衣笠貞之助「大阪の女」京マチ子中村鴈治郎船越英二高松英郎角梨枝子丹阿見谷津子

 阿佐ヶ谷にて。「映画プロデューサー藤井浩明 大いなる軌跡」特集。58年、大映東京。5/4(土)まで上映中。
e0178641_426366.png これはこれは。なかなか、濃厚な、快作な、人間ドラマ佳作ではないですか。
 大阪天王寺界隈の、貧乏な芸人たちが集まって住んでいる「芸人村」なる、芸人長屋の、濃厚なる人情コメディ。
 夫婦漫才で鳴らした中村鴈治郎、相方の女房が死んで、引退。その娘に、京マチ子。この京マチが、バツ1なのに、超純真娘。
 鴈治郎(なぜか頭がイレイザーヘッド状態なのが、笑える)をはじめとして、山茶花究ら、せこい、濃い、あつかましい、がさつな、芸人たちが、ひたすら、おかしい。
 そのなかでの、掃き溜めに鶴な京マチの愛らしさ。コメディだから、眉濃い目ぼさぼさメイクなのが、よけい、愛らしい。身も心もふくよかな、京マチキャラを生かした、ベスト・マッチング。
 そして、船越英二と、高松英郎が同等の、いや、高松が同等以上の二枚目キャラというのが、うれしいやな。以降、大映B級ギャング映画の、汚れキャラ専門と化していく高松が、ほろりとさせる。
 <掃き溜めの鶴>京マチを際立たせる<掃き溜め>役として、色仕掛けで男をたぶら化す素人・角梨枝子、同じく色仕掛けで男をたぶらかす玄人・丹阿見谷津子、ただただ女の情念怨念我欲にまい進する女・倉田マユミの、それぞれの絶品さ。この三人の、素晴らしさ。
 丹阿見なんて、飲み屋で、ちらりと映る後姿にさえ、爆笑。明らかに大金見せびらかす雁治郎に、目をつけた、のが、丸わかりで。ナイス
 丹阿見、お上品な奥様役も多いが、夫君・金子信雄共々の、お下品路線をもっと、まい進してほしかった(笑)。
 高松、角の、妹・小野道子(トルコ嬢役)って、意外とナイスバディだったのね、の、さばさば快演も、楽しい。
 彼ら彼女らの快演を得て、京マチの主役オーラが、さらに、引き立つというもの。

 鴈治郎京マチ父娘の、大家的立場の賀原夏子は、いいんだけれど、関東もんのイメージのある賀原より、浪花千栄子のほうがベストだったか。
 そう、この映画、大阪が舞台なのに、製作は大映京都にあらず、大映東京。
 ということは、実景ロケの大阪都市風景はもちろん大阪ロケだろうが、天王寺界隈のこまごまとした長屋、商店街は、東京でのオープンセット、およびスタジオでの作りこみなのか。すばらしい。もちろん、大映美術スタッフの職人芸については、いまさら言うまでもないことだが、それにしても、やはり、すばらしい。美しいアグファ・カラーの、ほぼニュープリントで見る、大映美術職人たちの完璧さ。ああ、眼福眼福。
 これは、ある時期の大映に特有のことだが、エンドマークが出て後、そういう職人スタッフのみの、クレジットが、画面をせり上がってくる。ここで、ぼくは、いつも心の中で拍手するのでありますね。
 ただ、全面的にほめられないのは、やはり、戦前からのヴェテラン監督の演出に、やや、しまりが、ないのね。そこが、カキンか。
 しかし、京マチ、大映美術、さまざまな見所があり、オススメで。
◎追記◎映画のラストのほうの、かしまし娘と、チョイ角梨枝子、京マチクリップ。ただし、今回阿佐ヶ谷で上映された、ため息が出るような鮮烈なアグファ・カラーとは、大違いの低画質で。


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by mukashinoeiga | 2013-04-29 20:31 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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