日高繁明「手錠をかけろ」池部良佐藤允三津田健野口ふみえ若林映子星由里子

 阿佐ヶ谷にて。「漢★佐藤允!BANG!BANG!BANG!」特集。59年、東宝。
 原作・樫原一郎「トランペット刑事」とクレジット。
 何のことかと思ったら、警察に入り、さてこれから交番勤務か、というときに、警察音楽隊志望で、トランペット吹きになった佐藤允のこと。だから正確には刑事では、ない。「トランペット巡査」。
e0178641_5291480.png 頑固一徹の三津田健刑事は、息子が自分のあとを継いで、警察に入ってくれたうれしさが、楽隊屋になったことで、裏切られた思い。
 三津田の後輩刑事・池部良は、「何も刑事だけが警察じゃない。音楽隊も立派な警察の一員だ」と理解がある。
 三津田・佐藤允親子と、一家ぐるみで付き合いのある、隣家の老人が殺されて、事件の幕が開く。老人の孫に野口ふみえ。野口は、佐藤允のガールフレンドだ。
野口ふみえ、笑顔はかわいいのだが、表情に、薄幸感があり、ちとスタア女優の華やかさに欠けるのは、いつものとおり。結局、主演女優としては、長いキャリアにはならなかった。
 むしろその他大勢にクレジットされる、若林映子がキュート。すぐ出てきて、次のシーンでは殺される愛人役だが、このひともなかなかその他大勢から抜け出せなかったのは、惜しい。
 なお、この映画、もうひとり、その他大勢にクレジットされるのは、星由里子。発見できず。大勢のドンくさそうな女の子が、いかにも悪辣な南道郎に誘拐監禁されるが、その一員だろうか。
 南道郎といえば、渋いしゃがれ声が絶品。この声を聞いているだけで、幸福になるワタシはヘンタイだろうか(笑)。毎度毎度の悪役もうれしい。
 なお、ラピュタのチラシ解説には、佐藤允主演映画なのに、一枚看板は池部良、おかしいじゃないか、とのことだが、実際に見てみると、まず映画は、池部良視点で始まり、次に佐藤允エピソードが続き、さらに三津田健が中心になる。以下、この三人が交互に主役となるエピソードが繰り返される。
 新劇出身の味のある名脇役の三津田健はともかく、実質は池部良・佐藤允のW主演といって言い。正確には、二枚看板にすべきだが、当時佐藤允とは比べ物にならない大スタアの池部が、一枚看板になるのも、やむをえない。妥当なところだろう。
 悪役の、親分はよくわからないが、中田康子(キャバレーで歌うヴァンプ)、南道郎、池部の相棒刑事・有島一郎と、俳優陣も充実。アチャラカを一切封印した有島は、いい。
 実は有島のアチャラカ、いつも面白くないんだよね。やせてるひとのコメディには、痛々しいものがある気がする。やせたコメディアンでいいのは、若いころの堺正章だけ。
 なお佐藤允は、この駄文の1コ前に書いた福田純「吼えろ脱獄囚」では、「トランペットやくざ」でありました。

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by mukashinoeiga | 2013-09-11 00:13 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(1) | Comments(0)

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