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石井輝男「日本ゼロ地帯 夜を狙え」竹脇無我三原葉子吉田輝雄香山美子アラカン山茶花究菅原文太

 渋谷にて。「石井輝男・怒涛の30本勝負!!」特集。66年、松竹。
 新東宝往年の(と、いっても、この4、5年前だが)ライン・シリーズの、本家本元を招いての、石井輝男「日本ゼロ地帯 夜を狙え」竹脇無我三原葉子吉田輝雄香山美子アラカン山茶花究菅原文太_e0178641_2058394.png 松竹版ラインもの、とおぼしいが。 石井輝男が出張ってくれば、やはり、もれなく三原葉子も、吉田輝雄も、ついてくる。菅原文太も、ほんの、ちょい役でチンピラヤクザ。というか、もともと吉田も菅原も、松竹の人だったわけで。
 東京の夜をさまよう竹脇無我。そそ、と近づく三原葉子。
「女をお探し?」
 かくて、大企業社長秘書の竹脇、三原オススメの女に東京の夜を案内してもらう。外国船を利用した高級ナイトクラブ。そしてホテル。
 お相手の、どう見てもケバい化粧のケバいお姉ちゃん、なのに竹脇「君みたいな美少女と夜をともにできるなんて、最高だよ」
 えっ美少女? どう見ても二十代半ば以降だろう。
 ところが、翌日、三原が脅迫にかかる。「大企業のエリート社員が、17歳の生娘と、一夜を過ごすなんて」、とホテル隠し撮り写真まで。えっ17歳? 生娘?
 しかし、三原は、脅迫が本旨ではないという。社長秘書の竹脇に一流企業の幹部たちを、紹介して欲しいのだという。
 そして、メモを渡してくる。
 メモには、5誌ほどの週刊誌の誌名とページ数が書かれている。
「そのページのグラビアの女で、お好みがいたら、どの女でもご指名できるのよ」と三原。
 う~ん、すごい組織力の売春グループだ。
 竹脇は正体を明かす。実は、私は同じ売春組織の関西支部のものだ。東京本部の、売春のノウハウを探りに来たのだ。
 さらにさらに、実は、竹脇は、同業を装った、潜入捜査官であることが、後に判明するのだが、いやあ、無理やりな設定だ。そうだよね、竹脇が、悪い組織にいるわきゃないよね。
 しかし、実は、竹脇が、この映画の主人公では、ない。
 竹脇を導入として、真の主人公は、吉田輝雄なのだが、そして、こちらのほうにも、ふかーい話が、香山美子とアラカンのあいだにあるので、時代は、戦争中にさかのぼる・・・・のでは、あるのだが。
 もー、どうでもいいよ(笑)。
 石井輝男としても、たいした映画ではないし。
 1960年前後に、新東宝で、ソフトなエロチック路線で、可憐に輝き、70年代の東映で、毒々しくエログロ路線を開花させた石井の、時期的にも、松竹という会社のカラーとしても、いずれも、中途半端な舞台で、半端な出来の映画、としか、言いようもなし。
 戦中、戦後を通じ、冷酷な組織のボス、山茶花究が、例によってグッド。

by mukashinoeiga | 2010-08-12 21:07 | テリー石井 恐怖奇形番外地帯 | Comments(0)

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