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工藤栄一「胡蝶かげろう剣」

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン64・桜町弘子」モーニング特集。62年・東映京都。6/8まで上映中。
 (一部の)都内名画座のファンたちは、今月の飯田蝶子特集、西村晃特集に、盛り上がっているという。 ちっちっちっ(と、右手人差し指を左右にメトロノームして)、甘いぜ(笑)。真のOLD映画ファンは、今月、桜町弘子の、特殊な?露出に、注目しなければならない(笑)。
 4月下旬~7月上旬まで、ラピュタ阿佐ヶ谷で本特集開催中。6/7~13に、池袋文芸坐にて「生誕百年 快剣士 大友柳太朗映画祭」でも、5本以上の出演作上映。おなじく6/28~7/6の池袋文芸坐で「検証・日本映画Vol.10 加藤泰 あるいは屹立する情念」でも、加藤泰映画最強のヒロイン女優として、数本の出演作。
 しかも、6/9には阿佐ヶ谷で、6/12には池袋で、本人来場のトークショーがあるという。同じ週に、別会場で2度も、トークショー、蝶子や西村晃には、無理だろ(笑)、というか、そもそも、これは、都内の名画座界としても、初めての事態ではないか(笑)。新作映画の舞台挨拶でも、あるまいに。

 さて、桜町弘子とは、何者か。1950~60年代の東映時代劇の、ヒロイン女優の一人。いわゆる<東映城のお姫様女優>の、ひとり。しかし、華やかな丘さとみ、大川恵子、妖艶な、最強の和風セクシー千原しのぶ、らに比べると、何だか、軽量級の扱いも、感じるのだ。
 美人か、というと、やや微妙。丘さとみや、大川恵子、千原しのぶは、文句なく美人なのだが、桜町弘子の顔や演技には、何だか、雑味が、ある。下唇が、かすかに突き出ていて、あごも、ビミョー。でも目力があるので、美人度アップ。
 一言で言えば、ブスかわいい。
演技力がある、アイドル女優というところか。たぶん、同性には嫌われそうな、顔、しぐさ、演技の女優だと思うが?どうだろう。男であるぼくも、見ていて、これはきついわ、性格悪いんじゃないか?、と思うときもあるし、桜町弘子、許す、というときもある。
 そう、桜町弘子は、<誰が見ても、好きになる、東映城のお姫様女優>のなかで、ゆいいつ、顔だちもビミョーなら、キャラも、ときにウザい(笑)。この顔で、アイドル女優は、ないだろうという顔を、ときにする。しかし加藤泰映画の彼女は、最強だ。来週の阿佐ヶ谷でも、池袋でも、上映される「車夫遊侠伝 喧嘩辰」の彼女のすばらしさ。加藤泰流ラヴコメ傑作。今回の阿佐ヶ谷でも見逃し、池袋ではぜひ見たい「骨までしゃぶる」には、個人的に期待。

 さて、やっと(笑)本作の感想駄文だが、本作は東映チャンバラ時代劇としても、異色だ。
 監督工藤栄一は「十三人の刺客」など、東映時代劇極北のハードボイルド、集団時代劇で有名なのだが、こんな甘アマの映画も、作っていたとは。東映チャンバラは、お子様のファンも多い。恋愛ファクターもあるにはあるが、ほんの味付け、メインは老若男女にわかりやすい、勧善懲悪チャンバラだ。
 しかし、東映時代劇のなかでは、珍しいことに、本作はチャンバラが従で、恋愛ファクターがメインなのだ。もちろん工藤栄一は、従のチャンバラも、きっちり撮っている。すばらしい。
 東映チャンバラでも珍しい、メインの恋愛は、旗本卍組のリーダー・里見浩太郎と、桜町弘子。このふたりの、チャンバラより、恋愛重視のラヴ・ストーリー。
 里見の同輩旗本に南方英二。東映大部屋俳優から、チャンバラトリオへ、北野武映画の常連へ。なかなか目立つ。千原しのぶのカレにして、スリの曽根晴美も、いい。
 最初のシークエンス、喧嘩する里見らを見ている、桜町弘子と千原しのぶのツーショット。ふたりのファンには、うれしい出だしだ。不安定女王?の、桜町に比べて、絶対の安定感のあだっぽさ。千原しのぶも、もっと、評価されていい女優だ。
 お子様も見る東映チャンバラの、異色の恋愛モノ快作で。とにかく、こんなに恋愛ファクター重視の東映チャンバラ時代劇は、初めて。

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by mukashinoeiga | 2012-06-07 00:23 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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