「黄金の野郎ども」「二連銃の鉄」「サラリーマン物語 大器晩成」

江崎実生「黄金の野郎ども」
 阿佐ヶ谷にて。「蔵出し!日活レアもの祭」特集。67年、日活。
 ヤクザの石原裕次郎が、子分の玉川伊佐男、郷鍈治を引き連れて横浜に乗り込む。相手は、宍戸錠・藤竜也兄弟が仕切る組だ。
 藤が殺され、宍戸は「俺のたった一人の弟を殺しやがって」と、石原らに復讐を誓う。ちなみに、郷鍈治は宍戸の実弟。
 タイトルからすると、青年期裕次郎の軽快アクションを思わせるが、中年に差し掛かった裕次郎の、ハードボイルド調なのが、違和感。
フィルムノワール気取りではあるが、誰もいないキャバレーで、ピアノを弾きつつ甘い歌声の裕次郎。いい意味での裕次郎の甘さが、ハードボイルドを、裏切る。しかし、全体的には、良作。
 ラスト、二本柳寛が、俺たちと一緒にレストランをやらないか、と裕次郎、郷鍈治に、持ちかける。
現代の香港、韓国映画の「やくざが足を洗ったら、レストランを経営する」そのさきがけか。
 なお美術は、千葉和彦だが、その師匠・木村威夫美術の日活映画でおなじみの、特徴ある文様のドアも、使いまわし。

★日本映画データベース/黄金の野郎ども★

阿部豊「二連銃の鉄」
 阿佐ヶ谷にて。「蔵出し!日活レアもの祭」特集。59年、日活。
 北海道のあちこちを流れる小林旭。誓い合いつつも、行き違いから別れてしまったかつての女と、そっくりの女が酒場のマダムにいたり。
 当然南田洋子一人二役。実は、恋人の実姉だったりするメロドラマ。幼い弟に、幼い江木俊夫。
 旭を執拗に付けねらう阿部徹船長。こちらが悪いほうの船長なら、善玉船長が二本柳寛
いつもの深く実のある美声、ゆったりした大型動物のような、つまりトトロ(笑)のような、リアルくまモンのような(笑)安定感。いいなあ。原節子もついていく(小津安二郎「麦秋」)わけだよ。
 なお、旭は快曲「ダイナマイトが150屯(トン)」を余裕でかます。
 大滝詠一編の小林旭CD全集が出たときは、狂ったように聞いていた、その一曲。
 なお、こちらの美術はキムタケだが、安全運転に徹した余裕の実力作。

★日本映画データベース/二連銃の鉄★

春原政久「サラリーマン物語 大器晩成」
 阿佐ヶ谷にて。「蔵出し!日活レアもの祭」特集。63年、日活。
 桂小金治、山田吾一、野呂圭介トリオが繰り広げる、お気楽サラリーマン喜劇。
 小川虎之助社長、天草四郎らが、重役会議。小金治ら社員は、仕事をサボって、地下ボイラー室に隠れ、隠しマイクからの会議実況に聞き入る。なんというお気楽さ。社員の一人が誤って、ボイラーの起動部を触ったものだから、会議室は過重暖房。
 汗かきかきの重役連は、とうとう我慢できず、「なんとかしろ」。 あわてた社員らは、今度は超冷房に。
 分厚い毛皮コートに、顔からツララを立てて、寒さに震える重役連。
 小金治、吾一、圭介らは「社長令嬢」松尾嘉代のキス、結婚を目当てに、張り切るが、田舎から小金治の婚約者だという芋娘(九里千春珍演、歌も歌う)も出てくる。島津保次郎「婚約三羽烏」のパクリか。
 お気楽に見てれば、そこそこたのしい。日活子飼いの野呂圭介は、役柄上は小金治、吾一と同格(彼の主演作は、珍しい)だが、クレジット上は、ふたりよりはるか下に。

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by mukashinoeiga | 2013-10-06 10:30 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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