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佐伯幸三「傷だらけの人生」

 三原橋にて。「プレイバック!~今よみがえる、あの日の2本立て~特集」。73年・東映。
 「温泉みみず芸者」との、公開当時と同じカップリングを<再現>。
 鶴田浩二主演で、その熱血兄弟分に若山富三郎、若富のこぶんに待田京介、後ろ盾の大親分に石山健二郎。こっちがいいほう。
 で、悪いほうが、もちろん当然、天津敏、その後ろ盾の大親分が遠藤太津朗。
 なんという磐石の安定感。
 悪いほうの奴らが、いい野郎どもをいびりにいびる不条理、じっと耐える鶴田、東映仁侠映画毎度毎度おなじみのワンパターンに、不覚にも、やはり泪目になってしまう。寄る年波でただでさえ泪目になることが多いので、やむをえないか。泣くまいと思っても、泪目。泪目銀座や。
 「温泉みみず芸者」の方はきれいなニュープリで、こっちのほうはフィルムも傷だらけで飛びまくり。傷だらけのプリントは、ヒット作の証しでもあり。で、実は監督クレジットも飛んでいるので、佐伯幸三監督作という確信はないのだが(笑)、まあそんなものだろう。まさか山下耕作と言うことはあるまいなあ(笑)。この種のプログラム・ピクチャアで、監督の差異はほとんどないに等しい。調べてもいいのだが、佐伯幸三であってもなくても、もはや、どうでもいいことなのだ(笑)。
 ただ、わたしは、この映画で、泣かされました。ああ、鶴田浩二はいいなあ。若富はいいなあ。石山健二郎はいいなあ。天津敏も、遠藤太津朗もいい。鶴田浩二は、遠藤太津朗との談判のワン・シークエンスのみ、目の白目のところがただれているのだが(ものもらい?)そうであってさえ、男前。異形でありつつ男前なのは、より美しいと思うぞ。
 天津敏の有象無象の子分のひとりに、川谷拓三。もちろん同時上映の「温泉みみず芸者」で、ヒロインに「おっぱい吸うのは三千円よ」とぼったくられるチンピラ役で出演しているのはいうまでもない。

by mukashinoeiga | 2010-04-05 21:27 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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