森永健次郎「交換日記」

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン54・和泉雅子」モーニング特集。63年・日活。
 「非行少女」「川っ風野郎たち」と、同年の和泉雅子主演作ながら、あの2作の中学生役から、より実年齢に近いはずの高校三年役。ただし、シリアス風の路線から、いきなり、日活青春ドラマの、定食的定番へ。
 和泉雅子も、きゃぴきゃぴした女子高生。何か、中学生のときの彼女より、幼さが、強まった感じなのが、おかしい。娯楽映画のヒロインだものなあ。
 しかし、和泉雅子の個性というか、やはり暗い横顔というのもあり。交換日記の相手、同級生の山内賢も、一応青春の悩みを抱えるのだが、まあノー天気な山内の悩みより、憂いを帯びた和泉雅子のほうが、<深い>よね(笑)。
 山内も友達とウィスキーがぶ飲み、和泉もビールで大人の世界。でも、「オレ、タバコだけは、絶対吸わないんだ」「タバコ吸うなんて、不良だわ」この差は、なに。
 和泉の母に初井言栄、山内の親に、小夜福子&清水将夫。ふたりの同級生の親に、東美恵子、そのパトロンに嵯峨善兵。お堅い教師に奈良岡朋子。周りを取り囲む大人たちに、安定した力量の役者たち。
 この安定感。この磐石の感じは、いまの映画の脇役陣には、求められないもの。
 映画自体は、まあ、森永健次郎だもの、傑出したものはなし。
 ただ、一箇所、和泉が自室で山内に日記を書いていると、その窓の外に、いきなり山内の部屋が接して、あり、山内が、その和泉の日記を机で読んでいる。ふたりの部屋は、もともと、離れており、この連結場面のセットに、面白さを感じる。
 ただし、それが、映像的快感をあおることも、違和感を出すこともなく、凡庸に、おわる。
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by mukashinoeiga | 2010-07-15 09:56 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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