西河克己「東京の人・前後篇」芦川いづみ月丘夢路左幸子滝沢修葉山良二芦田伸介
神保町にて。「可憐な娘たち 守ってあげたい芦川いづみ」特集。56年、日活。
かったるいメロドラマ。126分の総集編なので、かったるさも、倍増。
芦川いづみは、登場の頃の数シークエンスは、お得意の<特殊児童>演技、ちょっと頭が足りない感じ。なのに、それ以降は、ごくふつうの娘のよう。何らかの軌道修正をしたような。
妻と死別した滝沢修は、娘・芦川いづみを連れて、月丘夢路と再婚。
月丘にも、左幸子・柴恭二の子が、ある。最初の夫は、戦死。
月丘は、義理の娘・芦川と、べったり仲のよい母娘。大きくなったいまも、毎晩、お風呂も一緒に入る仲。
実の娘・左は、当然自分の母親を独占する義理の妹が、気に入らない。女優になり、家には寄り付かず、劇団の役者・金子信雄と同棲する。妊娠する。堕胎する。捨てられる。
柴恭二は、義理の妹・芦川に発情していて、何かと、絡んでくる。潔癖な芦川は、「お兄さん、きらいよ」。
滝沢修は雑誌社経営が行き詰って、会社と家庭の両方から失踪して、ホームレスに。元・秘書のアラタマは、ホームレスになっても、好きな人、と滝沢一途の愛。
夫が行方不明の月丘は、年下の医者・葉山良二と、愛欲にふけるが、葉山の兄・芦田伸介は、「弟・葉山の嫁さんには、ぜひ芦川を」と、話は、どんどん複雑に、メロ化していく。
登場人物が入り乱れ、話はだんだん複雑になり、メロドラマの要素は満点なのだが、この種のメロドラマにありがちなように、登場人物は、みなうじうじ悩むばかり。話は、全然、すっきり、しない。先へ、進まない。
もう、かったるくて、かったるくて、しょうがない。
やっぱり、日活にメロは、向かないよ。メロの本場・松竹の助監だった西河にも、どうしようもない。
ただ月丘夢路のセクシーさ、芦川いづみの可憐さのみ、いい。
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by mukashinoeiga | 2011-05-21 00:02 | 芦川いづみ:青春快談いづみ晴れるか | Comments(0)