清水宏「泣き濡れた春の女よ」大日方伝(傳)岡田嘉子大山健二小倉繁村瀬幸子
京橋にて。「生誕110年 映画監督 清水宏」特集。33年、松竹蒲田。96分。
清水のトーキー第1作とのこと。ちょっと、まだ、硬いところが、ある。
本作の翌年34年の★島津保次郎 「隣りの八重ちゃん」★で、世間ずれのしていない、初々しい大学生をホントウに好演した大日方伝(傳)が、ここでは、流れ者の炭鉱夫という、一種の汚れ役。こちらも、なかなか。
大日方伝、流れ流れて北海道へ。常連快優・大山健二親方の元、相棒・小倉繁との炭鉱暮らし。
やはり同じ船で流れてきた、酌婦というか女給というか、そういう女たちのまとめ役・岡田嘉子に思いをかけられ、でも大日方は、かわいい千早晶子のほうに関心がある。
これに例によって(笑)岡田嘉子に岡惚れの大山健二も含めての、四角関係のメロドラマ。
なのではあるが、大山健二パートのコミカルタッチと、岡田パートのメロ部分が、いささか水と油な消化不良感。
「隣りの八重ちゃん」でもそうだったが、岡田嘉子の新派っぽい、ねとねとっとしたしゃべり方が、他の俳優たちの映画的エロキューションから浮いていて、どうも映画から疎外されているようにしか思えない。
女給のひとりに、村瀬幸子。地味な顔で、最初はエキストラの一人かと思ったら、声でわかった。あの村瀬幸子独特の声は、変わらない。
前年の★清水宏「七つの海 処女篇」「貞操篇」★でも、活躍していた。この時期の清水お気に入り女優なのかも。
北海道ロケの撮影・佐々木太郎の、素晴らしさ。
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by mukashinoeiga | 2013-07-30 09:10 | しぃみず学園清水宏おぼえ書 | Comments(0)