人気ブログランキング | 話題のタグを見る

武智鉄二「源氏物語」

 渋谷にて。「武智映画100年 孤高の表現者とそのむすめ」特集。66年、源氏映画社=配給・日活。
 武智鉄二「戦後残酷物語」が18禁というのは、納得だが、本作までも18禁とは。
 女の裸が部分部分、尻とか、バスト上部が出てくるが、具体的に性描写は、少ない。日活がらみということか、浅丘ルリ子、芦川いづみ、山本陽子、和田浩二も、出ているが、もちろんその種の描写は、ない。
 皇族の光源氏が、父である天皇の妻(光源氏には義母に当たる)に懸想、密通し、天皇の妻に自分の子供を、産ませる。その子が、次の天皇に、なっていく。また、自分の妻も、ほかの男と密通し、その男との間に出来た子を、認知して、新たに皇族に加わっていく。
 そういう義母との密通、皇室スキャンダルが、さして性描写も多くない本作を、18禁に「押し上げた」のか、それとも、やはりこの程度でも、充分当時は、刺激的だったのか。
 芦川いづみが、義母・藤壺。義理の息子の光源氏に抱かれて、あえぎ顔。芦川いづみとしては、がんばっているが、ちょっと、痛々しい。
 なにより、光源氏役の、花ノ本寿、もとは舞踊の15世花ノ本流宗家の、家元らしいが、こいつのがどの映画に出ても、生彩を欠く、凡庸な二枚目。本作でも、そう。
 皇室に対して、茶化す意図を内に秘めつつ、しかし、あんまり脱線したら、古典劇としては、まずい、そういう性格のもと制作されたので、なんともキマジメな、凡作となるのは、致し方なしか。のちの日活、神代辰巳「壇の浦夜枕合戦記」の、高度なセンスと比べるのは、クマシロに失礼か(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

by mukashinoeiga | 2012-08-03 09:22 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード