけでもないが(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-05-04 09:35 | 大映京都学校 森一生佐 | Comments(0)

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