瑞穂春海「見事な娘」
阿佐ヶ谷にて。「昭和の大流行作家 源氏鶏太の映画アルバム 日々哀歓」特集。56年、東宝。
微妙な既視感あり。たぶん、いにしえの浅草東宝オールナイト当たりで見たものか。しかし、まったく未見作同様楽しめる、ぼくの記憶力。
明朗ビジネス・ガール(BG、これは売春婦という意味だということで、OLに改変された)司葉子。
同僚BGの妊娠、相手の金持ち男(伊豆肇)に交渉にいく司。これが、女を人間扱いしない卑劣菅。もとい、卑劣漢。というところで、卑劣兄の、弟・小泉博と出会う。こいつは、兄と違い、さわやか好青年。
小泉の両親に、斎藤達雄・吉川満子。このふたりが、詫びを入れに司葉子の家に行くと、司の父は笠智衆。ああ、戦前松竹ホームドラマ・ファンからしたら、斎藤・吉川・笠のならびに、感慨深い。戦後の東宝映画に、戦前松竹の遺産あり。もう、安心感以外の何物でもないよね。
振られ役・小林桂樹にも、味があり。抜群の安定感。
長い小説を、めちゃくちゃダイジェストしたんだと思うが、ああ、やっぱり、源氏鶏太の、生ぬるさが、いいなあ。
by mukashinoeiga | 2011-02-21 23:57 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)