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村山三男「続・鉄砲犬」

 神保町にて。「”目力対決”再び!!・田宮二郎VS天知茂+成田三樹夫」特集。66年・大映東京。
 神保町の、昨秋企画「目力対決・田宮二郎と天知茂」特集で、好評だった「宿無し犬」「ごろつき犬」、通称犬シリーズ、残りの4本を、改めて特集したもの。といっても、このシリーズ、全9本というから、まだまだ、残っている。
 今回、ぼくは、たまたま、これのみを見た。
 ぼくにとって、犬シリーズが<鬼門>なのは、何本か見てはいるのだが、なんせ、タイトルが「喧嘩犬」「鉄砲犬」「野良犬」と、ぼくのハチミツな記憶力では、まったく識別できない(笑)。見に行ったら、見てました、という可能性が、かなり、高いのだ(泣)。
 今回の「続・鉄砲犬」は、見たら、初見のようで、一安心(喜)。
 監督の村山、いま、その「氷雪の門」(既見)が、渋谷で堂々、リバイバル中。
 そもそも、この犬シリーズ、タイトルも識別困難だが、それぞれ毎回起こる事件は別にして、中身も、ほぼ、同じ。
 ガン捌きもすごいが、ぺらぺら良くしゃべる田宮二郎のコミカル演技を最大限に生かしたシリーズで、相手役も、決まっている。しょぼくれ刑事・天知茂、これまた良くしゃべる、ダイナマイト・ベィビィ坂本スミ子、この、鉄板なコラボが楽しめるのは、犬シリーズ、だけ、なのだ。
 ニヒルな、ダンディ男を得意とする、田宮・天知の、この、漫才みたいな掛け合いの、楽しさ。
 魅力的なコメディアンヌ、坂本スミ子が、たっぷり見られるのも、犬シリーズだけ。何で、もっと、使われなかったのか、不思議なくらいだ。天真爛漫で、田宮との、コメディ相性抜群。
 本職が歌手のスミ子が、さあ歌おうというところで、肩透かしで歌わせない、その楽しさ。
 この関西弁コミカル・アクション・シリーズ、脚本は、藤本義一。プログラム・ピクチャアとして、まったく、完璧。
 ちなみに、藤本義一は、かの永六輔と、いとこ同士、という説を聞いたことがあるが、本当か。
 たしかに、顔も似ている。東西に分かれて、放送作家から、TV司会者へと、その道筋も、似ている。しかし、この手のことに目ざとい、マスコミが、黙っているが。うーむ。
 なお、以上の「続・鉄砲犬」説明では、ぼくが同じ映画を知らずに再見しないように、備忘録として存在している(笑)当ブログの、役に立たない。
 田宮ふんする孤高かつホームレスなガンマン鴨井大介が、ふとバーで一目ぼれした謎の女・久保菜穂子に、美術商の父・河津清三郎を、紹介される。実は河津は美術商ではなく、密輸団のボス、久保の父、ではなく、パパ、なのだが。かくて、お宝(実は密輸品)護送騒動に巻き込まれる。
 久保「護送する車、運転して」
 田宮「それは勘弁。わい、住所不定、やって、免許証、ありまへんがな」
 たいていの娯楽映画の、さすらうヒーローも、こんなことは、いいまへん。鴨井はん、妙なとこで、律儀ですねん。
 本作でも、貧乏な宿無しなのに、「女からの、金は受け取れまへん」と、男の意地。
 金を渡したいスミ子「あら、そ」と、札束を、落とす。
 拾う田宮。「この金は、拾ったンや。女から、施し、受けたんと、ちがう」

 悪役は、河津の部下に、杉田康、仙波丈太郎、見明凡太郎、と、いつもの、濃い面々。川津の秘書(実は、河津の愛人にして、さらに実は、河津と敵対する組の若いモンの恋人で、河津を裏切る)が、なかなか、可愛い。
 これに、芸術関係の仕事、と称して浅草のストリッパーになる、坂本スミ子が、田舎から母親が出てくる、東京でセレブ生活、という嘘の手紙を出していて、それが母にばれたら・・・・「うち、かなわんわあ」
 かくて、事件の合間に、田宮は、フランク・キャプラ「一日だけの淑女」(題名失念の自作リメイクのほうが有名、たしか「野郎どもと女たち」?)ばりに、スミ子を<一日だけの淑女>に、仕上げていく。
 いやはや、いそがし男でおまんなあ鴨井はんも。
 もちろんキャプラ「一日だけの淑女」は、デイモン・ラニアンの大快作<レモンドロップ・キッド>シリーズを原作とする。ああ、このレモンドロップ・キッドも、田宮二郎に、ぴったりじゃないか。喜劇もうまい三隅研次カントク、脚色義一つあん、田宮、天知、坂本、成田、ほか大映オールスタアで、見たかった!!

by mukashinoeiga | 2010-08-10 21:50 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

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