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鈴木則文「温泉スッポン芸者」

 池袋にて。「鈴木則文・映画まつり」特集。72年・東映。
 さきに、三原橋の銀パトで見た、鈴木則文「温泉みみず芸者」池玲子の、セーラー服の妹・杉本美樹が主演に昇格、スッポン芸者になるの巻、まあ、ほとんど同じ話で。
 出てくる面々も、ソクブン組常連で、変わり映えせず。これで、毎度おなじみのお気楽話、と行けば、まあ御の字だが、
いや~長い長い、高々84分の映画が、延々続く。体感上映時間2時間13分くらいか。
 この映画を見ていると、似たような、C調お間抜けギャグ・ポルノでも、山本晋也のスゴさが、しみじみ、わかる(笑)。コメディもポルノも、センスが命、というか。鈴木則文のエロ・コメディを見るなら、山本晋也のエロ・コメディを見る方を、オススメしますね。
 鈴木則文が、その真価を発揮するのは、80年代のティーン向けコメディ「パンツの穴」や「伊賀野カバ丸」などの諸作を、待たなければいけないようだ。根っからの、中坊マインドなのだろう。中坊が、セックス語って、面白いわけないよね。
 非ソクブン組としては、「十三人の刺客」の、絶品バカ殿・菅貫太郎が、珍しく、二枚目の役。まあ、鈴木則文映画でなければ、二枚目役は出来ないだろう。菅貫、よく見れば、結構いい男なのだが、まあ、いかんせん、華がない。
 おなじみ宴会&セックス・シーンの、ゲスト出演が豪華(笑)。
 田中小実昌、団鬼六、漫画家・福地泡介、などが、麗々しく<名前(作家)>とクレジットで登場して、痴態?演技を披露。まあ、数をこなしている、則文組常連・田中小実昌を除いては、学芸会ですけどね。
 笑っちゃうのは、殿山泰司。
 <作家兼俳優>と、クレジット。
 確かに、殿山の快エッセイの数々をぼくは楽しんで、クイクイ読んではいるのだが、エッセイストと、作家は、ちゃうやろ。その辺のアバウトさが、いかにも東映やねえ。もはや、東映とは、そういうアバウトなもの、というのを自己模倣しているかのような、しょうもない脱力ギャグだろ。
●追記●当時「木枯らし紋次郎」シリーズで人気の笹沢佐保も、出演。一応、やくざの組長の役でまあ、ちゃんと「演技」しているのに、<笹沢佐保(作家)>と、クレジット。ドラマなんだか、ヴァラエティーなんだか、立ち位置が不明で。笹沢親分の取り巻き役で、監督の盟友・菅原文太がカメオ出演。

by mukashinoeiga | 2010-05-25 22:00 | 不良スズキ伝則文みみず芸者 | Comments(0)

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