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川崎徹広「豚と金魚」若林映子上原謙トニー谷飯田蝶子藤木孝

 阿佐ヶ谷にて。「現代文学栄華館-昭和の流行作家たち」特集。62年、東宝。
川崎徹広「豚と金魚」若林映子上原謙トニー谷飯田蝶子藤木孝_e0178641_08249.jpg 傑作というわけではないが、見ていて、とても楽しい、明るくて、ほのぼのとする映画。年末年始にこんな映画を見られることの幸福。1月3日まで、上映中。絶対の映画ではないが、ぼく的には、絶対のオススメ(笑)。

 お楽しみその1。ヒロイン・若林映子が、大半のシーンで、バスト上部を露出している(笑)。明るく健康的なお色気の楽しさ(笑)。いや、これ、バカにしちゃ、いけませんぞ(笑)。
 この当時の、1960年代初期の、東宝メジャー映画で、当時の日本(および世界でも)の一般映画で、東宝専属女優が、こんなに胸チラを、しかも、1シーンのみならず、かなりエンエンと胸の谷間を見せるのは、異例中の異例なんだから。明らかに、女優本人、および監督が意図的に<共犯>しなければ、ありえべからざる事態なのだ(笑)。
 若林映子自体が、もともと、はつらつとした、あっけらかんな、健康なお色気が自然とにじみ出る天然キャラ、本作でもはじけまくっていて、すばらしい。それに加えて、この胸チラ大盤振る舞い(笑)。
 ありがたや、ありがたや(笑)。うつくしいカラー・ニュープリントで、これを拝める。眼福。

川崎徹広「豚と金魚」若林映子上原謙トニー谷飯田蝶子藤木孝_e0178641_7103233.jpg お楽しみその2。脚本が松木ひろし。松木ひろしといえば、のちの「おひかえあそばせ」「雑居時代」「気になる嫁さん」「水もれ甲介」など、日本テレビでの<石立鉄男コメディ・シリーズ>で、絶対のコメディドラマを主導したシナリオ・ライター。本作でも、のちのクドカン、三谷幸喜など及びもつかぬ、コメディ・センスを披露。いや、監督の演出がナニなので、若干損しているが、細かいギャグの台詞とか、トニー谷のラーメン屋で、いつもはラーメン50円なのに、意地を張って150円のスペシャル・ラーメンを注文する飯田蝶子、その<150円のスペシャル・ラーメン>にも、大爆笑。これが、スペシャルって(笑)。

 お楽しみその3。原作が梅崎春生。梅崎春生といえば、大快作「つむじ風」を、昔は何度も何度も読みました。その映画化で、風来坊の主人公を、渥美清とは、これまた、ベスト。楽しい楽しいコメディ。本作も、だから、ニコニコものの、映画に、なりました。

 お楽しみその4。その梅崎春生自身が、モデルだろう、三流小説家に、上原謙。実は、本作は、この当時としては、珍しい、実質・上原謙の主演作。この上原の、コミカル演技が、またまた、いいんだよね。最近は、なぜか「アツカマ氏とオヤカマ氏」など、上原のコメディ演技に当たることが多いが、本作も、なかなか。上原謙を、大根といったヤツは、誰だ。戦前二枚目もいいが、戦後の三枚目、ないし二枚目半も、素晴らしい。

 お楽しみその5。上原謙の隣家・飯田蝶子おばあちゃんの家に下宿する、画家の卵にして、歌も歌うノーテンキなんでも屋に、好青年・藤木孝。もちろん、当時の人気歌手なのだが、そのC調青年ぶりが、ああ、いいなあ。明るい、軽い、いい加減、楽しい。これ、偶然にも、<真のお正月映画>なのではないか(笑)。

川崎徹広「豚と金魚」若林映子上原謙トニー谷飯田蝶子藤木孝_e0178641_794228.jpg お楽しみその6。ひっじょーに、味わい深い、悪役に、ニヒルでコミカルな、絶品気持ち悪さの、絶品おかしい、トニー谷。全盛期より素晴らしい、楽しい<やなヤツ>。ああ、素晴らしい。
 元祖・高田純次とも言うべき、渡辺篤の、養豚場主人、元祖あつかましおばさんの、若水ヤエ子。定番ながら、いいなあ。

なお、多摩川ベリでのオールロケ。その、いまでは失われた風景の数々を、ていねいにロケ。好ましい。
 そして、川べりで、自転車の若林映子、ふいの大風に、スカートまるめくり、白いパンツ丸見え、このアクシデントの素晴らしさ(笑)。奇跡のワンショット(笑)。
●追記●いや、アクシデントと書いたが、あまりに若林映子の堂々ぶり。これは、意図的な、パンチラか。いや、パンチラというのは無理なほどの、パンモロなのは、これは、マリリン・モンローへのオマージュか。ちなみに、本作公開半年後に、マリリンは、亡くなっている。
くしき因縁か。


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by mukashinoeiga | 2011-12-26 23:41 | 傑作・快作の森 | Comments(0)

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