人気ブログランキング | 話題のタグを見る

西河克己「しあわせはどこに」芦川いづみ 葉山良二 二本柳寛 山根寿子 宍戸錠

芦川いづみのさわやかさもさることながら、葉山良二の好漢ぶり、二本柳寛のさりげない大人の魅力、皆々素晴らしい。母・山根寿子もいい。色悪というか、宍戸錠の、酷薄なる不気味さもいい。
 神保町にて。「可憐な娘たち 守ってあげたい芦川いづみ」特集。56年、日活。
 ついこの間、ここに、こう書いた。
>ぼくも未見「やくざの詩」「東京の人」「しあわせはどこに」を見たい。
 で、この3本を見に行きました。けっきょく「東京の人」「しあわせはどこに」は、既見作で(泣)。ぼくの記憶力はどこに(泣)。
 2/3は、いわゆるふつうのメロドラマ。芦川いづみが、親なしっ子なので、会社の就職に不利になる。いまは、たぶん、ないとは思うけれど、そういう時代が、ありました。親の力が評価されていた。いまは、両親そろっていても、ふたりともバカ親だったら、かえっていないほうが良いくらい? その芦川に好意をいだく葉山良二と、芦川を欲望のままに狙う宍戸錠との、三角関係、芦川のかわいさもあって、好感触。
 ところが、ラストはアクションもの(場末の倉庫での乱闘)になるという、日活お得意の展開。メロとアクションの混合は、なにげに珍しい。
 知り合った人たちが、みな、なにかの縁で繋がっているという、メロドラマのお約束も好ましい佳作。
 
 メロドラマとしては、そこは慣れない日活のこと、いろいろ不思議の違和感はあるが、絶対の魅力、芦川、葉山、二本柳、山根の素晴らしさに、なんとも。
 宍戸錠、細身の顔に、しゃれにならない酷薄さ。本当に、悪い奴に、見える。
 当時としては珍しい整形をして、ほおにふくらみを持たせて、コミカルにしたのは正解で。そうしなければ、相当陰惨な役柄しか、与えられなかったに違いない。本作には、陰惨な、整形前の、色悪が見れる。これでは、スタアには、なれない。そう自覚しての、整形だろうか。
 西河克巳の手堅い演出も光る。
 かつて、ぼくが若い頃、西河克巳なんてものは、ぬるいアイドル映画(吉永小百合から山口百恵、その他の有象無象)専門監督と馬鹿にしていたのだが、何の何の、最近幾つかの映画を見るにいたって、捨てたモンではない、と再注目しているのだ。

にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
にほんブログ村 名作・なつかし映画


人気ブログランキング・日本映画

by mukashinoeiga | 2011-05-17 00:36 | 芦川いづみ:青春快談いづみ晴れるか | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード