井上和男「新・事件記者 大都会の罠」

 神保町にて。「映画少年の夢」特集。66年・東宝。
 当時の人気TVドラマの、映画化第1弾。上映順が逆だったので、先に見た、映画化第2弾の井上和男「新・事件記者 殺意の丘」がよかったので、期待して見たら、つまらない凡作でした。
 清涼飲料、その名も「Qポン」の、宣伝ショーで配られた見本品に、毒が入れられ、集団食中毒。さらに、より毒の強いQポンで死亡事件も。死んだ娘の妹に、大空真弓。取材に通ううちに、親身に相談に乗る、三上真一郎記者。
 まあ、Qポンの会社の社長が、金子信雄なので、おのずと、犯人は、わかってしまうのが、痛いところ。後半は、いささか、荒唐無稽な追跡劇になり、<リアリズム>は消えて、つまらない映画に、なっていく。
 なお、本シリーズ音楽は、TV以来のスタッフで、渡辺岳夫。先ごろ亡くなったナベタケ音楽は、ジャズを基調にした、軽快なBGM。脇役辞典的には、隣家の若水ヤエ子が、いつもながら、グッド。

●追記●おお、そうだ。毎度毎度テキトーに書き流しているので、いつも、肝心なことを書き逃す。この凡作の、唯一のキモも、書き逃すとこでした。
 事件解決後、警視庁記者クラブに、大空真弓が、お世話になりました、とお土産の菓子持参でやってくる。いや、記者の皆さんが、被害者遺族にお世話したかどうかは、はなはだ疑わしいが、たぶん、大空としては、その記者のなかの三上青年に、ピンポイントだろう。残りの記者連は口実で。
 ちなみに三上真一郎、その立ち位置の感じからして、TV版のレギュラーではなく、映画化に際して、恋愛要員として、追加されたのではないか、という、オリジナルTVドラマを知らぬ身で、推測。しかし、この頃のTVドラマは、もう、永久に、見れないのだろうか。
 東宝映画ながら、監督も三上も松竹がらみ。その他レギュラーも含め、映画会社的には、各社混合の脇役たち。この脇役中心の混成部隊が、TVドラマに成功をもたらしたのだろう。
 そうそう、この映画のキモ。大空は記者たちに取り囲まれ、ちやほや。ところが、各社に次々入電。新たな事件の発生。
 みんな、急いで、出て行く。肝心の三上も、率先して取材に。
 無人の記者クラブで、大空真弓は微妙にほほ笑み、やがて、去っていく。そこで、エンド。
 ああ、この、ビターなエンドが、決まらない。決まらないところが、凡庸な井上バンの限界なのだろう。これが、たとえば、鈴木英夫ならね。

◎追記◎
★新・事件記者 大都会の罠 | Movie Walker★
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by mukashinoeiga | 2010-07-22 21:29 | 映画版「事件記者」シリーズ | Trackback | Comments(0)

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