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池広一夫「泥棒番付」

 神保町にて。「娯楽の王様・時代劇黄金週間」特集。66年・大映京都。
 幕末、京都の池田屋で大乱闘。それを近所の屋根で眺めて、こんなに物騒な世の中になっちゃあ、おちおち泥棒もしていられないなあ、とドロ的勝新。
 勝新が、泥棒稼業を隠すために、盲目の按摩にふんする、にこにこサーヴィス。さすが、もの慣れてます。
 珍しくいいほうの役の内田朝雄与力の計らいで、泥棒の過去不問、新撰組のみぶろ屯所に、屋台を出すうどん屋に。て、新撰組の前に屋台出す、って、明らかに怪しいだろ(笑)。いかにも、新撰組の内情探ってます、という。協力者に、浅田真央を美人にしたような、小林哲子、大映地味美人。
 五味龍太郎(近藤勇)戸浦六宏(山崎丞)ら新撰組が屋台の前で浪士を大殺戮。勝新、ぶれない。お客は腰を抜かして、声もなし。このお客、神保町シアターが配る配役表では、なんと遠藤辰雄。せりふなしなので、気がつかなかった。声がでれば、あの独特の声ですぐわかったものを。しかし、遠藤辰雄、せりふなしの役があったとは。さすが、大映。
 さすが大映、といえば、こういう通常プログラム・ピクチャアなのに、美術が圧倒的。江戸時代の家並みの合成、ほんの少ししか映らないオープンセットも、ため息。そして、今では再現不可能なエキストラの<量>。
 伊藤大輔の脚本だから、クライマックスには、屋根上の勝新を取り巻く、御用提灯の数々、乱舞。
 あとは、やはり伊達三郎ですね。今日見た「天下あやつり組」とともに、出ている。大映時代劇を二本見たら二本とも、三本見たら三本とも、出ている伊達三郎。伊達三郎こそ、ザ・大映だ。油断していると、大映東京の現代劇にも出てるものなあ。

by mukashinoeiga | 2010-05-11 22:17 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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