山本嘉次郎「愛の歴史」司葉子「禁猟区」内川清一郎
阿佐ヶ谷にて。「現代文学栄華館 昭和の流行作家たち2」特集。59年、東京映画、配給=東宝。

それなりの名匠扱いの山本嘉次郎(ただし、ぼくは、それを認めてはいない)にして、このぐだぐだは。
原作田村泰次郎は「肉体の門」の人、未読のまま勝手に推測すると、この純愛メロと、肉欲メロの田村は、筋違い? 脚本(須崎勝弥&山本)が、あまりにダメダメだった(たぶん)ため、巨匠、まったくやる気をなくし(たぶん)、おそらく助監督に丸投げしたか、本来NGを出すべきところも、すべて、「はいはい、オーケー、オーケー、次、いこー」と。

二人の新人女優が出てくるのだが。主人公・鶴田浩二の、やばいウラ仕事仲間・小泉澄子、ヒロイン・司葉子の従姉妹・谷崎碧。
この二人の演技がまったくだめ、まあ、与えられたせりふもひどいのだが。
特に従姉妹役の女優の、はじけ切った演技が、超ウンザリ。まったく、ど素人そのもので。
この、恐るべき演技も、演技指導するとか、編集で出番を減らすとか、せめて、カットを割ればいいものを、なぜか、ど素人演技に限って?長まわし。いや、あまりにぐだぐだの演技だから、長まわしに感じるのか。
戦時中の中国最前線。女学校出立てで、すぐ従軍看護婦になった司葉子(ホントに、初々しい)が、野戦病院で出会った負傷兵・鶴田浩二。敵襲迫る中、二人取り残されて、取る自殺の方法が、いささか少女趣味。
残る銃弾は一発のなか、ふたりは互いに背中合わせに。
鶴田が自分の心臓を撃つと、貫通して、そのまま司の心臓を射止める・・・・って、そんな成功率の低い、かつ少女趣味?なやり方って(笑)。
戦後は、互いに連絡取れず・・・・。ついには、司は、藤木悠と、政略結婚する羽目に。ここの藤木は、まだ、三枚目になる前の、それなりにまじめな青年。
音楽が小関祐而ということで、出てきました、当時大流行のハモンド・オルガン。ハモンド・オルガンが高鳴るメロドラマに、傑作なしの法則は、ここでも証明された形か。
なお、この特集で、感想駄文を書き漏らしたものが、ひとつ。
内川清一郎「禁猟区」
阿佐ヶ谷にて。「現代文学栄華館 昭和の流行作家たち2」特集。61年、松竹京都。
社長・東野英治郎の愛人として、贅沢三昧の生活を満喫してきた、高千穂ちづるが、東野亡き後、普通のサラリーマン・田村高広と結婚、ふつうの専業主婦になるものの。もちろん「愛の歴史」よりは、はるかに面白いのだが、まあ、ふつう。
高千穂ちづるは、典型的な「きれいなだけじゃダメなのよ」の女優。
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by mukashinoeiga | 2013-04-03 20:51 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)